ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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67.急に脚本形式で小説を書く話

 ある日のことだった。

 群れのリーダーであるダーテングの食料の一部が、何者かに奪われてしまった。

コノハナ「まったく。優しいダーテングさんの食べ物を奪うとは何事だ」

 子分のコノハナは怒りを顕にしていた。

 確かにこの森は、食料がかなり少ないため、皆ギリギリで生活している。しかし、だからといって独り占めするなんて許せない。

コノハナ「よし、犯人を見つけてやる」

 コノハナは、犯人を探すことにした。

 

 

 コノハナは最初にキモリの所を訪ねた。

キモリ「どうしたこんな所に来て?」

コノハナ「ダーテングさんの食べ物が奪われたんだ。何か知っていることはない?」

キモリ「俺は何も知らないぞ」

コノハナ「本当に?」

キモリ「なんだ、俺が奪ったんじゃないかって疑ってるのか?」

コノハナ「一応一人ひとりに聞いて回ろうと思って」

キモリ「あのなあ、俺が奪う訳ないだろ。食料ならしっかり貯蓄してあるよ」

 確かにこのキモリは、やりくりが上手く、食うものに困っているのを見たことがない。

キモリ「だいたい、人の食べ物まで盗んで食べてたら、こんなに痩せてないだろ」

コノハナ「うーん、そっか。分かったありがとう」

 

コノハナ「キモリじゃないかもな。次はキャタピーに聞いてみるか」

 今度はコノハナはキャタピーの所を訪ねた。

キャタピー「えー僕が奪う訳ないよ」

 キャタピーは真っ先に否定した。

コノハナ「奪ってないという根拠は?」

キャタピー「僕には手がないし、体だって小さいだろ。大量の食料を抱えて歩ける訳ないじゃん」

コノハナ「あっ、そうか。じゃあ絶対に違うね」

 

 その次にコノハナはアママイコの所を訪ねた。

アママイコ「いやいや、私じゃないわよ。絶対に違うって分かるでしょ」

コノハナ「なんで?」

アママイコ「私木の実とか食べないもの。光合成が使えるから」

コノハナ「あ、そうかごめん」

 

 お次は、ドゴームの所を訪ねた。

コノハナ「ダーテングさんの食べ物が盗まれたんだが、何か知らないか?」

犯人「え、な、何のことだ」

 ドゴームはなんだか慌てている感じがした。

コノハナ「何かお前怪しいな。お前か犯人は!」

犯人「違う! 俺は犯人じゃない!」

コノハナ「なら証拠を見せてみろ」

犯人「証拠?」

コノハナ「他のみんなは、盗んでいない根拠を言ってたぞ。お前は?」

犯人「……」

 ドゴームはしばらく考えた後に言った。

犯人「そもそも盗まれたのっていつの話だ」

コノハナ「昨日の昼だ」

犯人「そのときダーテングさんはどこにいた? いつもの崖の上にいたんじゃないか?」

コノハナ「……そうか。俺は馬鹿だ。なんで今まで気が付かなかった?」

 ダーテングは、あのとき食料のすぐ近くにいた。それなのに、何者かに食料をいつの間にか奪われていた。つまり犯人は、ダーテングを気絶させるか眠らせるかしていたのではないか……?

犯人「犯人は、眠り粉やキノコのほうしを使える奴なんじゃないか。ダーテングさんを眠らせて、その間に食料を奪ったんだろ」

コノハナ「そういうことか……!」

犯人「俺は見ての通り、騒がしい奴だ。他人を眠らせる技なんて、覚える筈もない」

コノハナ「そうか。そうだよね。疑って悪かった」

 

 コノハナは、その隣の木に住むホーホーの元を訪ねた。

コノハナ「やあ、ホーホー」

共犯者「あ、コノハナ。さっきのドゴームとの話、聞いていたわよ」

コノハナ「ホーホー、お前は何か知らないか?」

共犯者「え、し、知らないわよ!」

コノハナ「何かお前も怪しく感じるな」

共犯者「わ、私じゃないわよ!」

コノハナ「まあ、でも違うか。ホーホーは眠り粉もキノコのほうしも覚えない」

共犯者「そ、そうよ! 私はそんな技覚えないわ!」

 

 次にコノハナは、パラスの元を訪ねた。

コノハナ「パラス、お前は何か知っているか?」

パラス「え、僕は、その……何も知らないよ」

 パラスはコノハナに詰め寄られ、つい狼狽えてしまった。

コノハナ「お前、かなり怪しいな?」

パラス「僕は……違うよ!」

 そのときコノハナは気がついた。パラスは、眠り粉もキノコのほうしも両方使えることに。

コノハナ「パラスって眠り粉もキノコのほうしも使えるよな。ダーテングさんを眠らせている間に、食料を奪ったんじゃないか?」

パラス「ち、違うって! 僕はそんなことしてない!」

コノハナ「よし! パラスが盗んだってことで決まりだな。お前、ちょっとダーテングさんの元へ来い!」

パラス「そ、そんな……!」

 

 

 コノハナはパラスを捕らえ、ダーテングさんのいる崖までやってきた。

コノハナ「ダーテングさん犯人見つけました。パラスが盗んでいました」

 コノハナの声を聞いたダーテングは、体をピクッと動かす。

 そしてゆっくりと振り向き、怒りを顕にしながらこう言った。

 

ドゴームとホーホーと裏で繋がっている男「貴様か! 我の食料を盗んだのは!!!」

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