Fate/Grand Order with 暴太郎戦隊ドンブラザーズ 作:Million01
んー、相変わらずむずい……頑張ります。
あ、ちなみにオルレアンからちょくちょくゲストキャラ出します。誰が出るかナイショです。
休憩を終え、再び歩き出すタロウたち。
「ここは…天然の洞窟のように見えますが、これも元から冬木の街にもあったものですか?」
「でしょうね。これは半分天然、半分人工よ。魔術師が長い年月をかけて拡げた地下工房よ」
「大聖杯はこの奥だ。ちぃとばかり入り組んでいるんで、はぐれないようにな」
キャスターの後を歩くように洞窟の中に入っていくタロウ達。
「それより、キャスターのサーヴァント。大事な事を確認していなかったのだけど。セイバーのサーヴァントの真名は知っているの?」
「ああ、知っている。ヤツの宝具を食らえば誰って真名……その正体に突き当たるからな。王を選定する岩の剣の二振り目。おまえさんたちの時代においてもっとも有名な聖剣。その名は───」
「
キャスターの言葉を遮るようにタロウやマシュ、オルガマリーの知らない声が会話に割り込んでくる。
『この反応……アーチャーだ!』
行く手を阻むように現れる泥に汚染されたアーチャーのサーヴァント。それを見たキャスターが口を開いた。
「言ってるそばから信奉者の登場だ。相変わらず聖剣使いを護ってんのか、テメェは」
「フン、信奉者になった覚えはないがね。つまらん来客を追い返す程度の仕事はするさ」
「ようは門番じゃねぇか。何からセイバーを守っているかは知らねぇがここらで決着つけようや」
そう言ってキャスターが杖を構え、アーチャーが弓を取り出した。
先に動くのはアーチャー、剣のようなものを取り出すとそれを矢として射出してきたのだ。狙いはキャスター。
それを防ぐようにマシュがキャスターの目の前で盾を張る。
ギィン!という音ともに剣は宙を舞う。アーチャーが新たに剣を番える。
そこでキャスターが盾の影からぬるりと体を飛び出して、炎の魔術を放つ。キャスターの魔術は無詠唱のため、ほぼ動作もいらずアーチャーが剣を放つよりも先に出た。
「アバターチェンジ!」
『いよ〜っ!』
『ドン!ドン!ドンッ!ドンブラコォ〜!アバタロウ!!』
その隙を見て桃井タロウも戦いに参戦した。
『ドン!モモタロウ!!』
『よっ!日本一!!』
「ハーハッハッハ!祭りだ!祭りだぁっ!!」
高笑いをしながらザングラソードを構えてアーチャーへと接近していくドンモモタロウ。
アーチャーはドンモモタロウの姿に驚きはするもののこの中で一番危険な存在だと認識したのか番えていた剣をドンモモタロウに向けて放った。
「ハッ!」
ドンモモタロウが止まらずに左手に構えていたドンブラスターを飛来する剣へと向けて連射し撃ち落とす。
威力を失った剣はそのまま落下していく。
「つかぬことを聞くがキャスター」
「あん?」
新たに剣を出現させてアーチャーはキャスターに問いかけた。
「まさかとは思うが、
「ご名答。どんな仕掛けであんな姿になるかは知らねぇが、アレが一応、うちのマスターだ。仮契約だがな」
「なるほどなっ!」
番えていた剣を再びドンモモタロウに向けて射出。今度は一振りではない三振りもの剣をいつの間にか射出していた。
「ほう……」
感心したようにドンモモタロウはその剣の矢を見た。どれも人にとっては致命傷の部位へと当てるための軌道だ。
ドンモモタロウがマスクの下でニヤリと笑う。
「落とし物だ。ちゃんと受け取るんだな!」
そして、走りながら先程、ドンブラスターで撃ち落とした剣を拾うとそのままアーチャーの方へと投げ飛ばした。
ドンモモタロウの投げた剣はアーチャーに、アーチャーの射出した剣はドンモモタロウにと向かっていくそれは当然二人の間で激突する。
ちゃんと軌道を読んで剣を投げたドンモモタロウの剣はアーチャーの一振り目の剣と衝突。
衝突した勢いでドンモモタロウの剣が上へと、アーチャーの一振りの剣が下へと弾かれ、それぞれアーチャーの二振り目と三振り目の剣と衝突し、二人に直撃する事はなかった。
「なに……?」
よもやそこまでやられるとは思っていなかったアーチャーが顔を歪める。
