7期がもうすぐですのでとても楽しみです!
林間合宿の
この二日間、腕の痛みによる気絶と悶絶を繰り返し高熱にうなされてリカバリーガールの治癒を施されたり警察が来たりしていたが緑谷は何一つ覚えていなかった。
緑谷が虚ろな目で天井を見ていると病室のドアが開いた。
「あー緑谷!!目ぇ覚めてんじゃん」
「え?」
「テレビ見たか!?学校いまマスコミやべーぞ。春の時の比じゃねー」
「メロンあるぞ!皆で買ったんだ!デカメロン!!」
「迷惑かけたな緑谷…」
ドアからA組の皆が入ってくると虚ろな目をしたまま緑谷は言った。
「ううん…僕の方こそ…A組皆で来てくれたの?」
「いや…耳郎くんは欠席している。八百万くんは頭を酷くやられここに入院している。昨日、丁度意識が戻ったそうだ。だから来ているのはその2人を除いた…」
「……16人だよ」
「爆豪と叶いねえからな」
「ちょっ轟…」
「そんなハッキリ…」
轟の発言に芦戸と葉隠が言うと緑谷は目から涙が流れた。
「オールマイトが…言ってたんだ。手の届かない場所には救けに行けないって…だから手の届く範囲は必ず救け出すんだ…僕は…手の届く場所にいた。必ず救けなきゃいけなかった…僕の個性は…その為の個性なんだ…相澤先生の言った通りになった…体…動かなかった…」
「じゃあ今度は救けよう」
「へ!?」
切島がそう言うと轟以外の全員が驚いた。
「実は俺と轟さ昨日も来ててよォ…」
すると切島は目が覚めた八百万とオールマイト達の会話を盗み聞き、八百万が
「…つまりその受信デバイスを八百万くんに創ってもらう…と?」
そう飯田に言うと職場体験の出来事とプロヒーロー・マニュアルのことを思い出した。
「オールマイトの仰る通りだ!プロに任せるべき案件だ!俺達の出ていい舞台ではないんだ馬鹿者!!」
「んなもん分かってるよ!!でもさァ!何っも出来なかったんだ!!ダチが狙われてるって聞いてさァ!!なんっっも出来なかった!!しなかった!!ここで動けなきゃ俺ァヒーローでも男でもなくなっちまうんだよ!!」
「切島くん落ち着いて!こだわりは良いと思うけど今回だけは…」
「飯田ちゃんが正しいわ」
「飯田が皆が正しいよ!!でも!!なァ緑谷!!まだ手は届くんだよ!!」
葉隠と蛙吹が切島を落ち着かせようとするが切島が緑谷にそう言った。
「ヤオモモから発信機のヤツ貰って…それ辿って…自分らで爆豪と叶の救出に行くってこと…!?」
「
「ふっふざけるのも大概にしたまえ!!」
「待て落ち着け」
轟の発言に飯田が怒っていると障子が制止した。
「切島の何も出来なかった悔しさも…轟の眼前で奪われた悔しさも分かる…俺だって悔しい…だがこれは感情で動いていい話じゃない」
「僕も叶くんに助けられたけど…オールマイトに任せようよ…戦闘許可は解除されてるし…」
「青山の言うとおりだ…救けられてばかりだった俺には強く言えんが…」
「皆、爆豪ちゃんと叶ちゃんが攫われてショックなのよ。でも冷静になりましょう。どれほど正当な感情であろうとまた戦闘を行うというのならルールを破るというのならその行為は
蛙吹の言葉に全員が黙っていると開いていたドアからノック音が聞こえた。
「お話し中ごめんね…緑谷くんの診察時間なんだが…」
「い、行こか…八百万の方も気になっし…」
医師がそう言うと全員が緑谷の病室から退出しだすが切島が緑谷に言った。
「八百万には昨日、話をした。行くなら即行…今晩だ。重症のおめーが動けるかは知らねえ…それでも誘ってんのはおめーが一番悔しいと思うからだ。今晩…病院前で待つ」
