エーテル財団は、今日も傷ついたポケモンを保護していた。
「先輩。見つけましたよ」
二人のうち後輩のエーテル財団は、サニーゴがドヒドイデに追いかけられている現場を見つけた。
「このままだと食われちゃいますね。僕が助けてきます」
「おいまて!」
走り出そうとした後輩を先輩が止めた。
「今日は助けるな」
「どうしてです?」
後輩は訝しい表情を浮かべている。エーテル財団の仕事はポケモンの保護じゃなかったのか。
「俺達は昨日、サニーゴを保護しただろう」
「はい」
「だから今日はドヒドイデを助ける番だ」
「え、でも」
「いいか。可哀想だからといって、食べられる側ばかり助けるのは、良くないことだ。食べる側だって、生きるために一生懸命だ。食べる側も食べられる側も、平等に助けるべきだ。バランスを取ることが大切だ」
「じゃあどうすれば良いのですか?」
「何もしない。ただ見ている」
「……」
次の日。
今度はカラカラを発見した。カラカラは今まさにバルジーナに狙われていた。
「先輩どうします?」
「えっと確か……カラカラは助けたことなかったよな今まで……。じゃあ保護していいぞ。その変わり次は助けちゃだめな。バランスが崩れるから」
「分かりました」
後輩はボールから手持ちポケモンを出し、バルジーナを攻撃した。バルジーナは慌てて逃げ出した。
彼らはカラカラを保護することに成功した。
次の日。
今度はデカグースがコラッタを食べようとしている。コラッタは二匹いた。
「コラッタは保護したことないですね」
後輩はデカグースを倒し、二匹のコラッタを保護した。
「コラッタ保護しました」
「いやお前……何してんの」
先輩は呆れた表情をしている。
「駄目だろ、二匹とも助けちゃ」
「え?」
「二匹とも助けたらバランスが取れないだろ。助けるのは一匹だけにしないと」
「はあ、そうでしたか。すいません」
「ちょっと、さっき保護したコラッタ貸して」
「はい?」
「向こうにいるデカグースに一匹渡してくるから」
「なんでそんなことするんですか! せっかく保護したのに!」
「そうしないとバランス取れないだろ」
「なんで先輩はそんなバランスに拘るんですか?」
「俺は食われる側にも食う側にも平等でありたいんだ。それが真の保護ってものだろ」
後輩は一瞬納得しかけた。だが、あることに気がついてしまった。
「あの先輩……今凄いことに気がついてしまったんですが」
「どうした?」
「よく考えたら、僕等が最初から何もしなければ良くないですか?」
「あ……」
「そうすれば、バランス取れたままですよね」
「うわっ本当だ! ルザミーネに騙されたー!!!」