「さぁ、楽しもうぜ!」
ドンモモタロウがザングラソードを上段からの斬りおろし、続けて薙ぎ払いからの斬り返しの3連撃。
その一撃と二撃目を華麗に避けてみせる。
「チィ!」
アーチャーが舌打ちをしながら新たに剣を出現させると三撃目を防いだ。
「ほう……双剣か!」
空いてるもう一方の剣でドンモモタロウに攻撃を振るう。ガキン、と咄嗟にドンブラスターの側面で防いで見せた。
迸る火花。アーチャーが視界の隅でキャスターを捉えた。
ドンモモタロウの顔の横を通り過ぎ炎。ドンモモタロウと対峙したアーチャーに直撃する。
ドンモモタロウの目の前で直撃した炎が爆炎をあげて爆発、ドンモモタロウは一歩後ろへと下がった。
「悪ぃな、アンタを出しに使わせてもらったぜ」
後方の方で叫ぶキャスター。ドンモモタロウは少しだけそちらを視線に振り返る。
「いや、上出来だ」
「マスター!」
爆炎の奥から飛来する剣をマシュが盾で防いだ。
「今から面白いものを見せてやる!」
ドンモモタロウがドンブラスターの上部のスイッチを押す。
『パーリータイム!ドン!モモタロウ!!』
ドンブラスターから発せられる音声。それを聞いてドンモモタロウがドンブラスターのスクラッチギアを回し始める。
爆炎が晴れ、アーチャーの姿が晒される。手にはいつの間にか双剣がない。持っているのは最初の弓と矢として使っている剣だ。
「珍しいな、
剣の矢と炎の魔術がぶつかりあう。
『ヘイ!カモーン!』
いつの間にか準備を完了していたドンモモタロウ。それにすぐに気付いたアーチャーが剣を射出。
だがその剣は届かない。ドンモモタロウの盾、マシュ・キリエライトがそれを防いだ。
「厄介な盾だな」
「良い嬢ちゃんだろ?」
「しまっ───!?」
アーチャーが振り向いた。だが、少し反応が遅かった。アーチャーの足元から巨大な腕が権限する。
木々の巨人の右腕がアーチャーを掴んだ。
「狂乱怒桃……ブラストパーティー!」
木々の巨人に掴まれたアーチャーに狙いを定めるドンモモタロウ。銃口鳩収束されるエネルギー。
「くらえっ!」
そしてトリガーが引かれた。ドンブラスターの銃口から放たれる強力なエネルギー弾がアーチャーの体を貫いた。
「ここまでか……」
アーチャーの体が消滅していく。
「戦闘終了……」
「どうした、嬢ちゃん?元気がねぇじゃねぇか?疲れたのかい?」
「いえ、そうではありません。ただ、あの円卓の騎士王に私達が勝てるのか……」
「何も心配することはない。俺がいるからな」
変身を解除したタロウがドンと仁王立ちをしてマシュを見据えた。
「どういう意味よ。なにか秘策があるの?」
「秘策?そんなのあるわけないだろう。セイバーを見たこともないのに策をたてるのは不可能だ」
『それはそうだけど……』
行くぞ、と言って前へ前へと歩いていくタロウ。
「あの男、本当に一般人?サーヴァントと連続で戦って息切れせずに進んでいくし……」
『一応、一般人……のようですね。ここに来る前までは配達業をしていた一般人らしいですね。いや、サーヴァントと互角以上にやりあえる時点で一般人ではないのかも……』
「キャスター、なにか知らない?」
「むしろこっちが聞きたいくらいだよ。俺よりアンタらの方が長い付き合いなんだろ?」
「長いって言っても数時間ぐらいしか違いませんが……」
そんな話をしながらマシュ達はタロウの後をついていく。
やがて、洞窟を抜けた。
抜けた先に広がるは大きな空洞。山のようにせり上がった大地。そしてそこから発せられる奇妙な雰囲気を漂わす空気。
「これが大聖杯……超抜級の魔術炉心じゃない!」
そしてそこから一人の英霊が現れる。金髪に白い肌、黒い鎧と黒き聖剣を携えた英霊・セイバー。
「───ほう。面白いサーヴァントがいるな」
セイバー……アルトリア・ペンドラゴンがマシュを見下ろしてそう言った。
「───面白い。その宝具は面白い。構えるがいい、名も知れぬ娘。その守りが真実かどうか、この剣で確かめてやろう!」
そう言ってセイバーが聖剣を構えた。剣から放出される黒い魔力の奔流。その魔力量は誰が見ても強力だとわかる。
「───
