『理想郷』がヒーローになる物語   作:zorozoro

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UA90000突破!

今回の話で鳴神の怒りの理由が分かります。


明かされる想い

「私を放っておいてよそに行こうって言うの?こっちはまだ戦ってすらいないのに(・・・・・・・・・・・・)!!」

 

鳴神がそう言うと施設から電気を奪い始めて身体が発光し始めた。

それを見ていた爆豪達は驚きながら言った。

 

「何だ!?あいつに電気が集まっているのか!?」

 

「オイッ!こんなことも出来るなら初めから言えアホ面!!」

 

「俺だって知らねえよ!?周りから電気を吸収するなんて中学の時はしていなかった!?」

 

「今までしていなかったのはこれをすると周りの電気を全部吸収してしまって試験を潰してしまう可能性があったからよ…でもそんなのどうでもいい!!貴方達を全員潰した後に解除して次の試験で雄英高校の奴ら全員を潰せばいい話なんだから!!!」

 

そう鳴神は言うとさらに電気の吸収を強めて発光し始める。

 

「うおっ…!?目、目が霞む…!?」

 

「この…雷女…っ!?」

 

爆豪がそう言った後に鳴神の姿が消えた。

爆豪はふと後ろを確認すると拳に雷を纏って殴りかかってきていた。

爆豪はそれを左手の爆破で弾いた後に右手で追撃しようとするが鳴神の姿がまた消える。

 

「パワーもスピードも全部劣っているんだよ!!平和の象徴を終わらせた戦犯2号!!『900万V(ボルト)雷狼』!!」

 

鳴神はそう言うと雷の狼が出現しそれを見た爆豪は回避しようとするが驚異的なスピードで爆豪に接近し、そのまま爆豪に嚙みついた。

雷が全身に走り爆豪は叫び声を上げる。

 

「アアアアアアアアアッ!?」

 

「爆豪!?」

 

「爆豪ォ!?」

 

「余所見している暇なんかないぞ地味男!!『1000万V(ボルト)雷蝶』!!」

 

鳴神から雷の巨大な蝶が出現して切島に襲いかかる。

切島は硬化して防ごうとするがあまりの威力の高さに膝をつく。

 

「グッ…!なんて…威力だよ…!」

 

「本当に硬くなるしか取り柄のない男。今すぐ楽にしてあげる『3000万V(ボルト)…」

 

鳴神が切島にトドメをさそうとした瞬間、鳴神の身体を雷が貫いた。

身体に電流が走るが鳴神にはダメージはなかった。

 

「………こんな攻撃が私に効くと思っているの?上鳴電気…!」

 

「も、もうやめろぉ!お前が狙ってんのは俺だろ!俺だけ潰せばいいだろ!!」

 

「…そうね、貴方と叶大志、耳郎響香さえ潰せばあとはどうでもいいわ。見逃してあげてもいいわ」

 

「皆は関係ないって言ってるだろ!!お前が嫌い(・・)な俺だけを潰せ!!」

 

その上鳴の言葉を聞いた鳴神は目を大きく開いた。

 

「…私が…上鳴電気のことが…嫌い…?」

 

そう小さい声で鳴神が言うと俯いた後に身体が小刻みに震え出した。

 

「…目の前のことしか見えてない大馬鹿が!!私がどんな気持ちでこんなことをしてると思っているの!!私がどれだけ我慢していたかも知らないで!!」

 

「な、何が言いてえんだよ!!」

 

上鳴がそう疑問をぶつけると鳴神は頭を上げた。

その目に涙を浮かばせながら言った。

 

 

 

 

 

「…私は上鳴電気のことが好きなの!!!」

 

 

 

 

 

「………えっ?」

 

「はあ!?」

 

「はあァ!?」

 

鳴神の言葉に上鳴だけでなく切島と爆豪も驚く。

 

「ずっとずっと好きだった!!小学校の時に手を差し伸べてくれた貴方のことが好きだった!!中学の時に何度も貴方に告白しようと思っていたのに、いつも叶大志がいてできなかった!!いつもいつも隣にいて本当に目障り!!仮免試験の時に貴方に会えると思って楽しみにしていたのに貴方の隣にはコスチュームをペアルックにするほど想い合っている耳郎響香の姿があった!!高校から出会ったばかりの分際で恋人アピールして偉そうに!!」

