Fate/Grand Order with 暴太郎戦隊ドンブラザーズ   作:Million01

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前回はタロウ空気になってたからもうちょっとタロウを喋らせれたような気がします。
タロウ書くの少し難しい、けど楽しい。


ドン1話 マスタータロウ

 

───一体全体、何が起こっているのよ!?

 

目の前の光景にオルガマリーは思わず叫び声をあげた。

変身するタロウ、現れる数人の踊る天女に神輿を担いだ数人の筋肉質な男たち。そしてその神輿の上にはいつの間にか真っ赤なバイクに跨った桃井 タロウ。

 

誰かこの状況を説明してほしい、とまるで頭痛を抑えるかのようにオルガマリーは頭を抱えた。

 

「やぁやぁやぁ、祭りだ祭りだ!」

 

その場にいた者たちすべてが動きを静止し、タロウの方へと視線が集まった。

桃のエンブレムが着いた扇子を扇ぎながら叫ぶタロウ。

 

「袖振り合うも他生の縁、躓く石も縁の端くれ!

共に踊れば繋がる縁!この世は楽園!

悩みなんざ吹っ飛ばせ!

笑え笑え!ハーハッハッハッハ!!」

 

言うないなやタロウは扇子を投げ捨てると跨いでいた真っ赤なバイク・エンヤライドンのハンドルを握るとアクセルを踏み出した。

 

ブォンっ!というエンジン音と共に神輿から飛び出すとそのままエンヤライドンは敵のサーヴァントへと突っ込んだ。

750kgもあるバイクが勢いよくサーヴァントとぶつかったことにより、サーヴァントは大きく後ろへと吹き飛んだ。

 

「いったい、何者ですか……?」

 

瓦礫へと突っ込んだ敵のサーヴァントはすぐに起き上がり、変身したタロウへと問いかけた。

 

「いいだろう、名乗ってやろう!」

 

 

「桃から生まれた! ドン・モモタロウ!!」

 

『よっ!日本一!!』

 

桃井 タロウが変身した姿・またの名をドンモモタロウ。唯一無二の存在(俺こそオンリーワン)である。

 

「さぁ、勝負勝負!」

 

マスクの下でドンモモタロウが笑うといつの間にか右手に持っていたサングラス型の剣・ザングラソードを構えると上空へと跳躍する。

そしてそのまま敵のサーヴァントに一閃。だが、その攻撃は横に避けられたことで躱される。

ドンモモタロウも躱されることは分かっていたのか、流れるような動きでザングラソードを横に薙ぎ払った。

 

「!」

 

ザシュリ、とザングラソードの剣先が数センチ、サーヴァントの体を切り裂いた。

 

「ハーハッハッハ!どうしたどうした!?」

 

そしてさらにもう一撃をサーヴァントへとザングラソードを振り下ろす。

 

「くっ!」

 

ガキン、と敵サーヴァントは鎖でその斬撃を受け止める。ほう、とドンモモタロウは呟く。

 

「だが、甘い!」

 

ドンモモタロウは叫ぶやいなや敵サーヴァントの腹を脚蹴りをして吹き飛ばした。

 

「っ!」

 

強い、と敵サーヴァントは確信する。近距離ならばセイバーのサーヴァントにも引けを取らないだろう。

あの男は危険だ、と認識する。

敵サーヴァントにとって吹き飛ばされたのは好都合だった。中距離ならばこちらに分がある。

敵サーヴァントは鎖付きの短剣をドンモモタロウへと投げつけた。

 

「先輩!」

 

そこでなんとか戦えるまで体力が回復したマシュが盾を構えてドンモモタロウの前へと立った。

 

「邪魔だ邪魔だぁ!」

 

だが、ドンモモタロウにとって今のマシュは邪魔なだけであった。マシュを横へと突き飛ばし、迫りくる短剣を上体をずらし避けた。

 

避けられたのをすぐに確認するとサーヴァントは短剣を戻すように鎖を操作する。

鎖を戻す操作の判断が早いが、ドンモモタロウは見逃さなかった。

 

「こっちに来い!」

 

