艦これキャラの登場するモンスター・パニック作品を作ってみた   作:垂直離着陸式扇風機

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鬼怒川に満月(望月)が映ったことがあるなら史実つながり……は、無理があるかなとも思う。


第十話「出たとこ勝負でやってみよう」

 この鎮守府(ちんじゅふ)らしい独特(どくとく)の方法(ほうほう)が、そ(・)れ(・)を「グロスマン」と命名(めいめい)する際(さい)に用(もち)いられた。

 つまり、最初(さいしょ)から最後(さいご)までグ(・)ダ(・)グ(・)ダ(・)だった。

 

 提督(ていとく)が何気(なにげ)なく、

 

「お好(この)み焼(や)きを重(かさ)ねたような見(み)た目(め)だから、『重(かさ)ねお好(この)み』と呼(よ)ぼうか? 」

 

 とつぶやいたことで、沈静化(ちんせいか)していた“粉(こな)もの抗争(こうそう)”が再燃(さいねん)した件(けん)については、ここでは記(しる)さない。しかし、吹雪(ふぶき)を始(はじ)めとした大勢(おおぜい)が、もう少(すこ)しマシな呼(よ)び方(かた)に変(か)えるよう頼(たの)み込(こ)んだのは本当(ほんとう)のことだ。

 そして、実(じつ)のないやりとりの末(すえ)にそ(・)れ(・)の写真(しゃしん)から「大きい(gros)」が、リシュリュー(Richelieu)のつぶやいた「栗のお菓子(Mont Blanc aux marrons)」という言葉(ことば)から「栗(marron)」が選(えら)ばれ、その読(よ)みを短(みじか)くして「グロスマン」という名称(めいしょう)に決(き)まったのも本当(ほんとう)のことだ。

 

 つまり、そ(・)れ(・)を呼(よ)ぶ時(とき)に Grossman(大きな男)という言葉(ことば)や、「グロッスマ」というどこかの熊(くま)のぬいぐるみを思(おも)わせる名称(めいしょう)が使(つか)われるようになったのは全(まった)くの偶然(ぐうぜん)であって、決(けっ)して意図(いと)したわけではなかったのである。

 

 - - - ( # ^ . ^ # )

 

 まさか怪物鳥(かいぶつどり)が舞(ま)い降(お)りてくるとは、思(おも)っていなかった。通過(つうか)していくと予想(よそう)して向(む)きを変(か)えようとしていた者(もの)は、完全(かんぜん)に意表(いひょう)をつかれた。

 

 深海棲艦(しんかいせいかん)たちの集結(しゅうけつ)している水辺(みずべ)に向(む)かって、突風(とっぷう)が吹(ふ)いた。怪物鳥(かいぶつどり)の羽(は)ばたきと着水(ちゃくすい)で、嵐(あらし)の日(ひ)の波(なみ)が岩(いわ)にぶつかったような水(みず)しぶきがあがった。

 

 視界(しかい)は、海水(かいすい)で覆(おお)われた。轟音(ごうおん)の中(なか)であちらこちらから悲鳴(ひめい)が聞(き)こえているのは、湧(わ)きあがった波(なみ)に飲(の)み込(こ)まれ、流(なが)された者(もの)がいるからだろう。

 

 そして。

 

 ようやく回復(かいふく)した視界(しかい)の先(さき)には、翼(つばさ)を広(ひろ)げた……怪物鳥(かいぶつどり)、でいいのだろうか? 

