「「「「デ緑ク谷くくちゃん!!!」」」」
「保健所なんだから叫ぶなよ…緑谷無事か?」
俺達はステージが補修されるまでの間に緑谷の様子を見に来た。
一斉に叫ぶように呼ぶから文字にしたら混ざったように聞こえてしまうなと思いながら緑谷の様子を見ると腕を首から吊り、左足が折れていて酷い状態だった。
「びっくりした…」
「?初めまして…」
「みんな…次の試合…は」
「ステージ大崩壊の為、しばらく補修タイムだそうだ」
「心配できました」
「怖かったぜ緑谷ぁ、あれじゃプロも欲しがんねーよ」
「塩塗り込んでくスタイル感心しないわ」
「もうちょっと言葉を考えろ」
「でもそうじゃんか」
「うるさいよホラ!心配するのは良いがこれから手術さね」
「「「「シュジュツー!!?」」」」
俺と梅雨ちゃんが不謹慎なことを言う峰田にそう言うとリカバリーガールがそう言い全員が驚き、俺達は緑谷を心配しながら保健所の外に出た。
俺が個性で治療をしても良かったのだが、それでは緑谷のためにはならない。緑谷はまず、自分の個性を怪我をせずに扱えるようにならないといけない。
「じゃあ俺は先に控え室に行くな」
「あっ、叶くん!少しいいかい!」
俺はそう言って控え室に向かおうとすると飯田に呼び止められて俺は立ち止まった。
「叶くん、君の実力はA組の中でもトップレベルだ。けど俺だって負けるつもりはない!全力で君に挑戦する!!」
「ああ、俺も負けるつもりはない。全力で戦うよ」
俺と飯田はそう言うとそれぞれの控え室に向かい、麗日達は観客席に戻っていった。
◆◆◆
『ド派手なバトルを見せてくれた二回戦第1試合を終え、第2試合!!過去を乗り越え真の力を解放した!!ヒーロー科、叶大志!!
ステージの補修が終わり、大志と飯田はステージの上で向かい合っていると大志は少し、考えていた。
「(電気との試合では最大出力で攻撃をして一撃で終わらせたが、今後も通じるとは限らない…。もっと柔軟に考えて個性を使えるようにならないといけない。ひとまず前から考えていたことができるのかを試そう…)」
『
試合開始と同時に飯田は物凄い速さで移動を始めるのを大志は見ると地面を氷結させて逃げ道を塞ぐと炎を飯田に向かって放つが飯田は大志の方向に大きくジャンプして躱した。
「おおっ!立幅飛び!!」
『レシプロバースト!!』
躱した飯田は物凄い速さの蹴りを放つが大志は防御壁を張り、蹴りを防いだ。
その際に大志は飯田の足に触れようとするが飯田はそれ見て躱そうとするが指先が少しだけ触れた。
「何をしようとしたのかは分からないが、そう簡単にはさせない!」
「いや、やりたいことはさっきした」
「何?……っ!?」
大志の言葉に疑問を抱いていると飯田の身体が急に宙に浮いた。
『おおーっと!?飯田の身体が急に宙に浮いたぞ!!一体、何が起こったんだあー!!』
「これは…!?」
「やってみるもんだな。凄いな、麗日の『
そう言って大志は自分の掌を見ると指先には肉球があった。
飯田は大志が麗日の個性を模倣したことに驚いていた。
「ま、まさか!?麗日くんの個性を模倣したのか!?」
『理想を現実にできる個性だぞ?他人の個性を模倣するなんて造作もない』
『いくら何でもチートすぎる!!』
「くっ…!」
「じゃあ終わりにしようか。『
「アイヨッ!」
大志がそう言うと大志の身体から常闇の個性である
「常闇くんの『
「それだけじゃないぞ?鉄哲の『鋼鉄』を付与した。そのまま突進しろ」
「浮かされたとしても対処は出来る…!」
「だろうな」
飯田は
「ガハッ!?」
「スピードを100倍に向上した。ただでさえ速い
「(くっ…すまない…兄さん…)」
飯田はそう思うと同時に場外の地面に叩きつけられ、気を失った。
「飯田くん場外!!叶くん、三回戦進出!!」
ミッドナイトがそう言うと会場に歓声が沸く。
大志はそのまま退場し、飯田はハンソーロボで運ばれていった。
「あの飯田相手に圧勝かよ…」
「叶ちゃんの『
「今までだって強かったのに皆の個性の模倣もできるようになってさらに強くなった。ヤベェな」
A組の皆が大志の試合を見て、話をしていた。
誰もが大志の強さを知っていたが体育祭でトラウマを克服し全力で戦うようになり、その強さを見て驚いていた。
『さあさあドンドンいくぜ!!第3試合!!
