艦これキャラの登場するモンスター・パニック作品を作ってみた   作:垂直離着陸式扇風機

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第十二話「まあね、フィクションだしね」

 もうしばらくすれば戦闘(せんとう)が始(はじ)まるという時(とき)になって、提督(ていとく)どころか貴益(たかます)の居場所(いばしょ)をどうするかも考(かんが)えてなかったことに、全員(ぜんいん)が今(いま)さらのように気(き)がついた。

 

 この場(ば)にデ・ロイテル(De・Ruyter)がいれば、「やっばーい」を連発(れんぱつ)していたであろうことは容易(ようい)に想像(そうぞう)がつくくらいグダグダな状況(じょうきょう)であるが。さらに騒(さわ)ぎを大(おお)きくしそうな音(おと)が、天幕(てんまく)の外(そと)から聞(き)こえてきた。

 

「提督(ていとく)! 提督(ていとく)! やりました! やりましたよ! 」

 

 走(はし)り込(こ)んできた明石(あかし)が息切(いきぎ)れを起(お)こしながら、途切(とぎ)れ途切(とぎ)れに言(い)った。

 

「えーと、何(なに)が起(お)きたの? 」

「大型建造(おおがたけんぞう)です! もうこの際(さい)だと思(おも)って試(ため)したら……」

 

 提督(ていとく)の質問(しつもん)に答(こた)える明石(あかし)の後(うし)ろで、別(べつ)の艦娘(かんむすめ)が呼吸(こきゅう)を整(ととの)えていた。しばらくして、ポニーテイル状(じょう)に茶色(ちゃいろ)の髪(かみ)をまとめなおし、白地(しろじ)のワンピースのシワを伸(の)ばした艦娘(かんむすめ)が穏(おだ)やかに、

 

「失礼しますね(Excuse me)、皆さん(everyone)」

 

 と、言(い)い、全員(ぜんいん)のいる所(ところ)まで近寄(ちかよ)ってから、

 

「こんにちは(Hello)! 航空母艦(こうくうぼかん)、サラトガ(Saratoga)です。提督(ていとく)、サラとお呼(よ)びくださいね。よろしくお願(ねが)いします」

 

 と、他(ほか)の鎮守府(ちんじゅふ)でもそうしているであろう挨拶(あいさつ)をした。惚(ほ)れ惚(ぼ)れするくらいに美(うつく)しい敬礼(けいれい)だ。

 

 ──この世界(せかい)において鎮守府(ちんじゅふ)の工廠(こうしょう)にある建造施設(けんぞうしせつ)というのは、空想科学小説(くうしょうかがくしょうせつ)とやらに登場(とうじょう)する空間跳躍装置(くうかんちょうやくそうち)のような役割(やくわり)を果(は)たしている。あるいは、開(あ)けるとそこに別(べつ)の空間(くうかん)が広(ひろ)がっている箱(はこ)のようなものだと説明(せつめい)したほうがわかるかも知(し)れない。

 

 資源(しげん)を用(もち)いることで本国(ほんごく)の工廠(こうしょう)と直接(ちょくせつ)つながって、艦娘(かんむすめ)や装備(そうび)などが鎮守府(ちんじゅふ)に送(おく)られて来(く)る。赴任(ふにん)や配達(はいたつ)に比(くら)べると来(く)るまでにかかる時間(じかん)は短(みじか)いものの、誰(だれ)が、あるいは何(なに)が来(く)るかは、試(ため)してみないとわからない。建造(けんぞう)、大型建造(おおがたけんぞう)、開発(かいはつ)……全(すべ)てにおいて、だ。

 

 だからと言(い)って、赴任(ふにん)や配達(はいたつ)ならば望(のぞ)みどおりの誰(だれ)かが、あるいは何(なに)かがやって来(く)るとは限(かぎ)らない。このため、解体(かいたい)と呼(よ)ばれる方法(ほうほう)で本国(ほんごく)に戻(もど)ってもらうことになる。

 

 ここで言(い)うところの解体(かいたい)とは、 “返却(へんきゃく)”に類(るい)する方法(ほうほう)であって文字通(もじどお)りにバラバラにするわけではないのだが、装置(そうち)が作動(さどう)している時(とき)にそ(・)れ(・)を連想(れんそう)させるような音(おと)が出(で)るために、そちらのほうで定着(ていちゃく)してしまっている。

 

