ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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68.電気タイプはカタカナでしゃべるものだと思っていたピカチュウの話

 カントーの無人発電所。ここには電気タイプが多く住んでいた。

「イヤー。コノ場所ハ本当イゴゴチガ良イネ」

 コイルが発電所にいる仲間に言った。

「本当ニソウダネ。電気モタベホウダイダシ」

 ビリリダマがコイルの発言に同調した。

「トレーナーサンモホトンド来ナイシ、良イトコロダヨネ」

 ピカチュウが、発電所のコードを齧って電気を食べながら言った。

「サンダーサンガ奥ニイテ、イザトイウ時ハ守ッテクレルシネ」

 レココイルが続けてそう言った。

「アレ? 君一昨日見タ時ハコイルダッタノニ、進化シタンダ」

 ピカチュウは友人の体の変化に気がついた。

「ウン。オカゲサマデ進化スルコトガデキタヨ」

「ソウナンダ。オメデトウ」

 こんな感じで、電気タイプのポケモンは平和に暮らしていた。

 

 

 突然事件は起こった。

「タイヘンダ! 発電所ノサンダーガ人間ニ捕マッテシマッタ!」

 レアコイルは血相を変えてみんなの元へ走ってきた。

「ナンダッテ!」

 サンダーがいなくなったのは大事件だった。

 そして、続けざまに災難が降り掛かってくる。

 無人発電所は来月から、無人ではなくなるという話を、彼らは聞きつけた。つまり、人間がここへ来るようになる。このままでは、中に住むポケモン達は、みんな追い出されてしまう。

「マイッタナ……」

「正直、イツカコンナ日ガ来ルノデハナイカト、思ッテイタ」

 サンダーを失った彼らに、人間に対抗する力はない。

 無駄な争いを生まないためにも、人間が来る前に発電所から去ることに決めた。

 

 

「ヨシ、今日カラコノ森ニ住ムトスルカ」

 ピカチュウはコイル達と離れ、近くの森で暮らすことにした。この森には、ピカチュウが住んでいると聞いたからだ。恐らく、ピカチュウという種族が住みやすい場所なのだろう。

「オ、サッソク同種族ヲ発見」

 ピカチュウは同じ種族の仲間を見つけた。

「あれ? 君ってここに住んでいたピカチュウだっけ?」

「ハイ、私ハ無人発電所カラ来マシタ」

「え……な、何その変な喋り方……ふざけてるの?」

 そのピカチュウは、変な奴と遭遇してしまった、と言いたげな表情をしていた。

 彼は何も言わず、どこかへ去ってしまった。

「ン? ナンデアノ仔ハ逃ゲテイッチャッタンダ?」

 納得がいかなかったので、別のピカチュウにも話しかけてみた。

「コンニチハ! ハジメマシテ、無人発電所カラ来マシタ」

「こ……こんにちは……」

 先程と同じようなリアクションを取られた。

「ドウシマシタ? ナンカ自分オカシイデスカ?」

 

 

「なんでそんなカタカナみたいな喋り方なの?」

「エッ?」

「そんな喋り方するピカチュウはじめてみた……」

「チョットマッテ下サイ。ピカチュウハコウイウ喋リ方デショ」

「いやいや、そんな喋り方普通しないよ」

 彼は今までコイルやビリリダマと暮らしていた。彼らは皆、こういうカタカナみたいな喋り方をしていた。

 電気タイプは、皆こういう喋り方だと思っていた。だから彼も、カタカナでずっと喋っていた。

「君、普通の喋り方はできないの?」

「え、あ、はい。できます、できます。喋れます」

「なんだ、普通に喋れるじゃん。どうしてずっとカタカナで喋ってたの?」

「無人発電所にいた仲間たちの、コイルやビリリダマがこんな感じだったので。電気タイプは、カタカナで喋るのが普通というか、マナーみたいなものだと思ってました」

「なるほどーそういうことか。今まで喋りにくくなかった?」

「めっちゃ喋りにくかったです。ちょっと顎が変な形になりました」

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