ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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19.『種族値』って言った人が消される話

「本当に野生のポケモン多いね」

「きずくすり多めに持っておいて良かった」

 ヒロト、ユイナ、ツムギの三人は、現在山から降りていた。この三人は同じ町から同時期に旅に出た、いわゆる同期だった。それぞれ別々に旅をしていたため、会う機会は中々なかった。本日、久しぶりに三人で再開した。そして今は、みんなで山を越えようとしているのであった。

 

 

「ん?」

「どうしたのツムギ?」

「静かに。なんかうねり声が聞こえてこない?」

「この辺りにポケモンが潜んでいる気が」

 次の瞬間、三人の目の前に顔を出したのは、巨大なイワークだった。

「お、おっきい」

 ユイナはイワークの姿を見て呆然と立ち尽くす。バトル慣れしているツムギが、即座にボールからカメールを出した。

「カメール、みずでっぽう!」

 カメールが水を噴射するが、イワークはその攻撃をするりとかわした。

「避けられた……やっぱりイワークって意外と素早い」

 ワンテンポ遅れて、ヒロトがボールからガラガラを出して、応戦しようとした。イワークは、まだポケモンを出していないユイナへ襲いかかろうとしていた。

「いやっ……こっちこないで!」

 ツムギのカメールが甲羅に潜った状態でユイナを突き飛ばす。カメールはユイナの代わりにとっしんを喰らってしまった。しかしすぐさま体制を立て直し、再度みずでっぽうを放つ。

 みずでっぽうはイワークに命中。効果ばつぐんの攻撃で呆気なくダウンした。

「あ、今ので倒れたのか。ガラガラ出す意味なかったな」

 ヒロトは頭を掻きながら言った。

「危なかったー。ユイナ大丈夫?」

 ツムギはカメールをボールに戻した。

「私は大丈夫。カメールは平気なの? とっしん思いっきり喰らってたけど大丈夫?」

「問題ないよ。イワークは意外と攻撃の種族値が高くないから」

 

 

「あれ? ……私生きてる? ヒロトのガラガラが助けてくれたの? ありがとう!」

「ん? ガラガライワーク倒してたの? ガラガラお疲れー」

 ヒロトは首を傾げながらガラガラをボールに戻した。

「ふう、ともかくユイナが無事で良かった」

「怖かったー。死んだかと思った」

「ユイナがいなくなったらと思うとゾッとするよ。僕のたった一人の友達なのにね」

 

 

 数時間後、ヒロトとユイナはようやく山を乗り越えた。

「ヒロトは次の町に用事があるんだよね」

「うん、ユイナは?」

「私はその次の町まで行かなくちゃ。次のコンテストがそこで開かれるから」

「分かった。じゃあ次の町でお別れだね」

「そっか……またいつか会おうね」

 こうして、ヒロト、ユイナの二人は次の町まで向かったのであった。

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