 妖精(ようせい)さんが関(かか)わることは、このように便利(べんり)なのか不便(ふべん)なのかわからないものが多(おお)いのだ──

 

 大型建造(おおがたけんぞう)でやって来(き)たサラトガ(Saratoga)が見事(みごと)な敬礼(けいれい)をしているのに対(たい)して、された側(がわ)は無言(むごん)でサラトガ(Saratoga)を見(み)つめている。

 

「あの、申(もう)しわけないのですが……」

 

 ようやくにして、吹雪(ふぶき)が口(くち)を開(ひら)いた。そして、

 

「提督(ていとく)はこちらです……」

 

 と、貴益(たかます)に敬礼(けいれい)しているサラトガ(Saratoga)に、皆(みんな)の背後(はいご)に隠(かく)れるかたちになっていた提督(ていとく)を、手(て)のひらで指(さ)し示(しめ)した。

 

 - - - ( ( + _ + ) )

 

 怪物(かいぶつ)は、目(め)の前(まえ)に倒(たお)れ込(こ)んできたレ級(きゅう)を逃(のが)すつもりはなかった。飢(う)えを満(み)たしたいという欲望(よくぼう)のまま、レ級(きゅう)をくわえて飲(の)み込(こ)もうとする。

 

 閉(と)じようとするクチバシが途中(とちゅう)で止(と)まった。レ級(きゅう)がクチバシの先(さき)で逆立(さかだ)ちをしているような恰好(かっこう)で踏(ふ)ん張(ば)り、喉(のど)の奥(おく)に落(お)ちまいと抵抗(ていこう)している。

 

 怪物(かいぶつ)は首(くび)を上下(じょうげ)左右(さゆう)に振(ふ)り回(まわ)して、レ級(きゅう)を胃(い)に落(お)とそうと暴(あば)れる。手(て)が滑(すべ)るか力(ちから)が尽(つ)きれば、たちまち飲(の)み込(こ)まれてしまうだろう。

 

 その様子(ようす)を見(み)て、海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)が怪物(かいぶつ)に駆(か)け寄(よ)った。怪物(かいぶつ)の間合(まあ)い直前(ちょくぜん)で左右(さゆう)に別(わか)れ、それぞれが連(つ)れている魔獣(まじゅう)の艤装(ぎそう)を引(ひ)きはがすと、クチバシの根元(ねもと)目掛(めが)けて思(おも)い切(き)り叩(たた)きつける。

 

 レ級(きゅう)ばかりか海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)の艤装(ぎそう)もクチバシにくわえる状態(じょうたい)になった怪物(かいぶつ)は、どうにかして口(くち)を閉(と)じようと試(こころ)みるものの、挟(はさ)まった艤装(ぎそう)が引(ひ)っかかって動(うご)かすこともままならない。

 

 それを見(み)た海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)は、素早(すばや)く反転(はんてん)してクチバシの先(さき)のほうに向(む)いた。互(たが)いの腕(うで)を交差(こうさ)させるようにして、レ級(きゅう)の腹(はら)にラリアットの要領(ようりょう)で腕(うで)の内側(うちがわ)を叩(たた)き込(こ)む。

 

 何(なに)が普通(ふつう)なのかは記(しる)している側(がわ)にも容易(ようい)に判断(はんだん)できかねるが、普通(ふつう)ならば反応(はんのう)もできないまま直撃(ちょくげき)を受(う)けていたことだろう。

 この戦艦(せんかん)レ級(きゅう)は、そうではなかった。

 

 集団(しゅうだん)を率(ひき)いる能力(のうりょく)はともかく、個体(こたい)レベルでの戦闘(せんとう)の才能(さいのう)は、他(た)の深海棲艦(しんかいせいかん)に勝(まさ)っていた。天才(てんさい)と言(い)っていいくらいだ。

 

 海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)が腕(うで)を腹(はら)にぶつけるのに合(あ)わせて、腹(はら)以外(いがい)の力(ちから)を全(すべ)て抜(ぬ)いた──上半身(じょうはんしん)も下半身(かはんしん)も、風(かぜ)になびく布(ぬの)のように後方(こうほう)へと折(お)れ、怪物(かいぶつ)のクチバシに引(ひ)っかかることなく、あっさりと脱出(だっしゅつ)に成功(せいこう)する。

 それだけにとどまらず、素早(すばや)く叩(たた)き込(こ)まれた両腕(りょううで)をつかんで腰(こし)の方(ほう)へとずらしていく。

 

「ク……ン! 」

 

