ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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27.ガラルのユニフォームの背番号をクレカのセキュリティコードにする話

 この世界はもうすぐ終わる。

 そんな噂が飛び交っていた。単なる噂だろ、と思うかもしれないが、多くの人が確定だと言っており、ニュースでも頻繁に流れているから、本当に終わるのだろう。

 この世界の『プレイヤー』が、セーブデータを消すとのこと。セーブデータを消せば、世界は完全に消滅し、新しい世界が構築されてしまう。

「『プレイヤー』は知らないのか。セーブデータは八個まで作れるんだぞ」

「他のアカウントは家族が使ってるんじゃない?」

「八人家族なのかよ!」

 なんとか消滅を防ぐ手段はないか、みな考えた。

 だが、『プレイヤー』は消すと心に決めているらしい。

 どうやら、諦めるしかないようだ。

 

 

「『プレイヤー』はまだバッジ0個だよな……」

 なんでこの時点で、最初からやり直すのか。気に食わないことがあったのか。御三家でも厳選してるのか。真相は分からなかった。

 

 

 世界が消える一時間前のこと。

 世界の住民は、教会に集まり神に祈る。最後の足掻きという奴だ。

 教会で誰かが、こんな話をしていた。

「分かったらしい。『プレイヤー』がなぜセーブデータを消すのか」

「なんだって?」

「ガラル地方ってジムチャレンジするとき、ユニフォームの背番号を決めるだろう」

「あの三桁の数字のことな」

「あれを、クレジットカードのセキュリティコードにしてしまったようだ」

「はあ? そんなことかよ!」

「背番号は一度決めると変更不可だ。だから、最初からやり直すらしい」

「そんなことのために俺らは巻き込まれるのか! ふざけるな! なんでセキュリティコードにしたんだ!」

「全くだ! もう一生クレジットカード使うなよ!」

 

 

 二人は『プレイヤー』の行為に怒りを顕にしていた。

 俺はその話を聞きながら、思った。

「(実は俺も背番号で失敗した人間の一人なんだよな……)」

 俺は、後でいつでも変更できると誤解し、背番号を「081」にしてしまった。

 ジムチャレンジ中は地獄だった。ジムチャレンジでは、ユニフォームの着用が必須だから。

 ジムチャレンジはテレビ中継もされる。ガラル中のテレビに、俺の背番号が映し出される。

 俺が挑戦すると、背番号の件が毎回話題に上がる。背番号がズームで映し出される度に、ネットの掲示板では歓声が湧き上がるらしい。そして、ネットニュースでも必ずネタにされる。

「(俺以外にもそういう奴いるんだな)」

 『プレイヤー』が世界を消す理由を知り、俺はむしろ怒りが収まった。

「次はちゃんとした背番号にしてくれ」

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