不慣れな文章だとは思いますが、楽しんでいただけたらありがたいです!
投稿頻度はあまり高くはないと思います。
「懐かしい町並みだなぁ……」
そう呟きながら、少し大きめのトランクを転がしながら実家の方向へと歩き続ける。
俺の名前は『緒山 ほまれ』現役の大学生だ。
高校を卒業してから大学のある都会の方へ引っ越したため、実家のあるこの辺は新鮮だ。
俺には二人の兄妹がいる。
一人目は『緒山 みはり』
年齢で言えば高校生だが、成績が優秀なため、飛び級で大学へと進学した自慢の妹だ。
ちなみにその大学というのは俺が進学した大学だ。正直初めに聞いた時は驚いた。自分よりも優秀な彼女のことだから、てっきり海外とかに行くのかと思っていた。理由を尋ねると「お兄ちゃんがいるから」だそうだ。もっと真面目なのかと思っていたが結構かわいいやつだ。
二人目は『緒山 まひろ』
年齢は俺の一つ下で、穏やかでなにかと優しい性格のこちらも自慢の弟だ。
……ただ、俺が引っ越した後に聞いた話だが、少し前から引きこもりの状態になってしまったらしい。学校にも行かず、ひたすら部屋でゲームをする、兄からしてみれば昔の姿からは想像できないような生活だ。俺が行っても果たして大丈夫なのだろうか。
「………久しぶりだな、この感じ。」ガチャ
見慣れたドアノブを引き、家に入る。すると中から「あっ……!」と小さな声が聞こえてきた。
「おかえり、お兄ちゃん!」
「ああ、ただいま。」
──ここから俺の少し変わった日々が始まるのだった。
─────────────
家に入った途端に妹のみはりが出迎えてくれた。
大学で時々会うので久しぶりの再会というわけではないが、なんか少し感動した。
そもそもなぜ俺が帰ってきたのかというと、みはりのとある研究が目的だ。俺もまだ詳しい内容は知らないが、なんでも俺の助けがあった方が都合がいいらしい。まあ、みはりがいろんな薬を作ってるってのは知ってたから正直あんまり関わりたくはなかった。
「………んで、研究って具体的にはなんだ?」
「まあまあ、お兄ちゃんそう焦らずに♪ せっかく帰ってきたんだしゆっくりしよ♪」
机に座ると麦茶を差し出してくれた。誰かにもてなされるなんていつぶりだろう………
「………ん、サンキュ」
「あ、そうそうお兄ちゃん、引っ越しの手配だけど、もう全部終わったから部屋見に行ってもいいよ」
最初ここに戻ってきてほしいと言われた時はせいぜい1週間くらいかと思っていたが、
「引っ越し会社の方には連絡しといたから荷物まとめといて」って言われた時は流石にビビった。………ほんとに問題にならないよね?これ……
「そうか……なんかすまんな、いろいろやらせちゃって」
「大丈夫だよお兄ちゃん!だって私………お世話までしてるから!」
お世話?………あっ、まひろの話か……………あいつにも一応気を使わないとな。でも、俺の事とか覚えてんのかな………心までひどい状態になってたら何言われるかわかんないし……
「ははっ、みはりも大きくなったもんな。そんじゃ、部屋見てくる。場所は変わってないよな?」
「うん、ニ階の同じ場所だよ〜」
こうして階段を上がり、部屋の前までやってきた。
「………なんか緊張すんな〜」
これまた懐かしいドアノブに手をかけた途端、急に右から物音が聞こえ、部屋から誰かが出てきた。
「ふわあぁ………今日はよく寝たなぁ、最近なんかトラックが家の前に止まってたし……
まあでも、やっぱり遅起きは最高だな! さぁて、今日は朝昼兼用食を食べて………って、え?」
まひろかと思っていたら、出て来たのは見たこともない女の子だった。見た感じ……中学生くらいだろうか?みはりの友達にしては幼く見える。 はっ! まさかみはりのやつ、この子を実験台に……!
「え、ええっと〜、はじめまして………かな?」
「誰だお前は!オレの家に勝手に入ってきて…………まさか強盗か!?それともストーカー!?」
「いやいや、一回落ち着こうか! まずは話をして………」
「だめだ、襲われる〜! 助けてくれみはり〜!!」
全く言葉が通じなかった。 ……ん?でもみはりに助けを求めてる? いったいこの子は何者なんだ………?
