ヒーロー名
体育祭の振り替え休日を終え、今日から通常の学校生活に戻る。今日も電気と一緒に学校に向かっていた。
「あっという間に休みが終わったな。大志は何してたんだ?」
「養護施設で子供達の世話とバイトだ。最近、あまりシフトに入れなかったから無理して入れてもらった」
「へぇ~、今はどんなバイトしてるんだ?前は引っ越し業者だったよな?」
「配送業だ。飲食店から食事を指定された場所に届けてる。個性で瞬間移動ができるようになったから活用して5万稼いだ」
「お兄さん達…」
「瞬間移動!?ますますチートになってきたな!?」
「お兄さん達…」
そんないつもと同じように雑談をしているが最近、変わった事があった。
「ヒーロー科の叶くんと上鳴くん!」
「え!?」
「うん?」
「体育祭見たよ!上鳴くんはベスト16、叶くんは優勝おめでとう!」
「え!?」
体育祭以降、このように話しかけてくる人が増えたのだ。
今朝から電車に乗るまでも色んな人から体育祭を見たと話しかけることが多くあり少し驚いた。
そう思っていると周りの人達も話しかけてきた。
「どっちもかっこよかったぞー」
「叶くんは圧倒的に強くて礼儀正しくて、おまけにイケメンで素敵!」
「上鳴くんも騎馬戦では凄かったね!」
「「「頑張れよヒーロー!!」」」
「あ、あざーす!」
「あ、ありがとうございます」
そう俺達は返事をすると降りる駅に着いたので電車を後にした。
◆◆◆
「やっぱりテレビで中継されると違うね~。超話しかけられたよ来る途中!」
「俺も!」
「私もジロジロ見られて何か恥ずかしかった!」
「葉隠さんはいつもなんじゃ…」
「俺なんか小学生にいきなりドンマイコールされたぜ」
「ドンマイ」
「たった一日で一気に注目の的になっちまったな」
「やっぱ雄英すげえな…」
クラスでは人から声を掛けられたことを話をしていた。
やはり皆も登校途中に声を掛けられていたんだなと思っていると相澤先生がドアを開けたので急いで席に戻った。
「おはよう」
『おはようございます!!』
「ケロ?相澤先生包帯取れたのね。よかったわ」
そう梅雨ちゃんが言うと確かに相澤先生の包帯が取れておりホッとした。
「婆さんの処置が大ゲサなんだよ。んなもんより今日の”ヒーロー情報学”ちょっと特別だぞ」
相澤先生がそう言うと空気が少し張り詰め感じになった。
小テストでもするのかと思っていると相澤先生が言った。
「コードネーム。ヒーロー名の考案だ」
『胸ふくらむヤツきたああああ!!』
ヒーロー名の考案に皆が騒ぐが相澤先生が睨むと全員が黙った。
「というのも先日話したプロからのドラフト指名に関係してくる。指名が本格化するのは経験を積み即戦力として判断される2、3年から…つまり今回来た指名は将来性に対する興味に近い。卒業までにその興味が削がれたら一方的にキャンセルなんてことはよくある」
「大人は勝手だ!」
そう言って峰田は机をガンと叩いた。
「頂いた指名がそのまま自身へのハードルになるんですね!」
「そ、でその指名の集計結果がこうだ」
相澤先生がそう言うと黒板に指名数が表示され上から順番に叶 5,615、轟 4,123、爆豪 3,556、常闇 360、飯田 301、上鳴 272、八百万 108、切島 68、麗日 20、耳郎 18、瀬呂 14と映し出された。