 翼(つばさ)の先(さき)には鋭(するど)くて長(なが)い爪(つめ)が四本(よんほん)ずつ伸(の)び、それだけを見(み)ると甲殻類(こうかくるい)か蜘蛛(くも)の足(あし)のようだ。

 

 もっとも、観察(かんさつ)している暇(ひま)はなかった。もはや鳥(とり)とは呼(よ)べない鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)は、目(め)の前(まえ)にいる深海棲艦(しんかいせいかん)にクチバシを伸(の)ばしたのだ。

 

「距離(キョリ)ヲトレ!! 」

 

 リコリス棲姫(せいき)が叫(さけ)ぶより早(はや)く、駆逐艦(くちくかん)と軽巡洋艦(けいじゅんようかん)数体(すうたい)が飲(の)み込(こ)まれた。それ以外(いがい)の者(もの)たちは急(いそ)いでクチバシの届(とど)かない距離(きょり)まで離(はな)れると、全砲門(ぜんほうもん)を鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)に向(む)けて撃(う)ち込(こ)んだ。

 

 爆発音(ばくはつおん)が周囲(しゅうい)に満(み)ち、砲煙(ほうえん)がなびく。上空(じょうくう)からまだ爆弾(ばくだん)を投下(とうか)していなかった攻撃機(こうげきき)と戦闘機(せんとうき)が攻撃(こうげき)に加(くわ)わった。

 

 しかし、その攻撃(こうげき)を無視(むし)するかのように煙(けむり)の中(なか)から鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)が姿(すがた)を現(あら)わした。砲撃(ほうげき)を続(つづ)けながら逃(に)げようとしている軽巡棲姫(けいじゅんせいき)がクチバシにすくわれ、たちまち体内(たいない)へと消(き)えていく。

 鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)の腹(はら)が大(おお)きく膨(ふく)れ上(あ)がったかと思(おも)った次(つぎ)の瞬間(しゅんかん)、口(くち)から突風(とっぷう)のような息(いき)が吐(は)き出(だ)された。

 

 深海棲艦(しんかいせいかん)たちには、それが何(なに)を意味(いみ)するかはすぐにわかった。艤装(ぎそう)が、解(と)かれたことで空気(くうき)に戻(もど)り、鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)の喉(のど)を通(とお)って出(で)て行(い)ったのだ。

 

 息絶(いき)たえたのか、気絶(きぜつ)したのか。艤装(ぎそう)を解(と)かねばならない理由(りゆう)があったのか。

 それはまったくわからない。

 

 その一部始終(いちぶしじゅう)を見(み)ていた深海棲艦(しんかいせいかん)たちの頭(あたま)の中(なか)には、敵(てき)ではなく餌(えさ)と認識(にんしき)されている、という考(かんが)えが浮(う)かんだ。高(たか)かった士気(しき)はたちまち下(さ)がり、怯(おび)えた表情(ひょうじょう)を見(み)せる者(もの)も出始(ではじ)めている。

 

「皆(ミンナ)、聞(キ)ケ! 」

 

 リコリス棲姫(せいき)が大声(おおごえ)で叫(さけ)んだ。

 

「以前(イゼン)、私(ワタシ)ハ『だるびーでぃぼ』ノ記録映像(キロクエイゾウ)ガ役(ヤク)ニ立(タ)タント言(イ)ッタナ! アレハ撤回(テッカイ)スル! 」

 

 全(すべ)ての者(もの)が目(め)の前(まえ)の惨状(さんじょう)を忘(わす)れてリコリス棲姫(せいき)を見(み)つめた。

 

「コレカラ見本(ミホン)ヲ見(ミ)セル! ──コウヤルンダヨ! 」

 

 リコリス棲姫(せいき)はそう叫(さけ)ぶと憤怒(ふんぬ)にも似(に)た表情(ひょうじょう)で自分(じぶん)の艤装(ぎそう)である滑走路(かっそうろ)を引(ひ)きはがし──引(ひ)きはがしたのだ。信(しん)じられないことだが。

 

 そして、そのまま鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)に突(つ)っ込(こ)んで行(い)くと、直前(ちょくぜん)で腰(こし)を落(お)として噛(か)もうとしてくる鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)のクチバシをかわした。右足(みぎあし)を大(おお)きく右斜(みぎなな)め前(まえ)に踏(ふ)み込(こ)み、左肩(ひだりかた)に乗(の)せるようにして持(も)っていた滑走路(かっそうろ)を力(ちから)いっぱいに鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)のクチバシめがけて叩(たた)きつける。

 

