土曜日の午前、窓から朝日が差し込んでる。
「今日は仕事とか無いし、どうしようかな?」
竜騎は完全にオフであるが、特にすることも無いので暇を持て余してる。
「ん~……そうだ! 先週に発売されたゲームが欲しかったんだ! これから買いに行こうかな」
『マイロード、お出掛けされるのですか?』
「欲しいゲームを買いに行くんだよ」
『お買い物ですか。実はそろそろ……私のボルトの予備が尽きそうです』
「分かった、一緒に買って来るよ。ムーナとムートは頼んだ」
『了解しました』
留守番のドラゾーからボルトを頼まれ、ガレージのシャッターを開けてバイクを出す。
「それじゃあ、行って来るよ」
『行ってらっしゃいませ!』
ドラゾーに見送られ、竜騎はバイクを走らせた。
――――
「ゲームショップに来るのも久しぶりだなぁ。さて、目的のゲームは……」
駅近くにあるゲームショップへ来てる竜騎は、欲しいゲームソフトを探して店内を見て歩く。
「見つけた! しかも最後の1つだ」
欲しかったゲームが最後の1つであったが、竜騎はギリギリで手に入れることが出来た。
「さて、レジへ行こう」
「あぁ!?」
「?」
レジへ会計に行こうとした竜騎の横に、紫のツインテール少女が竜騎の持ってるゲームに指を指していた。
「それって最後のゲームですか!?」
「そうだけど……」
「そんなぁ……手に入ったら、りんりんと一緒に遊びたかったのに~……」
少女はゲームが手に入らなかったことがショックで、顔が下に向く。
「あこちゃん……」
「あ、りんり~ん! ゲームが売切れちゃったよ~! ごめんね~!」
「いいよ……気にしないで」
りんりんと呼ばれる黒い長髪の少女が来て、紫のツインテール少女を慰める。
「……あ~、そうだった。ボルトを買うのが先だった」
竜騎はそう言って、手に取ってたゲームを棚に戻す。
「え?」
「そのゲーム、好きにして良いよ」
「あ……」
竜騎はそう言って、ゲームショップを出た。
「あこちゃん、あの人は……?」
「さっき、最後の1個を持ってた人だけど……」
「もしかして、あの人……わざと譲ってくれたのかな?」
「えぇ!?」
――――
「さて、ボルトは買ったな。ゲームは……まぁ今度にしよう……うん、今度にしよう」
パーツ屋でドラゾーに頼まれたボルトを買った竜騎。
先ほどのゲームは別の日に購入しようと決め、家に帰ることにした。
「あ~! 居たよりんりん!」
「本当……!?」
「ん?」
駐車場に向かおうとした時、先ほどゲームショップに居た2人の少女が竜騎の元へやって来た。
「さっきは、その……」
「ありがとうございました!」
「何が~?」
少女2人は竜騎にお礼を言うが、竜騎は敢えて惚ける。
「さっきのゲームのことです! 本当は譲ってくれたんですよね?」
「気のせいだよ」
「気のせいでは……ありません」
「根拠は?」
竜騎は黒髪の少女に尋ねる。
「あの時、あこちゃんの話を聞いてから……タイミングが良く棚に戻しました……。それに貴方は、不思議と……優しい人だって」
「あらまぁ……好きに解釈はして良いけどね」
「と、兎に角! 本当にありがとうございました!」
再度お礼を言う2人に、竜騎も少し照れ臭かった。
「それで……お礼に一緒に、どうですか?」
「ん?」
「さっきのゲームの話をしながら、お茶とかどうですか?」
「初対面の相手に……良いの?」
「勿論です!」
「あはは、ありがとう。じゃあお言葉に甘えようかな」
「わーい!」
――――
「このチョコケーキ、美味しいね」
「うん!」
「はい……」
喫茶店でチョコケーキを食べる竜騎の言葉に、2人の少女も頷く。
「あ……そう言えば自己紹介をしてませんでした」
「そう言えば……」
「ふっふっふ……我こそは深淵なる闇の魔王こと、宇田川あこだよ!」
「私は、白金燐子です……」
紫のツインテール少女は『宇田川あこ』、黒髪の少女は『白金燐子』と自己紹介をする。
「俺は辰巳竜騎、宜しくね」
「……え?」
燐子は竜騎の名前を聞くと、目を開いて驚く。
「どうかした?」
「あれ? どこかで聞いたような……あああぁぁ!!」
「ふぁっ!?」
名前を聞いたあこは急に声を上げ、再び竜騎に目を向ける
「もしかして、リサ姉の恋人の!?」
「あ……確かに」
「リサを知ってるの?」
「うん! 同じバンドだもん!」
「あれ? よく見たら、Roseliaの……!?」
竜騎も2人がリサと同じ、Roseliaのメンバーだと言うことを思い出す。
「リサから聞いたの?」
「はい……今井さんから最近、貴方の名前をよく聞きますので」
「うんうん。 その時のリサ姉はいつも以上に元気なんだよね! ただ……」
あこは言いたいことがあるようだが、少し震えてる感じがする。
「リサが暴走した時のことを思い出しちゃった?」
「え!? 知ってるの!?」
「この間、ゆき……友希那から聞いた。暴走したって……」
竜騎も若干ながら震えるあこを見て、察していた。
「俺の所為で、ゴメン」
「いえ、気にしないでください……」
「ありがとう……」
謝罪する竜騎に対し、燐子は優しい言葉を掛ける。
「リサは優しいから、これからも宜しくね?」
「うん!」
「勿論です……」
あこと燐子はそう返事を返すと、竜騎も安心した。
『ピロリンッ♪』
その時、竜騎の携帯から着信音が鳴る。
「ゴメン、俺の。ドラゾーか……もしもし?」
『マイロード!! ムートとムーナが寂しがって鳴き止みません!』
「わ、分かった……帰るから待ってて」
そう言って竜騎は電話を切った。
「電話越しに凄い声だったね……」
「うん……飼ってる猫達が寂しがってるから、帰って来て欲しいってね」
「そうですか……」
「それじゃあ、今日はありがとう。お代は先に払って置くから」
竜騎は伝票を持って会計へと向かった。
「りんりん、良い人だったよね!」
「うん……私、初対面の人なのに安心して話せた」
あこと燐子はそう言って竜騎の背中を見ていた。
TO BE NEXT
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
今回、あこと燐子に出会って仲良くなりました! 紗夜とはどんな感じになるでしょうか?
次回も宜しくお願いいたします!