今回から新章ですが気長に待ってくださると幸いです。
魔獣の森
「やはり…そう上手くはいかないね」
I・アイランドの事件から何日か経過した頃、先生と呼ばれる人物が笑みを浮かべながらそう呟いた。
『いやに嬉しそうじゃないか先生』
「ああドクター。やはり
『しかし分からないことがある。なぜウォルフラムに叶大志のことを教えなかった?招待状を送るほどのお気に入りの子じゃないのか?』
大志と孤児院の人達全員分の招待状を送ったのはこの先生と呼ばれる人物だった。
先生は笑みを浮かべながら答えた。
「
『なら余計に伝えるべきではなかったのか?
「
そう先生が言うとますます笑みが深まった。
それほどまでに大志の個性の
ドクターは先生を見ていると先生は言った。
「だから次の手もすでに打ってある」
◆◆◆
I・アイランドの事件が終わり俺は林間合宿までバイトを行いながら休みを過ごした。そしてついに林間合宿当日になった。
「え?A組補習いるの?つまり赤点取った人がいるってこと!?ええ!?おかしくない!?おかしくない!?A組はB組よりずっと優秀なハズなのにぃ!?あれれれれえ!?」
そう物間が言った直後に拳藤に気絶させられた…こいつも懲りないな。
「物間…怖…」
「体育祭じゃなんやかんやあったけどまァよろしくねA組」
「ん」
「バス乗るよ~!」
「A組だけじゃなくてB組の女子まで…よりどりみどりかよ…!!」
「お前ダメだぞ。そろそろ」
「やっぱりモイだほうがいいな」
「ヒィッ!?」
「A組のバスはこっちだ!席順に並びたまえ!」
飯田がそう言うと俺達はバスに乗った。全員がバスに乗ると動き出し合宿所に向かいはじめた。
「音楽流そうぜ!夏っぽいの!チューブだチューブ!」
「バッカ夏といやキャロルの夏の終わりだぜ!」
「終わるのかよ」
「しりとりのり!」
「りそな銀行!う!」
「ウン十万円!」
「席は立つべからず!べからずなんだ皆!!」
バスの中で皆がワイワイとはしゃいでいた。
まあ当たり前か皆で泊まり込みでの合宿だからな。
「障子、峰田。菓子食うか?」
「おっマジでサンキュー!」
「悪いな叶」
俺自身も泊まり込みの合宿に何気にワクワクしていた。
バスが走り出してから1時間経過して休憩に入ったのだが着いた場所はパーキングではなく空き地みたいな場所だった。
「つか何ここパーキングじゃなくね?」
「ねえアレ?B組は?」
「トトト…トイレは…?」
「何の目的もなくでは意味が薄いからな」
相澤先生がそう言うと先に停めてあった車から二人の女性と一人の子供が降りてきた。
「よーうイレイザー!!」
「ご無沙汰してます」
「煌めく眼でロックオン!」
「キュートにキャットにスティンガー!」
「「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ!!」」
「今回お世話になるプロヒーロー、プッシーキャッツの皆さんだ」
プッシーキャッツのマンダレイとピクシーボブが決めポーズを取ると相澤先生が改めてそう言った。
「連名事務所を構える4名一チームのヒーロー集団!山岳救助等を得意とするベテランチームだよ!キャリアは今年で12年にもなる…」
「心は18!!心は?」
「へぶ…じゅ18!!」
緑谷がプッシーキャッツのことを言っているとピクシーボブが緑谷の顔を掴んでそう言った………必死かよ。
「ここら一帯は私らの所有地なんだけどね。あんたらの宿泊施設はあの山のふもとね」
「遠っ!!」
マンダレイが山のふもとを指差してそう言った。
あれ?…この流れって…まさか?