 金属(きんぞく)と硬(かた)いものがぶつかるような凄(すさ)まじい音(おと)が響(ひび)き、叩(たた)きつけた滑走路(かっそうろ)の一部分(いちぶぶん)がほぼ直角(ちょっかく)に捻(ね)じ曲(ま)がった。

 

 リコリス棲姫(せいき)はためらうことなく滑走路(かっそうろ)を逆方向(ぎゃくほうこう)に振(ふ)って、二撃目(にげきめ)を叩(たた)き込(こ)む。

 

 鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)の体高(たいこう)も体長(たいちょう)も、リコリス棲姫(せいき)の十倍(じゅうばい)はある。倒(たお)れることこそなかったが、頭(あたま)が急(きゅう)に振(ふ)り回(まわ)されたことで、ほんの少(すこ)しではあるがよろめいた。

 

 航空基地(こうくうきち)による攻撃(こうげき)──たぶん、言葉(ことば)のうえでは間違(まちが)ってはいない。打撃(だげき)を与(あた)えているという点(てん)についても、軍事(ぐんじ)に詳(くわ)しい人(ひと)が普通(ふつう)に想像(そうぞう)する光景(こうけい)とは似(に)ても似(に)つかないとは思(おも)うが、きっと間違(まちが)ってはいない。

 

 格闘技(かくとうぎ)ならば凶器攻撃(きょうきこうげき)にあたるのではないかと言(い)われても、そもそも先(さき)ほどからずっと航空機(こうくうき)や砲(ほう)を使用(しよう)して攻撃(こうげき)しているのだから、何(なに)を今(いま)さらという話(はなし)になってしまう。

 

 指摘(してき)すべきはそこじゃないという指摘(してき)には全(まった)くそのとおりだと答(こた)えるしかないが、絶望(ぜつぼう)すら覚(おぼ)えていた深海棲艦(しんかいせいかん)たちの思考(しこう)を停止(ていし)させてしまったのは確(たし)かであった。

 

 声(こえ)なのか咆哮(ほうこう)なのかすらわからない叫(さけ)びをあげながら、艤装(ぎそう)したリコリス棲姫(せいき)が腰(こし)かけている怪物(かいぶつ)のようなものがリコリス棲姫(せいき)の後(あと)を追(お)い、鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)に体当(たいあ)たりした。

 

 ──もうこうなってくると記(しる)している側(がわ)も混乱(こんらん)してしまうので、ここからは鳥(とり)のような怪物(かいぶつ)を怪物(かいぶつ)と記(しる)し、鬼級(おにきゅう)や姫級(ひめきゅう)が艤装(ぎそう)を展開(てんかい)した時(とき)に出現(しゅつげん)する怪物(かいぶつ)のようなものの総称(そうしょう)を深海魔獣(しんかいまじゅう)と記(しる)すことにする。

 また、棲鬼(せいき)と棲姫(せいき)のそれぞれが出現(しゅつげん)させている怪物(かいぶつ)のようなものについては、例(たと)えばリコリス棲姫(せいき)であれば、リコリス魔獣(まじゅう)と表記(ひょうき)していく。

 

 あくまでもこの文章中(ぶんしょうちゅう)で使用(しよう)する仮称(かしょう)であって、正式(せいしき)な呼(よ)び方(かた)ではないことは承知(しょうち)していただきたい──

 

 リコリス棲姫(せいき)とリコリス魔獣(まじゅう)の戦(たたか)いぶりは、怪物(かいぶつ)を相手(あいて)に生(い)き抜(ぬ)く方法(ほうほう)を示(しめ)しているかのようだった。少(すく)なくとも、その場(ば)にいる深海棲艦(しんかいせいかん)たちにはそう見(み)えた。

 

「オ前(マエ)タチハ援護(エンゴ)ヲ続(ツヅ)ケロ! 」

 

 指揮下(しきか)の部隊(ぶたい)にそう言(い)い置(お)いて突(つ)っ込(こ)んで行(い)ったのは南方棲鬼(なんぽうせいき)だった。

 

