わざわいのまがたまっ!!   作:緋枝路 オシエ

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これまでもずっと休日な気がするがそんなことはないぜ


災厄の休日

ちゃんと(表面上は)仲直りをして、ちゃんと片づけを行ったので、お昼ご飯はイーユイ姉妹の好物がテーブルに並べられた。

 

 シャルルを通して気になっていたという、かの国の伝統菓子月餅は、メイユィが今のところ一番好きな食べ物である。

 

 妹を妹と思っていないシャルルは、月餅を1個目の前で奪うという意地汚くて意地の悪い行動をしたので、またメイユィに正論で煽られて喧嘩になったのは語るまでもないだろう。

 

 

 午後のゆっくりタイム、永遠に無職な気がするシャルルは、現代パルデアに順応しすぎて毎日ネトゲに勤しんでいる。

 

「……ちっ! 使えないやつとチームになってしまったわっ!」

 

 コントローラーを投げ捨て床を、バンバン拳で叩くシャルル。

 

 どうやらFPSで味方が足を引っ張ってしまい、優勝を逃してしまったらしい。

 

 強調性という言葉がシャルルの頭の中にはない。

 

 実はミスをしたプレイヤーが悪いのではなく、シャルルが単独行動をし過ぎて尻ぬぐいをしていた結果、そのプレイヤーが〝やらかした〟ように見えるだけなのだ。

 

「……お姉ちゃんさぁ」

 

「んみょーーーー!??? おおおぉお前かっ! 勝手に入ってくるでないっ! 何の用じゃっ! 早く失せろっ!」

 

 その様子を見ていた妹、メイユィがスッーーと部屋の影から現れた。

 

 驚いたシャルルは凄い勢いで後ずさる、顔や足よりも先におっぱいが出てきたので、メイユィは隠密行動に全く向いていないだろう。やるとすれば色仕掛け一択だが、アムト以外に振るう姿は想像ができない。

 

「今のはどう見てもお姉ちゃんが悪いよ……責任を押し付けられた人可愛そう……」

 

「黙れっ! わらわの足を引っ張る奴が悪いのじゃ! チームガチャに負けただけなのじゃ! ガチャで当たりさえ引けば足を引っ張られる事はないわっ!」

 

「……………………はぁ、お姉ちゃんそのゲーム止めた方がいいかもよ……? 例えばさ、一人で出来るゲーム、ソリティアとかの方がいいんじゃない? 誰にも迷惑かけないし、迷惑かけられないから……」

 

「馬鹿にしているのかお前はっ!?? やるのかっ、喧嘩か? バトルか? 外に出なくともいい、この場でやるぞっ!」

 

 メイユィの正論はサイコブレイドよりも鋭い、足を引っ張られたと言っていたが、思い当たる節が何個もあるらしくグサグサ突き刺さっていた。

 

 逆切れするシャルルはカタストロフィを放とうとするも、妹にはどれだけ撃っても効果がなく、ただ疲れるだけなのを思い出し、はぁ、とため息を吐いたら傘を仕舞い込む。

 

「……興が削がれた、はぁ~~~~……アムト、いや! 人間に新しいゲームを買って貰うのじゃっ! そ、それでいいのじゃろうっ!?」

 

「今……アムトくんの名前」

 

「呼んでないし言ってもないわっ!! 人間は人間じゃ! お前こそあんな人間に肩を持つなどありえぬわっ!」

 

 顔を深紅に染めるシャルルは、口が滑ったと口を抑えながら捲し立てる。とりあえず誤魔化したい時の彼女の癖だ。

 

 見逃さずチャンスだと、メイユィは眉を落としたまま口元だけは、にんまり猫のようにさせ彼女も頬を紅潮させていく。

 

「お姉ちゃんたら……胸大きいのに器はちっちゃいんだから……そんなお姉ちゃんでも、アムトくんは嫌いにならないんだろうけどね……アムトくんは器が広いよね、私は彼にもっと……近寄りたい……♪」

 