 力(ちから)を振(ふ)りしぼって腕(うで)の位置(いち)をずらしたことで、肩(かた)を支点(してん)にしてそれより下半身側(かはんしんがわ)が落下(らっか)を始(はじ)める。海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)の腕(うで)と、レ級(きゅう)の腹(はら)の間(あいだ)にできた空間(くうかん)が広(ひろ)がっていく。

 

 レ級(きゅう)は開(ひら)いた両足(りょうあし)を、腕(うで)の外側(そとがわ)から上半身(じょうはんしん)に引(ひ)きつけた。尻尾(しっぽ)をしならせて腰(こし)の後(うし)ろまで持(も)ち上(あ)げ、体(からだ)が水面(すいめん)に届(とど)く直前(ちょくぜん)まで待(ま)つ。

 手(て)を離(はな)し、両足(りょうあし)で海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)の腕(うで)を蹴(け)り、海面(かいめん)に尻尾(しっぽ)を打(う)ちつける。レ級(きゅう)はこれをほぼ同時(どうじ)に行(おこな)った。

 

 後方宙返(こうほうちゅうがえ)りの要領(ようりょう)で体(からだ)をしならせる。怪物(かいぶつ)の位置(いち)を確認(かくにん)する。着水(ちゃくすい)する足(あし)を曲(ま)げて腰(こし)を落(お)とし、体(からだ)を半回転(はんかいてん)させながら怪物(かいぶつ)に向(む)かって疾走(しっそう)する。

 

 怪物(かいぶつ)の喉(のど)の下(した)に入(はい)り込(こ)んだ。海峡夜棲姫(かいきょうよるせいき)の叩(たた)きつけた艤装(ぎそう)を両手(りょうて)でつかんだ。身動(みうご)きの取(と)れなくなった怪物(かいぶつ)の喉(のど)に頭(あたま)を押(お)しつけた。

 

 尻尾(しっぽ)を持(も)ち上(あ)げ、その先(さき)についた砲(ほう)を怪物(かいぶつ)の口(くち)にねじ入(い)れる。レ級(きゅう)の口元(くちもと)が、肉食獣(にくしょくじゅう)が獲物(えもの)を狙(ねら)う時(とき)のように動(うご)く。

 

「クタバレェ!! 」

 

 叫(さけ)び声(ごえ)とともに轟音(ごうおん)と爆風(ばくふう)を響(ひび)かせ、砲弾(ほうだん)が怪物(かいぶつ)の頭(あたま)に向(む)けて発射(はっしゃ)された。

 

 - - - ( * ^ - ^ * )

 

 鎮守府(ちんじゅふ)のある島(しま)の東端(とうたん)に、防衛艦隊(ぼうえいかんたい)が集結(しゅうけつ)していた。

 旗艦(きかん)を務(つと)めるのは、霧島(きりしま)。迎撃艦隊(げいげきかんたい)の旗艦(きかん)を金剛(こんごう)にしたから、という理由(りゆう)でそう決(き)まったのだ。

 

「で……最終的(さいしゅうてき)には、朝雲(あさぐも)が全部(ぜんぶ)決(き)めた、と? 」

「そうなんですよー。朝雲姉(あさぐもねえ)は、とてもかっこよかったんですよ~」

 

 無邪気(むじゃき)な笑顔(えがお)で返答(へんとう)する山雲(やまぐも)に、霧島(きりしま)はため息(いき)をついた。額(ひたい)にあてた人差(ひとさ)し指(ゆび)と中指(なかゆび)を伸(の)ばし、右手(みぎて)の、人差(ひとさ)し指(ゆび)で額(ひたい)を何度(なんど)も叩(たた)く。

 

「だって、しょうがなかったの! 話(はなし)、いつまでも終(お)わらないし! 」

「それは……朝雲(あさぐも)が正(ただ)しいわね……」

 

 陸奥(むつ)が、朝雲(あさぐも)の言葉(ことば)に納得(なっとく)の表情(ひょうじょう)を浮(う)かべている。

 

 明石(あかし)がサラトガ(Saratoga)を連(つ)れてきたことで、作戦所(さくせんじょ)の雰囲気(ふんいき)は一気(いっき)に悪化(あっか)した。吹雪(ふぶき)と大淀(おおよど)が、最強(さいきょう)の深海棲艦(しんかいせいかん)ですら逃(に)げ出(だ)しそうなほどの威圧感(いあつかん)を全身(ぜんしん)に漂(ただ)よわせながら大型建造(おおがたけんぞう)をしていた明石(あかし)に説明(せつめい)を求(もと)めたのだが、提督(ていとく)がそれを許可(きょか)したと聞(き)いて追及(ついきゅう)の矛先(ほこさき)が提督(ていとく)に向(む)いたのだ。

