『理想郷』がヒーローになる物語   作:zorozoro

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雄英体育祭閉幕

「うっぜえなぁあーーそれ!!!」

 

「修羅め…!!」

 

『爆豪対常闇!爆豪のラッシュが止まんねぇ!!常闇はここまで無敵に近い個性で勝ち上がってきたが今回は防戦一辺倒!!懐に入らせない!!』

 

大志と轟の試合が終わり準決勝第2試合、爆豪対常闇の試合が始まったが常闇は今まで積極的に攻撃を仕掛けていたのに対して今回の試合は守りに徹しており、爆豪の攻撃を受けていた闇影(ダークシャドウ)が若干泣いていた。

 

「常闇何でェ!?私たちんときは超攻撃してきたのに!!」

 

「爆豪の攻撃を防ぐばっかりで全然攻撃しない。何か理由があるのかな?」

 

常闇に敗れた芦戸と耳郎は攻撃をしないことに疑問を抱いていた。

 

「今、どんな感じだ?」

 

「おっ、大志お疲れ!轟相手に圧勝して凄かったぞ!今は常闇と爆豪の試合の途中だ」

 

観客席に大志が戻ってきて状況を聞くと上鳴がそう答えた。

 

「常闇は爆豪相手に苦戦してるな。まぁ相性の問題があるからか」

 

「えっ!?叶くん知っていたの!?」

 

「騎馬戦の時から観察していて轟相手に攻めれなかった理由を考えていたんだ。それで闇影(ダークシャドウ)は光に弱いんじゃないかと思ってな。常闇が勝ち上がってきたら光の攻撃を主体に戦おうと思っていた」

 

「光が弱点なら爆豪相手は厳しいな…」

 

「(…ていうか緑谷は怪我をしているのに普通に見るんだな)」

 

大志の言葉に麗日は驚き、切島は納得をして試合を見ていた。

常闇は爆豪の攻撃を防御し続けているが闇影(ダークシャドウ)は限界が近くモウイヤーと言っていた。

それに対して爆豪は攻撃をし続けているにも関わらず動きがさらに機敏になっていた。

 

「掴め闇影(ダークシャドウ)……」

 

常闇がそう言うと闇影(ダークシャドウ)が爆豪を掴もうとするが爆破を利用して躱され、常闇の背後に着地する。

 

『裏を取ったあ!!』

 

「『閃光弾(スタングレネード)』!!」

 

爆豪は両手を前に出すのを常闇は見ると闇影(ダークシャドウ)が爆豪に迫ると、爆豪から強い光を放った。

 

『煙幕ばっかだな…!!どうだどうだ!!?』

 

そうアナウンスが入った後、ステージ上の煙が徐々に晴れていくと爆豪に組み伏せられている常闇の姿があった。

 

「………知っていたのか…」

 

「数撃って暴いたんだバァカ。まァ…相性が悪かったな同情するぜ。詰みだ」

 

「………まいった…」

 

「常闇くん降参!爆豪くんの勝利!!」

 

『よって決勝は叶 対 爆豪に決定だあ!!!』

 

悔しそうに常闇が降参すると爆豪はA組の観客席にいる大志を睨みつける。

それを見た大志は口角を上げて睨み返した。

 

「常闇くん、悔しいな……」

 

「俺、常闇行くと思ったわ」

 

「彼も無敵ではないということか」

 

「やめろ、賢そうに言っていてもアホさが隠せてない」

 

「ひでえよ大志!!?」

 

「ははっ、じゃあそろそろ控え室に行くな」

 

上鳴が騒ぐのを見て大志は笑うと控え室に向かった。

それを見た緑谷が言った。

 

「あの二人が…どうなるんだろ…かっちゃんは強いけど…はっきり言って叶くんが負けるイメージが見えない…」

 

「しっかり見てリベンジだな!」

 

「「うん」」

 

飯田の言葉に緑谷と麗日は返事をするといきなり飯田が振動した。

 

「「うわあ何だ!!?」」

 

「電話だ」

 

「「電話か」」

 

そう言うと飯田はその場を離れて電話対応を始めた。

 

その頃、大志は控え室で待機していた。

 

「(ついにここまで来た…!電気や耳郎、そしてスターも応援してる。皆と同じヒーローとしてのスタートラインに立つために絶対に負けられない…)」

 

そんなことを考えていると勢いよく扉が開かれた。

大志は見ると爆豪が足で扉を開けた状態で立っていた。

 

「あ?あれ!?何でてめェがここに…控え室……あ、ここ2の方かクソが!!」

 

「……ふっ、相変わらずだな」

 

「あァ?」

 

大志がそう言うと爆豪は苛ついた様子で近づき、机を思い切り叩くと机が小爆発が同時に起こった。

 

「部屋間違えたのは俺だけどよ…決勝相手にその態度はオイオイオイ…舐めてんじゃねえぞ!!!」

 

