Fate/Grand Order with 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 作:Million01
この話を6時間ぐらいで書きました。ストーリーを振り替えながら書いていました。
長いなぁ、と思いながら頑張りました。
そういえば今日はエイプリルフールでしたね。嘘といえばこの男、桃井 タロウ。嘘をついてしまえば……
プロローグ
人理継続保障機関フィニス・カルデア。通称『カルデア』。
その施設に一人の男がやってくる。名を桃井 タロウ。
彼は配達員であった。ただの配達員ではなく、配達先では縁を結び困ったことがあれば助けるということを行う男だった。
そしてたまたま配達した先で困り事を承諾すると、このカルデアに連れてこられたのだ。
「フォーウ!」
その桃井 タロウの足元に奇妙な生き物がやってくる。真っ白な体毛の犬や猫に近い謎の小動物だった。
なんだ?この生き物はとタロウが見下ろした。
「フォウさん、どこに……あっ」
背後から声がしてタロウが振り向いた。桃色のショートカットの髪に右目が前髪で隠れた眼鏡をかけた少女。
タロウとその少女の視線がぶつかった。
「アンタは……」
誰だ?と言いかけたところさらにその背後から男がやってきた。
「ああ、そこにいたのかマシュ。だめだぞ、断りもなしで移動するのはよくないと……」
緑色のタキシードとシルクハットを被った長髪の男性。
「おっと、先客がいたんだな。君は……そうか、今日配属された新人さんだね」
そしてその男がタロウの方に気付いた。
「私はレフ・ライノール。ここで働かせてもらっている技師の一人だ。君の名前は……?」
「桃井 タロウだ」
ハキハキとしてレフへと名乗る。
「ふむ、桃井 タロウ君と。収集された48人の適正者、その最後の一人というワケか」
レフ・ライノールと名乗った男がタロウへと手を差し伸べる。
「ようこそカルデアへ。歓迎するよ。一般公募のようだけど、訓練期間はどれくらいだい?一年?半年?それとも最短の三ヶ月?」
「訓練?いや、そんなのはやったことがないな」
タロウがその差し伸べられた手を握って握手を交わした。
「ほう?という事は全くの素人なのかい?───ああ、そういえば数合わせに採用した一般枠があるんだっけ?」
レフが思い出したかのように独り言を呟いた。
「君はその一人だったのか。申し訳ない。配慮に欠けた質問だった。けど一般枠だからって悲観しないでほしい。今回のミッションには君たち全員が必要なんだ。
魔術の名門から38人、才能ある一般人から10人……なんとか48人のマスター候補を集められた」
「これは喜ばしいことだ。わからないことがあったら私やマシュに遠慮なく声をかけてくれたまえ」
さて、とレフが思い出したかのように口を開いた。
「もうすぐ所長の説明会が始まる。君も急いで出席しないと」
「説明会?」
「はい。桃井さんと同じく、本日付で配属されたマスター適正者の方達へのご挨拶です」
「要は組織のボスから浮ついた新人へのはじめの
5分後に中央管制室で説明がはじまる。この通路をまっすぐ行けばいい。急ぎなさい」
レフが奥にある一扉を指を指す。タロウは彼に言われた通りそちらの扉へと向かった。
入った部屋は奇妙な空間だった。無機質に椅子が並べられた部屋に何十人もの男女が座っている。部屋の一番奥には奇妙な装置が置かれていた。
少し大きめな地球儀にも似た装置。タロウはそれが何かはわからないが今は放っておくことにした。
タロウは伝えられていた番号の席へと向かった。
タロウを睨む女性がタロウが座ったことを確認すると口を開いた。
「全員揃ったようですね。特務機関カルデアにようこそ。所長のオルガマリー・アニムスフィアです。あなた達は各国から選抜、あるいは発見された稀有な───」
ズキリ、とタロウが頭痛を感じた。頭の中で何かの光景が見えた。
奇妙な鬼へと変わる人達に奇妙なスーツを着た者達。そして鬼を斬りつけていく自分という奇妙な光景。
この光景には見覚えがあった。
ついこの間、役目を終え消えた記憶。それが蘇ってくる。
