わざわいのまがたまっ!!   作:緋枝路 オシエ

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驚愕のバストサイズ判明だぜっ!


災厄のバストサイズ

 閉店間際となったデパート。

 

 4階には女には欠かせない、男にはとても居心地が悪い-と同時に天国でもある-お店がある。

 

 やっと配送手続きを全て終わらせて、アムト達は4階に滑りこんだが、この階だけアムトは役に立たないのだ。

 

 なにせ〝下着売り場〟なのだから。

 

(マスター、時間ギリギリだけど下着……シャルルちゃんのブラとパンツ買ってあげなきゃ。合うサイズが売ってるかは分からないけどさ……とりあえず寄ろう)

 

 アムトはすっかり忘れていた、私服が着物でさらしを巻き横乳をアピール(?)しているが、未だに彼女はカザナのパンツを借りているにすぎない。

 

 女子が寝る時にブラを外すのか、外さないのか、男であるアムトには分からないが、買っておくに越した事は無い……着物以外の私服も買う時はあるだろうし尚更だ。

 

 パンツはまだ誤魔化しが効く、ブラジャーは巨乳のカザナのものですら合わないので、専用の物を買わないとどうにもならない。

 

 アムトはポツンッ……と、女性の姿すらも僅かになった店内の椅子に座って、落ち着かずスマホをいじくりまわしている。

 

「では測らせていただきマス、シャルルさんのバストサイズは……」

 

「退屈じゃなぁ……早くわらわは飯が食いたいぞっ!! 早く帰ってわらわの為にアレを作れ!」

 

 更衣室には女性の姿が3、いや、更衣室前で腕組みガーディアンしているのはカザナ、室内には着物を脱いでトップレスになったロリ巨乳なシャルルと、スリーサイズ測定専用のメジャーを何処からか手に入れて、何故か常に携帯していたAiの二人だ。

 

(こんな事もあろうとデスネ、デジタルメジャーを持ってきてオリマスデス。シャルルさんは身体は小学生なミニマムですが、お胸はとってもビッグですからネ、目測で下着を購入しても絶対に合いまセン)

 

 用意周到なAiは、生身のポケモンや人間に任せられない測り方で、シャルルの脅威的な胸囲をナノやピコ単位で測定していく。

 

 シャルルはバンザイポーズを取っているだけだが、家具や娯楽品の数々を容赦なく購入していた、テーマパークに来た子供な瞳とうって変わり、本当につまらなそうな表情をしている。

 

 そんな事よりもデパートの最上階で見かけた食べ物、麻婆豆腐を食べたくて食べたくて、涎が出そうになって抑える方が大変だ。

 

 出生が出生だけに、中華料理には本能で惹かれるのだろうか? チャンプルタウンへ連れて行ったらどれだけ喜ぶだろうか。

 

(シャルルさんのトップバスト、アンダーバストから導かれるカップ数……ナルホド、カザナさんの下着では収まらないわけデス、このお店にこのサイズが収まる下着、売っているのでショウカ?)

 

 何度も何度も、自分の測り間違えだと測り直したが、10回目でも同じ数値が出てきたのでズレは一切なかったと、Aiはコミュニケーションモニターを仰天させながら、冷静に分析する。

 

(バスト99……Jカップデス、トンデモない胸部をお持ちデス、身長が141cmとミニマムなので迫力が凄いデス、前から横から後ろから、全方位で観察しても大きいのデス)

 

 背丈に対して胸の面積がデカすぎる、最大許容値を余裕でオーバーしている。

 

 これぞ伝説の貫禄なのだろうか、急いで店員にバスト99cm用のブラジャーはないのかと、Aiは尋ねたが店員は何度も聞き返した。

 

「デスカラデスネ、バスト99cm、Jカップ、ウエストが……」

 

 やっと数値の異常さが飲み込めた店員が、紅くなりながらJカップ用ブラの売り場へ案内してくれた。

 

 種類は少ない、柄や色も質素な物が大半であるが、特大サイズの、それもロリ巨乳用のブラジャーまで売っているとは、パルデア最大のデパートの名は伊達ではないと、Aiは賞賛した。

 

「トリアエズ付けまショウ」

 

「んぐっ、苦しい……こんなの付けていられるかっ!!」

 

「ああ、買ったばかりの下着ですノニ」

 

 ベストマッチであろうブラジャーも窮屈だと、更衣室からポイ捨てしてしまったシャルル。

 

