砂浜に一匹のポッチャマが倒れており、その様子をピカチュウが見つけた。
「もしもーし生きているピカ〜」
安否を確認するべくポッチャマを揺する。すると目を覚ました。
「良かった。目が覚めたピカ」
「ポケモンが喋ってる?」
目覚めて即ポッチャマは叫んだ。
「何言ってるピカ。ポケモンは普通喋るピカ。そもそも君だってポケモンなのに喋ってるピカ」
「自分がポケモン?」
ポッチャマは水面で自分を見て驚愕した。
「ポッチャマになってる!?」
ポッチャマは数分パニックになり、その後ようやく落ち着いて喋れるようになった。
「ということは、君は元々人間だったんピカ」
「……うん」
この後どうしようかと思った。人間に戻る方法を探さなくては。しかしその間どうやって生活すれば良いのか。
「ところで君、この後行くあてはあるピカ?」
「それが……ないんだよね」
「じゃあボクに良い案があるピカ」
ピカチュウは自分と一緒に探検隊に入ることを誘った。探検隊に入れば、とりあえず寝食には困らないことを解説した。ポッチャマは探検隊がどんなものか分からなかったが、いかんせん行くあてがないので、ピカチュウの後をついていくことにした。
三分程度歩いてすぐ探検隊のギルドに辿り着いた。
「えっと、とりあえず入り口から中に入ってみるピカ」
ギルドの入り口らしき箇所から二匹は入った。すると、探検隊のメンバーらしきポケモンが大勢いた。ポッチャマは、入っていきなりこんなにポケモンがいるとは思ってなかったので、つい身構えてしまった。
ギルドのポケモン達は、突然入ってきた二匹の方に視線を向けている。
「(ど、どうする……)」
「(とりあえず、自己紹介と探検隊に入隊したいことを話そうピカ)」
ピカチュウは大声で自己紹介をする。
「はじめましてピカ。自分は探検隊に入隊を希望していますピカ。今後ともよろしくおねがいしますピカ」
ピカチュウが自己紹介を終えた後、ポッチャマも後に続く。
「はじめましてポチャ。自分もこのピカチュウと一緒に入隊したいと思っているポチャ。よろしくおねがいしますポチャ」
少しの沈黙の後「よろしくー」「元気な子たちだね」「入隊したいなら、親方様にとりあえず言った方が良いよ」などという声が聞こえてきた。
それらの声を聞いたポッチャマは、顔を青ざめさせていた。
「えっちょっと待って」
「どうしたピカ」
「この世界のポケモンって話しの最後に『ピカ』とか『ポチャ』とか、種族名の一部を言うもんじゃないの?」
「え? 別に言わないピカ」
「うわっ、そっちか!」
「こういう喋り方するのは自分の種族だけピカ」
「そういうパターンか! ピカチュウだけ言うパターンのやつか」
ポッチャマは急に赤面し出した。一刻も早くこの場から抜け出したかった。
ポッチャマはピカチュウの喋り方を聞いて、この世界のポケモン達はみんな種族名の一部を語尾につけるものだと思っていた。ところが、全然違かった。にも関わらず、そういう喋り方をしてしまった。
「騙された……」
「誰に騙されたのピカ?」
探検隊の登録を済ませ、その後町の様子を見てみた。
「セカイイチを一つください」
「あいにく切らしているんだ。ごめんね」
町のポケモンたちはみんな普通に喋っていた。
「うわっ、他のポケモンもみんな普通に喋ってるじゃん……」
「さっきから何をそんなに恥ずかしがっているピカ?」
「最悪だ。初っ端から大恥かいた。いや別にそんなたいしたことじゃないけど。ポケモンになったことに比べたらこんなの些細だけど。でも、後々まで地味に尾を引きそうだこれ」
「人間って面白いピカー」