鎖を掴むと思いっきりこちらへと引っ張った。引っ張る力が尋常ではなかったのか勢いよくドンモモタロウの方へと引っ張られるサーヴァント。

 

サーヴァントの横腹にザングラソードの刀身があてがわれ、すぐさまドンモモタロウはザングラソードのスクラッチギアを回転させる。

 

《ヘイ!ヘイ!ヘイ!ヘイッ!カモォーン!》

 

明快な音声と共にすぐさまザングラソードのトリガーを引いた。

 

《アーバタロ斬!アバタロ斬!アーバタロ斬!アバタロ斬!》

 

直後、ザングラソードの刀身が七色に輝き始める。

 

「ザングラソード・快桃乱麻!」

 

《必殺奥義!アバ タロ 斬!!》

 

そして七位の斬撃を纏ったザングラソードでサーヴァントを一閃。その威力は強力でサーヴァントが消滅していく。

 

「ちょっとロマニ!?これは一体どういう状況よ!」

 

『それが……ボクにもわからないんです。ただ、ドンモモタロウと名乗ったあの姿は桃井くんだと言うことはわかるんです』

 

「じゃあ、あの天女と神輿はなに!?あとあの銃と剣は!?あんな魔術礼装知らないわ!!いや、あんなの魔術礼装よりデタラメよ!!?」

 

いつの間にかいない天女と神輿をみて更にはパニックになるオルガマリー。

 

「五月蝿いぞ!」

 

ドンモモタロウがオルガマリーへと振り向いて怒鳴りつける。だが、焼け石に水、火に油を注ぐとはこのことだろう。

 

「貴方がワケのわからないことをしなければわたしは怒鳴らないわよ!その姿は何よ!」

 

「ドンモモタロウだ」

 

「ふざけているの?」

 

「ふざけてなどいない。本当のことだ」

 

「じゃあその銃はなに!?」

 

「これは───」

 

ドンモモタロウが何かを言いかけた時だった。ロマニからの通信だ。

 

『みんな、早くそこから逃げるんだ!サーヴァントが2体、そちらに向かっている!!』

 

瞬間……ガキン、と金属と金属がぶつかり合う。そう、オルガマリーの背後でだ。

 

「な、なによ!?」

 

振り返ればドンモモタロウが剣を構えていた。いつの間にか目の前には2体のサーヴァントがやってきた。

 

『クラスはアサシンとランサーだ!早く逃げるんだ!!』

 

「いや、逃げる必要はない」

 

そう言ってドンモモタロウが一歩前へと踏み出した。ドンモモタロウを阻むように十何体もの骸骨兵が武器を構えた。

 

「ほう……面白い!」

 

「先輩!私も戦います!!」

 

マシュがドンモモタロウの横へと立つ。どうやらほぼ万全な状態らしい。それを見てドンモモタロウがフッと笑った。

 

「いいだろう……行くぞ!」

 

ドンモモタロウが駆け出した。その後に続くようにマシュも走り出す。

 

ドンモモタロウが軽快な動きで次々と骸骨兵を一刀両断していく。マシュもドンモモタロウをサポートするように盾で防いで攻撃を弾いていく。

 

「ほう……面白いマスターとサーヴァントじゃねぇか。なら放っておけないな」

 

戦場に一人の男の声が響き渡る。ドンモモタロウでも敵のサーヴァントのものでもない声。

ドンモモタロウとマシュが動きを止めたその時だった。周囲の骸骨兵の足元から炎が燃え上がり焼き尽くしていく。

 

「何者だ!」

 

アサシンのサーヴァントが声を荒げた。

 

「何者って、見ればわかんだろご同輩。なんだ、泥に飲まれて目ん玉まで腐ったか?」

 

その場に現れるたのは青いローブを来た杖を持った男。

 

「貴様、キャスター!なぜ漂流者の肩を持つ!」

 

「あん?テメェらよりマシだからに決まってんだろ」

 

キャスターと呼ばれた男がドンモモタロウへと目線を向けた。

 

「マスター……にしてもは奇怪な格好だが……本当にマスターか?なんならあっちの嬢ちゃんのほうがマスターと言われれば納得がいくが……」

 

