『理想郷』がヒーローになる物語   作:zorozoro

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今回でこの章は終わりになります。


平和の象徴と約束

「待ったよヒーロー、社会のゴミめ」

 

「あれが…!!生で見るの初めてだぜ…!!迫力すげえ…」

 

「馬鹿野郎、尻込みすんなよ。アレを殺って俺達が…」

 

そう(ヴィラン)達が話をしているとオールマイトが目にも止まらぬ速さで全員を無力化した。

 

「相澤くん、すまない」

 

気絶している相澤にオールマイトは謝り脳無達を見た後に物凄い速さで緑谷達と大志を救出するのと同時に手の奴に一撃入れた。

緑谷達を安全な場所に移動すると森林のところに隠れていた上鳴達も同じ場所に移動させた。

 

「皆、入口へ。相澤くんと叶少年を頼んだ、早く!」

 

「え!?え!?あれ!?速えぇ…!!」

 

「叶!!しっかりして叶!!」

 

「担架を創ります!少々お待ちを!」

 

「すまない叶少年、私がもっと早く来ていれば…」

 

「…オール…マイト…!気にしないで…ください…」

 

「叶、無理して喋るな!!お前が思っているより重症なんだぞ!!」

 

耳郎が涙を流しながら大志の傍に寄り、八百万が担架を創造で造り始めた。

ふと大志は一言も喋っていない上鳴が気になった。

上鳴は顔が青いまま大志を見ていた。

 

「…電気…」

 

「…っ…大志…」

 

「…俺は…大丈…」

 

大志はそう微笑みながら言うと気を失った。

 

「叶?…叶!!」

 

「創りました!急いで叶さんを運びましょう!尾白さん、上鳴さんお願いします!」

 

「あ…分かった!」

 

「任せろ!」

 

上鳴と尾白は担架に大志を乗せると八百万と耳郎と一緒に移動を始めると手の奴がオールマイトの一撃を食らった際に落とした手に向かって言った。

 

「ああああ…駄目だ…ごめんなさい…!お父さん…。助けるついでに殴られた…ははは国家公認の暴力だ。流石に速いや目で追えないけれど思った程じゃない。やはり本当だったのかな…弱ってるって話………」

 

「オールマイト駄目です!!ワン…っ…僕の腕が折れないくらいの力だけどビクともしなかった!!きっとあいつ…」

 

「緑谷少年。大丈夫!」

 

緑谷が焦った様子で言うとオールマイトは一言そう言った後に(ヴィラン)達に向かって行き脳無にクロスチョップするが全然効いていなかった。

 

「マジで全っ然…効いてないな!!!」

 

「効かないのは『ショック吸収』だからさ。脳無にダメージを与えたいならゆぅっくりと肉を抉り取るとるかが効果的だね……それをさせてくれるかは別として」

 

「わざわざサンキューそういうことなら!!やりやすい!」

 

オールマイトは脳無を掴んでバックドロップをするとズドンと爆音が轟いた。

その姿を見て誰もがオールマイトの勝利を確信していたが緑谷だけが心配そうに見ていた。

 

「やっぱりオールマイトはダンチだぜ!!」

 

「凄い、これがNo1の実力…!」

 

「二人とも話は後にしましょう!早く叶さんを医務室まで運びましょう!」

 

「叶、(ヴィラン)はオールマイトが何とかしてくれる。怪我もリカバリーガールが何とかしてくれるから心配しないで」

 

煙が晴れるとそこにはブリッジを描いているオールマイトの脇腹に爪を突き立てる脳無がおり黒い靄の奴が地面からワープさせていた。

それを見ていた緑谷は蛙吹に言った。

 

「蛙ス…っ…ユちゃん!」

 

「頑張ってくれてるのね。なあに緑谷ちゃん」

 

「相澤先生担ぐの代わって…!!」

 

「うん…けど何で…」

 

「オールマイトォ!!!!」

 

目尻に涙をため緑谷はオールマイトに向かって走り出した。

 

「お、おい!?緑谷!!」

 

「緑谷さん!!」

 

その途中で緑谷は上鳴達を通り過ぎ、上鳴達はオールマイトを助けに行った緑谷に叫んだ。

 

「………おちおち…寝てられねえな…」

 

「あっ!叶!よかった目が覚め…」

 

目を覚ました大志に耳郎は安堵するが大志は担架の上から飛んだ。

 

「だ、駄目!!叶!!」

 