「例年はもっとバラけるんだが三人に注目が偏った」
「だー白黒ついた」
「でも電気も200件以上あって凄いと思うぞ?」
「5000件の奴に言われてもなあ~」
「ぐっ……」
「見る目ないよねプロ」
電気とそんな会話をした後に俺は再び指名数を見ると轟と爆豪の順位が逆転していたことに気がついた。
「2位轟、3位爆豪って…」
「体育祭と順位逆転してんじゃん」
「表彰台で拘束された奴とかビビって呼べねーって…」
「ビビってんじゃねーよプロが!!」
「さすがですわ轟さん」
「ほとんど親の話題ありきだろ」
「わあああ指名来てるー!わあああ!」
「うむ」
「緑谷無いな!あんな無茶な戦い方すっから怖がられたんだ」
「うん…」
皆の指名数を見て体育祭の結果が指名に影響するわけじゃないんだなと思った。
実際にトーナメントまで勝ち上がった芦戸に指名が無く、2回戦まで勝ち上がった耳郎は1回戦で敗退した麗日より少ない結果だった。
俺に5000件も指名が来ていることに少し驚くのと同時に期待に応えれるように頑張らないといけないな。
「これを踏まえ…指名の有無関係なく、いわゆる職場体験ってのに行ってもらう。おまえらは一足先に経験してしまったがプロの活動を実際に体験して、より実りある訓練をしようってこった」
「それでヒーロー名か!」
「俄然楽しみになってきたァ!」
「まァ仮ではあるが適当なもんは…」
「付けたら地獄を見ちゃうよ!!」
「「「ミッドナイト!!」」」
ドアを開けてミッドナイトが教室に入ってきた。
ミッドナイトを見た電気と峰田は頬が赤くなり鼻の下が伸びている。
「学生時代に付けたヒーロー名が世に認知され、そのままプロ名になってる人多いからね!!」
「まァそういうことだ。その辺のセンスをミッドナイトさんに査定してもらう。俺はそういうのできん。将来、自分がどうなるのか名を付けることでイメージが固まりそこに近づいてく、それが名を体を表すってことだ。オールマイトとかな」
相澤先生はそう言うと寝袋に入って眠りにつくと前からフリップを一枚取り後ろの電気に回した。
色々、考えてあるが俺の憧れのヒーローである両親とスターの様なヒーローになりたい。そう思うとフリップにヒーロー名を書いた。
15分が経過し大体の人が書き終わった頃。
「じゃ、そろそろ出来た人から発表してね!」
発表形式かよ!?
ミッドナイトからそう言われると皆は前に出るのを躊躇していると青山が躊躇う素振りもなく前に出た。
「行くよ」
青山がそう言うとフリップを掲げた。
「輝きヒーロー、
短文!?
「ここは
「それねマドモアゼル☆」
良いのかよ!?ていうか英語かフランス語かどっちかにしろ!
「じゃあ次アタシね!エイリアンクイーン!!」
「2!!血が強酸性のアレを目指してるの!?やめときな!!」
「ちぇー」
そう言うと芦戸は席に戻っていった。
ていうか最初に変なの来たせいで大喜利っぽい空気になったじゃねぇか!!
誰か何とかしてくれ!?
「じゃあ次、私いいかしら」
「梅雨ちゃん!!」
「小学生の時から決めてたの。梅雨入りヒーロー
「カワイイ!!親しみやすくて良いわ!!皆から愛されるお手本のようなネーミングね!」
梅雨ちゃんのおかげで大喜利っぽい空気が変わった。
ありがとう梅雨ちゃん、本当にありがとう。それしか言う言葉が見つからない。
「んじゃ俺!!
