ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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15.伝説のポケモンじゃないくせにテレパシー使って話しかけてくる話

 一人の人間がとある洞窟の奥へと向かっていた。このあたりまで来たのははじめてだった。珍しいポケモンを追い求め、こんなところまで冒険しにきた。

 そんなときのことだった。

『人間よ、ここから先へ行ってはいけない』

 急にどこかから声が聞こえてきた。

「だ、誰だその声は! どこから喋っているんだ!」

『貴様の頭上にいる』

 上を向くと、一匹のナットレイが洞窟の天井に張り付いていた。

「ナットレイが喋っている?」

 彼は喋るポケモンを見たのが生まれてはじめてだったので、驚愕して目を丸くした。

 

 

『いや、これは喋っているのではない』

「喋っていない?」

『これはテレパシーだ!』

 率直に「は?」と思った。テレパシーがどんなものかは知っている。だが、なぜテレパシーをナットレイが使えるのか、意味がわからなかった。

「ナットレイは普通テレパシー使わないだろ」

『普通に使うぞ』

「あの、テレパシーが使えて納得いくのって、せいぜい幻とか伝説のポケモンだけだから。ミュウツーとかルギアとか」

『それは単なる思い込みだ。使えるポケモンは他にもいる』

「いやそれにしたってナットレイはない。エスパータイプとかだったら、テレパシー使えてもギリギリ納得はいくけど。ナットレイってエスパータイプなの?」

『くさ・はがねだ』

「全然違うじゃん。一番テレパシー持ってなさそうなタイプだろ。草タイプで辛うじて持ってそうなのは、ダーテングぐらいだ」

『なんだ、ナットレイがテレパシー使って問題あるのか?』

「特性が『テレパシー』だったら納得できるんだけど。ナットレイって特性はテレパシーなのか?」

『てつのトゲだ』

「だから全然違うじゃん。なんだよてつのトゲって。真逆だろ」

 

 

『貴様、この洞窟になにしに来た?』

「別になんでも良いだろ。それよりお前のテレパシーが気になる」

『あれだろ、どうせ珍しいポケモンでも探しに来たんだろ?』

「なんで分かった?」

『テレパシーだ!』

「テレパシーで他人の心まで読めるのか?」

『後、お前の家は四人家族だな。妹が一人いる』

「なんで分かった?」

『テレパシーだ!』

「いやすごいな。テレパシーってなんでもありだな」

『お前の個人情報など、テレパってしまえばすぐ分かる』

「テレパるって言うのか」

『それよりお前、この洞窟を荒らすつもりか』

「荒らすというか、ポケモンを捕まえにきただけだ」

『だめだ。この洞窟は荒らすな。どうしても荒らすというなら、テレパシーで襲うぞ』

「テレパシーで襲うの意味がわからないんだが」

『そしてお前が攻撃してきたらテレパシーで防御してやる』

 

 

「分かったよ、俺はもう帰る。洞窟は荒らさない」

『分か……ら良い。さ…さと…帰っ…くれ』

「急にテレパシーが途切れ途切れになったんだが」

『すまん、テレパシーを使いすぎてギガが減ってしまった』

「テレパシーってデータ容量に限界あるのか」

『俺のテレパシーはまだ5Gに変えていないんだ』

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