 

 内容(ないよう)が二転三転(にてんさんてん)して優先順位(ゆうせんじゅんい)も方向性(ほうこうせい)もわからなくなったやり取(と)りは、耐(た)えられなくなった朝雲(あさぐも)が全(すべ)てを仕切(しき)ったことでようやく終止符(しゅうしふ)をうった。そうでなければ、「グロスマン」が至近距離(しきんきょり)に来(く)るまでずっと空回(からまわ)りの会話(かいわ)が続(つづ)いていたかも知(し)れない。

 

「それで、提督(ていとく)と“彼(かれ)”は? 」

「提督(ていとく)は大淀(おおよど)さんが、“彼(かれ)”は神州丸(しんしゅうまる)さんが運(はこ)ぶことになって──」

「大淀(おおよど)さんが、提督(ていとく)を空母(くうぼ)の集結場所(しゅうけつばしょ)に連(つ)れて行(い)ったよ」

 

 話(はなし)の先(さき)を促(うなが)すガングート(Гангут)に、吹雪(ふぶき)と響(ひびき)が説明(せつめい)を続(つづ)けた。

 

「ふうむ……後(あと)は、サラトガ(Saratoga)……サラと明石(あかし)……」

「サラさんは提督(ていとく)と一緒(いっしょ)に行(い)ってもらって、明石(あかし)さんには工廠(こうしょう)が動(うご)かないようにしてから提督(ていとく)に合流(ごうりゅう)するよう伝(つた)えたわ」

 

 考(かんが)え込(こ)むガングート(Гангут)にそう答(こた)えたところで、朝雲(あさぐも)は少(すこ)し顔(かお)をしかめた。

 

「あ……言(い)い方(かた)、まずかったかも……」

 

 不思議(ふしぎ)そうな顔(かお)をしている皆(みんな)に、朝雲(あさぐも)は気(き)まずそうに言葉(ことば)を続(つづ)けた。

 

「明石(あかし)さんのことだから、動(うご)かないように壊(こわ)すまではしないと思(おも)うけど……」

「さすがにそれはないと思(おも)うにゃし! 」

「うん、いくら明石(あかし)さんでも、それはしないよー」

 

 睦月(むつき)と望月(もちづき)はそう言(い)ったが、ポーラ(Pola)、鬼怒(きぬ)、タシュケント(Тошкент)、雪風(ゆきかぜ)、時津風(ときつかぜ)はそれぞれなりの仕草(しぐさ)で考(かんが)え込(こ)んでいる。これが後(のち)の伏線(ふくせん)、あるいはフラグというものになるかは、その時(とき)になれば明(あき)らかになるであろう。

 

「あれ? 」

 

 鬼怒(きぬ)が、何(なに)かに気(き)づいたように顔(かお)をわずかにしかめた。

 

「全艦(ぜんかん)に向(む)けての電文(でんぶん)ですね~」

 

 ポーラ(Pola)の言葉(ことば)に、全員(ぜんいん)が内容(ないよう)を解読(かいどく)しようと神経(しんけい)を集中(しゅうちゅう)した。

 

 

 空母(くうぼ)たちの集結場所(しゅうけつばしょ)は出撃(しゅつげき)の喧噪(けんそう)が過(す)ぎ去(さ)って、今(いま)は静(しず)かになっている。

 

 提督(ていとく)、大淀(おおよど)、サラトガ(Saratoga)が、赤城(あかぎ)、加賀(かが)、隼鷹(じゅんよう)、鳳翔(ほうしょう)、千歳(ちとせ)、秋津洲(あきつしま)に合流(ごうりゅう)した。それと前後(ぜんご)して、全艦(ぜんかん)に向(む)けて青葉(あおば)から「じゅうじゅんようかん(重巡洋艦) に(二) くちくかん(駆逐艦) いち(一) べつこうどう(別行動)をとる」と電文(でんぶん)が入(はい)った。