「いや、別に舐めてねえよ。お前はどんなことにも全力で凄いと思っているよ。それに緑谷も俺と同じで個性を満足に使えなかったのに全力で勝ちに来てくれたおかげで俺も全力で勝ちにいこうと思った。そういえば幼馴染なんだってな。昔からあんななのか?」

 

「あんなクソナード…どうでもいんだよ!!」

 

大志が爆豪に聞くと、歯軋りをした後に思い切り机を蹴った。

 

「ウダウダとどうでもいんだよ…てめェの覚悟なんてよ…!俺が言ったこと覚えてるよな。どうでもいいから全力でかかってこいや。そいつを上から捩じ伏せてやる」

 

「ああ、もちろんだ。だから爆豪も負けて泣く準備しとけよ」

 

「ブッ殺す」

 

大志は笑みを浮かべながら挑発すると爆豪は悪い笑みを浮かべながら控え室から出ていった。

 

◆◆◆

 

大志は控え室で待っているとスタッフに呼ばれてステージに向かった。

ステージにたどり着くとステージ上で爆豪が悪い笑みを浮かべていたのを見た後に大志もステージに上がると笑みを浮かべた。

 

『さァいよいよラスト!!雄英1年の頂点がここで決まる!!決勝戦!!叶 対 爆豪!!START(スタート)!!』

 

試合開始すると大志は予備動作もなしに極大なビームを放つと同時に会場にバリアを張った。

 

「ノーモーションかよ!クソッ!!」

 

『いきなりかましたあ!!爆豪との接戦を嫌がったか!!早速、優勝者決定か!?』

 

「んなわけねえだろうがァ!!!」

 

爆豪は右手を爆破して躱して、爆破で飛んで大志に接近していく。

 

「死ねやあ!!!…ッ!?」

 

大志の近くまで飛んでいくと左手で大志を爆破しようとするが、大志が右腕で殴りかかり圧倒的な力で爆豪を吹っ飛ばす。

爆豪は錐揉み回転しながら飛ぶが、爆破をして体勢を立て直してステージに着地する。

 

「クソがァあ!!!」

 

再び大志に向かって行こうとするが空間から鎖が出てきて爆豪を拘束し、大志は爆豪の頭上に一瞬で移動すると上鳴との試合で使用した攻撃を行い、爆豪を地面に叩きつけられ煙で姿が見えなくなっていた

 

「あの爆豪を赤子扱い…」

 

「すごい…」

 

切島と緑谷がそう言いながら試合を見ていると大志が右腕を帯電しながら近づくと…。

 

「舐めんじゃねえよ!!クソがァあああああああ!!!!!」

 

煙の中から爆豪が出てきて、大志の腹部に右腕を叩きこんで麗日戦で使用した爆破を行い、後方に吹き飛ばした。

 

「……っ…」

 

『おぉ!!爆豪の渾身の一撃が炸裂!!ここまで無敵の強さで勝ち進んできた叶に初ダメージ!!!』

 

「くたばりやがれェええええ!!!」

 

後方に飛んだ大志の後ろに回り、再び爆破を行って大志を空中に吹き飛ばす。

爆豪も追撃をしようと飛んで追いかけるが大志の右腕に光が集まり、爆豪に向かって振るうと光の爪撃を放ち爆豪に直撃すると爆豪はステージ上に落ちた。

大志は爆豪より離れたところに着地すると爆豪は肩で息をしながら立ち上がった。

 

「ハァ…ハァ…ッ…勝つのは俺だァあああああああああ!!!」

 

そう爆豪は叫ぶと爆破を使用して大きく跳び上がり、空中で両手から爆破を放って錐揉み回転しながら突っ込んできた。

 

「『榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)』!!」

 

そのままの勢いのまま特大火力の爆破を叩きこんだ。

大志が立っていた場所で大爆発が起こり、爆風が観客席に届く。

 

『麗日戦で特大火力に勢いと回転を加え、まさに人間榴弾!!叶はそれをまともに食らったああ!!これは勝負着いたか!!』

 

「大志…!」

 

「叶…」

 

爆豪の攻撃を受けた大志に上鳴と耳郎は心配してステージを見ていると煙が晴れ、大志の姿が見えたが何事もなかったかのように平然と立っていた。

 

「クソッ!!このクソ化物…ガッ!?」

 

「化物は心外だ」

 

爆豪がそう言うと大志は拳を下から上に突き上げて爆豪の顎に当てる。

大志は右腕に光を集めると物凄いエネルギーが右腕に留まり稲妻を放っていた。

それを宙に浮いている爆豪ごと拳を思い切り地面に叩きつけるとステージが砕けて空間に稲妻を発生させながら大きな光の柱を出現させた。

それと同時に大志が会場に張っていたバリアがあまりの攻撃の威力にヒビ割れて再び暴風が観客席を襲った。

 