 宿が無くなるしゲームも出来なくなるし、食事もすぐに出てこなくなるのは嫌なので、しょうがなくこのログハウスから立ち退かないでいるだけだが、やっぱりシャルルは若い男は嫌いなのである。

 

 都合のいい時だけ、おや扱いしているのはアレだが……

 

 アムト、アムトと連呼しながらうっとりしている自称妹へ対しても、イラ付きはあるがアムトが高く評価されていれば、何故かシャルルまで心が弾んでいく気がする。

 

「と言うわけでさ、ゲームで組んだ仲間さんを許してあげて? お姉ちゃんより上手い人とチームを組むことになって、同じ事を思われたら嫌でしょ?」

 

(お前……本当にわらわの半身と宣うのか……?)

 

 陰と陽の関係だが、ここまで自分と違うものなのかと、余計に本当の妹なのか分からなくなってきている。

 

 なんだかんだで、彼女も内心妹かそれに近い存在であると、ちょっとずつ認めざるを得ない自体が多すぎているのだが。

 

 それは絶対に口に出さないのも、またシャルルらしい。表面上は妹も大嫌いで通していらっしゃるので。

 

「おーい! シャルルもメイユィも少し出かけようよ!」

 

 どっかのロリ巨乳とは違って、ちゃんとノックしてから部屋に入るのは我らが、パルデアの英雄アムト。

 

 彼が入って来て早々に、メイユィはトタタタ、可愛らしく小走りで彼の元へと歩み寄って、腕に抱き着いてくる。

 

 もぎゅるッ、100cmを超えるデカおっぱいが二の腕を挟み込むが、毎度のことなのでアムトはスルー……

 

(おっぱい! おっぱい! おっぱい! 本当にこの子は縦にも横にも凄いなぁっ……!)

 

 出来ないので、おっぱいレビューを頭の中で作り上げてから、わざとらしい咳払いの後に本題へ入る。

 

 妹が抱き着いて、アムトが照れている光景を見て、シャルルはコントローラーを握りつぶしそうになってしまったが、青筋を額いっぱいに蔓延らせながら、何とか平常心を保っているつもりである。

 

「出かけるじゃと? ちょうどいい! 新しいゲームを買えっ!」

 

「いいけどね、その前にお散歩しようよ! この家の近くに風車があるのは見えるでしょ? もっと近くで見て見ない?」

 

「興味ない、そんなのを眺めて何になる」

 

 メイユィが引っ付いているからなのか、辛辣に言葉のデッドボールをするシャルル。

 

 まともなコミュニケーションなど、かつての同胞以外とした事は無いので、彼女はわりとコミュ障なのかもしれない、唯我独尊な性格がそうさせてしまっているのも、もちろん一つの要因だ。

 

「でもお姉ちゃん、引きこもって遊んでばっかりなのは良くないと思う。封印の祠から出られたのに全然変わってないよ……やっぱり進歩ないね」

 

 姉に対してだけ、特効スキル持ちのメイユィはザクザクと言葉の矢印をぶっ刺してくる。

 

 ムカ付くが図星だ、自分から家の外に出ないのは事実であるし、そういえばと、本来の目標は世界の掌握だとも今の今まで忘れていたのは、流石に恥じる他ない。

 

 現代は娯楽の誘惑が多すぎるのだと、前置きをしながら渋々外出する気になったのは、メイユィの斬り捨てに続いてアムトが――

 

「俺はシャルルにも、メイユィにも、現代-今-のパルデアを見せたいんだ。約束したしね……ちょっとでいいからさ? ゲームで負けちゃったんでしょ、気分転換として、ね!」

 

 そう約束されたし、承諾してしまったのは記憶に新しい。

 

 現代パルデアを把握する事は、即ち、征服する為の情報を得る為にも必要であろう。

 

 と、適当に建前を考え付いたシャルルは、腕を組みながらそっぽを向いて答える。

 