「………どうしたの!? なんか叫び声が聞こえたけど………」
みはりが急いで階段を登ってきた。大声を上げて助けを求める女の子と、少し離れて慌てる成人男性。赤の他人から見たらとんでもない状況だ。
「おいみはり助けてくれ! こいつが急にきてオレのことを襲いに………!」
「そんなことしようとしてないから! あとみはり、この子は誰なんだ!」
「「なあ、みはり!!」」
急にヘイトを向けられみはりはあたふたしてしまった。
「えっと、あの………とにかく二人とも落ち着きなさい!」
─────────────
「え!? まひろ!?」
「え!? 兄ちゃん!?」
二人の声が大きくシンクロして響いた。あの後、みはりから説明された。まひろが薬のせいで女の子になったこと。その研究の手伝いとして俺が帰ってきたことを。
「はあ………ほまれお兄ちゃんが驚くのは無理もないけど、まひろお兄ちゃんはなんで覚えてないの………?」
「え? いや〜兄ちゃんがいなくなってから初めて会ったから、うっかり〜………」
「えへへ〜♪」と小声で言いながら笑顔で頭を掻く。………弟ながら可愛すぎる仕草だ。いや、今は妹か……
「……まあ、何はともあれまひろが元気そうで安心したよ。すっかり女の子してるしな!」
あまり女性との関わりの少ない俺でもわかるほど、髪は整ってるし、顔も美少女さながらだ。服はおそらくみはりのお古だろうが、すっかり似合っている。
「うんうん! お兄ちゃんも気にいっちゃってるしね、女の子の姿♪」
「だ、誰が気に入って………// ………もう、絶対いつか男に戻ってやるからな……!」
「あら〜すっかり照れちゃって〜、もしかしてほまれお兄ちゃんに「女の子らしい」って言われたのが嬉しかったのかしら〜」
「っ〜〜!! みはり……! ……ふーんだ! もう男に戻ってもお前とは関わらないからな!」
「こ〜ら、お姉ちゃんにそんなこと言わないの!」
「誰がオレのお姉ちゃんだ! このバカみはり!!」
「む〜! お兄ちゃんよりは頭いいです〜!」
「「ぐぬぬ………!!」」
二人が言い争いをしているのを俺は高みの見物していた。第三者視点で見てみるとあれだ。ただの可愛い姉妹喧嘩だ。お互いに頬を膨らませて、慣れてないような優しさを感じる睨み方で威嚇する。町で見かけたら立ち止まるレベルで可愛い。
「…………二人ともやっぱ仲良いな」
「「仲良くなんかない!!」」
その後も少し喧嘩は続いたみたいだが、すっかり和解したらしく、俺に向かって大声を出したことを二人とも少し涙目になりながら謝ってきた。久しぶりに頭を撫でてやると、昔の感覚を思い出した。ああ、俺本当に帰ってきたんだな。
─────────────
その日の夜
まひろはもう寝ている時間だ。女の子になってから健康的な生活を取り戻すために、みはりが生活管理をしているらしい。なので今は俺とみはりでリビングで二人きりだ。
「なあみはり、まひろって女体化してからどんくらい経ったんだ?」
「うーんと、今日で四日目かな」
「なるほどな………て、え!? まだ四日目!?」
思ってたよりも短くて驚いてしまった。まひろもすっかり馴染んでたみたいだしもう少し経っていると思っていた。
「そうなのよ、そ・こ・で、お兄ちゃんが来ることによっていい刺激になると思わない? ふふ、ああ見えてまひろお兄ちゃん、ほまれお兄ちゃんのこと結構好いてたから♪」
(お前がそれ言うか……? ブラコン妹よ……)
「まあ、みはりがそこまで言うってことは、俺も力になれるんだな」
「ふふっ♪ お兄ちゃんならそうこなくっちゃ♪」
「ということで、改めてこれからもよろしくね! お兄ちゃん!」
「………ああ、こちらこそ、よろしくな!」
───こうして新たな生活の幕が開いた。