未来のカードを駆使して世を渡る ~カードラプト風雲録~   作:ringegge

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第14話 神風戦士タケハヤとマナ封印

 <神風戦士タケハヤ>0/2000/0

 ヒーローユニット

 このカードは絶対にフィールドから離れない。

 

 2ターン経過する毎にアタックが1000上昇する

 最大値はアタック7000となる

 

 カテゴリに<神風戦士タケハヤ>のない魔法カードのマナコストが2増える

 

 ヒーロースキル2(2マナを支払って発動)

 アタックを+2000する

 ヒーロースキル3

 ライフを5000上昇させる

 

 ヒーロースキルは1ターンに1つしか使用できない

 

 神風戦士タケハヤはシーズン6登場直後に構築済みデッキとして登場したカードだ。

 新機軸のカードタイプということもありアニメにも登場させて開発も盛り上げようとした、発売が遅れた分を取り戻すためもあった。

 

 だが弱かった、とにかく弱かったのだ。

 あらゆる複合的要素が絡まって弱かった。

 弱いのはどうしようもないのだ。

 

 何故俺がこのような事を考えているかと言うと、弱いと言った瞬間にヤクモさんが机を乗り越えて殴ってきて吹っ飛んだからだ。

 

「ヤクモ落ち着け、落ち着いてくれ!」

 

 ウィルが必死にヤクモさんを止める、俺はちょっと先で吹っ飛んだ先でクレアとカスミ王女に介抱されている、肩を思いっきり殴られた、いてぇ…。

 バイザー吹っ飛ばなかったのが奇跡だな。

 

「…家に招き入れたというのに顔も見せて挨拶もせず、我が家を嘲る発言をする…姉の口添えと言えど侮辱には限度がある、という事だ」

 

 ヤクモさんはキレている。当然だ、俺が悪い、キレて当然だ。

 

 だが俺は言わねばならなかった、これに関する解決方法も俺は用意できるが向こうが受け入れるかというと正攻法では恐らく無理だ、街の様子も考えれば尚更だ。

 弱いカードでも使いこなせば強い人にも対応できる、と思いたい気持ちは俺にも当然ある。

 そうやってやりこめれば爽快に決まってる、だが現実は違う。相手も強いし、何より

 強いカードを擦ってくる上手いやつには絶対に勝てない。

 そしてカードラプトの勝ち負けがお遊びではなく、自分どころか他人の人生すら背負っているこの世界では絶対に強いカードを握らなくてはダメなのだ。

 

 俺は立ち上がって更に告げる。

 

「…長年ずっと使い続けている貴方なら分かるはずです、明らかにタケハヤには力が足りてないと」

「…」

「そしてそのタケハヤにはどうやっても破れない天井があります」

「黙れ」

「私はこのタケハヤ領をなんとかする為に来たのです」

「…随分と自信がおありのようだ、当然貴殿はそのタケハヤに勝てるのであろうな?」

「ええ、勝てます。間違いなく」

「…では証明してもらおう、私と戦って頂く。こちらも立会人を用意する」

 

 よし、予定通りだ。

 

「待った。立会人に関してはこちらから指定させてもらう、君の妹か弟だ」

 

 ウィルが言う。

 

「…? もとより妹に立ち会わせるつもりであったから問題ないが…」

「ちょっと事情があってね、信用のおける君の血縁でないとダメなんだ、それと会場の人払いを頼む」

 

 ヤクモさんは不思議がりながらも承諾し、そのまま会場への移動する。

 

「テンマくん本当に大丈夫なの?」

 

 移動中にカスミ王女がこっそり話しかけてきた。

 

「ええ、今のところは想定通りです、ヤクモさんには悪いことをしましたが」

「あれは流石にまずいよ…ちゃんと考えての発言だよね?」

「はい、とりあえず見ててください」

 

 俺はそう言って会話を打ち切った。

 

 

 屋敷から出て歩くこと5分、小さめの体育館のような建物に到着した

 どうやらここでやるらしい。

 入口前に女性が立っている。

 

「紹介する、今回の立会人である妹のヤエだ」

「よろしくお願いします」

 

 ヤエと呼ばれた女性が頭を下げ。建物のドアが開かれる。

 

 

