ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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50.別のポケモンセンターに行く話

 目が覚めると、俺は全く知らない世界に来ていた。

 今日の夜、トイレの便座を開けたら、そこにはウルトラホールがあった。咄嗟に俺はウルトラホールを流そうとトイレのレバーを回した。だが、ウルトラホールは全然流れない。恐らく、水に流れるものではないのだろう。次の瞬間、俺の体はウルトラホールに引き寄せられた。そして、今に至る。

「どこだここは……」

 ウルトラホールに入った人は、違う世界に迷い込んでしまうと言われている。

 だがこの世界は、俺がいた世界とはあまりにも違っていた。

「東池袋駅……」

 頭上を見上げると看板があって、そう書かれていた。

 とりあえず今日はもう夜遅い。疲れていたからどこかに泊まりたかった。

 

 

「すいません、この辺りにポケモンセンターってありますか」

 俺は歩いている人に尋ねた。ポケセンなら泊まれるし、もしかしたら、元の世界に戻るための情報も得られるんじゃないかと思った。

「ポケモンセンターなら、サンシャインシティの二階にありますよ」

「サンシャイン?」

「あの建物のことです」

「あそこにポケセンがあるんですね、ありがとうございます」

 俺はその人が指差した方へ向かった。しかし、あんなデパートみたいな所に、ポケセンがあるなんて珍しい。しかも二階にあるのか。重症のポケモン運ぶの大変そうだが。

 しばらく歩いてポケセンに到着。

「何これ? ぬいぐるみばっじゃん!」

 ポケセンの至る所に、可愛らしいぬいぐるみやグッズが置かれていた。ポケセンとフレンドリィショップが合体しているタイプの奴だろうか。

 

 

 カウンターに立っている一人の女性を見つけた。あの人がジョーイさんだろうか。

 他のジョーイさんと全然似てないが、ここは異世界だし、似ていなくても全然おかしくないだろう。

「すいません、ちょっとよいですか?」

「大変申し訳ございません。先程営業時間が終わってしまいまして」

「え! ポケセンって24時間営業ですよね!?」

「いえ。24時間営業は現在やっておりません」

「そうなんですか……」

「何かご用件はございますでしょうか?」

「今日ここのポケセンに泊まろうと思っていました」

「はい? えっと……こちらに泊まるというのは、どういった……」

「え、泊まれないんですか?」

「……はい。泊まるというのは、ちょっと。夜はお店も閉まっちゃいますし」

「泊まれないのかあ。しょうがない」

 どうやらこの世界のポケセンは、俺がいた世界のものとは全く違うようだ。

「ちなみに、ポケモンの回復などはできますか?」

「ポケモンの回復……。あ、ゲームのセーブデータが壊れたから復旧したい、とかですか」

「違います。普通にポケモンの治療です」

「……ゲームのポケモン達の様子がおかしいとか、そういう感じですかね」

「いやいや違います。ゲームじゃなくて、現実のポケモンの治療です」

「現実……もしかしてポケモンGOの話ですか?」

「なんですかポケモンGOって」

 

 

 どうやらこの世界のポケセンは、想像以上に違うようだった。

「はあ……困ったなあ元の世界には戻れないし、泊まる場所もない……」

 俺はサンシャインシティのトイレの個室に入りながら、頭を抱えていた。

「いいや。悩んでもしょうがない。とりあえず歩き回って情報を得よう」

 そう決心し、トイレから立ち上がって流そうとしたら、そこには……。

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