ある日のこと。
二人の大学生が、大学の食堂で課題をやっていた。
「ふう、ようやく課題が終わった」
「疲れたー。もう食堂に俺らしかいないじゃん」
「外も真っ暗だな、さっさと帰ろうぜ」
二人はノート類を片付け、食堂の真ん中に置かれたパネルに順番に乗った。
そして、二人とも大学の入り口に瞬時にワープした。
「じゃあな、また明日のサークルで」
二人はそれぞれ自宅に帰った。
ある日のこと。
一人のサラリーマンが、駅までダッシュしていた。
「このままでは遅刻してしまう」
彼は今日寝坊してしまった。今日は大事な会議があるから、遅刻する訳にいかない。
なんとか駅についた。だが、この駅は中がやたら広く、五番ホームまで走っても五分はかかる。
彼は改札口を抜け、改札口の近くにずらりと並ぶパネルに乗った。
すると、五番ホームまでワープした。間一髪、電車に乗ることができた。
「ふう。なんとか間に合った」
ここは、ヤマブキシティのシルフカンパニー本社。
シルフカンパニーのスタッフが昼休みに雑談をしていた。
「最近は良いねえ。景気が良くて。ボーナスも増えた」
「まったくだ。この会社、よくここまで持ち直したよ。ロケット団に乗っ取られた時期はどうなるかと思ったが」
最近、シルフカンパニーの売上が著しく伸びている。
シルフカンパニーは、社内で活用しているワープパネルを、外部に販売しはじめたのだ。ワープパネルはかなり好評であり、飛ぶように売れている。駅内や学校に備え付けられ、ユーザーからもかなり評判だ。
今後は、一般家庭用のワープパネルも開発し販売する予定である。
「なぜ今まで気が付かなかったんだろうな。ワープパネル売ることに」
「灯台もと暗し、とはまさにこのことだな」
シルフカンパニーは、トレーナーがポケモンを捕まえるのに役立つ商品の開発ばかりに注力していた。そのため、ワープパネルを売れば良いということに、今まで気が付かなかった。
「マスターボールなんて、苦労して作る必要ないんだよな」
「シルフスコープもいらんな。あんな汎用性の低いもの開発するなんてバカバカしい」
「社内にあるワープパネルは、その内撤去するらしいよ」
「社内にはワープパネルいらないよな。エレベーターがあれば十分だ」
「要らないよな。社内に置いても、あまり意味ないんだよ」
「後、間違えてワープパネル踏んじゃって、面倒なこともあるし」
「社長室と来客用スペースにいけるワープパネルだけ、1Fに設置すれば良い」
「それが良いな」