ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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4.シリアスなシーンになるとダメージがシリアスになる話

「くそっ、逃げられない」

 探検隊のヒコザルとナエトルは、お尋ね者のストライクを追い詰めた。

「一か八か」

 ストライクはナエトルを鎌で切り裂いた。

「うっ」

 ナエトルの体のあちこちが切られる。

 その間、ストライクにヒコザルが火炎放射を放つ。効果抜群の技にたまらずダウンした。黒焦げになりぐるぐる目で倒れている。二匹はお尋ね者の捕獲に成功した。

 このヒコザルは元々人間だったが、ポケモンに転生した。ナエトルと出会い、現在探検隊として活動中。こっちの生活にも慣れてきた。

 

 

 翌日、二匹はダンジョンの最奥までやってきた。

「ずいぶん奥まできたね」

「ここまで来た者は誰もいないらしい」

 突然地面が揺れた。

「何?」

 頭上から突如レジロックが現れた。レジロックは伝説のポケモンの一匹だ。

「そんな! レジロックが潜んでいたとは!」

「どうする?」

「戦うしかない」

 厳しい戦闘になると分かっていた。だが、逃げ場もないので戦うしかない。

 

 

 相性の良いナエトルが前線で戦い、ヒコザルが後ろでサポートした。

「全然攻撃が効かない」

 相手は、効果抜群の技でもびくともしない。

 レジロックは岩雪崩を繰り出す。ナエトルは諸に受けてしまった。

「大丈夫?」

「なんとか」

「え?」

 ヒコザルはナエトルの姿を見て驚愕した。彼の右手から血が出ていた。

「どうした?」

「なんで血が出てるの?」

「ああ」

「ポケモンって血出ないでしょ。ストライクの切り裂くでも出てなかったし」

「知らなかったの?」

「え?」

「ポケモンはシリアスなシーンになると、血が出るんだよ」

「……はあ? なにそれ!」

「緊迫した戦闘になると、血液が外に飛び出しやすくなる」

「ごめん全く意味分からない。みんなそうなの?」

「うん。みんなそう。そっか、今まで軽いバトルばかりだったからね」

「というかシリアスって何!? なんで状況次第で血が出たり出なかったりするんだよ」

「そういうシステムだから」

「どういうシステムだよ!」

 

 

「あっ」

 ナエトルは再び攻撃を食らった。

 だが、今度は血が出ていない。

「あれ? 血出てないじゃん」

「……ありがとう! ヒコザルがツッコんでくれたおかげで、シリアスなシーンじゃなくなった!」

 どうやらヒコザルのツッコみが場の空気を変えたらしい。

「そうなの!? 良かったー。これで痛々しくなくなった」

「でもレジロックには勝てないわ」

「そりゃそうだ。シリアスじゃなくても勝てないのは一緒だ」

「伝ポケだもん仕方ないよね」

 レジロックの破壊光線を食らった二匹は黒焦げになった。

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