それに反応してタロウが一歩前へと出る。
「マスター!?」
「ちょっと本気!?」
誰よりも前へと出た桃井タロウに驚きを隠せなかった。だが、桃井タロウは歩みを止めることはなくった。ニッ、と口角をあげてセイバーをまっすぐ見て歩く。
「面白いマスターだ。───光を飲め!『
タロウに向って放たれる魔力の渦がまっすぐと伸びていく。レーザー砲と言っても過言ではないそれがタロウへと……。
───人にはそれぞれ役目がある。俺には人理を修復する役目が。アンタにもあるんだろう?役目が。
直後、マシュの脳裏にタロウと会話したときの言葉がよぎった。
役目。そうだ、私には盾がある。盾は守るもの。
誰を?自分を?いや、違う。この盾は主を、マスターを、先輩を守るための盾だ。
「マスター!」
───宝具に名前がほしい?
───はい。ただ名前がないのは……。
───確かに名前がないのは不便ね。でも貴方、宝具なんて出せるの?
───それがまったく……。
───名前がわからないからつけないと呼ぶに呼べないって、わけね。まぁ、いいわ。そうね……ロード・カルデアスなんてどう?
───ロード・カルデアス、ですか?
───カルデアはあなたにも意味のある名前よ。霊基を起動させるには通りのいい呪文でしょう?
───は、はい!ありがとうございます、所長!!
そして蘇るはここに来るまでにオルガマリーと会話していた記憶。
名付けられる前後にて展開したこともない、できるかどうかもわからなかった宝具。ただ、なぜか今は確信できる。
展開できる、と。マスターの死の危機を前に感じ取った。
「───宝具、展開します!ロード・カルデアス!!」
タロウの前へと立ったマシュがドシン、と盾をタロウの前に盾て宝具を展開した。放たれた魔力の渦を防いで見せた。
防がれバラバラはと拡散していく魔力の渦の余波に乱れる髪をものともしないタロウはマシュの肩に手を置いた。
「上出来だ」
ニヤリと笑うとドンブラスターを取り出した。
「アバターチェンジ!」
『ドン!ドン!ドンッ!ドンブラコ〜ッ!アバタロウ!』
アバタロウギアをドンブラスターにセットしてスクラッチギアを回転。
そして銃口を上空に向けて発砲。
その銃弾から具現化されるアバターデータが桃井タロウの体を包み込む。
アバターチェンジが完了したドンモモタロウは高らかに笑いをあげた。
「ハーハッハッハ!相手は騎士王!!相手にとっては不足はないな!さぁ、勝負勝負!!」
いつしかセイバーによる宝具による最強の攻撃は終わっていた。それを見極めるやいなやドンモモタロウがザングラソードをセイバーへと振るった。
たが、相手はセイバー。最優のサーヴァントと言われる程だ。
当然、剣による戦いは得意だ。
「サーヴァントだけと思っていたがそのマスターとやらも面白いものだ」
珍しいものをみ見るかのようにドンモモタロウを見据える。お互いのえものを幾度となく衝突させ、空気を震わせる。
「───キャァ!?」
そんの剣戟音の中、オルガマリーが小さい悲鳴をあげた。それに釣られて全員の視線がそちらへと集まった。
視線の先、オルガマリーの目の前には奇妙な集団がいた。
あんの前触れもなく、だ。
「な、ななな、なんなのこいつら!?きゅ、急に現れて!?」
『こちらでも確認しました。何かによる召喚だけどサーヴァントじゃない。この反応……人間だ!』
「に、人間!?こんな奴らが!?」
疑うのは無理もない。オルガマリーの目の前には奇妙な格好をした4色に配色された異形達。
肩と腕がボディービルダーやゴリラのように膨張した青き者。まだ比較的人間体型な黄色き者。身長100cmほどの三等身ほどの黒木き者。その者とは対照的に身長が200cmは軽く超えた手足の長いピンクの者。その四人の集団が目の前にいる。
敵も味方かもわからないオルガマリーにとっては頭痛の一つとなる。
「!」
四人の集団に気を取られていたのかドンモモタロウが後ろへと押し退けられる。
「タロウ!」
「タ、タロウ!?」
「桃井!」
「桃井さん!?」
マシュたちの方へと押し退けられたドンモモタロウを見るなり四人の集団が驚きの声を上げている。
───また、この男なのね!
