ポケモンリーグの入り口。ここには八人の警備員が立っていた。
警備員は通過するトレーナーが、バッジを有しているか、確認する役目を担っている。ポケモンリーグに挑むのに相応しいトレーナーでなければ、ここを通過することはできないのだ。
そんな入り口に今日もまたトレーナーがやってきた。
「ポケモンリーグイエエエエエエエイ!!!!」
やってきたトレーナーは、一言で言えば変な奴だった。
「な、なんだ君は!」
「いやっほう!!! ポケモンリーグに挑戦しにきました。ワーーーーーーオ!!!」
彼は全身真っ黄色な服を着ている。意味の分からないタトゥーが顔にある。そしてなぜか絶えず舌を出している。
警備員は唖然としながらも、警備員としての役目をこなした。
「いい加減にしろ! ここは神聖なるポケモンリーグ。バッジを有した優秀なトレーナーだけが集う場所だ」
「バッジならあるよ。はい、グレーバッジをイエエエエエエエイ!!」
変な奴はバッジをポケットから出した。
「おおーッ! それは確かにグレーバッジ! どうぞ通って下さい!」
警備員はその男を通してしまった。
彼らの役目は、バッジを有しているか確認すること。バッジを見せられたら、変な奴でも通すより他ないのだ。
変な奴は、ブルーバッジの確認をする警備員がいる場所まできた。
「ポケモンリーグイエエエエエエエイ!!!!」
「なんだ君は、どうやってここに入った!!」
「ポケモンリーグにドーン!!! ポケモン達がドーン!!
「なぜグレーバッジの警備員はこんな奴通した……」
「グレーバッジの警備員は僕が倒しましたよ。ほら、こんなふうにドーン!!」
「帰りなさい。ここは、君みたいな者が来る場所ではありません」
「あーあー聞こえませーん!! 聞こえません!!!」
「ほら、さっさと帰りなさい。さもないと警察呼ぶよ」
「えー自首ですかー」
「違うわ! お前を逮捕してもらうんだよ!」
「警察官がポケモンリーグへドーン!! 手錠が警備員の前にドーン!! 手錠がガシャーン!!」
「やめなさい。ブルーバッジ持ってない奴は帰れ!!」
「ブルーバッジならここにドーン!!」
「むむッ! それはブルーバッジ! わかった。この先へ進みなさい」
ブルーバッジの警備員も、彼を通してしまった。
変な奴は、オレンジバッジの確認をする警備員がいる場所まできた。
「ポケモンリーグイエエエエエエエイ!!!!」
「なんだ君は、どうやってここに入った!!」
「ポケモンリーグで優勝しにきましたイエエエエエエエイ!!」
「おいおい、なんなんだこいつ……」
「リーグで優勝してシャンパンをドーン!! シャンパンで床がビッショビショ!!」
「なるほど。お前さては、変な奴だな。まあこんな変な奴でも、バッジを持っていたら通すのが、俺たちの任務だ。さあ、オレンジバッジを見せなさい」
「あ、オレンジバッジは持ってないです」
「持ってないのかよ!!」
「でも、グレーバッジとブルーバッジは持ってます!」
「その二つだけか、持ってるのは」
「はい」
「中途半端な奴だな、お前は」
「はい?」
「君みたいなふざけまくった奴は、たまに町中とかで見かけるよ。結構いるよ。でも大抵は、本当にどうしようもない奴か、ふざけているけど実はめっちゃ能力高い奴か、どっちかなんだよ」
「えっ……いや……」
「お前はどっちでもねえじゃねえか。なんだよバッジ二つって。中途半端だな!! 変な奴なら、どっちかに偏れ!!」
「はい。すいません……」
「謝るなよ。そこは今まで通りふざけまくれよ」
「はい……」
「お前ふざけ方も中途半端だな!!」