耳郎が叫ぶが大志はオールマイトを助けに行ってしまった。

黒い靄の奴が緑谷を邪魔しようとするが…。

 

「どっけ邪魔だ!!デク!!」

 

爆豪が黒い靄の奴を爆破させた後に取り押さえると脳無の身体が凍り始める。

 

「てめぇらがオールマイト殺しを実行する役とだけ聞いた」

 

轟が脳無を個性で凍らせるのと同時に切島が手の奴を攻撃しようとするが躱されてしまった。

 

「くっそ!!!いいとこねー!」

 

「いや、いいタイミングだ切島!」

 

大志がそう言うのと同時に個性を発動すると身体全体が光に覆われる。

光が消えると脳無に負わされた怪我が完治し、大志はそのまま手の奴を殴り飛ばす。

 

「ゴフォ!!?…っ…おいおいおい!?お前はさっき脳無にボコられた奴じゃねえか!!…なに当たり前のように怪我を治してんだ!!…ひょっとしてお前もチートか…!」

 

怪我を完治させた大志に対して手の奴がそう言うと首を掻き始めた。

 

「すかしてんじゃねぇぞモヤモブが!」

 

「平和の象徴はてめえらごときにやられねぇよ」

 

「緑谷、一人で突っ走るな!」

 

「かっちゃん…!皆…!!」

 

緑谷がそう呟くと爆豪が黒い靄の奴に向かって言った。

 

「このウッカリヤローめ!やっぱ思った通りだ!モヤ状のワープゲートになれる箇所は限られてる。そのモヤゲートで実体部分を覆ってたんだ!?そうだろ!?全身モヤの物理無効人生なら「危ない」っつー発想は出ねぇもんなあ!!!」

 

「ぬぅっ…」

 

「っと動くな!!「怪しい動きをした」と俺が判断したらすぐ爆破する!!」

 

「ヒーローらしからぬ言動…」

 

「攻略された上に全員ほぼ無傷…重傷を負わせた奴も完治…すごいなぁ最近の子供は…恥ずかしくなってくるぜ、(ヴィラン)連合…脳無、爆発小僧をやっつけろ。出入口の奪還だ」

 

手の奴がそう言うと脳無はワープゲートから凍らせている身体が割れるが意にも介せず戻した。

 

「身体が割れてるのに…動いてる…!?」

 

「皆下がれ!!何だ!?ショック吸収の個性じゃないのか!?」

 

「別にそれだけとは言ってないだろう。これは『超再生』だな。脳無はお前の100%にも耐えられるように改造された超高性能サンドバック人間さ」

 

脳無は爆豪の近くに一瞬で行き殴りつけた。

暴風が発生し、大志達は爆豪を心配するがいつの間にか緑谷の隣にいた。

 

「かっちゃん!!?避っ避けたの!?凄い…!」

 

「違えよ黙れカス」

 

オールマイトが爆豪を庇い壁に激突して息を荒くしていた。

 

「加減を知らんのか…。」

 

「仲間を助けるためさ仕方ないだろう?さっきだってほらそこの…あー、チート野郎、あいつが俺に思いっきり殴ったぜ。他がために振るう暴力は美談になるんだ。そうだろ?ヒーロー?俺はなオールマイト!怒ってるんだ!同じ暴力がヒーローと(ヴィラン)でカテゴライズされ善し悪しが決まるこの世の中に!!何が平和の象徴!!所詮抑圧のための暴力措置だお前は!暴力は暴力しか生まないのだとお前を殺すことで世に知らしめるのさ!」

 

「めちゃくちゃだな。そういう思想犯の眼は静かに燃ゆるもの。自分が楽しみたいだけだろ嘘つきめ」

 

「………バレるの、早…」

 

「3対6だ」

 

「靄の弱点はかっちゃんが暴いた…!!」

 

「とんでもねぇ奴らだが俺らでオールマイトのサポートすりゃ撃退できる!!」

 

「駄目だ!!!逃げなさい」

 

そう言ってオールマイトは緑谷達を制した。

オールマイトが言った後に大志が緑谷達に言った

 

「俺らがここに居ても足手纏いになるだけだ。人質にでもされたら意味がない」

 

「叶少年の言う通りだ。君たちは早く避難しなさい!!」

 

「………さっきのは俺がサポート入らなけりゃやばかったでしょう」

 

「オールマイト、血…それに時間だってないはずじゃ…あ…」

 

「(……時間?)」

 

緑谷が焦って発した言葉に大志は疑問を抱く。

 