とオルガマリーの頭痛がさらに酷くなる。"桃井"と"タロウ"という言葉に関係がある人物は一人しかいない。そうだ、桃井タロウことドンモモタロウだ。
今の反応は明らかに知り合い以上の反応だった。
「おい、どういう状況だ!?説明しろ!」
「本当にタロウなの!?」
黒き者と黄色き者が声を張る。
「説明は後だ!お供たち、必殺奥義だ!!」
立ち上がり、四人の集団にセイバーを顎で示した。
「なんだ、彼女は……?」
四人がセイバーへと視線を向ける。彼女の聖剣には黒い魔力の奔流が渦巻いていた。
「宝具がくるぞ!嬢ちゃん!もう一発行けるな!?」
「───っ。は、はい!」
マシュが冷や汗をたらし再び盾を展開。
「───エクスカリバー・モルガン……!」
黒きビーム砲とも言える魔力がマシュの盾へと衝突する。
王を選ぶ剣、主を守る盾が再び激突する。
「な、なにこれ!ドラマか映画の撮影!?」
「行くぞ、お供ども!」
黄色き者の叫びをドンモモタロウは無視して叫ぶ。
手に持っていたザングラソードのスクラッチギアを一回転。
「な、なにこれ!?」
どこからともなく流れてくる津波。それだけではない。いつしか空が明るく富士山のような絵画のようなハリボテとなっているのだ。
「あ、これ回すの久しぶりかも」
タロウを乗せるように謎の櫓が出現。四人の集団はそれぞれ散らばってやぐらの支柱に備えられた歯車を回し始めた。
「久しぶりですけど、相変わらず低いですね……」
「敵はあの黒い女であってるのか?」
「タロウがそう言うのだからそうなんだろう。ただ、女性を撃つというのは……」
「つべこべ言わずさっさと回せ!」
ドンモモタロウの叱咤が入る。よくわからない光景にドンモモタロウと四人の集団以外の全員が動きを止めた。
「───なんだ、あれは」
「んだぁ?ありゃあ……」
「一体、なにが……」
「あー、もう!次から次へとワケのわからないことが起こりすぎよ!!」
不信がる者、首を傾げる者興味を抱く者、癇癪を起こす者、と様々だ。
いつしかセイバーの宝具による攻撃が終わっていた。
「今度は俺がアンタに面白いものを見せてやる!」
『ドン!ドン!ドンブラコー!!』
四人の集団が回す歯車に連動して浮き上がるやぐら。
「桃代無敵!アバター乱舞!!」
ザングラソードのスクラッチギアを再び数回回す。
『モーモタロ斬!モモタロ斬!!モーモタロ斬!モーモタロ斬!!』
「!」
直後、世界が暗転する。殆どの光が消え去ったその世界で残す光は櫓に装飾された灯籠と七色に輝くザングラソードの刀身だけ。
『必殺奥義!』
直後、灯籠の灯りが消えた。残す光はザングラソードの刀身だけ……ではなかった。
櫓の下にて集まった四人の集団がドンブラスターをセイバーへと向けて連射する。
ドンブラスターのマズルフラッシュとエネルギー弾が光輝く。
「しまっ───」
視界を奪われたことと、ザングラソードの刀身に気を取られその銃弾の雨をもろにくらってしまう。だが、それほど強力なものではなかったのが幸いか。
セイバーがなんとかその場に踏みとどまることができた。そして、セイバーの視界の端にザングラソードの光がこちらへと向って来るのを認識した。
───やはり、来るか。
エネルギー弾が乱射される中、その中で振るわれるザングラソード。
「ッ!」
その一撃目を聖剣で防いで見せる。だが、ドンモモタロウの連撃でこれで終わりではない。それはセイバーめ重々、承知している。
二撃目、三撃目もザングラソードと斬り結ぶ。
防げない必殺技ではないとセイバーは確信している。だが、それはそれは杞憂に終わる。
なぜなら……。
「なっ!?」
今も降り注ぐ銃弾が一斉にセイバーの頭部へと命中する。偶然か、狙ってか。それは彼ら四人しか知らない。
視界を奪われ動きが止まる。
それだけではない。
「───おっと、俺も忘れるなよ?」
キャスターの炎の魔術がセイバーの聖剣の持つ腕へと直撃する。ダメ元で振ろうとしていた腕の勢いを殺され、振るうことを叶わくされた。
───アバタロウ斬!!