「では、開始といきましょう」

 

 俺が挑発するように言う、俺が今回やることは決まっている。

 

 ヤクモさんを叩き潰して心を折る。

 

 

 

 

「先攻だ、何もせず、<神風戦士タケハヤ>で攻撃し、終了」

 

 タケハヤの先制パンチが飛んできてライフは48000に減少、痛い。

 何度かウィルと敵にダイレクトアタックされる練習をしたがやはり慣れない、この世界のカードラプトする人のガタイが良いのはこの殴られる痛みに耐える為鍛えてるというのもあるそうだ。

 

「…俺のターン、<穴掘りトロール>を召喚」

 

 穴掘りトロール 1/1000/4000

 マナ封印1

 フィールドに存在する限り、マナ封印が発動すると

 発動したコストx1000のアタックを上昇させる

 

 マナ封印とは、次のターンに使えるマナを減らす効果だ、マナを前借りして使うと考えるとわかりやすいかもしれない。

 当然この効果を持つカードは通常のカードよりもステータスが高い。

 そしてこのカードはその中でも群を抜いて使い勝手が良く、マナ封印を使わないが初動が弱いデッキなどに出張してたりする。

 当然このデッキには4投

 

 マナ封印はシーズン4の時点で登場してたがデッキカテゴリとして組み上がったのはシーズン9以降であり、今俺が使ってるのはマナ封印を利用したシーズン11の環境下位デッキある通称[おっさん増殖]である。

 変な名前だと思うだろ、でもこれ強いんだ。

 

「まさかマナ封印を使うものがいるとはな」

 

 そりゃそうだな、シーズン4から6までのマナ封印は1枚を除いて強いカードは存在しなかった。

 普通に使えばマナテンポを削ぐから真っ先に抜けるカードだ。

 

「私のターン、2マナを支払い<神風の首飾り>を使用し、更にプレイヤーに<神風戦士タケハヤ>で攻撃」

 <神風の首飾り>2

 次の攻撃を一度だけダメージを-3000する

 効果が切れた時に墓地からデッキの一番下にこのカードを戻す

 

 タケハヤの攻撃が再び俺を襲う、ライフは46000になった。

 

「<穴掘りトロール>をもう1体召喚、攻撃力の上がった<穴掘りトロール>で<神風戦士タケハヤ>を攻撃」

 

 ヒーローユニットを使用する場合、全ての攻撃はプレイヤーではなくヒーローユニットが受ける。

 つまりタケハヤへの攻撃はダイレクトアタックと同義だ、<神風の首飾り>があるため相手のライフは変わらず。トロルのタフネスが削れ3000となった

 そして2枚めのトロールを見てヤクモさんの表情が変わった、やっと<穴掘りトロール>の強さが分かったか。

 タフネス4000という数字は処理に骨が折れるのだ、俺を殴ったのはプレイミスだったな。

 

 

「…このターンで<神風戦士タケハヤ>のアタックがアップする、ヒーロースキルで2マナ支払いアタックを更に+2000して5000とし、2体目の<穴掘りトロール>を攻撃」

 

 2体目のトロールがふっとばされてそのまま消える、おお怖い怖い。

 相手のライフは59000。

 

「俺は2マナ支払い<羽振りの良い常連客>を召喚する」

 羽振りの良い常連客 2/2000/1000

 マナ封印2

 

 ユニット1体を対象とする アタックとタフネスを+2000する

 このカードがフィールドに出る前にマナが封印されている場合、更に

 追加で+1000する

 

 マナ封印に革命を起こしたのがこのカード、通称常連。

 

 3ターン目までで<穴掘りトロール><穴掘りトロール><羽振りの良い常連客>を出すのがマナ封印最強ムーブとされておりその動きの美しさからトロルトロル常連と言われている。

 

 7000/6000、こうして出来上がった<穴掘りトロール>のステータスがこれである。

 このトロールで<神風戦士タケハヤ>を攻撃し相手のライフを52000まで減らす。

 この動きを見たギャラリーの顔は驚愕の色に染まり、対面のヤクモさんも厳しい顔をしている。

 

「…なんだそのカードは、貴殿は一体…」

「その質問は全てが終わってから受け付けましょう、そちらのターンです」

 

 

 

 

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