「それはそれだ轟少年!!ありがとな!!しかし大丈夫!!プロの本気を見ていなさい!!」

 

「脳無、黒霧やれ。俺は子供をあしらう、クリアして帰ろう!」

 

「おい来てる!やるっきゃねえって!!」

 

そう切島が言うが(ヴィラン)達が来ることはなかった。

オールマイトと脳無の戦闘による爆風が来たため手の奴は距離を取った。

 

「『ショック吸収』って…さっき自分で言ってたじゃんか」

 

「そうだな!」

 

「真正面からの殴り合い!?」

 

「(近付けん!!!)」

 

「『無効』でなく『吸収』ならば!!限度があるんじゃないか!?私対策!?私の100%を耐えるなら!!さらに上からねじ伏せよう!!」

 

血を吐きながら乱打を続けていくと脳無は吸収をしすぎてオールマイトより大きくなる。

オールマイトの攻撃がどんどん脳無に当たり始める。

その光景を大志達は黙って見ていた。

階段の上にいた麗日達や避難を始めた蛙吹達と上鳴達はUSJを脱出していた。

 

「ヒーローとは常にピンチをぶち壊していくもの!(ヴィラン)よ。こんな言葉を知ってるか!!?Plus Ultra(更に向こうへ)!!」

 

オールマイト渾身のボディアッパーが脳無に突き刺さる。そのまま殴り飛ばされた脳無はUSJを突き破り、空の彼方へ飛び立った。

それを見ていた大志達は啞然としていた。

 

「……漫画(コミック)かよ。ショック吸収をないことにしちまった…究極の脳筋だぜ」

 

「デタラメな力だ…再生も間に合わねえ程のラッシュってことか…」

 

「(これがトップ…)」

 

「(プロの世界か…!)」

 

「(スターも憧れるオールマイトの力…これが平和の象徴か…!)」

 

「やはり衰えた。全盛期なら5発も撃てば充分だったろうに300発以上も撃ってしまった。さてと(ヴィラン)、お互い早めに決着つけたいね」

 

「チートが…!衰えた?嘘だろ…完全に気圧されたよ…よくも俺の脳無を…チートがぁ…!全っ然、弱ってないじゃないか!!あいつ(・・・)…俺に嘘を教えたのか!?」

 

手の奴は首を掻き毟りながらそう呟いているとオールマイトが言った。

 

「どうした?来ないのかな!?クリアとかなんとか言ってたが出来るものならしてみろよ!!」

 

「うぅうぉおおぉおおぉおおぉお…!!」

 

「流石だ…俺達の出る幕じゃねぇみたいだな…」

 

オールマイトの言葉に(ヴィラン)達は恐怖を感じていた。

轟がそう言っているが緑谷は未だに心配そうに見ていると大志が緑谷の近くに行った。

 

「…緑谷、オールマイトの様子がおかしくないか?」

 

「えっ!?」

 

「俺にはまるで撤退してほしい(・・・・・・・)かのように聞こえる。緑谷がオールマイトの何を知っているかは分からないが一つだけ答えてくれ。オールマイトのあの言葉は虚勢か?」

 

「っ!?」

 

「…その反応は肯定だと思っていいんだな」

 

緑谷の反応に対してそう大志は答えるとオールマイトを見た。

 

「さぁ、どうした!?」

 

「脳無さえいれば!!奴なら!!何も感じず立ち向かえるのに………!」

 

「死柄木弔…落ち着いてください。よく見れば脳無に受けたダメージは確実に表れている。どうやら子供らは棒立ちの様子…あと数分もしないうちに増援が来てしまうでしょうが死柄木と私で連携すればまだ殺れるチャンスは充分にあるかと…」

 

「…うん…うんうん…そうだな…そうだよ…そうだ…やるっきゃないぜ…目の前にラスボスがいるんだもの…何より…脳無の仇だ」

 

手の奴、死柄木と黒霧はオールマイトに向かうが緑谷と大志が現れる。

黒霧は死柄木の右手をワープさせて緑谷の前に出す。

 

「オールマイトから離れろ!!」

 

「二度目はありませんよ!!」

 

黒霧はそう言うのと同時にワープゲートの位置が緑谷の前から黒霧の真上に移動した。

それを見ていた死柄木は大志を睨む。

 

「お互いにな!!」

 

「邪魔ばかりするんじゃねえよ…チート野郎がァ!!!!」

 

残った左手で大志に触れようとするが弾丸が左手に当たり死柄木は驚いた。

 

