「にー♪」
「にゃー♪」
「よしよし……」
自室で2匹の子猫を撫でる竜騎。
「明日から羽丘か……女子校なのに男1人ってねぇ。モデルに選ばれたと言えど……気恥ずかしいなぁ」
「にー?」
明日から女子校である羽丘女子学園へ転入することになった竜騎。
転入前は通信学習制度だったが、父親が理事長に来年の共学化のモデルへ推薦したことで転入することになったのだ。
『マイロード、そろそろお休みになりませんと。明日はお早いですよ~?』
「そうしよっか。ドラゾー、ムーナとムートは頼むよ」
『承知しました。それではお休みなさいませ』
「お休み」
ドラゾーはそう言って竜騎の部屋を出た。
「2匹もそろそろ寝よっか」
「にー」
「にゃー」
ムートとムーナをゲージに入れて、竜騎もベッドの中に入る。
――――
「この時期に転校生ねぇ……随分と中途半端な時期だけど、どんな人だろ?」
羽丘女子学園の教室、リサは教室で転入生の話を耳にする。
「友希那はどう思う?」
「興味無いわね」
「あはは、だよね……」
音楽が大事な友希那にとって、転入生は眼中に無い。
「皆さん、席に着いて。今日からこのクラスに転入生がやって来ました」
「え? 転入生!?」
「どんな人かな?」
担任が教室に入り、転入生の話をすると教室の女性生徒達は盛り上がる。
「それじゃあ入って来て」
「は~い」
「「……え!?」」
リサと友希那は驚いた。何故なら入って来た転入生は、本来なら女子高に居ない……男子生徒。それも2人の知ってる顔だったからだ。
「それでは自己紹介をお願いね」
「はい」
男子生徒は黒板に名前を書き、女子生徒達の前を向く。
「えぇ、今日から転入して来ました『辰巳竜騎』です。来年の共学化のモデルとして男子生徒1人ですが、皆さんと仲良くしてくれたら嬉しいです。宜しくお願いします」
自己紹介を終えた竜騎は一礼をして、笑顔を向ける。
「彼、タイプじゃない?」
「うん、有りだよね」
「後で連絡先、教えて貰おうかな?」
周りの女子達は小声で竜騎のことを話す。
「むぅ……」
「リサ……」
一方で嫉妬してるリサと、宥める友希那であった。
――――
「ねぇ竜騎~? どうしてアタシに教えてくれないのかなぁ?」
「そうね、いきなり転入とか聞いたないわよ?」
「……取り合えず、落ち着かない? 周りの人達も怖がってるし……うん、怖がってるし」
「2回言わなくても良いからね~?」
最初の休憩時間、2人の幼馴染に詰め寄られている竜騎は冷や汗を垂らしながら宥める。
「親父が羽丘の理事長と知り合いで、俺を共学のモデルにしたんだよねぇ」
「ふ~ん、そうなんだぁ。でもアタシとしては竜騎と一緒に居れるのは嬉しいからね~♪」
「ご機嫌ね、リサ」
ご機嫌なリサだが、前回の暴走だけは勘弁して欲しいと、心の中で思う友希那であった。
「そうだ竜騎! 今日はバンドの練習が休みだから、今日は一緒にカフェに行かない?」
「いいの?」
「うん! 竜騎の転入祝いって感じでどう?」
「あら、じゃあ私も今日は混ざろうかしら」
竜騎をカフェに誘うリサに、友希那も参加することを言うと、リサが目を見開く。
「友希那~? 音楽以外に興味は無いんじゃなかったっけ~?」
「リサと言えど、抜け駆けは良くないわね」
「フフフ~、まぁ一緒にお茶するだけなら良いけどね~☆」
「……」
黒くなった幼馴染2人組、竜騎は恐怖してしまい見守ることしか出来なかった。余談だが、クラスの女子達も同様に震えていた。
――――
「この先に有名なカフェがあるんだよ~☆」
「さすがリサ、詳しいね」
「んふふ~☆ でしょ~?」
「私を忘れてないかしら?」
「気のせいだよ~☆」
放課後、竜騎の転入祝いでリサの言うカフェに向かっている。
「竜騎~、アタシが食べさせてあげるからね~♡」
「あはは……」
「私も良ければ、どうかしら?」
「ちょっと友希那~?」
(まただ……そろそろ止めないと)
再び竜騎の取り合いが始まり、さすがに公共の場では危険だと思った竜騎も止めるべきと考える。
「今井さん、湊さん」
「あら、紗夜じゃない」
「奇遇だね☆ どうしたの?」
Roseliaのギター、氷川紗夜と出会うリサ達。
「いえ、たまたま参考書を買いに書店へと向かってました。……そちらの男性は?」
「俺は辰巳竜騎。来年の羽丘の共学化のモデルとして転校して来たんだ、宜しくね」
「……成程、貴方が。私は花咲川の3年生、氷川紗夜です」
紗夜は自己紹介をすると、鋭い目で竜騎を見る。
「単刀直入に言います。今井さんと別れてください」
「……え?」
「ちょっ、紗夜!? 何を言ってるの!?」
「行き成りね……」
紗夜の言葉に竜騎は唖然とし、リサも怒っている。
「私達はRoseliaとしてバンドの頂点を目指してるんです! ですので、恋愛でRoseliaを崩壊させないでください!」
「あらら……この間の暴走のこと?」
「ご存じなら尚更です! さぁ、別れると言ってくださ……ぐっ!?」
「リサ……!?」
紗夜が竜騎にリサと別れろと言ってると、リサが紗夜の胸倉を掴む。
「ねぇ……何デ紗夜ガアタシト竜騎ノ邪魔ヲスル権利ガアルノ?」
「そ、それは……」
「リサ、ストップ!!」
「竜騎……!?」
竜騎が暴走するリサを放って置けず、無理矢理紗夜と引き離す。
「さすがにダメだよ……同じバンドメンバーなのに」
「う、うん……。でも竜騎と別れろって言うのは……そうだ!」
リサが何か閃いたのか、手を叩く。
「竜騎の音楽の実力を見せたらさ、納得してくれるんじゃない?」
「え?」
「り、リサ……」
自分が
「大丈夫だよ☆ ちゃんと口止めもしっかりするから……ね?」
「リサがそう言うなら……」
「まっかせて☆」
「「???」」
リサは竜騎が心配しないように言うが、紗夜と友希那には全く理解が出来なかった。
「じゃあ明日の放課後に竜騎のアジトでね! じゃあ2人とも、カフェをレッツゴ~☆」
「おっと……」
「ちょ、リサ……!?」
リサは竜騎と友希那を引っ張り、カフェへと向かって行く。
「何なんですか……一体?」
1人だけとなった紗夜は、納得が出来ないまま去って行くリサ達の背中を見ていた。
TO BE NEXT
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
遂に紗夜とも出会い、次回は竜騎とRoseliaメンバー全員と……?
次回も、宜しくお願いします!