ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

14 / 100
14.トレーナーを指示するトレーナーの話

「そこだ! サンド、ひっかくを使え!」

「そこだ! サンド、ひっかくを使え!」

 とある草むらでサンドがニドランと戦っていた。サンドの後ろにはトレーナーがいて指示を出している。そしてトレーナーの更に後ろには、彼の父親がいた。

 まず父親が少年に対して、何の技を出すべきか指示を出す。そして、その指示を聞いた少年が、サンドに対してそっくりそのまま指示を出していた。

 サンドはニドランに果敢に向かっていく。だが、攻撃はニドランに避けられてしまった。

 

 

「おい! 何やってるんだ!」

 父親が少年を呼びつけて怒鳴っている。

「……ごめんなさい」

「もっと素速く指示を出さなきゃだめだろ! 全然攻撃が間に合ってないんだよ」

「でもこのやり方じゃ、指示出すの絶対遅くなるし……」

「なんだ、サンドが指示を聞くのが遅いからいけないっていうのか」

「いや、そうじゃなくて、その」

「お前! ポケモンのせいにするなんて、トレーナー失格だぞ! それだけは絶対にやっちゃだめだ」

「……はい」

「お前はやれば絶対にできる子だ。お父さんは信じてるぞ」

 二人の前に今度はビードルが現れる。今度はサンドはビードルと戦うことになった。

「そこだサンドいっきに決めろ! ひっかくを決めてやれ!」

「そこだサンドいっきに決めろ! ひっかくを決め……あー」

 少年が言い切る前にビードルは逃げ出してしまった。

「だから遅いんだよ! もっと素速く指示を出せ!」

「はい、すいません」

「いいか! ポケモンバトルはトレーナーの指示の良し悪しで結果が変わるんだ。お前の指示が悪かったら、サンドが無駄に傷つくことになる。もっとサンドの"おや"だっていう自覚を持て」

「……ごめんなさい」

 

 

 今度は、キャタピーが飛び出してきた。サンドはキャタピーと戦う。

「サンドいけっ! 相手に近づいて渾身のひっかくを使うんだ!」

「ひっかく!」

 サンドの爪はキャタピーに襲いかかり、キャタピーはその場に倒れた。

「おい! お前舐めてるのか!」

「え」

「なんで勝手に指示を省略した?」

「はい、すいません」

「俺の言った通りに指示しなきゃだめだろ。これは練習なんだから」

「でも省略しないと間に合わないし」

「なんだ、またサンドのせいにするのか」

「いや」

「お前はいつからパートナーのせいにする最低な奴になったんだ」

「……ごめんなさい」

「そんな奴はトレーナーになるのは無理だ! いますぐやめろ!」

「ごめんなさい。サンドのせいにしません。僕が悪かったです」

 

 

「反省しているならいい。こっちも強く言い過ぎちゃったな……。すまん」

「お父さん……!」

「お前は俺の息子だ。お前なら必ず良いトレーナーになれる。一緒に頑張ろうな……」

「はい! がんばります!」

 今度は、オニドリルが飛び出してきた。

「よしやるぞ! 今度こそきめろ!」

「はい!」

「そこだいけっ! サンド、あなをほるを使うんだ!」

「そこだいけっ! サンド、あなをほるを使うんだ!」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。