ロストマンのセイリング・デイ(王直→ホーミング 番外編)   作:アズマケイ

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シキと王直

私が王直だとバレた時、金獅子のシキになんで面白そうな儲け話からはぶりやがったんだとキレられた。無理を言わないでほしい。38年のあの日からリンリンとカイドウ以外の全員が壊れたんだ。どんな末路をたどったか見てきた私だ、あの時はエッドウォーで殺してやるのが慈悲だと本気でおもってたんだよ。

 

まさか悪魔の実まで独占してたのが崩壊したから、あそこまで世界政府がシキを生かすとは思わなかったんだ。

 

久しぶりにバロンターミナルに再会したシキはあのときみたいになっていた。

 

「は?ダフト病?えらい時代遅れな薬が欲しいんだな、シキ?メルヴィユに咲くI.Qから特効薬を作ることができるだろ?」

 

「今から作ったら戦争に間に合わねえだろうが!仕方ないだろう!ロジャー勧誘ついでに探し回り、やっと見つけてからずっと狙ってたメルヴィユだ。いざ拠点にようとしたら、ダフトグリーンが、まさか毒性をもつ原種だとは思わんだろうが!!ルスカイナは無毒だからそうだとばかり思ってたんだ!」

 

「リトルガーデンのケスチアじゃあるまいし」

 

「あ?絶滅したんじゃなかったのか?」

 

「麦わら一味の泥棒猫が感染したらしい、さくら王国に治療にきてたそうだ」

 

「なつかしいな!たしかあん時はおれも痛い目みたな!ババアは元気か?」

 

「相変わらず長生きの秘訣はハッピーだそうだ。「ケスチア熱」は、40度以下に下がらない高熱・重感染・心筋炎・動脈炎・脳炎などを引き起こす。この病気は別名「5日熱」と呼ばれており、処置を施さなければ発症から5日後には死に至る。「ケスチア熱」は、「ケスチア」という有毒のダニに噛まれることで発症する病気である。「ケスチア」に噛まれると、噛まれた箇所に特徴的なアザができる。そして傷口から細菌が入り、症状を引き起こす。高温多湿の森林に住んでいるのだが、約100年前に絶滅したとされている絶滅したから感染するのは海賊だけ、実に合理的だ。巨大な王国では単なる風土病だったんだから、古い病気だったろうに」

 

「ゼハハハハ!変わらねえなあ!あいかわらず陰謀論者だな、王直!いやホーミングか?」

 

「呼ぶ気があるならホーミングにしろ」

 

「覚えてたらな!そうそう、カイドウんとこが、氷鬼とミイラつくったんだってな!?その薬もよこせ!」

 

「金は払えよ」

 

「ゼハハハハ、まかせろ。奪ってきたからな」

 

私は宝箱を受け取る。赤髪のシャンクスはシキが執拗に戦争する理由をどこまで気づいているんだろうか。

 

ちなみにダフトグリーンとは巨大な王国と繋がりがあった国が昔あった島に共通して存在する動物たちが嫌う特殊な臭いを発する樹木だ。シキ曰く、危険な動物を近づけなくさせるため、メルヴィユの集落やシキの要塞に、その周囲を囲むように植林したそうだ。

 

なにせ月の資源がある環境だ。異常発達する動植物との生存競争に負けて滅亡するか、文明を捨てて古代人みたいな生き方をするか、発達しすぎて資源を枯渇させて月になるか、頑張って維持するかしかない。

 

シキは生まれて初めてできた拠点だからどれだけやれるか国ごっこに張り切っている。感性が27年前から止まってるだけある。

 

ダフトグリーンは人類の安全圏を約束するかわりにその原種の臭いの粒子には強い毒性があり、人が多く吸い込むと、体に緑の斑点ができて体が動かなくなる「ダフト」という病気になる。

 

「無害なダフトグリーン植林するか?たぶんオハラはダフトグリーンが最初に植えられたところだよな......この時代から無毒なやつがあったんだ。メルヴィユがオハラより前に植林されてるが」

 

「そんなに古いとこなら、一気に発展させたらおもしろくねえだろうが!あ、そうだ。メルヴィユに電気を放つ鳥がいたぞ。ほしいか?」

 

「欲しいな」

 

「よし、メルヴィユには原始的な村しかねえからな、国のことわかってねえやつしかいねえんだ。村長よこすから、今度の定例会にいれてやれ。おれはまだ戦争してえからな、王はまだいらねえ」

 

そう、ダフトグリーンはアラバスタにある豪水やESの起源であり、原材料である。どちらの国もすでにダフトグリーンはない。世界政府は巨大な王国がかつてかかえていたメディアと医療部門と軍事部門とエネルギー資源、化学分野の全てを独占し、研究の過程で起源を調べることすら死罪にすることで今の世界秩序を守っている。

 

ダフトグリーンの対処法を忘れた巨大な王国の末裔達は対処法がわからないまま病で自滅してきたのだ。

 

この世界の歴史上存在してきたと思われるあらゆる分野の偉人達はかならず禁忌に触れて処刑されるか、世界政府に取り込まれるか、良心にたえられず革命を志して敗北するの歴史を繰り返してきているのだ。

 

いや、いたと言った方が正しいか。リュウグウ王国もドレスローザもアラバスタにも儲け話だから密約を交わしたのはそのせいだ。バレたら国ごと滅亡コースだと伝えてはいる。

 

このまま平和的にいくのもありかと思ったこともある。

 

16年前のあの日、タイガーと共にマリージョアを襲撃した私とイールは交渉するか、五老星を皆殺しにするか、全面戦争するかギリギリを見極めようとしていた。私はまだ能力者じゃなかったから、なんらかの能力者である彼らに探知されない方法として、ダフトグリーンから抽出した成分をつかった兵器で潜入できた。今は能力者になったから、慎重につかわないと動けなくなるが。

 

そしたら、神にひれ伏す五老星がいて、その日、空島バロンターミナルと繋がる前で協定に入っていなかったアディオの空島は青海に落とされたのだ。退却するしかなかった。

 

まさか青海に落とされた空島の末路が沈没じゃないなんて知らなかったため、アディオ達の救出が遅れてしまった。謝罪はした。ドフィの部下にこそなってくれたが、心が理解できない私にはその内心はわからない。誰にも殺されてやる気はないがうけてたつとは伝えてある。それより仕事を減らしてくれと言われたがそれはドフィにいってくれ、私はしらん。メルヴィユの前例があるだなんてわたしは知らなかったんだ。

 

先人に学びたいのに死罪になることを先に知ってしまった私に夢なんてあるわけないだろ、どうしろっていうんだよ。あの日、本音をこぼした私に夢を見せてくれた男はもういないんだ。

 

ベガパンク博士には危なくなったら戦争の口実にしたいからぜひ教えてくれとは伝えてある。めっちゃ嫌そうな顔をしてたから、海賊王になりたい誰かに助けを求めるかもしれないな。世界政府の決断はバスターコールか、古代兵器プルトンか、中間の艦隊か楽しみだ。

 

「あ、そうだ。インディゴ博士の爆発する薬品買わせてくれ」

 

「ゼハハハハ、いいがたかくつくぞ!」

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