うみや かわで つかまえた
ポケモンを たべたあとの
ホネを きれいに きれいにして
ていねいに みずのなかに おくる
そうすると ポケモンは
ふたたび にくたいを つけて
この せかいに もどってくるのだ
ーーミオ図書館 シンオウ神話より
旅人はシンオウ地方のとある村にやってきた。この村は人口は少ないが、漁業が盛んと聞いていた。
「なんだあれ?」
旅人は川付近に「永久機関」と書かれた看板を見つけた。看板の近くでは一人の男性が釣りをしている。
「こんにちはー」
「ここらでは見かけない顔だな」
「旅をしている者です。お聞きしたいんですが、永久機関ってどういう意味なんですか?」
「これのことか」
男は旅人に説明をはじめた。
「ここで捕まえたポケモンを食べた後、骨を綺麗にしてここに流すと、ポケモンが肉体をつけて戻ってくるんだ」
「はい?」
旅人は、言っている内容が理解できなかった。
「(シンオウ神話にそういうのがあるのは知ってるけど……)」
「村にはこういう場所が何個もあって、分かりやすいように『永久機関』って看板を立てている」
「待って下さい。本当に戻ってくるんですか?」
「戻ってくるよ。戻ってくる」
男は、それがさも当然のような口調で話す。
「だいだい戻ってくるのに四十五秒かかるかな。戻ってきたら、もちろんもう一回捕まえて食べる」
「確かにシンオウ神話でありましたけど。そういうのって伝承みたいなもので、マジで戻ってくるものだとは思いませんでしたよ」
「いや、本当に戻ってくるよ。他の村はどうだか知らないけど」
「知らなかった……。ちなみに、何回流しても戻ってくるんですか?」
「いや一回だけだよ。一度戻ってきたポケモンをもう一回流しても、返ってこないよ。そりゃあそうだよ。何回でも戻ってきたら、この村大金持ちになっちゃうよ。永久機関、っていうのはあくまでそういう表現だから」
「まあまあ、それはそうでしょうけど。でも一回戻ってくるだけでも、十分凄いですよね。単純に考えて、倍捕れるってことじゃないですか」
「そうだな。おかげでうちの村は漁業が盛んだ。俺みたいに個人で釣りやる人も多いな」
「しかし……大丈夫なんですか。こんなことやってて? なんかバチとか当たりそうな気が」
「別に大丈夫なんじゃないか? よし! 今月は46匹釣れた。ということは、92匹釣れたってことか。うん、上々だ」
「……」
「そうだ。お前もここで釣りやってみるか?」
「あ、すいませんが用事あるんで、これで失礼します」
旅人は村から速攻で抜け出した。
「この村気持ち悪っ!」