『理想郷』がヒーローになる物語   作:zorozoro

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この章はこれで終わりになります。


新たな時代へ

「なァあいつ緑谷!!!っとに益々お前に似てきてる!!悪い方向に!!!」

 

「保須の経験を経てまさか来ているとは…十代…!しかし情けないことにこれで心置きなくお前を倒せる!!」

 

そうオールマイトがオールフォーワンに言うが、肝心のオールフォーワンは心ここにあらずという感じだった。

 

「あと少し…あと少しで手に入ったんだ…あの夢のような個性を…最強の個性を…それなのに…それなのに…!」

 

「このまま終わらせてもらうぞ!!」

 

連合(こっち)もあと二人!!終わらせる!!」

 

「……!」

 

「弔くん終わりたくないです」

 

そう言ってグラントリノが死柄木と渡我に接近しているとオールフォーワンが無言で指から棘のようなものを出した。

オールマイトはそれを避けるが背後にいたマグネに刺さり個性が強制発動しマグネの個性の『磁力』により渡我に(ヴィラン)連合のメンバーが吸い寄せられた。

 

「やーそんな急に来られてもぉ」

 

「待て…駄目だ先生!その身体(・・・・)じゃあんた…駄目だ…俺、まだ――」

 

そこまで言ったところで(ヴィラン)連合は消えてオールフォーワンだけが残った。

 

「弔…君は戦いを続けろ」

 

オールフォーワンがそう言うとオールマイトが接近し攻撃をしようとするがオールフォーワンが『転送』を発動させてグラントリノを目の前に出し代わりに攻撃を受けさせた。

 

「すみません!!」

 

「僕はただ弔を救けに来て理想郷(ユートピア)を奪いに来ただけだが戦うというなら受けて立つよ。何せ僕はお前が憎い。かつてその拳で僕の仲間を次々と潰し回りお前は平和の象徴と謳われた。そして今回は理想郷(ユートピア)を奪うのも邪魔をした…僕らの犠牲の上に立つその景色、さぞや良い眺めだろう?」

 

オールフォーワンが大志に使用した攻撃を使用しようとしたがそれを見たオールマイトがその攻撃に合わせるように攻撃をして相殺した。

そしてオールフォーワンの左腕を掴み、激昂しながら言った。

 

「黙れ!!貴様はそうやって人を弄ぶ!!壊し!奪い!つけ入り支配する!日々暮らす方々を!理不尽が嘲り嗤う!私はそれが!許せない!!」

 

そう言いながらオールフォーワンを殴り飛ばした。

殴ったオールマイトから煙が出始めて肩で息をしていると殴り飛ばされたオールフォーワンはゆっくりと立ち上がり言った。

 

「いやに感情的じゃないかオールマイト。同じような台詞を前にも聞いたな。ワン・フォー・オール先代継承者…志村菜奈から…」

 

「貴様の穢れた口で…お師匠の名を出すな…!!」

 

「理想ばかりが先行しまるで実力の伴わない女だった…!ワン・フォー・オール生みの親として恥ずかしくなったよ。彼女に叶大志くんの爪の垢を飲ませたいほどだ。実にみっともない死に様だった…どこから話そうか…」

 

「Enough!!」

 

オールマイトが殴り掛かろうとすると再び大志に使用した攻撃をしてオールマイトを上空を飛んでいたヘリコプターまで吹っ飛ばすとグラントリノがオールマイトを救出して地面へ降りた。

 

「俊典!六年前と同じだ!落ち着け!!そうやって挑発に乗って!奴を捕り損ねた!!腹に穴を開けられた!!お前の駄目なとこだ!奴と言葉を交わすな!!」

 

「……はい…」

 

「前とは戦法も使う個性もまるで違うぞ!正面からはまず有効打にならん!虚をつくしかねえ!まだ動けるな!?限界超えろ!正念場だぞ!!」

 

「………はい!」

 

そうグラントリノと会話しているオールマイトに向かってオールフォーワンは言った。

 

「…怒っているのはお前だけだと思うな…せっかく楽しい時間を過ごしていたのに水を差したんだ。徹底的に苦しみながら死の恐怖を味わえ」

 

◆◆◆

 

「緑谷、そっち無事か?」

 

『うん轟くんの方は!?逃げ切れた!?』

 

「ああ、途中ヤバかったが叶の瞬間移動で奴の背面方向に移動した。プロ達が避難誘導してくれてる」

 

『よかった。僕らは駅前にいるよ!あの衝撃波も圏外っぽい!奪還は成功だよ!』

 

そう言って緑谷は電話を切った様だったので俺は言った。

 

「すまん皆、救けてくれてありがとう。あの時は冷静じゃなくて正しい判断が出来なかった」

 

「しょうがないですよ…」

 

「気にすんな」

 

「今度、何か飯おごれよ!」

 

「おいこらバ上鳴」

 

「分かった。游玄亭で良いか?」

 

「高級焼肉!?」

 

「お話はその辺で避難しましょう!」

 

そんな会話をした後に俺達はプロヒーローに誘導されて避難を開始した。

 

歩いて数分、俺達は巨大テレビモニターがある所まで移動したのだがそこで見た内容に俺達は絶句した。

 

オールマイトの肉体が萎み、まるで骸骨のような姿をしていたからだ。

 

「えっ…?」

 

「何だ…あの骸骨…」

 

『えっと…何が…え…?皆さん見えますでしょうか?オールマイトが…萎んでしまっています…』

 

その姿を見た俺達は最悪な結末………オールマイトの敗北が頭によぎった。

 

「そんな嫌だ…」

 

「あんたが勝てなきゃ、あんなの誰が勝てんだよ…」

 

「オールマイト!頑張れ!」

 

「まっ負けるなァ!!頑張れえええ!!」

 

オールマイト負けんじゃねえ…!何のために俺は…あんたに親の仇を託したと思ってるんだ…!