 ブラジャー自体に慣れていない、そうだとは思うが……一つ確実なのは、今晩もノーブラで寝巻を着るという事だ。

 

(ご主人サマにもお伝えしなければ、手持ちであるワタシ達の事は把握しなければならないからデス。……やっぱり止めておきまショウ、その方が楽しくなりそうデスカラね)

 

 手持ち全てのスリーサイズを把握している(自己申告ではない)アムト、健康診断などで必要なので決してセクシャルな要素はない。

 

 だがシャルルのサイズは内緒にしておこう、遠くない内に何かのきっかけで知る事となるだろう、Aiはそう予感しながら控えめに笑みを作り、口元は堪えるようにムズムズさせていた。本当にメカなのだろうか。

 

 

 

 

 ウッキウキでAiが作った麻婆豆腐を食べて、お風呂にも入って大変機嫌のよいシャルルは、ある程度の家具を配置したら「残りは明日すればよい♪」と、災厄ポケモンだと信じられなくなるような寛容さを発揮させた。

 

 時刻は23時過ぎ、カザナはお布団in状態、Aiは何をしているか不明であるが部屋にいる、ではアムトとシャルルは?

 

「王手、飛車角取りじゃ」

 

「ちょぉ! ちょっと待って! もう一回!」

 

「ミョホホホッ~~♪ 弱いのぉ人間♪ ざぁこじゃ! ざぁこざぁこじゃぁ~~♪」

 

 何処でそんな言葉を覚えてきたのか……多分ではあるが、デパート内の音声ASMR専門フロアでこの間発売された

 

「ナンジャモがメスガキになって皆の者を涙目にさせてみた」

 

 でも耳にしてしまったのだろう。

 

 物覚えが早いシャルルは、将棋のルールをすぐに理解し何百か何千か、アムトの手は全て読まれて5回目の完敗である。

 

「木簡を使い似た遊びをした事があるのでな♪」

 

 鼻高々に自慢するロリ巨乳、彼女は新しく専用として購入して貰ったパジャマを纏いながら、アムトと遊んでいある。

 

 赤とオレンジをメインにし、差し色として黒を入れた派手な色のキャミワンピース、素材がサテンだわ胸元はざっくり出ているわで、単刀直入に……エロい。

 

「……また見たなッ! 理解力が無いのかお前はっ!! もう見るでない……さぁ6回目の対戦じゃ! お前が駒を並べろ!」

 

 駒を使う遊びは得意なのかもしれない、他にも碁にカルタにけん玉に双六にベーゴマ、普通の携帯ゲームも買ったし据え置きゲームまで買ったし、かなりお高いワイドテレビまで、極めつけはVRゴーグルも……目に止まった遊具は全て購入させた。

 

 まだテレビは取り付けられず、大量の段ボールの中で眠りについているが、シャルルに与えた部屋は高級ホテルのワンルーム以上に広々空間なので、布団の敷けるスペースは充分確保されている。

 

「王手!」

 

「馬鹿め! わらわの銀がお前の王を狙っていたと気が付かぬとは!」

 

「あっーーーー!! 王手って言ってないじゃん!!」

 

「わざと言わなかったんじゃも~~ん♪ 試してやったのに気が付かぬお前が愚かなのじゃ♪ ザコザコじゃっ~~♪」

 

 アムトはムキになってしまう程に負けまくった、ハンデとして六枚落ちさせたってシャルルが勝ってしまうのだから。

 

 恐らくであるが……アムトの将棋の腕は決して弱くはない、だが……おっぱい、エロパジャマ姿のシャルルっぱいをチラ見し続けてしまっていたから、集中力が簡単に切れてしまっていたのだ。

 

 彼女がドスケベパジャマを着ているのは、単に胸が苦しくないデザインだから、である。

 

 おっぱいの大きい女性はよく胸元を露出させるが、出したくて出しているのではない、「出さなければ苦しいから仕方なく出している」のだ。

 

「……今日はこれくらいにしようか、もう1時前になっちゃったし……」

 

 双六でも完敗して音を上げたアムト、やっぱりおっぱいが原因だったらしく、途中で何度もシャルルに怒られた。

 

 折角買ったブラジャーも着けていない、凄く頑張れば谷間以上のモノが見えなくもないかもしれないが、そこを踏みとどまれるのがアムトである。

 

「うむ……そうじゃなぁ……わらわも疲れた、起きたらまたやるからな……んぅ……ねむっ……ふわっ、ああああっ……んっ」

 