それを見逃さないドンモモタロウ。必殺の一撃を放つ。胴体へと一閃。
「よもやここまでか……結局、どう運命が変わろうと私ひとりでは同じ末路を辿るという事か」
「あ?そりゃあどういう意味だ。テメェ、それは何を知ってやがる?」
「いずれ貴方も知る。アイルランドの光の御子よ。
グランドオーダー……聖杯を巡る戦いはまだ始まったばかりという事だ」
そう呟いて消滅するセイバー。
「チッ、どうやら俺もここまでのようだ。次あるときはランサーて呼んでくれよ」
そう言ってキャスターも消滅していく。
「ああ、アンタとここであったのも何かの縁だ。またどこかで会う。安心しろ、俺とアンタとの縁は超良縁だからな」
「そうかい。楽しみにしとくぜ」
そういって完全に消えたキャスター。
「あの、それ色んな人に言ってません?」
『僕の時にも言われたけど……』
「当然だ。俺は幸福を届ける。つまりは、俺と出逢うことが超良縁だからな」
「意味がわからないわ……ていうかあの奇妙な集団は?いつの間にいないのだけれど!?」
「帰ったんだろう」
『帰った……?』
「どこに、ですか?」
「元の場所に決まってるだろう」
「だからどこによ!」
怒鳴るオルガマリー。
『それって召喚される前にいた場所ってことかい?』
「ああ」
「ていうか早くだいせいを回収するわよ!」
「はい!───え?」
マシュが聖杯を回収しに行こうとした時だった。ある男が奥から現れる。
「いやはや、まさか君たちがここまでやるとはね。計画の想定外にして私の寛容さの形容外だ」
緑のシルクハット、緑のタキシード服を着た男、レフ・ライノール。
その男がせり上がった大地の上に立っていた。
「アンタは……」
「レフ教授!?」
『レフ教授だって!?』
「本当に計画通りにいかないものだ……」
「レフ!本当に貴方なのね!!」
オルガマリーがレフを見るとそちらへと走り出す。
「ロマニにはすぐに管制室に来てくれと言ったのに……。それにだ、なぜ君が生きているんだい、オルガ?