「え…?じゃあ何でこんな半端なとこに…」
「いやいや…」
「バス…戻ろうか…な?早く…」
「今は午前9時30分。早ければぁ…12時前後かしらん」
「ダメだ…おい…」
「戻ろう!」
「バスに戻れ!!早く!!」
「12時半までに辿り着けなかったキティはお昼抜きね」
そう切島が言うと皆はバスに戻ろうとするがもう無理だろう。
「悪いね諸君。合宿はもう始まっている」
そう相澤先生が言うとピクシーボブの個性、『土流』により地面を操作され俺達は谷底に投げ出された。
投げ出される直前に自分と皆にバリアを張ったおかげで怪我はなかった。
「皆、怪我はないか?」
「すまん助かった!」
「ありがとう叶!」
「私有地につき個性の使用は自由だよ!今から三時間!自分の足で施設までおいでませ!この…魔獣の森を抜けて!!」
「魔獣の森…!?」
「何だそのドラクエめいた名前は…」
「雄英こういうの多すぎだろ…」
そう皆が文句を言っていると瀬呂が言った。
「なあ叶の個性でもう施設まで瞬間移動しようぜ」
「あ~!そうしよう!お願い叶!!」
「あと叶くん!君は個性で瞬間移動ができるみたいだけど使用したら夕飯も抜きにするから使っちゃ駄目だからね!」
「…先手打たれたな」
「「うぐ…」」
マンダレイに瞬間移動を禁止され瀬呂と芦田が黙っていると何故か峰田が一足早く森に入ろうとした。
そんな峰田の前に異形の怪物が現れた。
「「魔獣だあああああああああ!!?」」
「静まりなさい獣よ下がるのです!」
「口田!」
口田が生き物ボイスで怪物の動きを止めようとしたが止まらず峰田に攻撃しようとするが緑谷に救出された。
俺は怪物を観察すると土くれで作られていると理解した。
それを理解した瞬間に俺は飛び出して緑谷、飯田、爆豪、轟と一緒に怪物を粉砕した。
「あの魔獣を瞬殺かよ!」
「やったな!」
「流石だな大志!」
「そんな悠長なこと言っている暇はないみたいだ」
電気の言葉に俺はそう返すと森の奥から多くの怪物が現れた。
「いくぞA組!」
飯田の号令の後に俺達は怪物に向かっていった。
良いね…合宿らしくなってきたな!
◆◆◆
「やーっと来たにゃん」
「とりあえずお昼は抜くまでもなかったねえ」
俺達は怪物達との戦闘を終え、全員ボロボロになりながらやっと施設まで辿り着いたが昼どころか夕方になっていた。
「何が3時間ですか…」
「腹減った…死ぬ…」
「悪いね。それ私達ならって意味」
「体力自慢の為か…やらしいな…」
「ねこねこねこ!でも正直もっとかかると思ってた。私の土魔獣が思ったより簡単に攻略されちゃった。いいよ君ら…特にそこ5人!躊躇の無さは経験値によるものかしら?」
そうピクシーボブが俺、緑谷、爆豪、轟、飯田の方を指差して言うと急に近づいてきた。
「3年後が楽しみ!ツバつけとこー!!!」
近づいて急に俺達に唾をかけてきた…汚ねえ!
「あの人、あんな人でしたっけ…」
「彼女焦ってるの。適齢期的なアレで」
「適齢期と言えば…」
「と言えばて!!」
「ずっと気になってたんですが…その子はどなたかのお子さんですか?」
ピクシーボブに顔面を押さえつけられながら緑谷がそう言った。
確かにずっといるが誰かの子なのだろうか?
「ああ違う。この子は私の従甥だよ。洸汰!ホラ挨拶しな!一週間一緒に過ごすんだから…」
「あ…えと僕、雄英高校ヒーロー科の緑谷。よろしくね」
緑谷が帽子を被った子供、洸汰に自己紹介をするといきなり股間を殴られた。
殴られた緑谷が倒れそうになると飯田が支えた。
「緑谷くん!おのれ従甥!!何故、緑谷くんの陰嚢を!!」
「ヒーローになりたい連中とつるむ気はねえよ」
「つるむ!!?いくつだ君!!」
「マセガキ」
「お前に似てねえか?」
「あ?似てねえよ!!つーかてめェ喋ってんじゃねえぞ舐めプ野郎!!」
「悪い」
爆豪と轟の茶番はどうでもいいとして洸汰は俺達に向かってそう言い立ち去っていった。
ヒーローに対して憎悪を向けている…過去に何かあったのかと思っているといきなりタオルを顔面に当てられた。
「わぶ…耳郎、いきなり何すんだよ」
「じっとして吐きかけられたツバを拭くから…」
そう言って俺の顔をゴシゴシとタオルで拭いてきた…急にどうしたんだ?
「うん?……あっ!もしかしてそういうこと!?…へえ~~~~~~!」
大志と耳郎のやりとりを見ていた上鳴が二人を交互に見た後にニヤニヤし出したの大志達は知らずにいた。