「そこだ! サンド、ひっかくを使え!」
「そこだ! サンド、ひっかくを使え!」
とある草むらでサンドがニドランと戦っていた。サンドの後ろにはトレーナーがいて指示を出している。そしてトレーナーの更に後ろには、彼の父親がいた。
まず父親が少年に対して、何の技を出すべきか指示を出す。そして、その指示を聞いた少年が、サンドに対してそっくりそのまま指示を出していた。
サンドはニドランに果敢に向かっていく。だが、攻撃はニドランに避けられてしまった。
「おい! 何やってるんだ!」
父親が少年を呼びつけて怒鳴っている。
「……ごめんなさい」
「もっと素速く指示を出さなきゃだめだろ! 全然攻撃が間に合ってないんだよ」
「でもこのやり方じゃ、指示出すの絶対遅くなるし……」
「なんだ、サンドが指示を聞くのが遅いからいけないっていうのか」
「いや、そうじゃなくて、その」
「お前! ポケモンのせいにするなんて、トレーナー失格だぞ! それだけは絶対にやっちゃだめだ」
「……はい」
「お前はやれば絶対にできる子だ。お父さんは信じてるぞ」
二人の前に今度はビードルが現れる。今度はサンドはビードルと戦うことになった。
「そこだサンドいっきに決めろ! ひっかくを決めてやれ!」
「そこだサンドいっきに決めろ! ひっかくを決め……あー」
少年が言い切る前にビードルは逃げ出してしまった。
「だから遅いんだよ! もっと素速く指示を出せ!」
「はい、すいません」
「いいか! ポケモンバトルはトレーナーの指示の良し悪しで結果が変わるんだ。お前の指示が悪かったら、サンドが無駄に傷つくことになる。もっとサンドの"おや"だっていう自覚を持て」
「……ごめんなさい」
今度は、キャタピーが飛び出してきた。サンドはキャタピーと戦う。
「サンドいけっ! 相手に近づいて渾身のひっかくを使うんだ!」
「ひっかく!」
サンドの爪はキャタピーに襲いかかり、キャタピーはその場に倒れた。
「おい! お前舐めてるのか!」
「え」
「なんで勝手に指示を省略した?」
「はい、すいません」
「俺の言った通りに指示しなきゃだめだろ。これは練習なんだから」
「でも省略しないと間に合わないし」
「なんだ、またサンドのせいにするのか」
「いや」
「お前はいつからパートナーのせいにする最低な奴になったんだ」
「……ごめんなさい」
「そんな奴はトレーナーになるのは無理だ! いますぐやめろ!」
「ごめんなさい。サンドのせいにしません。僕が悪かったです」
「反省しているならいい。こっちも強く言い過ぎちゃったな……。すまん」
「お父さん……!」
「お前は俺の息子だ。お前なら必ず良いトレーナーになれる。一緒に頑張ろうな……」
「はい! がんばります!」
今度は、オニドリルが飛び出してきた。
「よしやるぞ! 今度こそきめろ!」
「はい!」
「そこだいけっ! サンド、あなをほるを使うんだ!」
「そこだいけっ! サンド、あなをほるを使うんだ!」