 怪物(かいぶつ)がリコリス棲姫(せいき)たちとの戦(たたか)いに注意(ちゅうい)がそれている間(あいだ)にその側面(そくめん)に回(まわ)り込(こ)むと、かかとより下(した)を目(め)がけて艤装(ぎそう)で体当(たいあ)たりする。

 

 怪物(かいぶつ)が小(ちい)さく呻(うめ)いてバランスを崩(くず)した。その隙(すき)をついて、リコリス魔獣(まじゅう)に持(も)ち上(あ)げられたリコリス棲姫(せいき)が、手(て)にした滑走路(かっそうろ)を脳天(のうてん)に向(む)けて振(ふ)り下(お)ろす。

 一層(いっそう)大(おお)きな怪物(かいぶつ)の咆哮(ほうこう)が周囲(しゅうい)に響(ひび)き渡(わた)った。

 

 もしかしたら、倒(たお)せるかも知(し)れない。「だるびーでぃぼ」のように……は、戦(たたか)うのはやめておこう。

 何(なん)となくではあるが。

 

 決心(けっしん)のついた深海棲艦(しんかいせいかん)たちが、次々(つぎつぎ)と怪物(かいぶつ)に向(む)かって突(つ)っ込(こ)んで行(い)った。

 

 - - - ( $ ・ ・ ) / ~ ~ ~

 

 水平線(すいへいせん)の近(ちか)くに浮(う)かぶ雲(くも)の下(した)が朝日(あさひ)に照(て)らされるより前(まえ)に、偵察機(ていさつき)が夜間(やかん)の装備(そうび)なしで「グロスマン」を視認(しにん)した。場所(ばしょ)は、最初(さいしょ)にその姿(すがた)を認(みと)めた地点(ちてん)から北西(ほくせい)の方向(ほうこう)。

 前日(ぜんじつ)よりも鎮守府(ちんじゅふ)に近寄(ちかよ)っており、あと半日(はんにち)もあれば鎮守府(ちんじゅふ)を視認(しにん)できる距離(きょり)に到達(とうたつ)してしまう。

 

 それは仕方(しかた)のないことかもしれない。

 

「グロスマン」が、深海棲艦(しんかいせいかん)が所持(しょじ)するレーダーよりも優(すぐ)れた探知機器類(たんちききるい)を搭載(とうさい)している可能性(かのうせい)もあるし、明石(あかし)の発明品(はつめいひん)に効果(こうか)があったかどうかは確認(かくにん)のしようがない。

 

 つまり、千歳(ちとせ)たちが攻撃(こうげき)を受(う)ける前(まえ)から鎮守府(ちんじゅふ)のある島(しま)を発見(はっけん)していたかもしれないのだ。

 

 千歳(ちとせ)たちの努力(どりょく)に意味(いみ)があったかどうかもわからないということになるが、無事(ぶじ)に帰(かえ)ってきたことを良(よ)しとすべきであろう。

 

 戦艦(せんかん)、巡洋艦(じゅんようかん)、駆逐艦(くちくかん)で編成(へんせい)された迎撃(げいげき)艦隊(かんたい)は前進(ぜんしん)を続(つづ)けた。双方(そうほう)の速度(そくど)に変化(へんか)がなければ、昼食(ちゅうしょく)を終(お)えたころに互(たが)いを視認(しにん)することになる。

 それまでの間(あいだ)も、偵察機(ていさつき)と艦隊(かんたい)からは何度(なんど)も「グロスマン」との交信(こうしん)を試(こころ)みていた。その返答(へんとう)は──

 

「偵察機(ていさつき)の通信内容(つうしんないよう)に従(したが)い回避行動(かいひこうどう)! 」

 

 前日(ぜんじつ)と同様(どうよう)、砲弾(ほうだん)のようなものの発射(はっしゃ)であった。

 