 さらしに包まれた99cmのロリ巨乳バストが、二の腕に乗っかるわ脇を締めて強調されているわ、健全な16歳は色々なところが元気になってしまいそうだが、紳士な態度でシャルルの手を取ろうとする。

 

「ええぇーい! わらわに触るでない!」

 

「あっそ、じゃあ私が代わりにアムトくんと手を繋いじゃお♪」

 

 それはそれで腹が立つので、急いでアムトの左側面へ回り込んで、ぶっきらぼうに手首を掴むシャルル。

 

「フンッ! 茶番はよい! さっさと出ればいいのだろう? どうせわらわは暇していた、わらわの暇を潰してみせろ人間」

 

「はいはい! いい景色だから楽しみにしててね!」

 

 左右からイーユイ姉妹に手(手首)を繋いで(掴まれ)て、幸せで不幸な男はAIとカザナに家を任せて、西パルデア地方海沿いへと歩き始めた。

 

 

 パルデアには名物が数多くある、大きな風車が見事に立て並ぶエリアもまた、名所の一つだ。

 

 旅の途中、大空のヌシを倒したのもこの西一番エリア、絶景に見惚れてしまっている間に襲われてしまい、とある先輩と何とか撃墜させた記憶がよみがえる。

 

 また、デートスポットの一つとしても有名なので、特に週末には男女がイチャ付いていたりする。

 

「凄いね……私が知ってる2000年前とは全然違うの……そうそう、私はあの砂漠を通って来たんだ……」

 

「こんなの見てどーしろというのじゃ、つまらんっ、早く戻ってゲームしたいぞっ! それかハッコウまで買いに行く! どちらか選べ人間!」

 

 まるで我こそが大空のヌシになったかの光景は、パルデアの大体を見下ろせる。

 

 色彩と自然豊かなパルデアには砂漠、巨大な湖、雪山、遺跡、年季の入った食文化の街や、シャルルも気に入ったハイテク近未来な街、そしてパルデア中央の危険地帯……など。

 

 この景色を見る為だけに、観光に訪れるだけの価値あるロケーションとして最高なのだ。

 

 ベンチが沢山あるので休む場所にも困らない、アムトも体力維持の為にこの場所までランニングしに行っている。

 

 メイユィは祠からアムトらが住むログハウスまで、徒歩で辿り着いたがロクに観光もせず、ひたすら目的地を目指していただけなので、ロケーションを気にする余裕はなく、シャルルもまだハッコウシティくらいしか知らないのだが、既に飽きたらしくブーブー言っている。

 

「ゲームのやり過ぎは目が疲れるよ、遠くの景色を見て休むことも大事だと思う」

 

 ごもっともである、シャルルはドライアイになるくらいには、ゲームをやり過ぎていたので目の奥が痛い。

 

 初めてそういう症状があり、ゲームにより酷使された目の休息の為、渋々アムトの言葉を受け取るに至る。

 

 ……しかし、現代に順応しすぎてシャルルは廃人クラスに、ゲームをプレイしてしまっている。かつての同胞は嘆くであろう……

 

「はんっ、退屈じゃなぁ」

 

「またそうやって……すぐに横になるんだから……太っちゃうよ?」

 

「黙れ、どうせ胸にだけ肉が行く、お前如きに心配されるまでもないわ、それはお前がよく分かっているじゃろうが」

 

 実際問題、寝っ転がりながらお菓子を食べて姉はゲームしているので、妹としては反面教師になっている。

 

 かつては災害をもたらすわ、むやみやたらに燃え尽くすわで、災厄ポケモンの中でも特に危険とされていた子であるのに、自堕落でケッキングよりもニートしてしまっているので、メイユィは半身としても姉としても、恥ずかしいくらい見てられないのだ……

 

 頬杖を付きながら横になってグデグデするシャルル。

 

 なんというか、何処だろうがゲームしたがる現代っ子のソレである。

 

「ねぇ、アムトくん」

 

 やる気の無さすぎる姉にため息をついてから、離れたベンチに腰かけて太ももをポンポンするメイユィ。

 

 これはまさか……アムトの予感は的中してしまう、そんなの初体験なのに……

 

「お疲れでしょ? 私が膝枕してあげたいな♪ お昼寝しちゃおう♪」

 

(あぁ……やっぱり……そりゃぁ、まぁ……されたいっ、けどっ!)