 

そう思った俺は街の人達の声に合わせるように轟と一緒に言った。

 

 

 

「「勝て!!オールマイト」」

 

 

 

すると俺達の声に応えるようにオールマイトの右腕が肥大化した。

それと同じタイミングでにエンデヴァー達が来て Mt.レディ達や一般人の救助とオールマイトの加勢をし始めたが衝撃波を放ちオールマイト以外のヒーローを吹き飛ばした。

 

その後、クソ外道の右腕が肥大していった。恐らくだが個性の重ね掛けを行っているのだろう。

個性の重ね掛けを終えるとそのまま突撃したのだがオールマイトの右腕の肥大が無くなっていると左腕が肥大しそのまま顔面を殴った。

 

オールマイトの攻撃を受けたクソ外道だが有効打になっておらず左腕を肥大化させてオールマイトに攻撃しようとするがオールマイトの右腕が再び肥大化をしてクソ外道の顔面を思い切り殴り地面に叩き伏せた。

 

その後、全身を肥大化させていつものオールマイトの姿になると勝利のスタンティングを行った。

 

『オールマイトォ!!!!』

 

オールマイトの勝利に民衆は喜び、歓声が響いた。

それを見ていた俺と轟はホッとし息を吐いた。

その後、神野区にプロヒーローが現着し救助活動を開始し俺達の周りでも避難活動が続行された。

 

「こちらでも毛布配布しておりまーす!電車動きません!!あちらで介抱施設の案内を行っております!!立ち止まらずゆっくり…」

 

「身動きが取れませんわ…緑谷さん達と合流したいところですが…」

 

「とりあえず動こうぜ。大志のことをヒーロー達に報告しなきゃいけねーだろ」

 

「そうだね。動こうか」

 

そうオールマイトの勝利の熱気に包まれている場所から移動しようとするとモニターからオールマイトの声が聞こえた。

 

『次は…君だ』

 

オールマイトからそう声が聞こえてさらに熱気が高まり歓声が響いた。

まだ見ぬ犯罪者への警鐘…平和の象徴の折れない姿に皆が興奮した。

 

だけど…何故だろう?俺にはまるで…自分はもう限界だという意味に聞こえた。

 

◆◆◆

 

オールマイトが(ヴィラン)を倒した後にウチらは緑谷達と合流して叶と爆豪を警察に送り届けた。

 

「またな皆、ありがとう」

 

そう叶は言って警察官と一緒に移動した。何故か爆豪はずっと静かだった。

そして半日以上をかけてウチらは家路を辿った。

 

「では」

 

「ありがとうな皆」

 

「また学校でな!」

 

「うんまたね」

 

「お三方!真っすぐ(・・・・)帰って下さいね!?」

 

「うん。本当にありがとう」

 

「じゃあ…また学校で」

 

皆と別れて家へと帰ったんだけど母さんが心配したんだからと怒られた。

当然だよね何も言わずに出てって一日以上も連絡が繋がらない状態だったんだから…。

一通り怒られた後、ウチは自分の部屋に戻ってベッドに倒れこんだ。

 

「………よかったあ」

 

叶を今度こそ救けられて良かったと思っていると睡魔が来てそのままウチは眠りについた。

 

眠っているとスマホに連絡が来てウチは目を覚まして外を見るともう夕方になっており誰からだろって思ってスマホを見てウチは差出人の名前を見て急いで出かける準備をした。

 

「ちょっと響香!?もうご飯できるよ!?どこ行くの!?」

 

「ごめん後で食べる!!」

 

そう言ってウチは家を出て近くの公園まで行くとそこには差出人の叶がいた。

 

「よう、待ってたぞ耳郎」

 

「もう事情聴取が終わったの?」

 

「ああ、俺はギリギリまで閉じ込められてたから早く終わったんだ。爆豪はもうちょっと掛かるみたいだ」

 

「そうなんだ。でもどうしたの?家に戻って休めば良かったのに…叶も疲れたでしょ?」

 

「いや…一言、謝ろうと思ってな」

 

「え?」

 

「ごめん…遊びに行く約束守れなくて…俺がもっと強ければ皆に迷惑をかけることもなかった…」

 

その言葉を聞いて、ウチは驚いた。

あんな大変な事があったのにウチとの約束や皆のことを自分が不甲斐ないと思っていたことに…。

 

その言葉を聞いて、ウチの目から涙が零れた。

 

「謝るのは…ウチのほうだよ…ウチがもっと強かったら合宿所で救えていた…はずだもん…ウチの方こそごめん…弱くてごめん…」

 

そこまでウチは涙を我慢できず泣いていると叶がそっと抱き締めてくれた。

 

「お互い強くなろう…もう誰も悲しませないために…」

 

「うん……うん…!」

 

叶とそう約束した後、ウチが泣き止むまで叶はずっと抱き締めてくれていた。

 

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