ポケモン、クセが強い短編集   作:@逆行

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93.ポケモンバトルで色々な命令方法を試す話

 自分はポケモントレーナーだが、最近疑問に思うことがあった。

 バトルでは「たいあたり!」のように、技名を叫んで指示を出す。だが、これだと対戦相手に何の技を繰り出すかバレてしまう。

 特に「だましうち」という技は酷い。技名を叫んだら、全く騙し討ちにならない。

「もっと良い命令の仕方あるだろ、絶対」

 という訳で、技名を叫ぶより良い命令方法を考えることにした。

 

 

 最初に考えたのが「口パク」だ。口パクで技名を叫ぶ。ポケモンは口の動きを見て、何の技を繰り出すべきか判断できる。

 だがこの方法は色々無理があった。まず、ポケモンがこっちを向いていないと、口の動きを見られない。バトル中に一々振り向くとその隙を狙われてしまう。

 加えて口の動きを確認し、何の技を繰り出すか見抜くトレーナーもいた。

 という訳でこの方法は論外だった。

 

 

 次に考えたのが「頭文字だけ叫ぶ」だ。たとえば「たいあたり」なら「た」、「ひっかく」なら「ひ」だけ言う。

 「かいりき」と「かげぶんしん」みたいに頭文字が被ることもあるが、その場合は「かい」とか「かげ」とか言えば良い。そもそも頭文字が被ることなんて滅多にない。

 この方法は結構良いと思った。実践で何度も試した。

 しかし、バトルがある程度長引くと、対戦相手にやはり見破られてしまう。

 という訳で、この方法も駄目だった。

 

 

「相手にバレない方法……そうだ!」

 あれこれ考えて行き着いた先が「全く別の単語を言う」だった。

 「たいあたり」は「すたとつう」であると、事前にポケモンに伝えておき、バトルでそう命令する。

 いわゆる「暗号」だ。

 この方法なら、絶対に対戦相手にバレない。なんせ全く別の単語なのだ。

 たが、この方法にも欠陥があった。ポケモンが暗号を覚えられないのだ。

 ポケモンは4つも暗号を覚えなくてはいけない。バトル中、暗号を忘れてしまうことは多かった。また、覚えられたとしても「この暗号はこの技だ」と考える時間がいるため、どうしても隙が生まれてしまう。

 後、自分が暗号を忘れることもあった。

 という訳で、この方法も駄目だった。

 

 

 その後も、笛を使ったりジェスチャーを使ったり、様々な方法を試みた。だが、どの方法も上手いこといかなかった。覚えるのが簡単で、かつ相手にバレない命令方法なんて、この世に一つもないのだと知った。

 という訳で最近は、普通に技名を指示している。結局この方法が一番良いのだ。

 だが、一つだけ言いたいことがある。

 おんがえし、という懐いているほど威力が上がる技がある。文字通りトレーナーに今までの恩を返す技だ。

 「おんがえし!」とトレーナーが自分で言うのは、なんか違う気がするのだけれど……。

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