そう言ってキャスターがオルガマリーの方へと視線を向ける。

 

「生憎、その奇妙な格好をしている男がマスターよ」

 

はぁ……とため息と頭を抑えながらオルガマリーが呟いた。

 

「おいおい、マジかよ。まぁ、いいか。俺はキャスターのサーヴァント。今はワケあってアイツらとは敵対中でね。敵の敵は味方ってワケじゃないが、今は信頼してもらっていい。面白そうなお前さんに免じて仮契約だがアンタのサーヴァントになってやるよ!」

 

キャスターがニヤリと笑うとアサシンとランサーに向き直り杖を構えた。

 

「いいだろう!いくぞ、お供達!」

 

直後、ランサーの薙刀とドンモモタロウのザングラソードが衝突する。火花を散らし、視線が激突する。

ドンモモタロウの武器はザングラソードだけではない。いつの間にか左手に持っていたドンブラスターを近距離でランサーの腹へと連射する。

 

「ぐっ!」

 

予想外の攻撃を受けて数歩後退るランサー。それを見てドンモモタロウは新たなギアを取り出した。

 

「アルターチェンジ!」

 

 

『いよ〜っ!』

 

ドンブラスターのスクラッチギアを数回回転させる。

 

『ドン!ドン!ドンッ!ドンブラコ〜ッ! アバタロウ!!』

 

そしてそのまま上空へと向かって発砲。

 

『ドン!モモタロウ!』

 

『よっ!天下一!』

 

現れるのは桃のエンブレムの形をした小型ロボ。直後、ドンモモタロウが意識をなくしたかのように倒れ込んだ。

 

「先輩!?」

 

「なんだぁ?」

 

マシュもキャスターも倒れ込んだドンモモタロウへと意識を移した。そして倒れ込んだドンモモタロウを見逃すほどランサーは甘くはない。

ランサーが上空から薙刀を振り下ろす。

 

「ハーハッハッハ!」

 

だが、その攻撃を防ぐように桃のエンブレムの小型ロボが動いた。

小型ロボに直撃するやいなやビクリとも動かず、薙刀を弾いて見せた。

 

「なにっ!?」

 

ランサーが驚くのはこれだけではない。目の前の小型ロボが人型へと変形。いつしか小型のザングラソードを手に持っていた。

 

「そら!そら!そらっ!!」

 

俊敏なかつ小刻みな動きでランサーを翻弄し確実に一撃一撃を与えていくその小型ロボ・ドンモモタロウアルター。

最後に一撃、手に持つザングラソードに電撃が疾走った。不備振り下ろされる一閃。飛ぶ斬撃がランサーを貫いた。

 

「なにっ……!?」

 

消滅するランサーを見てアサシンが動きを止めた。キャスターもそれを見て隙を逃がすわけはない。

 

 

「焼き尽くせ、木々の巨人。炎の檻となりて──」

 

アサシンの足元に浮かぶ赤い魔法陣。そこから現れるは無数の木々で構成された動く巨人。アサシンの体を掴むやいなや。

 

「『灼き尽くす炎の檻(ウィッカーマン)』!!」

 

一気に燃え上がった。アサシンの体は燃やされて焼かれて消滅していく。

 

「いっちょ、上がりだな」

 

「アンタ、中々やるな」

 

ドンモモタロウの変身を解いた桃井 タロウはニヤリと笑った。

 

「そういうテメェは奇妙な術を使うマスターだな」

 

フッ、と笑うキャスター。

 

 

敵の反応がなくなったのを確認したタロウ達は今後の方針を話していた。

 

「んで、その銃とアバタロウギアとやらで変身して戰う、と?」

 

ふざけているの?と言いたくなったがサーヴァントと戦っていた姿を見て言えなくなる。

 

「ああ」

 

はぁ……と大きく長いため息をつくオルガマリー。まるで意味がわからないと何度も何度も呟いていた。

 

「それで、聖杯戦争だったか?」

 

冬木で行われた儀式。7人のマスターがサーヴァントを使役して願望器である聖杯を求めて殺し合うという儀式。

 

