緑谷が
まぁしょうがないだろうな。どこから情報が漏れるか分からないからな。
色々と濃密な時間を過ごした前期を終えて夏休みのある日。
「わあーすごいすごい!!」
「飛行機なんて初めて!!」
「ねえ…大丈夫だよね?お、落ちたりしないよね!?」
「コラ、あんまりはしゃいじゃだめよ!」
「貴理子も楽しみなくせにー」
「「くせにー」」
「私は養護施設の職員として来ているの!遊ぶつもりはない!」
「貴理子…その手に持っている付箋だらけのパンフレットはなんだ?」
「ちょっと!?余計なことを言わないでよ父さん!?」
俺は養護施設の皆と飛行機でI・アイランドに向かっていた。
I・アイランド。外海のとある場所に世界中の企業からの出資によって建造された巨大人工都市。
世界中の優秀な科学者達がここに住んでおり、日夜個性の研究やサポートアイテムの作成を行っている。
現在は個性やヒーローアイテムの研究成果を展示した個性技術博覧会、I・エキスポが開催されている。
この都市は日本国外なので、公共の場で堂々と個性を使用するのも違法ではなく、個性を活用した娯楽も充実している。
それに施設も大量にある為、衣食住で不便することは全くない。
一方ではそのセキリュティシステムの厳しさは特殊大監獄『タルタロス』に匹敵すると言われるほどの厳重な物になっている
夏休みに入ってすぐに養護施設にI・アイランドの招待状が届いた。
俺がホープの子供で一応、ヒーロー家系ということで送られてきたのだが俺だけじゃなくて養護施設の人達全員の分も同封されていて驚いた。
当然、子供達は大喜びで夏休みの良い思い出になると一成さんたちも喜んでいた。
だが、子供達の人数は俺を含めると32人と多いので迷子にならないようにしっかり見ないとな。
『え~当機はまもなくI・アイランドへの着陸態勢に入ります』
そう機内アナウンスが流れたので俺はコスチュームに着替えるために更衣室に向かった。
◆◆◆
I・アイランドに到着してホテルのチェックインを済ませると俺達は広場に集合していた。
「はい、それじゃあ今から自由行動にするけど一成さんや貴理子の言うことをきちんと聞くのと18時までにはホテルに戻るように。それじゃあ解散!」
「「わああああー!!」」
「ねえねえ!!あの乗り物に乗りたい!!」
「栄子さん!!早く行こ行こ!!」
栄子さんの言葉により3グループに分かれて行動することになった。
俺は貴理子義姉さんと一緒のグループになった。
「私はここに行きたい!!」
「え~!?俺はこっちに行きたい!!」
「その二つもいいけどここも面白そうだよ!」
「全て却下。ここに行きます」
「おいこら職員」
子供達の要望を却下して貴理子義姉さんは自分の行きたいところを指定した。
飛行機内で自分が言っていたことを思い出せ。
『横暴だあ!?』
「うるせえ!!大人の言うことは素直に聞きなさい!!」
「欲にまみれている大人の言うことなんか聞けるか!?」
「職員として来ているって言ってたじゃんか!?」
「遊ぶつもりはないと言ったな?あれは嘘だ」
「子供の意見を一蹴する養護施設の職員なんて見たことない!!」
「だからいつまで経っても彼氏できないんだよ!!」
「言ってはならないことを言ったなクソガキ!!!」
当然ながら子供達から大ブーイングにキレる貴理子義姉さん。
本当に養護施設の職員かと呆れていると見たことがある紅白髪色が見えた。
「よう轟。お前も来ていたんだな」
「…叶?ああ、親父の代わりにな。そっちは体育祭ので来たのか?」
「いや、そっちのほうは爆豪に譲った。俺も一応、ヒーローの家系だから招待状が来たんだよ」
体育祭優勝の特典で雄英からI・アイランドの招待券が貰えるらしいがその頃には招待券が養護施設に届いていたから俺は爆豪に譲った。
そんな会話を轟としていると養護施設の子供達と貴理子義姉さんが近くに寄ってきた。
「あーっ!?この人テレビで見た人だ!?」
「炎と氷の個性のイケメンだ!!」
「トーナメントの準決勝で大志と戦った人だ!!」
「………弟と妹、多いな」
「違えよ、養護施設で一緒に暮らしてる子供達だ」
轟の間違いを正した後に俺は貴理子義姉さん達に言った。
「彼は轟焦凍。俺と同じA組でNo2ヒーローのエンデヴァーの息子だ」
「…どうも」
「「えーっ!?すごい!?」」
俺が轟を紹介すると子供達は目をキラキラしながら轟を見ていた。
すると貴理子義姉さんが言った。
「実は私もエンデヴァー少し好きなの」
「えっ?貴理子義姉さんそうなのか?」
「いやーエンデヴァーってムチムチでスケベな身体してるからさー」
「!?」
「やめろお!?」
貴理子義姉さんがとんでもないこと言って俺は叫んだ。
頭オカシイのか!?エンデヴァーの息子の前で普通言うか!?見ろ轟がビックリしてるだろうが!?
