ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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45.バランスを取りたがるエーテル財団の話

 エーテル財団は、今日も傷ついたポケモンを保護していた。

「先輩。見つけましたよ」

 二人のうち後輩のエーテル財団は、サニーゴがドヒドイデに追いかけられている現場を見つけた。

「このままだと食われちゃいますね。僕が助けてきます」

「おいまて!」

 走り出そうとした後輩を先輩が止めた。

「今日は助けるな」

「どうしてです?」

 後輩は訝しい表情を浮かべている。エーテル財団の仕事はポケモンの保護じゃなかったのか。

「俺達は昨日、サニーゴを保護しただろう」

「はい」

「だから今日はドヒドイデを助ける番だ」

「え、でも」

「いいか。可哀想だからといって、食べられる側ばかり助けるのは、良くないことだ。食べる側だって、生きるために一生懸命だ。食べる側も食べられる側も、平等に助けるべきだ。バランスを取ることが大切だ」

「じゃあどうすれば良いのですか?」

「何もしない。ただ見ている」

「……」

 

 

 次の日。

 今度はカラカラを発見した。カラカラは今まさにバルジーナに狙われていた。

「先輩どうします?」

「えっと確か……カラカラは助けたことなかったよな今まで……。じゃあ保護していいぞ。その変わり次は助けちゃだめな。バランスが崩れるから」

「分かりました」

 後輩はボールから手持ちポケモンを出し、バルジーナを攻撃した。バルジーナは慌てて逃げ出した。

 彼らはカラカラを保護することに成功した。

 

 

 次の日。

 今度はデカグースがコラッタを食べようとしている。コラッタは二匹いた。

「コラッタは保護したことないですね」

 後輩はデカグースを倒し、二匹のコラッタを保護した。

「コラッタ保護しました」

「いやお前……何してんの」

 先輩は呆れた表情をしている。

「駄目だろ、二匹とも助けちゃ」

「え?」

「二匹とも助けたらバランスが取れないだろ。助けるのは一匹だけにしないと」

「はあ、そうでしたか。すいません」

「ちょっと、さっき保護したコラッタ貸して」

「はい?」

「向こうにいるデカグースに一匹渡してくるから」

「なんでそんなことするんですか! せっかく保護したのに!」

「そうしないとバランス取れないだろ」

「なんで先輩はそんなバランスに拘るんですか?」

「俺は食われる側にも食う側にも平等でありたいんだ。それが真の保護ってものだろ」

 

 

 後輩は一瞬納得しかけた。だが、あることに気がついてしまった。

「あの先輩……今凄いことに気がついてしまったんですが」

「どうした?」

「よく考えたら、僕等が最初から何もしなければ良くないですか?」

「あ……」

「そうすれば、バランス取れたままですよね」

「うわっ本当だ! ルザミーネに騙されたー!!!」

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