ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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56.出番がない話

マグカルゴ

 

ようがんポケモン

 

背中の 殻は マグマが 固まって できた。

何万年もの間 火山の火口で 暮らすうちに 体がマグマに なった。

 

――ポケットモンスターエメラルド図鑑説明より引用

 

 

 

 目を覚ますとソウタは誰もいない島に流れついていた。

「助かったのか……」

 数時間前、ソウタの乗っていた船が転覆してしまったのだ。そしてソウタは運よくこの無人島に流れつくことができた。

「とにかく脱出しないと」

 ひとまずソウタは島からの脱出を試みる。幸いにも彼の手持ちには、波乗りを習得したオーダイルがいた。

 ソウタは現在地を確認し、町までどちらの方角に行けばよいか確かめる。

 

 

 オーダイルに乗って海を渡っていく。途中から渦潮が多く発生していたが、上手く避けていった。

「よし、後はまっすぐ向かっていけば町に辿り着くな」

 渦潮が密集する地帯を乗り越え、ソウタは自分は助かると確信した。

 だが、そんなに甘くはなかった。

「海が揺れている……!」

 急に海が大きく荒れ始めた。そして、海中から巨大なギャラドスが現れたのだ。

「マジか……」

 ギャラドスは通常の個体よりも明らかに大きかった。なおかつ、怒りに満ちた目をしており、今すぐにでも襲ってきて噛み付いてきそうな雰囲気しかなかった。

 すぐさまソウタはポケモンを出して戦った。

「ピジョット、翼で打つ!」

 ソウタはピジョットを出し、上空から攻撃させた。翼に激しく打たれたギャラドスはうめき声を上げる。かなり効いてはいるが、一撃ではさすがに倒すことはできなかった。

 ギャラドスは倍返しだ、と言わんばかりに、破壊光線を繰り出す。眩い放射線がピジョットに襲いかかった。破壊光線が止んだ後、ボロボロのピジョットが頭上から落下してきた。

「戻れピジョット!」

 ソウタはピジョットを戻し、サンダースを繰り出した。ソウタが持っているポケモンは三匹。オーダイルは戦える状況ではないし、後はサンダースに頑張ってもらうしかない。

 サンダースはオーダイルに乗りながら、十万ボルトを繰り出した。その攻撃は見事に当たった。

 しかし、ギャラドスは弱点であるはずのその攻撃を耐えてしまった。そして、ハイドロポンプを発射する。

「サンダース、ここは踏ん張ってくれ!」

 サンダースは再び十万ボルトを出し、ハイドロポンプを押し返そうとする。お互いの力はしばらく拮抗していたが、ギャラドスは先程の翼で打つの傷が痛み、勢いが和らいだ。その間に一気にハイドロポンプを押し返す。渾身の十万ボルトがギャラドスに襲いかかった。

 体の至る箇所が黒焦げになったギャラドスは、戦意を喪失し海の中へと去っていった。

 なんとかソウタは、生き延びることができた。

 

 

 数時間後、ようやくソウタは町に辿り着いた。町に辿り着いた瞬間、ソウタに抱きついてきた人がいた。

「良かった生きてて……。すっごく心配したんだよ!」

 ソウタに抱きついてきたのは、ソウタの親友のハルナだった。ソウタはこの町で元々ハルナと会う約束をしていた。ハルナは船が事故に合ったニュースを聞いてからずっと、ソウタの無事を祈っていた。

 数秒して、ソウタはハルナと待ち合わせをした理由を思い出す。

「今日渡そうと思っていたプレゼントは、海に流されちゃったけど……好きです、付き合ってください!」

 ソウタはハルナにそのように告白したのであった。

「こちらこそ……よろしく」

 ハルナは涙を拭いて、再びソウタに抱きついた。

 

 

 

 

 

マグカルゴ「え???? 俺の出番は?????????」

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