仕掛けた爆弾は君の足元に設置したはずなのに」
「───え?」
オルガマリーの足が止まる。レフの言っている事がわからない、と思考が停止している。
「アンタ、何者だ?」
奇妙に嗤うレフにタロウが問いかけた。レフがタロウを睨み返す。
「それはこちらのセリフだよ。48人目のマスターを桃井 タロウ。恐らく君がいることでこの計画が狂ったのだろう。まぁ、いい」
そういってレフが手をかざす。顕現した大聖杯がレフの元へと移動していき、背後にはあるものが写っていた。
カルデアス。真っ赤に染まった地球儀。
それだけでは終わらなかった。
「な、何よこれ!?」
オルガマリーの身体が浮遊し、ゆっくりとレフの方……いや、カルデアスの方へと引き寄せられる。
「アバターチェンジ!」
『ドンブラコ~ッ!アバタロウ!』
『ドン!モモタロウ!』
あれはまずい、とタロウが直感的に感じ取る。
『よっ!日本一!!』
「これはカルデアス。模写ではない。当然、普通の人間が触れれば分子レベルで分解される。生きたまま無限の痛みを味わいたまえ」
「先輩!」
マシュがドンモモタロウの腕を掴む。それは行くなという合図であった。たとえ、ドンモモタロウでもあれには間に合わない、と感じているのだ。
だが、ドンモモタロウは言うことは聞かなかった。
「アルターチェンジ!」
再びドンブラスターを撃ちだした。マシュにはそれを止める術はなかった。
撃ち出された銃弾から現れる小型ロボ・ドンモモタロウアルター。
ドンモモタロウの意識がドンモモタロウアルターはと移り変わる。
「俺を吹き飛ばせ!」
「え、でも……」
「言うことを聞け!」
「は、はい!」
叫ぶドンモモタロウアルターに気圧され思い切り盾でドンモモタロウアルターを殴った。
ゴッ!っという鈍い音と共に打ち出されるドンモモタロウアルターがもの凄いスピードでカルデアスへと向かっていく。
これならばオルガマリーがカルデアスと接触するよりも早くに到着する。
「む?」
レフがそれを許さない。すぐさま魔術を放った。飛んでくる魔力の塊。
「甘い!」
ドンモモタロウアルターが装備している小型のザングラソードを思い切り魔力の塊へと投擲。
「なっ!」
いともたやすくその魔力の塊を切断。そのままザングラソードがレフの腕へと突き刺さる。
その間だった。オルガマリーがカルデアスと接触するよりすこし早くにドンモモタロウアルターがカルデアスへと到着する。
謎の力で引き寄せられるオルガマリーをカルデアスから引き離すように押し戻し始める。
だが、それでも少しずつカルデアスの方へと引かれる。
「貴方……」
涙目になりながらもドンモモタロウアルターを見た。
「アンタとは縁を結んだばっかりだからな」
「縁……?」
「ああ、俺と目が合ったことで縁ができた」
「こんな時に何を言って…!」
「黙っていろ!死ぬぞ!!」
徐々に押され始めるドンモモタロウアルターがカルデアスと接触する。バチバチ!とドンモモタロウアルターの足がカルデアスと接触しスパークし始める。
「丁度、足場が欲しいと思ってたところだ!!」
そういって両足を踏ん張ってオルガマリーを勢いよく押し退けた。瞬間───。
「先輩!?」
「なにっ!?」
カルデアスと接触していたドンモモタロウアルターが爆発した。さすがのドンモモタロウアルターでもカルデアスよ高密度のエネルギーには耐えられなかったのだろう。
その爆発の余波でなのかオルガマリーが彼女を引っ張っていた謎の力から開放され、吹き飛んでいく。
「桃井 タロウ……っ!」
吹き飛んだオルガマリーを受け止める意識が戻ったドンモモタロウがキャッチする。
「どこまでも私を苛つかせてくれるのかね!!」
「アンタがこんなことをしなければいい話だ」
「まぁ、いい。どちらにせよだ。君たちは跡形もなく燃え尽きるのだ!」
『何を言って……』
「君たちに一つだけ言っておこう。未来は消滅したのではない焼却されたのだ!カルデアはカルデアスのシバで守られているだろうがカルデアの外はこの冬木のようになっているのだろう」
『外部へ連絡できないのはそのせいか!』
「では私はこれにて失礼するよ。この特異点も限界に近い」
ゴゴゴゴッ!と地面が、洞窟が、崩れ始める。
『まずいぞ!特異点ガ消滅し始めている!』
「ドクター!早くレイシフトを!!」
『今やってる!』
落下する岩石をドンモモタロウが直撃する岩だけをドンブラスターで撃ち抜き砕いていく。
「ドクター、いつ終わる!」
ドンモモタロウが叫んだ。
『よし、いける!シイシフト、カウントを───』
「カウントなぞいらん!早くしろ!!」
『え、ああ!いくよ!』
直後、タロウたちの視界が暗転する。この感覚をタロウは覚えている。この特異点へと来るときに感じたあの感覚だ。
じかーい、じかい。
やぁ、僕はDr.ロマニ・アーキマン。ドクターロマンとでも呼んでくれ。
え、その自己紹介はいらない?まいったなぁ。
さて、特異点Fを終えて新たな特異点が7つ発生した!
桃井くん!至急準備してくれ!
場所はオルレアン!これは……話の途中だがワイバーンだ!
ドン3話 りゅうのまじょ、きゅうこくのせいにょ
というお話。