お供達の顔や思い出。宿敵との戦いや共闘。あの一年の出来事が唐突になんの前触れもなく溢れてくる。
「!」
唐突な情報量にタロウの脳が処理しきれていないのかタロウの意識が遠のいていく……。
タロウが目を覚ました場所は廊下であった。
「大丈夫ですか先輩?」
前を歩いているマシュが声をかける。
「俺はどうしてここにいる?」
「先輩、説明会で眠ってしまって、所長の怒りを買ってしまいファーストミッションから外されたんです。いま先輩の部屋に案内していたところです」
「そうか……」
いつの間にかタロウの脳はあの出来事を処理し終えたようだ。
色々と気になることはあるがマシュが唐突に止まった。
「ここが目的地の部屋です。こちらが先輩用の個室となります」
「助かる」
「先輩の頼みごとなら、
「ところでなんでアンタは俺のことを先輩と呼ぶ?」
「理由ですか?先輩からはまったく驚異を感じないからです」
なるほどな、とタロウが納得する。
「キュー……キュ!」
タロウの肩にあの謎の小動物・フォウが乗ってくる。
「フォウさんが先輩を見てくれるのですね。これなら安心です。
それではわたしはこれで管制室に戻ります。運が良ければまたお会いできると思います」
「いや、俺との縁は超良縁だ。必ず会う」
「超良縁、ですか。それは心強いです」
マシュはペコリと一礼すると、来た道を戻っていく。
その姿を見送ったタロウは案内された部屋へと入っていく。
「はーい、入っていまー───って、うぇえええええ!?誰だ君は!?」
部屋の中で寛いでいる白衣を着た男がいた。
「それはこっちのセリフだ」
「ここは空き部屋だぞ、ボクのサボり場だぞ!?誰のことわりがあって入ってくるんだい!?」
「マシュにここが俺の部屋だと案内されたんだ。俺の部屋ではないのか?」
「君の部屋?ここが?あー……そっか、ついに最後の子が来ちゃったかぁ……」
男が残念そうに呟いた。
「いやぁ、はじめまして桃井 タロウくん。予期せぬ出会いだったけど、改めて自己紹介をしよう。
ボクは医療部門のトップ、ロマニ・アーキマン。なぜかみんなからDr.ロマンと略されていてね。理由はわからないけど言いやすいし、君も遠慮なくロマンと呼んでくれていいとも」
「桃井 タロウ。Dr.ロマン。これであんたとも縁ができたな」
「縁?まぁ、確かにここで出会ったのも何かの縁だね」
「ああ、だが安心しろ。俺との縁は超良縁だ」
「超良縁……?まぁ、いいか。あれ?君の肩にいるの、もしかして噂の怪生物?初めて見た!マシュから聞いてはいたけどほんとにいたんだね……どれ、ちょっと手懐けてみるかな」
ロマニはそう言ってタロウの肩に乗っているフォウに掌を見せた。
「はい、お手。うまくできたらお菓子をあげるぞ」
「…………フウ」
だが、そのお手を無視するように顔をそっぽ向いた。
「あ、あれ。いま、すごく哀れなものを見るような目で無視されたような……。
と、とにかく話は見えてきたよ。君は今日来たばかりの新人で、所長のカミナリを受けたってところだろう?」
「そうらしい」
「なら、ボクと同類だ。何を隠そう、ボクも所長に叱られて待機中だったんだ。もうすぐレイシフト実験が始まるのは知ってるね?スタッフは総出で駆り出されている」
「けど、ボクはみんなの健康管理が仕事だからやることがなかった。魔術師たちのバイタルチェックは機械の方が確実だしね。
所長に"ロマニがいると空気が緩むのよ!"って追い出されて、仕方なくここで拗ねていたんだ。でもそんな時君が来てくれた。地獄に仏、メル友とはこのコトさ。
所在ない同士、ここでのんびり世間話でもして交友を深めようじゃあないか!」
面白そうだ、いいだろう、とタロウはニヤリと笑う。
ロマニの口からカルデアの構造のコトを聞かされる。タロウにとってここはよくわからない場所だったので、そういう説明をしてくれるのはありがたいことだった。
「……とまぁ、以上がこのカルデアの構造だ。標高6000メートルの雪山の中に作られた地下工房で……」
ピピッ、とロマニの通信機に連絡が入ってくる。
『ロマニ、あと少しでレイシフト開始だ。万が一に備えてこちらに来てくれないか?