 

「いやいやいや!?コスチュームは入学の前に自分の個性に合わせて決めたもので耳郎と上鳴のコスチュームもそれぞれ違いがあるよ!?」

 

「そもそも耳郎は大志のことが…!」

 

「おい、いたぞ!雄英高校の奴らだ!!」

 

「でも士傑高校の奴もいるぞ」

 

そう上鳴が言おうとした時、他の受験者が集まり始めた。

呆れて見ていた爆豪は戦闘態勢に入り、切島と上鳴は周りを見渡していると鳴神はキッと周りの受験者を睨んだ。

 

「ああもう五月蠅い!!!人の恋路を邪魔する阿呆共が!!!!」

 

そう叫ぶように鳴神は言うと身体を帯電させながら右手を上げる。

 

『限界2億V(ボルト)、麒麟!!!』

 

鳴神がそう言うと空から巨大な龍の顔をした獣が爆豪達がいたエリアに放たれると轟音と共に会場が揺れた。

 

◆◆◆

 

一次試験を突破した大志達は会場が突然揺れて驚いていた。

 

「何っ!?地震!?」

 

「試験会場はどうなっていますの!?」

 

大志も心配しているとコスチュームを誰かが引っ張っていて見ると耳郎だった。

 

「皆…大丈夫かな…」

 

「…大丈夫だ。絶対に」

 

大志はそう言うと耳郎の頭を撫でるが内心、不安でいっぱいだった。

 

「(皆…電気…!)」

 

大志はまだ試験を行っている飯田達の無事でいてくれることを考えていた。

 

◆◆◆

 

雷撃を受けた試験会場は辺り一面、煙で覆われていた。

その中から走って爆豪達が出てきた。

 

「サンキュー上鳴!助かったぜ!」

 

「ンなことができるなら最初からやれやボケが!!」

 

「俺が鳴神の雷撃を受け止めたのにひでぇ!!2億V(ボルト)なんて受けたことないから分かんなかったんだって!!」

 

上鳴は爆豪達の前に立ち鳴神の攻撃から守っていた。

煙が晴れると同時にアナウンスが入った。

 

『うおっ!高速道路エリアの一部が消し飛んでいます!!えー、そんなに凄いなら早く突破してほしいものです』

 

さっきの雷撃を受けた受験者たちは全員気絶までで済まされており直撃は避けたようだった。

煙から俯いた状態の鳴神が姿を現すと同時に電気の吸収を再び始めた。

 

「駄目だ!電気がある限り、あいつにガス欠は起こらねえ!!」

 

「クソが!!あいつも理想野郎と同じでクソ化物か!!」

 

再び爆豪達と鳴神は対峙する。

すると鳴神が一瞬で上鳴に近づいて胸倉を掴んだ。

 

「ひいっ!!」

 

「…私は上鳴くん(・・)に可愛いねって言ってもらいたくて自身を磨いた!!ミスコンに出たのだって貴方に振り向いてほしかったから!!でも叶大志と一緒にいると悪態ばかりついてしまって貴方に嫌われてしまった!!その度に胸が痛んで苦しかった!!ただ私は告白したかっただけなのに何でこんなに邪魔されなければならないの!!人の恋路を邪魔するものは皆、地獄に落ちればいい!!こんな思いするなら貴方のことなんて好きになるじゃなかった!!こんな…こんなの…辛すぎるよ…!」

 

鳴神は顔を上げると辛そうに涙を流していた。

 

「…少しは私のことを見てよ!!!…上鳴くんの大馬鹿!!!」

 

そう言うと胸倉を掴んでいた手を離して、堪えきれずに鳴神は嗚咽を漏らした。

それを見た上鳴は少し考えた後に頭を掻くと鳴神の制帽をどかして優しく頭を撫でた。

 

「悪かった…悪かったよ…」

 

「上鳴くん…」

 

「まさか好意を持たれているなんて微塵も思わなくてさ、だって鳴神は生徒会長で学校の皆に慕われていたし、俺みたいなチャランポランな奴が嫌いだって思ってた」

 