 ことここに至(いた)っては、「グロスマン」は自動(じどう)で動(うご)き続(つづ)ける機械(きかい)のようなもので、手持(ても)ちの手段(しゅだん)では意思(いし)の疎通(そつう)は不可能(ふかのう)──と判断(はんだん)するしかなくなった。鎮守府(ちんじゅふ)への接近(せっきん)を阻止(そし)するために、前進(ぜんしん)を続(つづ)けていた艦隊(かんたい)は戦闘態勢(せんとうたいせい)をとった。

 

 砲撃(ほうげき)と雷撃(らいげき)の準備(じゅんび)が整(ととの)えられた。後方(こうほう)で待機(たいき)していた空母(くうぼ)からも、戦闘機(せんとうき)と爆弾(ばくだん)や魚雷(ぎょらい)を搭載(とうさい)した攻撃機(こうげきき)が出撃(しゅつげき)した。

 

 しかし、このままでは砲撃(ほうげき)と雷撃(らいげき)で交戦(こうせん)した艦隊(かんたい)が「グロスマン」と戦闘(せんとう)を始(はじ)めてから航空機(こうくうき)が戦場(せんじょう)に到着(とうちゃく)することになる。それまで回避(かいひ)に徹(てっ)するという手(て)もあるが、それだと「グロスマン」の攻撃(こうげき)を受(う)け続(つづ)けることになる。

 

 さらに言(い)うならば、「グロスマン」がどのような攻撃(こうげき)をしてくるかがわからないのだから、最初(さいしょ)の一撃(いちげき)が致命傷(ちめいしょう)ということもあり得(え)る。その一方(いっぽう)で、相手(あいて)の攻撃(こうげき)をすべてかわして致命的(ちめいてき)な一撃(いちげき)を与(あた)えればいいという考(かんが)え方(かた)もあって……

 

 

 金剛(こんごう)は、迎撃艦隊(げいげきかんたい)にすれ違(ちが)いながら交戦(こうせん)し、その後(あと)に到着(とうちゃく)する航空機(こうくうき)の攻撃(こうげき)で「グロスマン」の進路(しんろ)が変(か)わらなければ、反転(はんてん)してその後方(こうほう)から追跡(ついせき)するよう指示(しじ)を出(だ)した。「グロスマン」を阻止(そし)できない場合(ばあい)は、防衛艦隊(ぼうえいかんたい)と挟(はさ)み撃(う)ちにするつもりだった。

 

 - - - ( ‘ ; ’ )

 

 深海棲艦(しんかいせいかん)たちと怪物(かいぶつ)は、肉弾戦(にくだんせん)を交(まじ)えた戦(たたか)いを始(はじ)めていた。

 

「だるびーでぃぼ」のようなイカレ……「特殊(とくしゅ)な訓練(くんれん)」をしていたわけではないので、肉弾戦(にくだんせん)で十分(じゅうぶん)な効果(こうか)を与(あた)えているとは言(い)い難(がた)いが、それなりに組織的(そしきてき)な戦(たたか)い方(かた)ができるようになっている。

 

 飛行場姫(ひこうじょうき)は空母(くうぼ)オ級(きゅう)らとともに、怪物(かいぶつ)と戦(たたか)っている最中(さいちゅう)の鬼級(おにきゅう)や姫級(ひめきゅう)の航空機(こうくうき)を収容(しゅうよう)し、次(つぎ)の出撃準備(しゅつげきじゅんび)を急(いそ)がせている。

 

 防空棲姫(ぼうくうせいき)は距離(きょり)をとり、近(ちか)くにいた巡洋艦(じゅんようかん)たちを集(あつ)めて砲撃専門(ほうげきせんもん)の援護部隊(えんごぶたい)を編成(へんせい)した。

 怪物(かいぶつ)が肉弾戦(にくだんせん)を繰(く)り広(ひろ)げている仲間(なかま)を攻撃(こうげき)しようとする度(たび)に主砲(しゅほう)で首(くび)から上(うえ)を狙(ねら)い、砲煙(ほうえん)を起(お)こして視界(しかい)を奪(うば)おうとしている。

 