 2000年ぶりの娯楽に熱中してしまったシャルルは、とっくに日付を跨いでいた事にも気が付かなかったらしい。

 

 自覚をすれば疲労が急激に纏わってくる、欠伸すらもお嬢様で、お姫様のような上品さで口元を抑え、たったそれだけの仕草でも99cmっぱいが、ぽゆんぽゆん、永久に食べ頃な果物の如く実り揺れてしまう。

 

「おい、何処へ行く……? わらわの隣で寝ろ」

 

「またぁ!?」

 

「何だその顔はっ……! 不満でもあるのかっ!?」

 

「いえ……本当にいいのかと……」

 

「黙れ、早く来い、そして何も考えずに寝ろ」

 

 アムトには予め自分の布団を持ってこさせた。隣といってもアムトとシャルルの布団は、かなり距離が離れているのだが、同じ部屋で一緒に寝るのは変わりない。

 

 彼女が手持ちになりまだ二日、教えたい事は山ほどあるが少なくとも、目覚まし時計の使い方や各々の部屋の位置などは、もう頭に入っている筈である。

 

 アムトが彼女と寝る必要は非常に薄いのだが、肝心の彼女が〝一緒に寝る理由〟を言ってはくれない、プライドの高すぎる彼女が口にするはずもない。

 

「電気を消せ……」

 

 寂しい、ただそれだけだ、一人になりたくない、それだけなのだ。

 

 じゃあカザナかAi、同性のどちらかでいいのでは?

 

 それはそう、同性よりも異性を選ぶメリットは無いが、アムトは「おや」なのだから拒否権はない。

 

「本当は男のお前なんかと同じ空間にいるのすら嫌なのだが……仕方ないのだぞ、名を与え、居場所を与えてしまったお前が悪い、責任を一生涯とり続けろ」

 

 おやなのは実に都合が良かった、おやだからああしろ、こうしろ、ごり押しが出来るから。

 

(……寝た、かな? コキ使われたなぁ……いいけどね、シャルルと一緒に色々……楽しいから)

 

 双六のサイコロを振っていい目が出た時の笑顔、将棋でガンガン追い詰めていくドヤ顔、段ボールの箱を開けていくワクワク顔、欠伸をする顔ですら見惚れてしまう。

 

 2000年も封印されていたのだ、粛清としては充分だろう、シャルルに今-現代を見せると約束したのはアムトだ。

 

 熱中しすぎて深夜になってしまった、それはアムトにとっても懐かしい気持ちになった、友達を呼んで家でゲームをし起きたことのない時間まで起きていた。

 

 お母さんに怒られてしまう、までがお決まりの流れであったが。

 

「シャルル?」

 

 返事はない、寝息は立てていないが流石に眠ってしまったようだ。

 

 横を向いてるシャルルの表情は伺えない、それでも封印の祠で眠るしかなかった頃より、ずっと安心しきった表情になっているだろう。

 

「俺も寝よ……おやすみ」

 

 アムトも疲労より安心感の方が強く、目を瞑ればまどろみの世界へとすぐに到達する。

 

 二人して規則正しく寝息を立て、Aiもベッドで横になるまだまだ朝には遠い時間帯、アムトとシャルルが寝入ってから一時間しか経過していないが――

 

(あっ………………??)

 

 身体を揺さぶられる振動で、アムトはまどろみの世界から引きずり出されてしまう。

 

 物凄くよく眠れていた、睡眠欲を極限まで満たされる筈の快眠であったのに、先ほどから左腕が重たい。

 

「なんだよっ……」

 

 温厚な彼とて快眠を邪魔されれば機嫌が悪くなる、何が原因だとイライラしながら掛け布団を投げ飛ばした、すると……

 

「ギョッ!????~~~~ッ˝ッ˝!!?」

 

「んやっ……すやっ……んにょ……ふふっ……♪」

 

 

 シ ャ ル ル が 左 腕 に 抱 き 着  い て い て 離 れ な  い 

 

 抱き枕としては体格を考慮すれば、まぁ最適なのかもしれないが布団同士の距離は、シャルルがかなり遠ざけたので彼女は寝たまま転がって、アムトの布団に潜りこんだ……という事になる。

 

「どんだけ寝相悪いのっ!? ちょっとシャルルッ……ううぅ、ダメだ、全然離れない……起こすのもなぁ……こんな顔されちゃったら……はぁ、無理だって」

 

「ん~~ふふっ、ふっん、んみゃ♪ んみょほほ、ほほっ……♪」

 

 ロリ巨乳な美少女に抱き着かれているって、天国だと思うじゃないですか?