Aチームの状態は万全だがBチーム以下、慣れていない者に若干の変調が見られる。これは不安に来るものだろうな』
「やぁ、レフ。それは気の毒だ。ちょっと麻酔をかけに行こうか」
『ああ、急いでくれ。いま医務室だろ?そこから二分で到着できる筈だ』
プツリ、とそこで通信が切れる。
「ここは医務室ではないだろう?」
タロウがロマニを見つめた。
「……それは言わないでほしい…ここからじゃどうあっても5分はかかる……ま、少しぐらいの遅刻は許されるよね。Aチームは問題ないようだし
ああ、今の男はレフ・ライノールと言うんだ」
「先程出会ったタキシード服の男か」
「おや、面識があるのかい?」
「ああ、ここに来てからマシュと一緒にいた男だ」
「ああ、彼はマシュの魔術の顧問を勤めていてね」
「魔術?」
「ああ、一般人にはよくわからないよね。まぁ、こんな言い方をするのは怒られるんだけど魔法みたいなものさ」
そんは話をしているとフッと部屋の電気が消えてしまう。
「なんだ?明かりが消えるなんて、何か───」
プォーーーン!とサイレンスが部屋中に響き渡る。
『異常事態発生。異常事態発生。中央発電所、及び中央管制室で火災が発生しました。中央区画の隔壁は90秒後に閉鎖されます。職員は速やかに第二ゲートから退避してください。繰り返します。中央発電所、及び中央───』
「一体なにが起こっている……!?モニター、管制室を映してくれ!みんなは無事なのか!?」
アナウンスの中央管制室、という言葉に単語にタロウは聞き覚えがある。先程、自分がいた場所だ。
そしてマシュが戻っていた場所のはずだ。
ロマニが持っていた端末の画面にあるものが映し出される。タロウはそれが何かわかっていた。
「これは───」
燃え上がる中央管制室だった。装置の一部が崩れ落ちていてものすごい勢いで炎が燃え上がっている。
「桃井くん、すぐに避難してくれ。ボクは管制室にいく。もうじき隔壁が閉鎖するからね。その前にキミだけでも外に出るんだ!」
ロマニがそう言いながら部屋を飛び出していく。だが、桃井 タロウというのはこういう状況でそんなことはしない男だ。
「いや、何をしているんだ!?方向が逆だ、第二ゲートは向こうだよ!?」
「なぜ、避難しなければならない?人が危険な状況なのに見捨てるやつはいない」
中央管制室へと着いた。ロマニとタロウは生存者を確認しに行った。
生存者がいないことを確認すると、ロマニが地下の発電所へと止めに行った。
ロマニに早く避難するようにと促される。
『システム レイシフト最終段階に移行します。座標 西暦2004年 1月 30日 日本 冬木
ラプラスによる転移保護 成立。特異点への因子追加枠 確保。アンサモンプログラム セット。マスターは最終調整に入ってください』
なんだ?とタロウが謎のアナウンスに顔を顰めた。タロウは顔を顰めていると視界の隅で何かが動いた。
「…………………………、あ」
瓦礫に下敷きになっているマシュであった。
タロウはすぐにその場に近づいて瓦礫をどかす作業を始める。
「…………いい、です……助かりません、から。それより、早く、逃げないと」
「なぜ助からないと決めつける?まだ息があるだろう」
ググッ、とマシュを下敷きにしている瓦礫を持ち上げる。常人一人では持ち上がらない瓦礫を難なく持ち上げるタロウ。
『観測スタッフ(警告。カルデアスの状態が変化しました。シバによる近未来観測データを書き換えます。近未来百年までの地球において人類の痕跡は 発見 できません。人類の生存は 確認 できません。人類の未来は 保証 できません』
アナウンスがワケのわからないことを言っているが、タロウにとっては今はどうでもいいことだった。
即座にマシュの腕を肩に担いで扉へと向かう。
「中央隔壁 封鎖します。館内洗浄開始まで あと 180秒です」
「……隔壁、しまっちゃい、ました。もう、外に、は」
「今は喋るな。生きることだけを考えろ」
