ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

83 / 100
83.ポケモンの戦闘不能をグルグル目で判断する話

 僕は現在クチバジムで審判を行っていた。

 今日のチャレンジャーは恐ろしく強かった。マチスさんが追い込まれる光景を見るのは初だった。

 ダグトリオは穴を掘るを使い、マチスさんのピカチュウの足元から飛び出した。宙に飛ばされたピカチュウは地面に激突する。ピカチュウは目を回して倒れていた。

「ピカチュウ、戦闘不能! ダグトリオの勝ち!」

 マチスさんは次にレアコイルを出す。レアコイルはソニックブームで、ダグトリオの体力を削った。

 ダグトリオは地面を大きく揺らす。地震によってレアコイルは大ダメージを受けた。

 地震が収まると、レアコイルは3つの目をグルグルと回し倒れていた。

「レアコイル、戦闘不能! ダグトリオの勝ち!」

 

 

 僕が審判を始めたのは、数ヶ月前のこと。自分は審判として高く評価され、ジム戦の審判まで昇格できた。今度はポケモンリーグの審判を任されることになった。

 自分で言うのもあれだが、出世のスピードは相当早い。

 今日は仕事が休み。喫茶店で友人と話をしている。

「すげえな。お前もうポケモンリーグの審判かよ」

「まあ、僕には審判しかできないからね」

「よく審判なんてできるよな。ポケモンが戦闘不能になったとか、瞬時に判断できるのマジで意味分からんわ」

「え? 戦闘不能になったかは、普通に判断できるでしょ」

「いや無理だろ。だって、一度倒れても、起き上がってくることあるじゃん」

「それはあるよ」

「そういう場合に、誤審してしまうことないの?」

「……ないなあ」

「え、なんで?」

「だってポケモンの目がグルグルしてるの見れば、戦闘不能って分かるじゃん」

「……どういうこと?」

「やられたとき目が変わって、グルグル回転するじゃん。それ見てジャッジしてるだけだよ」

「お前何言ってるの? 目がグルグルなんてしないだろ。普通に目をつぶってるだけだろ」

「え?」

「目が回転するってなんだよ。怖いよ! どういう体の構造になってるんだ」

「分からないの? ポケモンの目が変わるの」

「全く分からん」

 

 

「……じゃあさ、メロメロって技知ってる?」

「知ってるよ」

「メロメロを受けたポケモンって、目がハートになってるように見えない?」

「目がハート? 見えないよ。どういう状況だよそれ」

「もしかして、混乱状態のとき、ポケモンの頭上で小さいアチャモが回っているのも、見たことない?」

「ねえよ、そんなの!」

「嘘だろ……俺にしか見えてないのかよ……」

「お前、一度病院とか行った方が良いよ。幻覚でも見えてるんじゃないか」

 

 

 友人と別れ、すぐさま自宅でバトルビデオをチェックした。

 やはり何度見ても同じだ。戦闘不能のポケモンは、グルグル目で倒れている。

「え? なんか特殊能力あるってこと?」

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。