 

 日傘として傘を召喚させ、欠伸をし今にも寝そうだったシャルルは、また卑猥な事を提案した妹へ勢いよく振り向いた。

 

 メイユィの太ももは、シャルルよりもムチッとしている。

 

 その差は微々たるものなのだが、目視の計測だけでなく、布団の中に入り込んできたメイユィ自ら触らせてきたものだから、右手の感触がよぉ~~く覚えているのだ。

 

 ちなみに、シャルルの太ももを触ったのは完璧な事故である。もちろんぶっ飛ばされた。

 

「おいでおいで♪」

 

 断ったらそれはそれで面倒になるかもしれないが、断るなんて選択肢が最初からない。

 

 断ったらメイユィは悲しむだろう、「私はアムトくんの為になれてない……」なんて言うかもしれない。

 

 そして彼は16歳の少年、ムチッとした太ももを膝枕にお昼寝したい願望は、思春期ブーストもかかって常日頃から想い描いている。

 

「じゃあ……悪いけどお願いしようかな」

 

 などと、紳士なお言葉を吐いているが、もう視線はチャイナドレスのスリットからハミ出ている、悪タイプのイメージとは相反する真っ白い肌の、もちむに太ももを凝視している。

 

「わぁ、んっ♪ えへへっ、アムトくんに膝枕してあげられた♡」

 

 メイユィを正面から見て、膝枕といえば真横に顔を乗せるのがスタンダードな気はするが。

 

 アムトは縦である、つまりニーソがグイグイ食い込んでいる太ももに、頭を挟まれてしまっているのだ。

 

 痛いなんて事は無い、寝心地が悪いなんて事は全然無い、おっぱいと同じくらいにやわっこいし、いい意味で肉厚だから頭を反対にして、太ももにむしゃぶりつきたいくらい心地が良い。

 

「膝枕なんて初めてだよ……」

 

 照れ隠しのつもりなのか、まだ目を瞑ったまま何気なく呟くアムト。

 

 〝はじめて〟に過敏に反応したメイユィは、アムトの頭を撫でながら淫猥な表情で、心音をさらに高鳴らせる。

 

「私も初めて……膝枕するの♪ アムトくんとは初めて同士だね♪ んっ……なんだかえっちだね♡」

 

「おいおいおいおいっ!!!?? そういうのはいいからねっ!?」

 

 突っ込まざるを得ないセリフへと、目を見開いてしまうが逆効果だった。

 

(でっっっっっ!??? かすぎだろっ!!!? 顔が見えないっ!!)

 

 膝枕をされているならば、当たり前だがおっぱいが目の前に広がっている。

 

 これがもしAiなら余裕で、カザナなら少し見え難かっただろう、メイユィの場合はバスト104cmの超重量級-身体は軽量級-なので、完全にメイユィの表情が覆い隠されているのだ。

 

 晴天なのに一瞬夜中になったのかと勘違いする程に、視界はおっぱいでいっぱいだった。

 

 アムト視点からだとバストサイズと衣装の都合上、露出せざるを得ない、下乳が天空のクレバスがVRゴーグルよりも、ずっと大迫力にたゆたう。

 

「アムトくん……いいけどね♡ 私のおっきいでしょ? 男の子だもんね、私のはいっぱい見たっていいよ……♪」

 

 恥ずかしい、だけどアムトだから嬉しい。

 

 メイユィはアムトの耳を擽ったりすれば、ギチギチの胸当てに何とか詰められたおっぱいが揺れ、下乳肉が胸当てからさらに零れてしまう。

 

 本能だけで言えば、下乳に穴に鼻の穴を突っ込みたい、ていうかおっぱい触りたい。

 

 いかにアムトと言えども、これを我慢するのは不可能に近い、だってパルデアの英雄はたった16歳の少年なのだからっ!

