ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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43.人の家に入るのは犯罪にならない話

 少年はごく普通の、どこにでもいる、10代のポケモントレーナーだった。彼は今日もトレーナーとしていつも通り旅をしていた。少年は今コガネシティ付近の草むらで、ポケモンを捕まえていた。スリープにボールを投げる。見事捕まえることができた。

「この付近のポケモンはだいたい捕まえたか」

 町に帰る際トレーナーと目が合いバトルになった。少年は捕まえたスリープをバトルに出す。まだレベルが低いため、苦戦したが、なんとか勝てた。

 少年はコガネシティへ向かう。コガネシティにはゲームコーナーが存在する。まだ眠るには早かったので、少年はスロットで少しの間遊んだ。だいぶ調子が良く、コインが順調にたまり、コインを景品のポケモンと交換した。

「明日は次の町へ向かうぞ」

 その日はポケセンに宿泊した。

 

 

 次の日。

 彼は次の町へと向かった。だが次の町は遠く、辿り着く前に暗くなってしまう。

「今日はあの民家に止まるか」

 道中に小さな家を見つけた。ドアを開けて家に入る。家には誰もいなかった。

「お、こんな所にハイパーボールあるじゃん。珍しい」

 彼は家のゴミ箱にあったハイパーボールを拾い、リュックにしまった。

「あー疲れたー。酒飲もう酒」

 彼は床に座り、リュックから酒を取り出して飲み始める。

「ふう……やっぱりストロン○ゼロは美味いなあ」

 

 

 次の日。

 少年は民家を出て先へと進んだ。しかし途中用を足したくなってしまった。

「……まあ、誰もいないだろこの辺りは」

 彼は誰もいない草むらでこっそり立ちションをした。

 ところが、

「6時29分、逮捕」

 気がついたときにはもう、手には手錠をかけられていた。後ろにはいつの間にかパトカーが止まっている。

「えっ! 自分何か悪いことしたんですか」

「立ちションは犯罪だから」

「ちょっと待って下さい!」

「もうだめ。早くズボン履いて。今から署まで連れてくから」

「立ちションって犯罪なんですか」

「犯罪犯罪」

 彼は納得がいかなかった。

「おかしいでしょ。草むらにトイレなんかどこにもないんだから、立ちションぐらいみんなするでしょ」

「みんなするかもしれないけど、見つかったら逮捕だから」

「見つかったら逮捕? 何それ? ちょっと待って下さいって。この国って割と何やっても犯罪にならないのに、立ちションが犯罪?」

「そう」

「たとえば、野生の生き物捕獲しても、犯罪にならないじゃないですか」

「うん」

「野生の生き物戦わせるのもOKでしょ?」

「うん」

「10代でスロットやったりお酒飲んだりしても良いんでしょ?」

「うん。この国は10歳で大人だから」

「他人の家に入ったり、家の物勝手に取ったりしても犯罪じゃないでしょ?」

「うん」

「それなのに、立ちションは犯罪なんですか?」

「犯罪犯罪。立派な犯罪」

 

 

「この国の法律ガバガバじゃないですか! 町とかで立ちションしたら捕まるのは分かりますよ。こんな人気がない草むらでも駄目なんですか?」

「そういう決まりだから。駄目」

「でも無理でしょ。次の町に行くまでトイレ我慢できませんよ。立ちションしないと生きていけませんよトレーナーは」

「言い訳はいいから、はやくズボン履きなさい」

 こうして少年は、逮捕されたのであった。めでたしめでたし。

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