『コフィン内マスターのバイタル基準値に 達していません。レイシフト 定員に 達していません。該当マスターを検索中・・・発見しました。適応番号48 桃井 タロウ をマスターとして 再設定 します』
ふと、アナウンスに名前を呼ばれ思わず振り向いた。
『アンサモンプログラム スタート。霊子変換を開始 します』
「……あの、先輩。手を、握ってもらって、いいですか?」
マシュに呼ばれ再びそちらへと向き直る。
『レイシフト開始まで あと3』
いいだろう、と小さく言うとタロウが彼女の手を握った。
小さな金の粒子が浮遊する中、アナウンスが鳴り響く。
『2 1 全行程 クリア。ファーストオーダー 実証を 開始 します』
視界が白く染まる。どこかへと飛ばされていると感じる。タロウはこれと似たような感覚を知っている。
視界が開けていく。都市が燃えている光景。あたりには炎が広がり、建物が今も燃えている。
「良かった。意識を取り戻したんですね先輩。無事で何よりです」
「ここは何処だ?」
「ここは……」
そこで通信が入ってくる。
『やっと繋がった!もしもし、こちらカルデア管制室だ、聞こえるかい!?』
聞き覚えのある声、ロマニだ。
「こちらAチームメンバー。マシュ・キリエライトです。現在、特異点Fにシフト完了しました。同伴者は桃井 タロウ1名。心身共に問題ありません。レイシフト適応、マスター適応、ともに良好。桃井 タロウを正式な調査員として登録してください」
『やっぱり桃井君もレイシフトに巻き込まれていたのか……それと、マシュ……君が無事なのも嬉しいんだけど、その格好はどういうコトなんだい!?』
確かに、とタロウはマシュの奇妙なスーツと巨大な盾を眺めた。
『ハレンチすきる!ボクはそんな子に育てた覚えはないぞ!?』
「わたしの状態をチェックしてください。それで状況は理解していただけると思います」
『君の身体状況を?お……おお、おおおぉぉぉおおお!?』
ロマニが何やら驚いている。
『身体能力、魔力回路、全てが向上している!これは人間というより───』
「はい。サーヴァントそのものです」
「サーヴァント?」
「経緯は覚えていませんが、わたしはサーヴァントと融合した事で一命を取り留めたようです。今回、特異点Fの調査・解決のため───」
マシュとロマニがなにやら話をしているのを聞いてはいるがまったく意味がわからなかった。
ロマニに説明を求めてみるがどうやら通信状況が悪いらしい。
通信の届くところまで移動しにいくことになった。
2キロほど移動する。
「もうすぐ指定されたポイントへと着きますね。しかし……見渡すかぎりの炎ですね。資料にあるフユキとはまったく違います
大気中の
マシュがそんな説明をしながら歩く中、二人の耳に甲高い女性の声が聞こえた。
「女性の悲鳴です。急ぎましょう!」
マシュと共に悲鳴のした方向へと向かった。
そこには銀髪の女性が謎の怪物達に襲われている姿があった。その女性には見覚えがある。あの中央管制室で喋っていた女性だ。
「い、いったい何がどうなってるのよ!?どうして私がこんなめに!助けてよ、レフ!」
「オルガマリー所長!」
マシュが瞬時にオルガマリーと呼ばれた女性と謎の怪物の間へと入って盾を怪物達へと殴りつけた。
それほど敵は強くなかったのかすぐに倒れた。
「お怪我はありませんか、所長」
「…………………………どういうこと?」
「所長?……ああ、わたしの状況ですね?信じがたい事だと思いますが、実は───」
「サーヴァントの融合、デミ・サーヴァントでしょ。そんなの見ればわかるわよ。私が訊きたいのはどうして今になって成功したかって話よ!いえ、それ以上に貴方!」
そう言ってオルガマリーがタロウへと睨みつける。
「なんだ?」
「なんでマスターになっているの!?サーヴァントと契約できるのは一流の魔術師だけ!アンタなんかマスターになれるハズがないじゃない!その子にどんな乱暴を働いて言いなりにしたの!?」
「何を言っている?そんなことはしていない」
オルガマリーが怒るように問い詰めてくるがタロウは動じることはなかった。
