ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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85.コンテストバトルで角ドリル使う話

 コンテストバトルの決勝が繰り広げられていた。決勝戦はニドキングとロズレイドの戦いだった。

 ロズレイドは花弁の舞を空中に繰り出し、落ちてくる花弁と共に優雅に踊り始める。観客から歓声が湧き上がり、相手のポイントを大きく削った。

 一方ニドキングのトレーナーは……。

「角ドリル!」

 ニドキングは頭の角を回転させ、ロズレイドに突進していく。ロズレイドはその攻撃を間一髪かわした。攻撃が外れたことにより、ポイントが削られていく。

 ロズレイドは日本晴れを使った。屋外であるコンテスト会場に、眩い輝きを持つ太陽が出現する。太陽の日差しに美しくロズレイドが照らされ、ニドキング側のポイントが更に減った。

 そんなことは意にも介さず、ニドキングは再び角ドリルを使う。ロズレイドは避けきれなかった。

 ロズレイドは戦闘不能。コンテストバトルにおける、バトルオフの状態。

 

 

 ニドキング使いの男は優勝した余韻に浸っていたが、主催者から呼び出しをくらう。

「ちょっと待てちょっと待て!」

 主催者はひどく慌てた表情をしていた。

「なんですか?」

「なんで角ドリルばっかり使ってるんだ? コンテストバトルだよ」

 男は何をそんなに怒っているのか、理解できなかった。

「今回のコンテスト、テレビ放送もされてるんだよ。放送事故だよこんなの」

「角ドリル駄目ですか」

「駄目でしょ。コンテストバトルっていうのは、魅せるバトルなんだ。常識的に考えて一撃必殺技はなしでしょ。技を優雅に繰り出して、相手のポイントを削って勝つ。それがコンテストバトル」

「でも、相手を戦闘不能にしても勝ちですよね」

「確かに君みたいに、最初からバトルオフ狙いの人もいる。でも、流石に一撃必殺技はまずい」

「はあ……」

「しかも、一回戦からずっと角ドリルしか使ってないでしょ」

「はい。対戦相手はみんなモタモタしてますんで、角ドリル連発すれば大抵一回は当たります」

「ずるいよそれは。フェアじゃない」

「でも、角ドリル禁止、なんてルールないですよ」

「それはそうだが。コーディネーターとしての誇りはないのか」

「ありますよ」

「あるんなら他の技も使え。君のニドキング、他に何の技がある?」

「ないです」

「は?」

「角ドリル以外の技、全部忘れたんで」

「はあ???」

「後、サイドンとかアズマオウとか他の手持ちも、角ドリルしか使えないです」

「なんで角ドリルに拘る?」

「角ドリルマスター目指してるんで」

「なんだ角ドリルマスターって! とにかく、角ドリルはもう駄目。一撃必殺技は全て禁止。今度上層部に連絡して、ルールに追加してもらうから」

「他の一撃必殺技も駄目?」

「そうだ」

「じゃあ仲間にも言わないと」

「仲間?」

 

 

 そのとき部屋に二人の男が入ってきた。

「あ、お前ら」

 彼の仲間らしい。

「どうした? 主催者に呼び出されて」

「なんかさあ。一撃必殺技、コンテストバトルで禁止になるらしいよ」

「はあ???」

 二人の仲間は一斉にブーイングを出し始める。

「おいおいマジかよ。俺のラプラス、絶対零度しか覚えさせていないんだよ。次から、コンテスト出場しようと思ったのに」

「俺のキンクラーもハサミギロチンしか覚えていない。どうするんだよこれから」

 

 

 主催者は仲間達の発言に、呆気にとられていた。

「なんでそんな一撃必殺技に拘るんだ!」

「一撃必殺技って当たるのも運、外れるのも運じゃないですか。運良く命中し勝利をおさめたときの快感が、堪らないんですよ。こんなこと、止められる訳ない」

「もうお前ら、コンテストじゃなくてギャンブルやれ!」

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