切島はそう緑谷に言うと病室を退出したのだが、その様子を上鳴は黙って見ていた。
◆◆◆
「叶…叶…ごめん…ごめん…」
その日の夕方、耳郎は膝を抱えうずくまった状態で自室にいた。
爆豪と大志が攫われた翌日、林間合宿は中止になり家に戻ってきたのだが大志を眼前で奪われたショックでずっと自室に引きこもってしまった。
耳郎の両親やA組の皆が心配して声を掛けるが返事ができずにいた。
今日も自室で涙を流しながら過ごしているとスマホに連絡が入って耳郎は涙を拭って確認すると上鳴からであり『電話に出ろ』と書かれていると電話がかかってきて耳郎は電話に出た。
『よう元気か?』
「何?何か用?」
『いや緑谷と八百万の見舞いが終わったぞ。二人とも元気になってたぞ!お前も来れば良かったのによー!』
「いやウチは…」
上鳴の言葉に耳郎は言い淀んでしまっていると上鳴が言った。
『…大志を救えなかったのが原因か?』
「…ッ!?」
『それを言ったら俺も同じだ。先生に止められて救けに行きたくても行けなかったんだからな』
上鳴は相澤に制止され大志を救けに行くことができず、大志が拉致されたことを悔やんでいた。
上鳴はそのことを伝えると耳郎は言った。
「………ウチね…叶と約束していたんだ…ピンチになったら救けるって…それなのに…救け…られなかった…!!」
そう耳郎は言うと再び大粒の涙が零れた。
「入試試験の時も…USJも…I・アイランドも…今回の林間合宿も叶は救けてくれたのに!!叶がピンチになったら何も出来なかった!!手の届くところにいたのに…!!」
涙を流しながら耳郎はそう言うとそれを聞いた上鳴が言った。
『じゃあ次は必ず救けるぞ』
「………え?」
『実は緑谷の見舞いに言った時にこんなことがあってな…』
耳郎は驚いていると上鳴は緑谷の病室での出来事を話した。
「ヤオモモに受信デバイスを創ってもらって爆豪と叶を救けに行くってこと…?」
『ああ、そうだ』
「でも…ウチの実力じゃ…」
耳郎は今回の戦闘で実力不足が露呈して完全に自信を無くしてしまった。
そんな耳郎の様子を感じた上鳴が言った。
『
「えっ!?な、何で…!?」
大志のことが好きだと言い当てられ耳郎は困惑していると上鳴が続けて言った。
「お前の大志と接している姿を見て確信した。俺は耳郎なら大志とうまくいくんじゃないかって思ってる。約束したんだろ?大志だって耳郎を待っているはずだ」
その上鳴の言葉を耳郎黙って聞いていた。
『大志はもう一生分…苦しんだ…尊敬する両親を失って…個性の暴走でヒーローを傷つけて…あいつは幸せにならないといけないんだ!俺は行くぞ!あんな奴らに俺の大事な親友を奪われてたまるか!!お前はどうなんだよ!!』
話している上鳴も大志の辛そうな姿を思い出した。
両親が死に、個性の暴走でヒーローを傷つけてしまった大志はずっと一人で泣いていて毎日を辛そうに生きていた。
それを物陰から見ていた上鳴は何もできない自分が悔しかった。
上鳴の覚悟に耳郎は涙を拭って言った。
「……そんなの…ウチだって嫌だ!!今度こそ救け出す!!」
『良し!やっといつもの耳郎に戻ったな!やっぱ耳郎はこうでなくちゃな!』
「うっさい!バ上鳴!」
『酷え!?』
そんな会話をしていると上鳴から病院の地図が送られてきた。
『遅刻すんなよ!皆で大志と爆豪を救けるぞ!じゃあ後でな!』
「うん!また後で」
耳郎がそう言うと上鳴は電話を切った。
耳郎は急いで着替えをして家を出て、駅に向かって走り出した。
「(今度こそ…絶対に救ける!このまま会えなくなるなんて絶対に嫌だ!まだ…叶に好きだって伝えてない!)」