 

(おっぱい……後で触る?)

 

(えッ!? マジッッ!????)

 

 ダメだった、耐えられる訳がない、アムトの反応は英雄としてなら0点だが、健全な少年としては5000点である、それが当然なのです。

 

 おっぱい、女の子のおっぱい、女の子の大きいおっぱい。

 

 触った事はあるがだからと言って、飽きるなんてこたぁありえない。

 

 ましてや16年間の人生で、最大のバストを持つ女の子が膝枕までしてくれているのだ。

 

 シャルルがアレすぎるので、メイユィの99%は陽やら善で構築されているらしいのだが……

 

(うん♡ 今はちょっとね、汗が……だから、お風呂に入ったらアムトくんのお部屋に行くからね♡)

 

 実は小悪魔なのでは? 色魔なのでは?

 

 普段は内向的なのに、ここぞとばかりに積極性を発揮させてくる、爆乳な女の子なんて男子の大好物だ。

 

 どうやら現在のメイユィっぱいは、胸当てが邪魔をしているから汗がこもっているらしい……!!

 

 それはそれで是非触ってみたいが、今晩はおっぱい確定となってアムトは静かに拳を握ってしまう。

 

「おい」

 

 アムトが膝枕されながら、メイユィとおっぱい密談をしていたので、お忘れになっていた方々が大半だと思われるが、この場にはもう一人女の子がいる。

 

「あ、いたんだお姉ちゃん」

 

「お前らが連れてきたんじゃろっ!! わ、わらわは呆れながら眺めておったのじゃっ! 白昼堂々と……それも野外でっ! 燃やされたいのかお前らっ!!」

 

「外じゃダメ……なの? お家の中ならいいんだ?」

 

「違うっ!?!? そうではないっ! しょうもないモノをわらわに見せるなと言うておるのじゃっ!! なァにが愛情じゃくだらぬっ!! わらわは妬み! そんなものとは無縁じゃ! 永遠に分かり合えぬっ! やはりお前はわらわの半身じゃないのじゃっ! 半身であったならば愛情など――」

 

「お姉ちゃんさぁ、人の話やっぱり聞いてないね……私は陽、お姉ちゃんは陰、はい論破したよ」

 

「んぐぁぁぁぁぁァァァッ!!! 殺すっ! 陽だの陰だのどうでもよいわっ!! お前という存在が気に食わぬのじゃああああっ!!」

 

 それは愛故なのか、

 

 姉に対してド直球に言葉で殴ったメイユィ、それにキレてシャルルが暴れだすまでがテンプレである。

 

 いつも通りならカタストロフィを撃ち合うが、今回は膝枕をしているので技が使えない……にも関わらず、シャルルは容赦がないので右手にれんごくを、左手にあくのはどうを。

 

 炎と悪が合わさり最強に見える、ちょっと強い程度のポケモンならば、今のシャルルを見ただけで即逝きしてしまう恐怖の表情は、古来パルデアを災厄に陥れただけのポケモンだと、頭を垂れる他なし。

 

 まぁレベル1なのだが。

 

「待って! ケンカしないでっ! そうだっ……! シャルルっ! シャルルにも膝枕頼むからっ!! ねっ!?」

 

「はぁ……………………?」

 

「えぇ……………………?」

 

 ……何を口走ったのだろう。

 

 アムトは凄く後悔しながら、内に秘めていた願望? をバラしてしまった。

 

 彼としてはこの場を丸く収めたかったが、1秒で導き出したのが「シャルルも膝枕」である。

 

「頭がおかしいのかお前」

 

 何も言い返せない、姉妹平等に……のつもりもあったのかもしれない。

 

「ふーん、いいかもね、お姉ちゃんも……してあげたら?」

 

「誰がするかっ!!! ……に、人間ッ、いやらしい目で見るでないっ! わらわが魅力的なのは世の理で摂理であるが、不埒を働いていい理由にはならぬぞっ!」

 

 自分を世界で一番美しいし、世界で一番可愛いと思っているシャルル。

 

 だがエッチな事(膝枕だけど)には耐性がない? のかもしれない。

 

 じゃあ生まれたばかりなのに、おっぱい押し付けて、バストを測らせて、おっぱい揉ませようとしてきて、太ももで頭を挟んで来る妹は何なのだという話だが。

 

(まてっ、わらわがするのはありえぬっ、が……っ!)

