ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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48.地の文に迫害されるトレーナーの話

 ポケモンリーグもいよいよ決勝戦。

 ここまで駒を進めてきた、ヨウヘイとカズユキは互いにポケモンをフィールドに出す。

 

 

 ヨウヘイはジバコイルを繰り出した。

 カズユキはボールを空高く投げる。ボールは綺麗な放物線を描いて飛んでいく。光の粒子に包まれながら、華麗に着地を決めたのは、謎のポケモンの異名を持つスターミーというポケモンだ。無数に点在するスタジアム内のライトに照らされ、スターミーの紫の体がギラギラと輝きを放っている。

「(……ん?)」

「試合開始!」

 審判が旗を上げ戦闘が始まる。

「ジバコイル、10万ボルトだ!」

 ジバコイルの技はスターミーに命中。

「サイコキネシスで反撃しろ!」

 スターミーから突如念波のようなものが湧き上がり、それによりジバコイルの体は拘束される。拘束から逃れようとジバコイルは藻掻くが、スターミーは体のコアを赤く染め上げ、最大パワーで念を送り続ける。次の瞬間、ジバコイルは凄まじい勢いで壁に叩きつけられる。壁はトラックの事故現場かと思う程大胆に凹んでいた。

「ジ、ジバコイル、ボディプレスだ!」

 ジバコイルのボディプレスにより、スターミーは倒れた。

「スターミー戦闘不能!」

「(……なんか変だぞ今日?)」

 

 

 カズユキはスターミーを戻し、カイリューを繰り出した。フィールドに飛び出た巨大な竜は、敵の姿を捉えるなり雄叫びを上げる。目が真っ赤に充血しており、敗れた同胞のカタキを打つという気迫に満ちあふれていた。

「ジバコイル、一旦戻ってくれ。なんか今日はおかしい」

 ヨウヘイはジバコイルをゆにゅりと戻した。そして、今度はトゥルンとラグラージを出した。

「試合開始!」

 審判が旗を上げ戦闘が始まる。

「ラグラージ、冷凍パンチ」

 ヨウヘイがスルンスルンと命令を下す。ラグラージはサキュッと冷凍パンチをカイリューにぶつけた。効果抜群の技によって、カイリューは大ダメージを受けた。

「(……なんかさっきより変なような?)」

「大丈夫かカイリュー! 一か八か破壊光線だ!」

 カイリューは氷点下の拳の餌食となった腹部を抑えつつ、首を左右に振って薄れゆく意識を懸命に戦場に戻そうとする。渾身の力を振り絞り、喉を抉じ開け、この世の全てを破壊する光線を放った。眩い輝きを放つ光線は一直線に敵へと向かい、大気、地面を揺らす程の大爆発を巻き起こした。

「ハイドロカノンで決めろ!」

 ラグラージのハイドロカノンがポスッと命中し、カイリューは倒れた。

 カイリューが倒れたことで、この戦いはヨウヘイの勝利に終わった。

 

 

 試合後、ヨウヘイは記者からインタビューを受けていた。

「ヨウヘイ選手、今日の試合見事でした!」

「はい、今日は自分でも調子が良かったと思います。ただ、」

「ただ?」

「なんでしょう。なんて言うかその、今日は神様に嫌われてた気がするんですよね」

「神様?」

「神様にすごい迫害を受けていた感覚が、試合中ずっとしていました」

「でも、バトルに勝てたじゃないですか。むしろ神様から好かれてたんじゃないですか?」

「いや試合の結果はそうなんですけど……。というか、なんで俺が勝ったのかよく分からないです。今日は自分の方が負ける雰囲気が漂っていたのに」

「ちょっと言っていることがよく分からなくて、記事にできないのですが」

「ごめんなさい。なんでもないです忘れて下さい」

「それでは今後のご予定を教えて頂けますか」

「この後は……そうですね、一旦お祓いでも行こうと思います」

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