ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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ロックスの儲け話5

「ロッキー、今からでも黒炭のババア降ろして上位互換のイヌイヌの能力者探せねえのか」

 

「どんだけ、ひぐらし嫌いなんだよ、王直。おれがこの計画始動するのに何年かかったと思ってやがる。いくら悪魔の実としては上位互換でもひぐらしほど使いこなしてる奴はいねえんだ。覚醒してるならイヌイヌよりよっぽど使い物になるからな。何度も言わせんな、おれの船は利害が一致してる間乗ってりゃいいんだ、気に入らねえなら降りろ。海賊は自由じゃなきゃならねえ。正直おまえにだけは降りてほしくねえが」

 

「......」

 

「だいたい、いくらおれがヤミヤミで付け替えできるとはいえ、ひぐらし以上の逸材がいねえと代理は無理だ。そんだけひぐらしは作戦の根幹なんだ、わかるだろ?そんなに気に入らねえなら、お前が代わりになるやつ連れてこい」

 

ぐうのねもでない王直は不機嫌なまま言い返した。

 

「200年前の再来ってなら、光月やミンク族入れなきゃ意味ねえだろう」

 

「馬鹿いえ、そんなことしたら最後、ひぐらしが船降りちまうじゃねえか」

 

「じゃあなんで東の海に近づきもしねえんだよ、ロッキー。あっちにゃゴア王国やフラウス王国もあるじゃねえか。2票はでけえぞ」

 

「東の海だけはダメだ、代々海軍に入ってるDがいる。それに200年前の再来警戒してんだ、世界政府の監視が他の海よりきつい。海軍の支部が多すぎる。世界で一番平和な海ってのはちゃんとした理由があるんだよ。200年前の革命の火だってどこまで残ってるか怪しいもんだ。オイコットの現状みりゃわかるだろ、不自然なまでに内紛が多いじゃねえか。かつてのスポンサーはのぞめねえ。現に今、海軍のDはロジャー追っかけて管轄ほっぽらかして、世界の境界完全無視して、追いかけるような奴じゃねえか。ほんとにロジャーが目的か怪しいもんだ。おれ達の計画がめちゃくちゃになったらどうすんだ」

 

「接触できりゃ人によっては仲間に引き込むことができそうなんだがなァ......」

 

「わからねえもんは仕方ねえ、ロジャーにしか興味ねえみたいだからな。どのみち海賊にゃ悪魔みてえな男だ、おれは好かん。なにが血が流れなきゃそれは平和だ。Dのくせに革命の火を忘れたあげくにゴア王国に潜伏した意味を忘れやがって」

 

「ならロジャーは?ローグタウン出身なんだろ、始まりと終わりの街だ」

 

「まァ、機会があればな」

 

「200年前の革命の火が上がった場所だしな、ひとりやふたり残党の末裔はいるんじゃねえか?」

 

「だといいがな、今の今まで会えなかったんだから仕方ねえ。これも世界政府に支配されたこの世界における巡り合わせだ。あいつの回ってるとこ考えたら、もしかしたらとは思うんだがなァ」

 

「エースの回ったとこばっかだな」

 

「それに人魚姫かかげてて、ロジャー、海賊旗のひげ......この世に意味がねえ名前がないっていうお前の話が本当なら、あとはエースかアンさえどっかにあればわかるんだがな......」

 

「わかんねえな......」

 

「どのみちジョリーロジャーそのものが奴隷の歴史と不可分かもわからねえミーハーならお断りだ」

 

ジーベックはいつも不機嫌になった。

 

「おれはな、王直。ほんとはおれの船にゃお前みてえなDや歴史の本文にかかわる人間以外は乗せたくなかったんだよ。リンリンやお前は先祖帰りだろうし、かかげる夢は気に入ったからまだ我慢できたが、ニューゲートだけはだめだ。なんの証拠もねえ、非加盟国だけだ、理由は。しかも夢がねえ、故郷に金を貢ぎたいだと?国の再興すら考えねえとかイカれてんのか、カイドウすら暴力の世界って夢かかげてんのに。だからウオウオ渡そうか考えてんだぞ、おれは。そのくせ強さを欲しがってることだけは理解してるのが腹立つ」

 

「まあまあ、夢くらい見させてくれよ、ロッキー。170年もたってんだ、混血もだいぶ進んでる。土壇場で裏切り者がでないことくらい夢みてもいいだろ?」

 

「どうだかな......おまえは絶対裏切らねえのはわかってる。カイドウはまだ見習いだからまだいい。だがニューゲートはわからねえ。だからゴッドバレーに行くんだ、おれは。ここだけの話、おれはお前の信仰が好きだから誘ったんだぜ。仏の次に菩薩がいて神がいるってんだ。それが滅ぼされたあげくに古代兵器につぶされた。まさにその仏すら世界政府に使役されてる血も涙もないこの世界をよく表してるじゃねえか。ジョイボーイが神ならなんで900年前、おれ達は救われなかった?連合国側がハナからおれ達を今の境遇から解放するつもりじゃなかったのは、トンタッタの境遇みれば明らかじゃねえか。騙されたんだよ、おれ達は。ジョイボーイを驕る人間だったのは明らかだ。ジョイボーイが神ならおれ達は今頃普通に暮らせてたんだからな」

 

「......」

 

「いつも通りに作戦は伝えろ。裏切らなかったら仲間として本懐を話す。裏切ったら次期国王と人魚姫に見せつけて世界政府への不信感を決定打にできる。一か八かの賭けだ。今回だけはなんもいうなよ、王直。未来ってのは刻一刻と変わるもんなんだろう?経過はどうでもいい、結果が全てだ。ニューゲートで決める。Dや歴史の本文にかかわる奴ら以外の人間が信頼に値するかどうか。こっからが正念場だ」

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