 

 余計に怒りが増したシャルルだったが、急に後ろを向いたと思えば、えっへんドヤ顔で振り返ってきた。

 

「お前、わらわの〝おや〟なのだろう? お前がしろっ」

 

「何を……?」

 

「だーかーらー!! それ! それじゃっ!」

 

 子供みたいに指をさした先は、メイユィの太ももだった。

 

「お前がわらわに奉仕しろ」

 

「あっ、そういう……男の膝なんかでいいの?」

 

「黙れ、やれ」

 

「はい」

 

 逆らう事など出来ないので、膝枕をしてもらいながら膝枕をする。

 

 しかも男が真ん中だ、勝手にベンチを移動させて自身が寝れるように延長させたシャルル。

 

「…………………………………………」

 

「どう? 俺の膝枕」

 

「最悪じゃ、ゴミみたいな寝心地じゃな、祠の中の方が数段マシじゃ」

 

「そんなにっ!???」

 

「大丈夫だよ、お姉ちゃんは照れてるだけ……本当は嬉しい」

 

「聞こえているぞ……フンッ、これじゃあとても眠れぬ、夕方までの罰じゃ、この体勢を維持させろ」

 

 ご奉仕が罰扱いになったが、アムトからすればとても罰なんかじゃない。

 

 おっぱい、メイユィにはサイズこそ劣るものの、十分すぎる99cm。

 

 綺麗な球体型は、寝そべっていても形が重力に抗い続けている。

 

 不思議なおっぱいは妹と違って、ちゃんとブラ代わりのさらしを巻いているが、着物から零れ常時横乳を晒しているのも彼女のエロ……特徴だ。

 

 上も天国、下も天国、実質的におっぱいとおっぱいに挟まれている。

 

 すぐにでも上のおっぱいに顔を埋めたい、すぐにでも下のおっぱいを揉みたい。

 

(いかんいかんいかんっ!! うううっ! 確かにこれは……罰、なのかっ……!?)

 

 暫くは姉妹に何かと挟まれる日々となるだろう。

 

 思わず手を出してしまいそう……だがそれはいけない、耐えなければならない……罰というか忍耐の修行だ。

 

「すぅ……すぅ……お姉ちゃん……アムトくん……♪」

 

「よく眠れるなアイツは、おいっ、少し股を開け、わらわの首が丁度……んっ! はさっ、挟まって……そうじゃ、この位置でよい、ここから動くなよっ……?」

 

 こんな状況で爆睡しているメイユィは、少し前かがみになってしまっているので、本格的におっぱいがアムトの額に伸し掛かる。

 

 重いっ! それは女の子の身体で唯一「重い」が許される事もある部位、おっぱい!

 

 しかも縦にも長いから本当にアムトの視界は真っ暗闇になった、呼吸もやや苦しい、でも退かそうとしたら起きてしまうだろうから、現状を維持するしかないっ! 決しておっぱいに伸し掛かられて嬉しいからっ! ではないっ!

 

 シャルルもシャルルで、「股を開け」なんて言うものだからアムトはドキドキだ。

 

 後頭部がフィットするクッション扱いにしたのか、寝心地に関しては何も言わなくなって、心なしか表情が健やかになっている。

 

 アムトからすれば、シャルルが数cm上昇しただけで、男としてあるべきモノにぶつかってしまうので、色々な意味でアムトは脂汗が浮いてきている。

 

(やっぱり地獄か……?)