 先(さき)に届(とど)いていた迎撃艦隊(げいげきかんたい)からの電文(でんぶん)と合(あ)わせると、損傷(そんしょう)の大(おお)きい艦(かん)に救助(きゅうじょ)した妖精(ようせい)さんたちを乗(の)せて暗号(あんごう)で記(しる)された海域(かいいき)に向(む)かう、と判断(はんだん)できた。

 

 提督(ていとく)は話(はなし)を聞(き)きおわると、空母(くうぼ)と水上機母艦(すいじょうきぼかん)たちに作戦(さくせん)を説明(せつめい)し、航空機(こうくうき)を発艦(はっかん)させた。上空(じょうくう)を警戒(けいかい)、守備(しゅび)するわずかな直掩機(ちょくえんき)と偵察機(ていさつき)の他(ほか)は、全機(ぜんき)が別(べつ)の場所(ばしょ)に移動(いどう)した。

 

「ごめんねー、サラ。来(き)てもらって最初(さいしょ)の出撃(しゅつげき)が鎮守府(ちんじゅふ)になって」

「気にしないでください(Don't worry about it)、提督(Admiral)」

 

 サラトガ(Saratoga)はそう返答(へんとう)したが、言動(げんどう)の端々(はしばし)から戸惑(とまど)っている様子(ようす)が感(かん)じとれる。それもそうだろう。

 

 この世界(せかい)の知識(ちしき)と艦(かん)の記憶(きおく)のような何(なに)かのとおりならば、大型建造(おおがたけんぞう)で着任(ちゃくにん)すれば、そこで待(ま)っているのは深海棲艦(しんかいせいかん)との戦(たたか)いのはずだった。は(・)ず(・)だ(・)っ(・)た(・)のだ。

 

 それがいざ着任(ちゃくにん)してみると、鎮守府(ちんじゅふ)にいたのは何(なに)かにつけて危(あぶ)なっかしい提督(ていとく)。ちなみに今(いま)の提督(ていとく)は、大淀(おおよど)が背負(せお)う背負子(しょいこ)にボースン・チェア(boatswain's chair)──船乗(ふなの)りが使用(しよう)する椅子(いす)のようなものを取(と)りつけたものに紐(ひも)で固定(こてい)されて、大淀(おおよど)の肩(かた)の辺(あた)りに座(すわ)っている。

 肩車(かたぐるま)でないのは何(なに)かのこだわりなのか、必要(ひつよう)があっての措置(そち)なのか。容易(ようい)に判断(はんだん)がつきにくい。

 

 戦(たたか)う相手(あいて)は深海棲艦(しんかいせいかん)、ではない。写真(しゃしん)で見(み)ても、説明(せつめい)を聞(き)いても理解(りかい)しづらい「グロスマン」なるパンケーキを重(かさ)ねたような物体(ぶったい)である。

 

 最初(さいしょ)に命(めい)じられた任務(にんむ)は、他(た)の空母(くうぼ)との合流(ごうりゅう)──編成(へんせい)してから出撃(しゅつげき)すると教(おそ)わっていたのだが。

 

 最初(さいしょ)に搭載(とうさい)している航空機(こうくうき)を出(だ)した先(さき)は、鎮守府(ちんじゅふ)の飛行場(ひこうじょう)──深海棲艦(しんかいせいかん)を攻撃(こうげき)するのだと思(おも)っていたが。

 

 そして、これを着用(ちゃくよう)するようにと手渡(てわた)されたのは「ああるみこおと」なる代物(しろもの)……もはや何(なん)なのかすらわからない。

 

 冷静(れいせい)さを保(たも)っているというよりは、脳(のう)の処理(しょり)が追(お)いついていない、と言(い)うほうが正(ただ)しいに違(ちが)いない。

 




怪物のクチバシを果物に変えて、くわえられたレ級を上下逆にしたら、サザエさんのタマと同じ構図なのではないかと、書いた後で気がつきました。

レ級が宙に舞うまでの動きを感覚的に説明すると、「グッとしがみついて、ガッと踏んばって、ダンッと飛ぶ」あるいは、「せーの、おりゃっ!」で終わります。実写版トムとジェリーで見たような気がするので、映像化するときは別のアングルやカットにしたほうがいいですよね。

尻尾がそれほど強くないか尻尾がついてない場合は、腕から落ちる時に体を横にひねって、両手両足をついて着水すると同時に前を向いてダッシュするのもいいですが、スパイダー・ウォーク(エクソシストという映画で出てきた歩き方)で突っ込んでいくとインパクトと気持ち悪さとネタ度が上がって、それもまたアリかな、と。
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