「上鳴くんは確かにチャランポランなところもあるけど、私は貴方のそういうところも含めて全部が好きなの」

 

「…そ、そうか~!」

 

「…なあ爆豪。俺達は何を見せられているんだ?」

 

「俺に振るな」

 

鳴神の素直の好意に上鳴は照れてにやけ始めている。

それを見ていた切島と爆豪は呆れていた。

だが鳴神は落ち込みだした。

 

「…でも上鳴くんにはすでに耳郎響香がいるから私の初恋は終わりだね。告白を聞いてくれてありがとう」

 

「ちょっと待て、俺と耳郎は付き合ってないぞ」

 

「…えっ?でもコスチューム…」

 

「あれは本当に偶々だ。それにここだけの話だけど耳郎は大志に惚れているんだ。俺なんて眼中にねえよ」

 

「ええっ!?…じゃあ上鳴くんはフリーなの?本当に?」

 

「おう、フリーだぜ!…言ってて悲しくなってきた…俺って引くぐらいモテないからさ…」

 

「あっ!ごめんなさい!」

 

「………だからさ」

 

上鳴は照れて頬を掻きながら鳴神に手を差し伸べる。

 

「こんないい加減な奴でもいいなら、つ、付き合っちゃう…?」

 

「…っ……上鳴くん!!」

 

顔を真っ赤にしながら言った上鳴の言葉に鳴神は涙を流しながら抱き着いた。

だがさっきまでの悲しい涙ではなく、嬉しくて涙が出ていた。

 

「好き好き!!大好きだよ上鳴くん!!」

 

「よしよし分かったからいい加減に泣き止めよ。まだ試験だってあるんからさ」

 

泣きながら再び想いを伝える鳴神の頭を上鳴は優しく撫でていた。

しかし、上鳴は色々な感情が出ていた。

 

「(やべえ、超良い匂いする!!鳴神はミスコンに優勝するだけあって凄い美人だし胸も八百万に負けないぐらいデケェ!!えっ、いいの?俺なんかが鳴神の恋人でいいの?こんな美人と付き合えるようになるなんて一生分の運を使ってもできないぞ!?)」

 

「…上鳴くん」

 

「ああ、悪いな鳴神。少し考えごとをして」

 

そこまで上鳴は言うが、それ以上言葉が出なかった。

 

何故なら鳴神が上鳴の唇を奪ったからである。

 

触れるようなキスをしていると上鳴の顔が物凄く赤くなっていった。

見ていた爆豪達はポカンと口を開けていた。

 

「……んっ……ごめんね上鳴くん…我慢できなかった…」

 

「…………ウェ~~~イ…」

 

「大変だ爆豪!?いきなりのキスで上鳴がアホになった!!」

 

「テメェなにしてんだ!!試験を合格させないつもりか!!どうすんだアホ面を使いものにならなくしやがって!!」

 

「いや、そんなつもりはない!?本当に我慢できなかっただけ!!ていうか上鳴くんをアホ面って言うな!!」

 

そう言い争いをしていると気絶をしていた他の受験者がどんどん立ち上がってきた。

それを見た爆豪達は戦闘態勢に入る。

 

「他の受験者達が目を覚まし始めてるな!」

 

「雑魚には変わらねえよ!!てめえも手伝え雷女!!テメェのせいでまだ残っているんだ!!馬車馬のように働けや三下!!」

 

「言い方を考えろ爆豪勝己!!貴様のほうが格下だ!!私に手も足も出なかったくせに偉そうに戯言をほざくな!!」

 

「あ?」

 

「何よ?」

 

「喧嘩すんなよ!?お互い試験を突破することのほうが大事でしょうが!?」

 

「おっ、上鳴!正気に戻ったんだな!!」

 

他の受験者達が戦闘態勢に入るのと同時に爆豪と切島は向かっていった。

上鳴は鳴神に制帽を返した後に笑顔で手を差し伸べて言った。

 

「鳴神、絶対に合格しようぜ!」

 

「うん!」

 

鳴神は笑顔でその手を取ると制帽をかぶり直して受験者達に向かっていった。

 

 

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