 集積地棲姫(しゅうせきちせいき)は偶然(ぐうぜん)視界(しかい)に入(はい)った港湾棲姫(こうわんせいき)を呼(よ)び止(と)めて、補給(ほきゅう)の手伝(てつだ)いをするよう催促(さいそく)した。港湾棲姫(こうわんせいき)が戸惑(とまど)っているうちに北方水姫(ほっぽうすいき)が北方棲姫(ほっぽうせいき)と北方棲妹(ほっぽうせいまい)を連(つ)れてきて、二体(にたい)を手伝(てつだ)うように言(い)いつけると自(みずか)らは怪物(かいぶつ)に向(む)かって駆(か)けていった。

 

 それを見(み)た北方棲姫(ほっぽうせいき)と北方棲妹(ほっぽうせいまい)は自分(じぶん)たちも怪物(かいぶつ)相手(あいて)に戦(たたか)いたいと抗議(こうぎ)するものの、北方水姫(ほっぽうすいき)の言(い)い分(ぶん)を理由(りゆう)に拒否(きょひ)する集積地棲姫(しゅうせきちせいき)と、手伝(てつだ)うよう頼(たの)み込(こ)んだりなだめたりする港湾棲姫(こうわんせいき)に従(したが)って補給(ほきゅう)の準備(じゅんび)を手伝(てつだ)っている。ただ、時々(ときどき)頭(あたま)を寄(よ)せて小声(こごえ)で話(はな)し合(あ)っている様子(ようす)から察(さっ)するに、何(なに)かを企(たくら)んでいるようでもある。

 

 駆逐古鬼(くちくこき)、駆逐水鬼(くちくすいき)、駆逐棲姫(くちくせいき)は残(のこ)っている駆逐艦(くちくかん)を集(あつ)めて三隊(さんたい)に分(わ)け、各自(かくじ)がそれぞれを率(ひき)いて一撃離脱(いちげきりだつ)を繰(く)り返(かえ)している。狙(ねら)いを翼(つばさ)と尻尾(しっぽ)に絞(しぼ)って、主砲(しゅほう)で羽(はね)に穴(あな)を空(あ)け、あるいは信管(しんかん)を抜(ぬ)いた魚雷(ぎょらい)で叩(たた)き落(お)としている。

 鳥(とり)のたたき……と、言(い)いたいところだが、怪物(かいぶつ)と化(か)しているのが残念(ざんねん)と言(い)えば残念(ざんねん)だ。

 

 食(く)われた者(もの)もいる。戦艦(せんかん)タ級(きゅう)と南方棲鬼(なんぽうせいき)は、密着(みっちゃく)して砲撃(ほうげき)していたところを頭(あたま)を振(ふ)った怪物(かいぶつ)に弾(はじ)き飛(と)ばされ、たて続(つづ)けに飲(の)み込(こ)まれた。

 

 怪物(かいぶつ)はさらに重巡棲姫(じゅうじゅんせいき)に襲(おそ)いかかろうとして、大(おお)きくよろけた。腹(はら)のあたりが奇妙(きみょう)に膨(ふく)らんだり凹(へこ)んだりしている。

 飲(の)み込(こ)まれた深海棲艦(しんかいせいかん)たちが、なおも砲撃(ほうげき)を続(つづ)けているのだ。

 

 重巡(じゅうじゅん)ネ級(きゅう)と離島棲姫(りとうせいき)がそれを見(み)て、怪物(かいぶつ)に走(はし)り寄(よ)った。

 




体格差の設定より書きたいことを優先させたので、そこをきちんと考えるとおかしいところが出てくると思います。シリアスに寄せる場合は大きさや動きを調整してください。

飛行甲板(物理)があるなら、滑走路(物理)もアリかなと。などと思いつつ魚雷を空から降らせるのはやめたので、そのあたりのこだわりは結構適当です。

一番の問題は、強敵に突っ込んでいく勇敢な主人公を思わせるシーンで頭に浮かんでいたのが一部で「このすばセイバー」とか呼ばれているアレな表情だったことなのですが、そこはまあ、都合よく忘れておいてください。
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