ここはガラル地方のとある町にあるポケモンジムの前。
カメラ片手に何やら叫んでいる一人のトレーナーがいた。
「はいどうもー今日の大爆笑企画は『ガラルのジムチャレンジでユニフォームに着替えるとき、更衣室に行かず受け付けの目の前で脱いでみたww!』ですよー。受け付けの人の困惑する様子が目に浮かぶぜー。みんなー楽しみにしててくれよなー。」
トレーナーは動画撮影を行っていた。そのままジムの中に入っていく。
「ジムチャレンジお疲れ様でした。またの挑戦をお待ちしております」
ジムの受け付けには一人の男性がいて、仕事を行っていた。
「おじゃましまーす。ジムに挑戦したいんですけども」
そこにさっきトレーナーがやってきた。
「ジムチャレンジの方ですね。それでは、あちらの部屋でユニフォームにお着替えください」
「はーい分かりました」
「え? ちょっと」
受付員はそのトレーナーの行動に目を丸くした。トレーナーは、大勢の人が周りにいる受け付けの目の前で、ユニフォームに着替え始めたのだ。
「あの、ここで着替えるのは止めてください。着替えるならあっちで」
「あー僕狭い場所苦手なんすよ。だからここで着替えさせてちょ」
受付員は彼のこのセリフによって、彼がやばい奴であることを理解した。
「駄目だから。みんな見てるでしょここ。早くあっち行きなさい」
「え、なんすか。このジムはトレーナーを狭い場所に飛び込めるんですか」
「ここで着替えるのは駄目だと言ってるんだ。言うこと聞かないなら、チャレンジ前から失格にするぞ」
「いやですよ。僕着替えますから」
受付員はトレーナーの体を無理やり抑えつける。そして、ジムから追い出そうとした。
「あ、今のは暴行罪ですよ」
「もうお前は失格だ。早く出ていきなさい」
「暴行罪ですよ。動画に証拠残ってますから。逃げても無駄ですからね」
「出ていけ!」
「あなた終わりましたね。クビですよクビ」
トレーナーがようやく出ていき、ジム内に平和が訪れた。
「やれやれ、今日は疲れた」
受付員は仕事が終わり片付けを行っていた。
彼もかつてはトレーナーをやっていた。だが、全然勝つことができず、呆気なく引退した。その後就職を目指すも面接に中々受からず、やっと就けた仕事がジムの受け付けだった。
ようやく就けた仕事なのだから贅沢は言わない。今日みたいに変な奴が来こうが、自分の仕事に文句は言う権利はないと思っている。
ただ、一つだけ言いたいことがあった。
「なんであんな奴が推薦状もらえてるんだ?」