そうアナウンスされ常闇と耳郎はステージ上で向かい合う。
その光景を大志は観客席から見ていた。
『
「行け!
「アイヨッ!」
「やるな」
「負けるか!!ウチが絶対に勝つ!!」
耳郎が叫ぶよう言うとイヤホンジャックと
すると
「攻撃を受け止めろ!!
常闇がそういうとイヤホンジャックのプラグが刺さり、
イヤホンジャックは岩ごと地面に埋まり抜けなくなった。
「なっ!?」
「お前のイヤホンジャックのスピードは凄いが身体に刺されば対処は容易い。肉を切らせて骨を断つ!そのまま押し出せ!!」
「アイヨッ!!」
そのまま
地面に埋まっていたイヤホンジャックが抜け、耳郎は何とか踏ん張ろうとするが
「(嫌だ…負けたくない…叶がくれたチャンスを無駄にしたくない…ウチだって叶と戦いたい…!)」
耳郎はそう思いながら抵抗するが、抵抗むなしく場外に押し出されてしまった。
「耳郎さん場外!!常闇くん、三回戦進出!!」
そうミッドナイトは言うと観客から歓声が聞こえ常闇は観客に向かって一礼する。
耳郎はそのまま会場を立ち去る姿を大志は観客席を後にした。
大志は控え室のドアをノックする。
「どうぞ」
大志はその言葉を聞くとドアを開けて中に入ると耳郎が椅子に座っていた。
「お疲れ様」
「負けちゃった。ごめんね?せっかくここまで連れてきてもらったのにさ」
そう言うと耳郎の目から、頬に一筋の水滴が滴り落ちた。
「耳郎はよくやったよ。それにチャンスは来年だってあるんだ。だから気にするな」
「だって…せっかく叶がチャンスをくれたのに…ウチだけの力じゃ最終種目まで絶対に来れないのに連れてきてくれてさ…無駄にしたくなかったんだもん…」
耳郎は俯くとジャージの上にポタポタと落ちる雫を大志は見ると、耳郎の頭を優しく撫でる。
「…負けて悔しいのは誰だって同じだ。この悔しさをバネにして次は悔しい思いをしないように頑張ろう。そのためなら俺にできることなら手伝うし、他の皆も協力してくれるさ」
そのまま耳郎は悔し涙を流し続け、大志は耳郎が泣き止むまで頭をなで続けた。
数分経った頃には耳郎の涙は止まり、顔をあげてこちらをみるその目は赤く腫れてしまっていた。
「その……ありがと。慰めてくれて」
「気にするな」
泣いたことが恥ずかしかったのか、頬を赤く染めた耳郎が目を逸らしながらそう言った。
大志は笑って返しながら立ち上がる。
『爆豪エゲツない絨毯爆撃で三回戦進出!!これでベスト4が出揃った!!』
「じゃあ、そろそろ行くな」
「あっ…叶!」
大志は控え室のドアを開けようとするが耳郎に呼び止められて耳郎の方を向いた。
「…ありがと、ウチの分も頑張ってね」
「ああ、行ってくる」
そう大志は耳郎に言うと控え室のドアを開けてステージに向かおうとするが横の道から人が出てきて大志は立ち止まった。
「おっ、おォいたいた」
「エンデヴァー…!?」
大志が横の道から来た人を見るとNo2ヒーローのエンデヴァーだった。
エンデヴァーは大志を指差した。
「君の活躍を見せてもらった。素晴らしい個性だね。理想を現実にするという強大な力を持つ君には焦凍のテストベッドとして有益なものとなる。ウチの焦凍にはオールマイトを超える義務があるのでな」
「………貴方は誰かにヒーローを辞めろって言われたら辞めるんですか?」
「?そんな訳…」
「そんな訳ないですよね」
そう言った後、大志はエンデヴァーの横を通り過ぎると後ろを振り返った。