「なーんて冗談だよ。気にしないでね」
「………分かった」
何とか誤魔化せたが心臓に悪いから二度と言うなよ。
「ねえねえ!そろそろ行こうよ!!」
「早くしないと夜になっちゃう!!」
「ごめんごめん!それじゃあ行こうか」
「なあ轟。せっかくなら一緒に回らないか?」
「いいのか?」
「子供達を一緒に見てくれると有難いし、友達と一緒に回った方が楽しいからな」
「…分かった」
「良し!それじゃあ行くか」
そう俺は笑うと俺達は移動を開始した。
◆◆◆
轟と子供達と一緒にアトラクションを周っているとアトラクションの一つであるヴィラン・アタックに立ち寄った。
ヴィラン・アタックとはフィールド内の
子供達にお願いされて俺と轟は参加することになったのだが、轟の番が終わり次は俺の番なのだが全然呼ばれず不思議に思い、フィールドに向かったのだが…。
『あの…次の方が待って…』
「うっせえ!!次は俺だ!!」
『ヒイッ…!?』
「うるせえぞ爆豪。学校以外で喚くんじゃねえ」
俺はそう言うと轟と爆豪を観客席に転移させた。
すると俺の姿に気づいたのか緑谷達が叫んだ。
「叶くん!」
「叶!?」
「てめえ理想野郎!!何しやがんだァ!!」
「これで大丈夫です。始めてください」
「聞けえ!!」
爆豪が飛んで来ようとしていたから俺は鎖で爆豪を拘束して動けなくした。
『わ、分かりました!?それではヴィラン・アタック、レディゴ―!』
スタッフが開始の合図を出すのと同時に俺は個性を発動して巨大な雷の腕を空中に創り思い切り振り下ろした。
雷の腕によってフィールド内の
『な…7秒…圧倒的!現在トップに躍り出ました!』
「やり過ぎたな。元に戻しとくか」
俺はそう言うと個性を発動してフィールドと
「これで次の人も挑戦できますよね」
『あ、ありがとうございます!』
スタッフの人にお礼を言われた後、俺は観客席に転移すると爆豪の口をふさいだ後に緑谷達に話しかけた。
「よう、緑谷達も来ていたんだな」
「叶さんもエキスポに招待受けたんですの?」
「俺も一応ヒーロー家系だからな。養護施設の皆と一緒に招待されたんだ。雄英体育祭の分はそこで暴れている奴にやった」
「ん゙ん゙~!!ん゙~!!」
「デクくん、この人も?」
「は、はいクラスメイトです」
「雄英高校ヒーロー科1年、叶大志です。よろしくお願いします」
「はじめまして、メリッサ・シールドです」
緑谷の近くにいたメリッサさんに挨拶をし握手をしていると貴理子義姉さんと子供達が来た。
「凄いじゃん大志!!」
「大志兄ちゃんすごい!!」
「そうか、ありがとうな」
「ところで大志。この子達は?」
貴理子義姉さんはそう言うと俺は皆を紹介をするとヒーロー科ということで子供達は目をキラキラさせて皆を見ていた。
そして爆豪の番になったので俺は紹介した。
「そして最後にあいつは爆豪。緑谷に恋愛感情があるツンデレ野郎だ」
「何だって!!?」
「やめてよ叶くん!?」
「ん゙~!!?」
俺がそう言うと貴理子義姉さんの目がギラつき爆豪がさらに暴れた。
◆◆◆
「ごめんね耳郎ちゃん。ホテルまで付き添ってくれて」
「気にしないでください。ウチが手伝うって言ったので…」
「本当にごめんな。子供までおぶってもらって」
その日の夕方、ウチは叶と貴理子さんと一緒に叶が泊っているホテルに向かっていた。
アトラクションから出たウチ達はメリッサさんの案内で叶の養護施設の子供達と一緒に他のアトラクションを見て回った。
そんなことを考えていると叶が泊っているホテルに着いた。
「ありがとうね耳郎ちゃん…あとは私が運ぶから。二人はこの後、パーティーなんでしょ?楽しんできてね」
「ああ、分かった」
叶がそう言うと貴理子さんは子供達と一緒に先にホテルに入っていった。
ウチらはこの後にレセプションパーティーに招待されているので正装してから向かうことになっている。
ウチもヤオモモにドレスを貸してもらう話になっているけどそういう服は慣れてないから少し恥ずかしいな。
「それじゃあ後でな耳郎」
「あっ…ちょっと待って叶!」
「うん?どうしたんだ耳郎?」
呼び止められた叶はウチの方へ振り向いた。
凄い胸がドキドキする…いけ耳郎響香!!
「あ、あのさ…叶って合宿の後って暇な日ってある?」
「えっ?ほとんどの日はバイトを入れているから合宿が終わった次の日なら空いてるぞ」
「じゃ、じゃあさ…何処か遊びに行かない?」
「別にいいぞ?何人で行くんだ?連絡をしておくから」
「ち、違う!えっと…その…」
そこまでウチは言うとプラグを突き合わせた。
少しの静寂の後にウチは言った。
「二人で…遊びに行きたい…」
言っちゃった…恥ずい…身体が物凄く熱い…でもせっかくの夏休みだから叶とデートしたかったんだもん…。
「…いいぞ」
「本当…?」
「少し驚いたけど別に構わないぞ。その日は空けておく」
「ありがと!じゃあ、そろそろ行くね!また後で!」
そう言うとウチはその場から移動した。
やった…やった!!頑張って良かった!!
大分離れた場所でウチは胸に手をやるとまだドキドキしていた。
「楽しみにしてるから…」
そう呟くと自然に笑顔になりながらウチはヤオモモのところに向かった。