ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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54.すごいお金の稼ぎ方を考えたトレーナーの話

「いやー山本もかなり強くなったな」

「桜井がつきっきりで指導してくれたおかげだよ。ありがとう。桜井がいなかったら、特性や持ち物を有効活用する術も、タブンネを倒して経験値をためることも知らなかった」

「いやいや。山本自身の努力の結果だよ」

 強豪トレーナーの一人である桜井は、山本の先生となりポケモンバトルを教えていた。

 山本は以前、バトルが全く勝てず悩んでいた。そのことを知った桜井は、山本に声をかけた。

「にしても、なんで俺なんかにこんな親切に教えてくれるんだ? 確かに小学校の同級生ではあるが、そんなに仲良くもなかったのに」

「困っているトレーナーがいると、ほっとけないんだよ。俺も最初の頃は、ずいぶん苦労したから」

 桜井は山本から指導料などは一切もらっていなかった。ボランティアで教えていた。

 

 

「今日も訓練を始めるよ」

「今日は何をやるんだ?」

「いよいよ実践トレーニングに入る。この道路には十人くらいトレーナーがいる。彼らを全員倒すんだ」

「十人も一気に? 無理だよ」

「大丈夫大丈夫。山本の実力なら、全員速攻で倒せるよ。今の自分の腕とポケモン達の強さを信じて!」

「分かった。やってみる」

「俺は山本が戦っている間、高橋にバトルを教えているからね。何かあったら電話して」

「え? 他の同級生にも教えていたのか?」

「うん。今は三人に教えてる」

「そっか凄いな。じゃあ俺は、その間頑張って戦っているよ」

 山本は必死になってトレーナーと戦った。桜井の言う通り、山本は全員に勝利することができた。

 次の日も山本は多くのトレーナーと戦い、そして勝利した。

 最終的に山本は、100人ものトレーナーに勝利した。

 

 

「今日で訓練も最終日。これまで山本よく頑張ったね」

「最終日は何をするんだ?」

「俺と一対一でバトルする」

「え? 桜井と?」

「最終日だから、直に山本の実力を見せてもらいたいんだ」

「無理だよ。実力が違いすぎる」

「そんなことないよ。今のお前なら勝てる可能性だってある」

 桜井と山本は一対一で戦った。

 山本はだいぶ善戦はした。しかし桜井にはまだ実力は及ばず、負けてしまった。

「強くなったな山本! 一瞬ひやりとしたよ」

「本当か!」

「もうこの辺りのトレーナーには負けなしのレベルまで来てると思う。本当に強くなった」

「よっしゃー! これで俺も、ジムバッジを全部集められる! 桜井のおかげだ、ありがとう!」

「あ……一応、バトル勝ったから、賞金もらっておいていい?」

「え?」

「いやまあ……一応トレーナー同士の掟だから。もしかしてお金持ってない?」

「あ、いや」

「お金持ってないなら、全然無理しなくていいよ。持ってないならだけど」

「お金は持ってる」

「あ、じゃあ賞金もらっていい?」

「うん。そうだよな。トレーナー同士の掟を破る訳にはいかないな。たとえ友達同士でも、こういうのはちゃんとすべきだ」

 山本は桜井に賞金として、有り金の半分を渡した。

 

 

「じゃあこれからも頑張れよ!」

「ありがとう! 山本に教えてもらったおかげでこれからも頑張れそうだ」

 山本は嬉しそうに手を振りながら去っていった。

「このお金の稼ぎ方、効率良いな。自分でバトルしなくても、お金って稼げるんだな」

 山本は、桜井からもらったお金を数えながら呟いた。

 山本は100人のトレーナーに勝利していた。そのため、大金を持っていた。その半分でも、かなりの額だった。

「よし、次は田中に声をかけるか」

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