「ああ、だがオレたちの聖杯戦争はいつの間にか違うモノにすり替わっていた。経緯はオレにもわからねぇ。街は一夜で炎に覆われ、人間はいなくなり、残ったのはサーヴァントだけだった。

真っ先に聖杯戦争を再開したのはセイバーのやつだ。奴さん、水を得た魚みてぇに暴れだしてよ。セイバーの手でアーチャー、ランサー、ライダー、バーサーカー、アサシンが倒された」

 

「待て、さっきのアサシンとライダーはなんだ?」

 

タロウが疑問に思ったことを口にした。先程倒したのはアサシンとランサーだ。だが、キャスターはアサシンとランサーもセイバーに倒されたと言っていた。

 

「どうやらセイバーに倒されたサーヴァントは真っ黒い泥に汚染されてああなるらしい」

 

なるほどな、と呟く。

 

「にしても聞くところによるとアンタらが探してるのは大聖杯だな」

 

『大聖杯?聞いたことないけど、それは?』

 

「この土地の本当の"心臓"だ。特異点とやらがあるとしたらそこ以外ありえない。だがまぁ、大聖杯にはセイバーのヤロウが居座っている。ヤツに汚染された残りのサーヴァントもな」

 

「バーサーカーとアーチャーね。どんなのその2体は?」

 

「アーチャーの方はオレがいればなんとかなるだろう。バーサーカーの方はセイバーでも手を焼くほどだ。手を出さなけりゃ襲ってくることもねぇ。無視するのも手だ」

 

『なるほど、状況はわかりました。我々はMr.キャスターと共に大聖杯を目指します。Mr.キャスター、案内を頼めますか?』

 

「ミスターはいらねぇよ。道筋は教える。いつ突入するかはそこの兄ちゃん次第だ」

 

そう言ってキャスターが歩きだす。それに続くようにタロウたちもついていった。

 

目的地を歩いているとキャスターが足を止めた。

 

「どうした?」

 

タロウが顔を訝しげる。

 

「どうもこうもねぇよ。嬢ちゃんを見ろよ」

 

顎を使って一番後ろのオルガマリーを示した。タロウとマシュがオルガマリーへと振り返る。

はぁはぁ、と肩で息をするほどオルガマリーの体力が消費されていた。

さすがの長距離移動に疲れたらしい。

 

「ここらで休憩しようや」

 

そう言って建物に入るキャスター。それに続いてタロウ達も入っていく。

 

「?どうした、入らないのか?」

 

マシュの足が入り口で止まる。タロウが振り返って声をかけた。

 

「いえ、なんでもありません」

 

マシュの言葉にタロウはそうか、と小さく呟いて入っていく。

 

「あの!」

 

「なんだ?」

 

マシュの呼びかけにタロウが振り返り見つめる。

 

「先輩は戦うのが怖くないんですか?」

 

「ない」

 

タロウがハッキリとそう答えた。

 

「どうしてですか?」

 

「それが俺の役目だからな」

 

「役目であれば怖くない、と?」

 

「何が言いたい?」

 

タロウの眼差しは変わらない。真顔でマシュを見ていた。

 

「私は怖いんです。戦うのが……それが役目なのに……これは間違っているのでしょうか?」

 

マシュが少しずつ声を小さくして顔を俯かせた。

 

「…………」

 

タロウが少し黙っていた。そして口を開く。

 

「間違っていない。それが普通だ。俺は普通の人間ではないからな。普通の人間はどうしても戦いに恐怖を感じてしまうらしい」

 

「え?」

 

「人にはそれぞれ役目がある。俺には人理を修復する役目が。アンタにもあるんだろう?役目が」

 

タロウはそう言い残して建物の奥へと入っていった。

 

「私の役目……」

 

マシュがギュ、と盾を握っている手に力を込めた。




じかーい、じかい。

私はオルガマリー・アニムスィア。
セイバーがあのアーサー王!?
こんなの勝てるわけないじゃない!
そして誰よコイツラ!?
青いゴリラ、黄色い鬼、黒い犬、ピンクの鳥。
もう、色々なことが起こりすぎよ!!

ドン2話 おうのつるぎ、あるじのたて

というお話
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