 

「ふっーーーーーはっーーーふっーーーほっーーー」

 

 柔らかすぎて、いい香りすぎて、可愛すぎて、抱きしめたいけど抱きしめられなくて、でもふとした瞬間に何かをやらかしてしまいそうで。

 

 巨乳がグイグイ左手に伸し掛かる、もぎゅんっ、谷間に二の腕やら肘が挟まれている間、またしてもアムトはサワロ先生のガチムチな肉体を想起させて、その場を凌ぐことにしていた。

 

 キャミワンピからおっぱいが零れそう、おっぱいを擦り付けられているから本当に零れそうっ、目を瞑って耐えているアムトへさらに幸福-不幸が襲う。

 

「足ぃぃぃ……………………どんだけ寝相悪いのこの子ぉ! ヤバいって!」

 

 寝相が悪いのは、2000年ぶりに横になって寝れた布団の心地よさを、無自覚に堪能しようと転がっているから、だろう?

 

 そこへ丁度いい感じの抱き枕があったので、シャルルはお気に召してぎゅーぎゅーで、むにゅむにゅで、ぷにょぷにょで、ぽわんぽわんさせてしまっているだけだ。

 

 アムトはシャルルの〝おや〟になったのだから、この状況下では彼女の抱き枕となって朝まで過ごす義務がある。

 

「んんぎぎぎぎぎぎっ……あがぁっがががががっ……」

 

 オスの本能でソレとかアレとかに手を伸ばしそうになる、抱きしめたくもなる、なんかもう色々としちゃいたいくらいに欲望が渦巻いているが、一流のトレーナーなので朝までナマケロやケッキングよりも動かずに、ひたすら耐えきったのであった。

 

 ちなみに、シャルルは起床して早々に「わらわの布団に入って来るとは死にたいらしいな人間っっーー!!」と……アムトをぶっ飛ばしてしまった。

 

 だがまぁ、男としてオイシイ想いはたっぷり出来たと言えばウソではないので、領収書代わりに避ける事なく受けていたが。

 

 

 

 

 

 ――アムトがシャルルの抱き枕になってから、さらに三日後の夜。

 

 ロースト砂漠でとあるポケモンの少女が、気性の荒いノクタス達に囲まれていた。

 

 ノクタスは獲物が疲れ果てるまでは、只管に後を付いて動けなくなるのを待つという、結構忍耐強い習性なのだが。

 

「……気が立っているんだね、いいよ」

 

 何があったのか、心当たりがあるらしい彼女は襲い掛かろうとする、ノクタス達へと気怠そうなのか、自信がなくオドオドしていそうなのか、どちらにも捉えられる表情のまま手に持つ武器、提灯を向ける。

 

「あなた達の妬み、貰い受けるね」

 

 ノクタス達は異常にイラ立っている、偶々少女が目についたから全員で襲い掛ろうとした、本来の習性を物理的に無視してしまう程には、怒り狂っていた。

 

 だが……少女が掲げた提灯が妖しい黒、そして紅と交互に点滅し、とあるシルエットが浮かびだされていくと、ノクタス達の身体からすぅぅ~~……煙のような何かが抜けていく。

 

「……回収、完了。こんなところにも妬みがあるんだ、もぉ……お姉ちゃんたら。もう少しで着くのかな? 砂漠……夜は寒いんだね」

 

 煙? を全て提灯に吸収させたら、一匹一匹のノクタスへ頭を下げてから砂漠横断を再会させる。

 

 ノクタス達は何があったんだ……? と、怒り狂っていた自分達はどうかしてたと、頭を抱えながら住居へと戻って行った。

 

 砂漠を超えたら目的地へ辿り着く、寒いと呟くが彼女は炎を足先に纏いながら、砂漠の砂にも埋もれずに地表から数cmほど、常に浮かびながら黙々と歩いている。

 

 炎を纏い浮かぶ、あの災厄ポケモンと同じ手段であり、提灯片手に進んでいる少女の髪型は、やはり……似ている、そっくりなのだ。

 

「お姉ちゃん……まったくもぉ、だよ」

 

 提灯にはあのポケモンの象徴である、勾玉が4つ付いている。

 

 歩くたびに、いや、呼吸するだけで揺れまくっている胸部は"あの子"と同じく、大変豊満であった。




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