「赤の狂騒!これはアレね!?男気ヒーロー、
「そっス!だいぶ古いけど俺の目指すヒーロー像は
「憧れの名を背負うってからには相応の重圧がついてまわるわよ」
「覚悟の上っス!!」
切島がそう言った後に席に戻ると俺もそろそろ行こうかと思っていると電気が指で突いてきた。
「どうしたんだ?電気?」
「なあ、なんか良い名前ない?考えてねえんだよ俺」
「自分で考えた方がいいと思うが、電気の個性のことを考えるとチャージ、サンダー、稲妻、ライトニングとかを参考に考えたほうが良いな。チャージマンは安直過ぎるし…」
「つけたげよっか。ジャミングウェイなんてどう?」
俺と電気が話していると耳郎が提案してきたがそれってもしかして…。
「おお!武器よさらばとかのヘミングウェイもじりか!インテリっぽい!カッケェ!!」
「…いや、それ多分だが蔑称だぞ」
「え?」
「ブッ!分かっちゃった?…いや、せっかく強いのにブフッ!すぐ…ウェイってなるじゃん…!?」
「やっぱりそういう意味かジャミングしてウェイする………プッ!」
「耳郎おまえさァふざけんなよ!」
電気がそう言いながら怒るが、耳郎が舌をペロって出した後に前に行った。
「ヒアヒーロー、イヤホン=ジャック」
「いいわね!次!」
「触手ヒーロー、テンタコル」
「触手の
「テーピンヒーロー、セロファン」
「分かりやすい!大切!」
「武闘ヒーロー、テイルマン」
「名が体を表してる!」
「甘味ヒーロー、シュガーマン…かぶった」
「あま~い!」
「ピンキー!」
「桃色!桃肌!」
クラスメイトがヒーロー名を発表していっており、さっきタイミングを逃していた俺も行こうと思っていると電気が前に立った。
「スタンガンヒーロー、チャージとイナズマでチャージズマ!!」
「くぅ~シビレる~!」
「ステルスヒーロー、インビジブルガール!!」
「良いじゃん良いよ!!」
へぇ皆、良い名前だなと思っていると耳郎がプラグで突いてきた。
「叶も悩んでるなら名前考えてあげよっか。上鳴の時みたいにふざけたりしないからさ」
「ありがとう。でも俺はもう決まっているから大丈夫だ」
そう耳郎に言うと俺は立ち上がって皆の前に出るとフリップを見せる。
「創世ヒーロー、スターアンドホープ」
「希望の星!素敵!これは貴方のご両親のホープとアメリカNo1ヒーローのスターアンドストライプのリスペクトね!」
「はい、俺の両親とスターアンドストライプは俺の憧れと共に超えたいと思っているヒーローなんです」
「俺と一緒だな!!」
「彼らは凄いヒーローよ。それを超えるとなると相当の覚悟がいるわよ」
「上等です」
「さァどんどん行きましょー!!」
俺の発言を聞いたミッドナイトは微笑むとそう言い、俺は席に戻ると次は八百万が前に立った。
「この名に恥じぬ行いを万物ヒーロー、クリエティ」
「クリエイティブ!」
「ショート」
「名前!?いいの!?」
「ああ」
「漆黒ヒーロー、ツクヨミ」
「夜の神様!」
「モギタテヒーロー、
「ポップ&キッチュ!!」
「………」
「うん!!」
皆が色んなヒーロー名を出してミッドナイトが評価していく。
口田はふれあいヒーロー、アニマと書いてあったが喋らないからちょっとミッドナイトも困っていた。
そう言えばまだ口田の声聞いたことないな。いつか聞ける機会があればいいけど。
「爆殺王」
「そういうのはやめた方が良いわね」
「なんでだよ!!」
「爆発さん太郎にしろよ!」
「ツンデレタワシ野郎でもいいぞ」
「死ねえ!!」
爆豪が初めてのダメ出しをされて席に戻っていった。
どっちかというと
「じゃ私も…考えてありました。ウラビティ」
「シャレてる!」
「思ったよりずっとスムーズ!残ってるのは再考の爆豪くんと…飯田くん、そして緑谷くんね」
すると飯田が前に出てきて、天哉とだけ書いたフリップを見せる。
「あなたも名前ね」
ミッドナイトの言葉に飯田は何も言わなかった。
その後に緑谷が前に立って、スッと教卓の上に立てたフリップを見た俺は驚きを隠せなかった。
「緑谷!?」
「良いのか?それで」
「一生呼ばれ続けるかもしんねえんだぜ?」
峰田や上鳴、切島にそう言われた緑谷は真剣な顔をして言った。
「うん。この呼び名、正直今まで好きじゃなかった。けどある人に意味を変えられて…僕には結構な衝撃で…嬉しかったんだ。これが僕のヒーロー名です」
そう言った緑谷が持っているフリップには、デクという名が書かれていた。
緑谷はそう言うと席に戻り、最後に爆豪が再び出てフリップを見せる。
「爆殺卿!!」
「違うそうじゃない」
「もうツンデレタワシ太郎でいいだろ。何なら金平豪や爆コーンでもいいぞ?」
「バフォッ!?」
「死ねえ!!!」
新しい