「轟の人生をお前が勝手に決めるな」
そう言うと大志はエンデヴァーを置いてその場から立ち去った。
◆◆◆
「まだ試合は始まってないの?」
「耳郎さん、お帰りなさい」
「まだ始まっていないわ響香ちゃん」
耳郎はA組の観客席に戻ってきて近くの八百万と蛙水に聞いた後に席に座った。
ステージ上では轟と大志が向かい合っていた。
「来たな」
『両者共に圧倒的な力でトーナメントを勝ち進んできた!!今大会のベストバウト!!最強VS最強!!轟
「(まず氷結が来る)」
「(理想を現実にする間も与えないようにするしかねえ)」
『
轟の右半身から冷気が放たれ氷結攻撃を繰り出し、凄まじい速さで大志に迫るが大志の右腕に光が集まり振りかぶると氷結を切り裂く。
光の爪撃が轟に迫るが地面を氷結させて移動する。
『おオオオ!!破ったああ!!』
再び、轟は氷結攻撃を行うが大志は雷を右腕に溜めて突っ込んでいき、氷を貫通して轟の近くまで行くと膝蹴りを行い轟を空中に浮かす。
「がっ…!?」
浮いた轟に大志は爆豪の爆破を模倣して連続の掌底打ちを放ちその度に轟の身体が爆破される。
「ヒィイイイイ!?」
「強すぎる…!?」
「轟くん…!」
大志の圧倒的な力に観客席からそんな声が聞こえるが、緑谷は轟の身を案じていた。
そのまま轟に力を向上させた拳を腹部に叩きこむとステージの地面に叩きつける。
「がっ!!…はぁ…はぁ…!」
「本気のお前とやりたかったんだけどな…」
地面に叩きつけた轟に大志が雷を纏った拳を叩きこもうとする瞬間…。
「轟くん!!負けるな!!頑張れ!!!!」
緑谷の声が聞こえると轟の左半身から炎が噴出する。
大志はそれを見ると後方に大きく飛んで笑った。
「やっと本気か…待ちわびたぜ」
「緑谷といい、お前といい何笑ってんだよ。お前ら本当にイカレてるよ。もう知らねえぞ」
そう言うと轟は氷結と炎を使用して高速で大志の周りを大きく旋回すると全包囲から氷結攻撃が放たれ大志は氷に閉じ込められる。
「こんなので……っ!?」
氷に閉じ込められた大志はすぐに脱出しようとするが周りの氷が溶けだした。
大志が振り返ると溶けた氷の中から轟が現れて左手で大志に触れ、光ると同時に緑谷戦と同じように爆風が観客席を襲った。
「もういい加減にしてェええええええ!!!」
「どうなりましたの!?」
「轟くん…!」
「叶…!」
凄まじい風圧に堪らずまた峰田が叫んだ。
全員が恐る恐る目を開けると、ステージ中に煙が充満していて何も見えない。
『緑谷戦で見せた大技を叶にゼロ距離で放ったぁああ!!さすがに無敵の叶も無事じゃすまないだろ!!!これで決着か!!!』
未だ煙で見えないステージを見ながらプレゼント・マイクがそう実況する。
そんな煙も晴れていき先に見えたのは轟で肩で息をしているようだった。
「はぁ…はぁ…くそっ…!」
轟がそう呟くと煙の中から叶の姿が現れるが
その光景を見て全員が驚愕していると相澤が言った。
『…強さの次元が違う』
大志は瓦礫をエネルギーに変換して左腕に吸収し、その左腕で轟を殴り飛ばした。
轟は壁にめり込んだ後に地面に落下した。
「轟くん……場外。叶くん決勝進出!!!」
ハイレベルな戦いに歓声が沸き起こった。
ミッドナイトの指示でハンソーロボが現れ、倒れている轟を搬送していく。
「クソ化物が…上等だ」
A組の観客席で試合を見ていた爆豪は冷や汗をかきながらも笑みを浮かべていた。