「ごめんよ皆、遅くなったね。すぐ動ける者をかき集めて来た」

 

「1-Aクラス委員長、飯田天哉!!ただいま戻りました!!!」

 

出入り口のほうを大志達は見ると飯田が教師のプロヒーロー達と共にいた。

教師達は(ヴィラン)を倒し始めるのを死柄木は見ると落胆する。

 

「あーあ来ちゃったな…ゲームオーバーだ…帰って出直すか黒霧…っ!?」

 

そう言うのと同時に複数の弾丸が撃ち込まれる。

それを黒霧は防御しながらワープを始めるが負傷した13号によって吸い込まれそうになる。

吸い込まれながらワープをしていると死柄木はオールマイトに向かって言った。

 

「今回は失敗だったけど…今度は殺すぞ…平和の象徴オールマイト!」

 

そう言うと死柄木達は撤退した。

 

「………何も…出来なかった…」

 

「そんなことはないさ。あの数秒がなければ私はやられていた…!また助けられちゃったな」

 

「無事で…良かったです!…あっ…叶くん…!」

 

緑谷とオールマイトは慌てて大志を見ると大志は緑谷達から背を向けていた。

 

「…緑谷とオールマイトがどういう関係かは分からないけど困ったらいつでも呼んでくれ。俺は二人の味方だ」

 

「ありがとう…叶くん」

 

「叶少年、感謝する」

 

その言葉を聞いた大志は二人の姿を見ないようにその場を立ち去り切島達と合流した。

 

「…彼にも助けられちゃったね」

 

「…そうですね」

 

緑谷とオールマイトはそう言うとお互い笑みを浮かべた。

 

◆◆◆

 

「「疲れた…」」

 

(ヴィラン)と戦闘を終えて俺と電気と耳郎は帰路につくために校門前にいた。

警察から相澤先生と13号先生の容体を聞いたが重傷は負っているが命に別状なしだということが分かりホッとした。

緑谷とオールマイトも重傷を負っているがリカバリーガールの治癒で充分だそうだ。

その後は俺達は事情聴取をすることになり帰るのが遅くなってしまった。

 

「まさか入学早々に(ヴィラン)と戦闘なんて思ってなかった」

 

「誰だって同じ気持ちだ。でもいい経験したと思えばいいんじゃないか?」

 

「そうだね。叶は本当に怪我は大丈夫なの?」

 

「ああ、大丈夫だ。心配してくれてありがとうな耳郎」

 

「そっか良かった」

 

「ごめん大志!!!」

 

「うっわ、びっくりした!?いきなり大きな声を出さないでよ上鳴!!」

 

ずっと黙っていた電気がいきなり俺と耳郎の前に立つと謝った。

その声が予想以上に大きく耳郎はびっくりしていた。

 

「どうしたんだ電気?別に謝ってもらうことなんてないぞ?」

 

「助けにいけなくてごめん!!俺…大志が脳無にボコられているのを見ていることしかできなかった…!」

 

「俺達は今まで助けられる立場だったんだ。(ヴィラン)が怖いなんて当たり前だろ?」

 

「違う!違うんだ!!」

 

そう電気は言うと涙が目尻に溜まった状態で言った。

 

「俺…大志なら何とかしてくれるって…俺が戦わなくても大志なら(ヴィラン)を倒してくれるって思ってたんだ!!親友なのに大志を助けようっていう気持ちがなかったんだ!!」

 

電気は涙を流しながら髪を掻き毟った。

 

「大志は凄い奴だ。勉強もできて運動神経も抜群でおまけに個性も理想を現実にするっていうチートだ…なのに俺なんかを親友って言ってくれているのに…いざ大志がピンチの時になると俺は怖くて何もできなかった!!耳郎でさえ助けに行こうとしていたのに!!」

 

「電気…」

 

「俺…もっと強くなるよ!!大志がピンチになって助けが必要になったら必ず助け出せるように強くなる!!二人の約束を守るために…!!」

 

「…ああ、強くなろう。俺も最高のヒーローになるためにもっと強くなる」

 

「ウチだけ仲間外れにしないでよ。ウチだって叶を守れるように強くなって凄いヒーローになる」

 

「ああ、皆で強くなろう」

 

今回の(ヴィラン)との戦闘でプロヒーローの凄さと平和の象徴の凄さとそして、自身の力不足を感じた。

強くなるために最高のヒーローになるために俺達は強くなると心に誓った。

 

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