ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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36.プラズマ団勧誘お断り講座の話

 彼は駅に急いで向かおうとしていた。そんなときのことだ。

 怪しい格好をした集団が、まるで彼を囲うように近づいてきた。

「すいません、ポケモンの解放について、ご意見をお聞かせ頂きたいのですが?」

 彼らがプラズマ団であることはすぐに分かった。プラズマ団は街頭で宗教団体の如く、チラシを配ったり勧誘したりしている。だが、プラズマ団の勧誘のしつこさは、宗教団体の比ではない。

 

 

「すいません、今急いでますので」

「簡単で良いので教えてください。ポケモンの自由を奪ってることに、何の責任も感じないですか?」

「そうですね。ポケモンがボールに捕まっているのを見ると、すごいこう、ゾクッとしますね」

 団員は一瞬首を傾げたが、すぐに嬉しそうな表情を浮かべた。

「お、おお! あなたも我々と同じ考えのようですね。ぜひプラズマ団に!」

「なんかこう、ポケモンが自由を奪われていると、息を荒げたくなるときがあって」

「……怒りの感情が湧いてくるということですね!」

「胸がドキドキッとすると言いますか」

「ん?」

 団員は訝しい視線を彼に向けた。

「えっと……。バトルについてはどうお考えです? 酷いですよね。ポケモン達を身勝手に戦わせて」

「そうですね。バトルに関しても、ゾクゾクっとする感情がジワジワ芽生えてきますね」

「……ジワジワ? そ、そうでしょう! あんなの見たくないですよね!」

「いや、見たいですよ」

「え?」

「え?」

「それってどういう」

「ポケモンが傷つくのを見ると、感情の波が押し寄せてくるというか」

「な、何を言ってるんですかさっきから」

「悲鳴あげたり苦しんだりしてるの見ると、幸せホルモンが分泌される感覚があって」

「幸せホルモン?」

「特に、しめつけるなんか良いですよね。後ベアハッグとかじごくぐるまとかのしかかりとかも」

「はあ? どういうことですか?」

 最後に彼は満面の笑みを浮かべて言った。

「いやあ、たまらないですよねえ」

 

 

 団員達は皆、顔面蒼白だった。目の前の人物が、途端にやばい目をしているように見えた。

 団員はお互いに顔を見合わせた後、彼の周りから去っていったのだった。

 

 

 プラズマ団が去ったのを確認した後、彼はカメラ目線となる。一部始終をカメラに収めていた、彼の仲間がいた。

 

『いかがでしたでしょうか。プラズマ団の勧誘にお困りの方は、このように対処すれば100%勧誘を断れます。ぜひ試してみてください。今週のプラズマ団勧誘お断り講座は以上です。それではまた来週!』

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