「さぁ、今日も練習を頑張るよ~☆」
「おぉ~!」
次のライブ練習に向けて、リサの言葉にあこも元気良く返事を返す。
「今井さん、最近……とても元気ですね」
「そうね」
「……」
「紗夜? どうかしたの?」
「いえ……実は」
リサとあこの様子を見ていた友希那と燐子。だが紗夜は何か考え事をしていた。友希那が紗夜に尋ねると、紗夜が口を開く。
「本当なの……ソレ?」
「ええ、偶然にも見てしまって……」
「分かったわ、リサ」
「友希那、どうしたの?」
リサは友希那に呼ばれて彼女の元へ行く。
「実はね、紗夜から聞いたのだけれど……」
「ん?」
「今井さん、貴女はこの間……男の人と一緒でしたよね?」
「えぇ!? 本当なのリサ姉!?」
「この間って?」
「3日前です……一体、どう言うつもりですか!?」
「……」
「今井さん! 黙ってないで何か言ったら……」
「……いの?」
「え? ……!?」
「リサ!?」
「ちょっ、リサ姉!?」
「今井さん……!?」
紗夜が問い詰めると、瞳のハイライトが消えたリサが紗夜の首を掴んだ。
「アタシが自分の幸せを願って何が悪いの……? この10年間の約束がやっと叶うのに……」
「い、今井……さん……」
「10年間……?」
友希那が10年間と言う言葉を気にする。
「アタシだってさ……今まで頑張ってこれたのはさ、その約束が有ったからなんだよ? なのに邪魔をするのならさ……紗夜であっても許サナイカラ……」
「ぐっ……」
「リサ、これ以上は止めて。落ち着いて……」
「今井さん……!!」
「リサ姉、やめてよ!!」
友希那達3人は、リサを止めようと必死に2人を引き離す。紗夜も解放されて空気を吸った。
「リサ、まさかその男性って……竜騎?」
「竜騎……?」
「そうだよ~☆ 竜騎が10年ぶりに帰って来たんだもん☆ アタシは竜騎にお嫁さんにしてって約束をしてるんだもん☆」
「やっぱり……」
「お、お嫁さんって……今井さん」
「な~に紗夜? まだ文句あるのかな~?」
「っ!?」
リサの圧を含んだ言葉に紗夜は、また自分の首を掴まれてしまうのではないかと再び恐怖した。
「リサ、竜騎との約束は……バンドに支障が出ないなら構わないわ」
「み、湊さん……!?」
「だから、お願いだから暴走は止めて頂戴……」
「うん、分かったよ☆ あ、でも言って置くけどさ……アタシト竜騎ノ邪魔ヲシタラ、分カッテルヨネ?」
「り、リサ姉……」
「……」
「分かったから、その黒い圧は止めなさい」
「仕方ないなぁ……それじゃあ練習を始めよっか?」
「そうね……」
それからリサ達は練習を開始した。メンバーはいつも通りに練習に励むのだが……。
「……」
「……」
「あこ、紗夜。集中出来て無いわよ?」
「……」
「燐子もどうしたの? まさかさっきのかな?」
「うぅ……」
紗夜とあこ、燐子が練習に集中することが出来なかった。恐らくは先程のリサが原因だと思われる。
「この様子だと、今日は無理の様ね。各自で自主練に変更よ」
「了解、じゃあアタシは帰るね~☆ そうそう最後に……竜騎ニ会ッテ変ナ事ヲ言ッタリシタラ、承知シナイカラネ?」
「分かってるわ……」
「分カレバヨシ……フフフ~♪」
リサはそう言ってスタジオを出た。
「湊さん、本当にどうするつもりですか? 宇田川さんも白金さんも怖がってますし、恋愛関係でRoseliaの活動に支障だって……」
「その件の対策はあるわ。心配ないわ……」
「そうだとしても……」
「紗夜……」
「な、何ですか?」
紗夜が不満を言いたげにすると、友希那は真剣な目を紗夜に向ける。
「これ以上、リサを竜騎と別れろとか……そう言った言葉を出さないで頂戴。今日のリサの暴走は……
「か、軽い……!?」
「そうよ。昔は竜騎と仲良くしてた女の子が、嫉妬で暴走したリサに……これ以上は言わないで置くわ。でも……その時のリサは今日以上よ。恐怖を植え付けられたくないなら、決してリサを竜騎関連で刺激しないで。あこと燐子も良いわね?」
「は、はい……」
「分かりました……」
友希那の言葉に、あこと燐子も顔を青ざめながらも頷いた。今日以上に黒いリサ……想像以上に怖いのだろう。
――――
「ふぅ……今回の依頼も納品完了、クライアントも喜んでくれて良かった~。帰ったらムーナ達と遊ぶかな」
カフェのテーブルで仕事を終えた竜騎。帰ったらムーナ達と遊ぼうと考えながら、バイクを取りに駐車場へ向かおうとする。
「竜騎……よね?」
「え?」
すると、銀の長髪の女性が竜騎に声を掛ける。そう……湊友希那だ。
「まさか、ゆき?」
「そう呼ばれるのも10年ぶりね、元気だったかしら?」
「それなりにね」
「ところで、少し話をしたいの。貴方の家まに行って良いかしら?」
「良いよ~」
こうして竜騎は友希那をバイクの後ろに乗せ、アジトへ連れて帰ることにした。
「ここが俺の家もといアジトだよ。うん……アジトだよ」
「その2回言う癖は今も変わらないわね」
「アハハ、まぁ上がって」
「お邪魔するわ」
友希那はそう言って、竜騎の家のリビングにあるソファーに腰を掛ける。そして本題を出す。
「実はね、昨日の練習で……」
「ああ、バンドの練習のこと?」
「リサが……暴走しかけたのよ」
「え……? それってまさか……」
「そのまさかよ。昔のアレほどじゃないけど……」
「……」
昔のアレ……その言葉を聞いた竜騎は顔が青ざめる。
「バンドのギターをしている娘がね、たまたま貴方とリサが一緒に居たのを見たと言うの。その件をリサに問い詰めたら……リサが首を掴んでね。どうにか止めたけど……」
「まだアッチのリサの要素が残ってたとは……」
「他のメンバーにも、リサと竜騎を引き離すとか言わないでと伝えて置いたわ。竜騎もリサをちゃんと守りなさい」
「うん……」
「もしもリサを泣かせたら、許さないから……。それと私も諦めて無いから」
「ゆき……」
「それじゃあ、お邪魔したわ」
「うん」
友希那はそう言って竜騎の家を出ることにした。竜騎も玄関まで見送り、見えなくなったところで家に入る。
「リサがあの時の様に……何か対策しないと、マズい……」
以前の様な暴走を起こしたくない、そう思う竜騎だった。
TO BE NEXT
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
少しだけヤンデレ化したリサが、メンバーにも……! 竜騎や友希那が言う今回以上とは一体……?
次回も宜しくお願いします!
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