光の柱が消えるとステージの端以外、吹き飛んでしまい大きなクレーターができていた。

その中央に大志と拳を叩きこまれた爆豪がいた。爆豪の右腕が動いて大志の顔に当たるが触れる程度に弱弱しく当たり、爆発もポンッという感じで弱くなっていた。

 

「…負けたく…ねえ…俺がトップだ…負ける…のは…嫌だ……勝つのは……俺………」

 

爆豪は目尻に涙をためて何回も右腕で弱弱しい攻撃を繰り返した後に気を失った。

大志は立ち上がると右腕を上に突き上げた。

 

「爆豪くん戦闘不能!!よって――叶くんの勝ち!!」

 

『以上で全ての競技が終了!!今年度雄英体育祭1年優勝は――A組、叶大志!!!!』

 

◆◆◆

 

「それではこれより!!表彰式に移ります!」

 

「何アレ」

 

「表彰台に上がらねえっていって暴れてんだとしっかしまー…締まんねー2位だな」

 

「ん゙ん゙~!!ん゙~!!」

 

「もはや悪鬼羅刹」

 

試合が終わり大志、爆豪、轟、常闇は表彰台に上がっていたのだが爆豪はガチガチに拘束されており暴れていた。

それを呆れた様子でほとんどの生徒が見ていた。

 

「メダル授与よ!!今年メダルを授与するのはもちろんこの人!!」

 

「私がメダルを持って「我らがヒーロー、オールマイトォ!!」来た」

 

「(………被ったな)」

 

決めゼリフを台無しにされたオールマイトは恨みがましそうにミッドナイトを見ているとその視線を受けたミッドナイトは両手を合わせて謝罪していた。

気を取り直したオールマイトがメダル授与を始めた。

 

「常闇少年おめでとう!強いな君は!」

 

「もったいない、お言葉」

 

「ただ!相性差を覆すには個性に頼りっきりじゃダメだ。もっと地力を鍛えればとれる択が増すだろう」

 

「……御意」

 

オールマイトにそう言われて常闇はメダルを見ながらそう答えた。

 

「轟少年おめでとう。左側をもっと早く使用していれば君ならもっと上を目指せたハズだ。ワケがあるのかな」

 

「緑谷戦でキッカケをもらって……分からなくなってしまいました。あなたが奴を気にかけるのも少し分かった気がします。俺もあなたのようなヒーローになりたかった。叶戦で右側だけじゃ駄目だと気づけた。ただ…俺だけが吹っ切れて、それで終わりじゃ駄目だと思った。清算しなきゃならないモノがまだある」

 

「………顔が以前と全然違う。深くは聞くまいよ。今の君ならきっと清算できる」

 

「はい…」

 

オールマイトから抱きしめられながら轟はそう返事をした。

 

「さて爆豪少年!!っとこりゃあんまりだ…伏線回収できなくて残念だったな」

 

「オールマイトォ…俺が欲しいのは完膚なきまでの1位だ!!それ以外は何の価値もねぇゴミなんだよ!!」

 

「(顔すげえ…)」

 

口の拘束を外された爆豪は凄い顔をしながらそう答える。

 

「うむ!相対評価に晒され続けるこの世界で不変の絶対評価を持ち続けられる人間はそう多くない。受けとっとけよ!傷として!忘れぬよう!」

 

「要らねっつってんだろが!!」

 

オールマイトがメダルを首にかけようとするが爆豪が抵抗していると口にメダルのヒモがかけられた。

 

「さァ、叶少年!!素晴らしい強さだった!!伏線回収見事だったね!!」

 

「ありがとうございます」

 

大志はそう言うとオールマイトはメダルをかけた。

 

「よく過去を乗り越えたね。なにかキッカケがあったのかな」

 

「全力で戦う緑谷を見ていたら、このままじゃいけないって思ったのとある人からの激励の言葉があったから乗り越えることができたんだと思います。多分ですが俺は雄英に来れなかったらこの問題を解決できなかったと思います。雄英に来て皆に出会えて本当に良かったと思います」

 

「…その気持ちを大事にな。私達も君に出会えて良かった」

 

「はい…!」

 

オールマイトに抱きしめられながら大志は笑みを浮かべてそう返事をした。

 

「さァ!!今回は彼らだった!!しかし皆さん!この場の誰にもここ(・・)に立つ可能性はあった!!ご覧いただいた通りだ!競い!高め合い!さらに先へと登っていくその姿!!次代のヒーローは確実にその芽を伸ばしている!!てな感じで最後に一言!!皆さんご唱和下さい!!せーのおつかれさまでした!!!」

 

「プルス…」

 

「プルスウル…」

 

「プルスウル…えっ!?」

 

「そこはプルスウルトラでしょオールマイト!!」

 

「ああいや…疲れたろうなと思って……」

 

「………台無しだあ…」

 

こうして雄英体育祭は閉幕し、大志達をとりまく環境はここから少しづつ変化を見せ始めた。

 

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