 

 山のように文句を吐いていたシャルルも、瞳がトロンとなってしまっている。

 

 別にアレとかが気持ちがいいから、とかではなく、〝お昼寝日和の陽気が〟気持ちいいからだ。

 

「アムトくん……♪」

 

「アムトぉ……」

 

「やっぱり寝ている時は呼んでくれるのね」

 

 おっぱいに伸し掛かられて、横乳をずっと見れた事よりも、それが一番嬉しかった。

 

 ……三人そろってお昼寝を通り越して、20時まで寝入ってしまったので、Aiとカザナに発見されてはちょっと叱られてしまった。

 

「災厄なのに平和でいいですケドネ!」

 

 Aiの発言が本日のハイライトだった。

 

 

 

「アムトくんに膝枕出来ちゃった……♪」

 

 小さい身体におっきいおっぱい、メイユィは上機嫌でおっぱいにシャワーを挟みながら、乳念……入念に谷間や下乳など、それはもうおっぱい全体を洗う。

 

 どうやっても汗が溜まってしまう、大きいおっぱいの悩みどころだが、シャルルは「そんなもんしらん」と、洗い方やケアに関しては教えてくれない。

 

「胸、おっぱい……♡ アムトくんが触りたいならいつでもいいのに♡」

 

 あの約束を覚えていたらしく、この後はアムトとおっぱいするつもりだ。

 

「ブラジャー……まだ届かないし……今夜もニプレスだけ……サイズが合わなくても、付けた方がアムトくんは喜ぶのかな……?」

 

 おっぱいと下着の事を真剣に考えていると、浴室のドアがノックも無しに開いた。

 

「おいデカ乳」

 

「きゃああああっ!! お姉ちゃんっ!!」

 

「女同士だろう、何をビクビクしとるんじゃ! ……ま、まさかっ、いかがわしい行為をシテいたのかっ!?」

 

 シャルルがノックしてこないのは毎度である。

 

 自分が一番偉いと思っているから、する必要はないと思っている。

 

 そのせいで自爆した事が何度かあるのだが……

 

「あ、それは……これから、かな?」

 

「これからスルつもりなのかっ!???? 馬鹿じゃああっ! やっぱりお前なんて消しておくべきじゃっ!!」

 

 ボディーソープの泡で大事な部分だけを隠している妹より、着物を着ている姉の方が何故か恥ずかしがっている。

 

 ていうか何しに来たのと、メイユィが突っ込んだらエッチな想像をしていたのか、慌てふためいていたシャルルがスッー、と落ち着きを取り戻した。

 

「籠に制服を入れてやった、カザナが持ってきたのじゃ」

 

「制服……?」

 

「うむ、わらわの分もある。明日はあの人間が通っている学園とやらに行く、わらわは暇だから行ってやるだけだがな」

 

 災厄の姉妹を見たいと、とある歴史の女教師がうるさいらしいので、アムトはシャルルへ頼み込んで、メイユィへも話を通してくれと言っていた。

 

 メイユィは急であるが、アカデミーの制服を着れるのは悪くない……どころか、アムトに新しい姿を披露ができるので断るつもりはなかった。

 

 シャルルはお気に入りのゲームのアプデが、ちょうど明日の昼間にあるから仕方なく……と言っていたが、それなりに楽しみなのが雰囲気から見て取れる。

 

 現代を見せる、約束したのはアムトである。

 

 学園に一日入学するのだって、良い体験になるだろう。

 

「お姉ちゃんさ、私達の制服……胸のサイズ……大丈夫かな?」

 

「ああ……諦めろ」

 

 カザナが一番ビッグなサイズを購入し、届けてくれたが急だったので、特注オーダー品は残念ながら間に合わない。

 

 一日だけなのでそこは……と、巨乳、爆乳の二人には申し訳ないが、最悪普段通りの服でもいいかと、アムトは校長と絶賛お電話中らしい。

 

 ……そんな事を相談される、校長も何だか可愛そうであるが。




更新遅れてごめんねっ!
詳しくは活動報告で!
次回はアカデミーに体験乳学!!


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