「それは誤解です。強引に契約を結んだのは、むしろわたしの方です。経緯を説明します。そのほうがお互いの状況整理にも繋がるでしょう」
そう言ってマシュがこれまでの経緯を説明した。
そしてオルガマリーの冷静な判断でロマニとの通信が繋がった。
そこで改めて桃井タロウは状況の確認ができた。
近い未来、人類が絶滅するらしい。その原因がこの2004年の地方都市冬木にあるらしい。
そしてサーヴァントという存在。魔術師の中では最上級の使い魔に近いらしい。
人類の歴史に様々な英雄、偉業、概念、そういったものを霊体として召喚したものという存在。
簡単に言えば過去の英雄を使い魔にしたものがサーヴァント。そしてサーヴァントと契約し、使役するものがマスターらしい。
「つまりはお供、ということでいいんだな?」
「はぁ???お供ではなくサーヴァントよ」
「なるほど、つまりお供ということか」
「あぁ、もう!なんでもいいわ!!お供でもサーヴァントでも呼びなさい」
再びオルガマリーが説明を続けた。サーヴァントにもクラスと呼ばれるものがあるらしい。
七つのクラス。
どんなもの英霊にもクラスがあるらしくそのクラスは英霊達の真名を隠すためにもなるらしく。相手に弱点を知られないためらしい。
要はそのサーヴァントを召喚してサーヴァントを使役し人類の絶滅を防げという役割らしい。
「なるほどな、それが俺の役目らしい」
「貴方、何を言って───」
タロウはなぜ記憶が戻ってきたのかなんとなくわかった気がした。唐突に人類が消えたことによって頼みの綱である桃井 タロウに新たな役目が与えられたのだ。
タロウが納得する中、どうやらこの特異点
「どこに行っても焼け野原ね。住人の痕跡もないし、一体何があったのかしら…」
オルガマリーがブツブツと何か呟いている。
『みんな!周囲に生体反応がある!しかもこれは───』
ロマニの声と共に奇妙なものがやってきた黒く塗りつぶされたかのような人型の何か。ただの人間ではないことはタロウの目から見ても明らかだった。
「な───まさかあれって!?」
『そこにいるのはサーヴァントだ!戦うな!君たちにはサーヴァント戦はまだ早い!』
「そんなこと言っても逃げられないわよ!マシュ、戦いなさい!同じサーヴァントよ!なんとかなるでしょう!?」
「…………はい。最善を尽くします!」
マシュの盾とそのサーヴァントの鎖が激突する。奇妙な動きをするその鎖がマシュへと襲う。
「っ!」
『マシュのほうが劣勢だ!これはかなりやばいぞ!撤退を───』
「そんなこと言ったってできればしてるわ!」
そんな会話を聞いていたタロウは一歩前へと出た。
「ちょっと、アンタが前に出ても意味ないわ!死にたいの!?」
前へと歩いていくタロウをオルガマリーが叫んで呼び止めようとする。
「黙って見ていろ」
『ドンブラスター!』
オルガマリーの目には奇妙なものが目に入った。タロウの右手に握られた奇妙な銃みたいな形の何か。
そしてタロウはその奇妙な銃であるドンブラスターのギアテーブルにアバタロウギアをセットする。
「アバターチェンジ!」
桃井 タロウが叫ぶと同時にドンブラスターのスクラッチギアを回し始める。
『いよ〜っ!』
『ドン!ドン!ドンッ!ドンブラコ〜ッ! アバタロウ!!』
「は?」
オルガマリーの目に移る光景は信じがたいものだった。桃井 タロウの体が光輝くし、銃からはふざけているとしか言いようがない音声が流れている。
タロウがドンブラスターの銃口を上空へと向けてトリガーを引いた。
発射されたエネルギーの弾丸がタロウの上空にある奇妙な扉へと吸い込まれ、その扉からまた奇妙なものが桃井 タロウを包み込んだ。
『ドン!モモタロウ!』
『よっ!日本一!!』
タロウが変身する。真っ赤なスーツ、真っ赤なマスク。黒いサングラス、ギア型のちょんまげのスキンを身に包んだ謎の存在。ドンモモタロウ。
それがこの冬木にやってきたのだ。
色々と省いて影のサーヴァント先まで持ってきました。近いうちに2話目も書きます。