艦これキャラの登場するモンスター・パニック作品を作ってみた   作:垂直離着陸式扇風機

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第八話「シリアスを装う気力には個人差がある」

「砲撃(ホウゲキ)、開始(カイシ)! 」

 

 リコリス棲姫(せいき)が命令(めいれい)を告(つ)げると、主力部隊(しゅりょくぶたい)の深海棲艦(しんかいせいかん)たちは待(ま)ってましたとばかりに砲撃(ほうげき)を開始(かいし)した。

 主砲(しゅほう)、副砲(ふくほう)……あきらかに威力(いりょく)が足(た)りないはずの対空砲(たいくうほう)までをも使用(しよう)して、リコリス棲姫(せいき)の指示(しじ)した方向(ほうこう)に砲弾(ほうだん)を叩(たた)き込(こ)む。

 

 駆逐艦(くちくかん)の部隊(ぶたい)が発射(はっしゃ)したよりも大(おお)きく、はるかに大量(たいりょう)の砲弾(ほうだん)が怪物鳥(かいぶつどり)のいる空間(くうかん)に向(む)かって飛(と)んでいく。

 

 怪物鳥(かいぶつどり)は、数(かず)はともかく威力(いりょく)までは想像(そうぞう)できなかったのだろう。明(あき)らかに驚愕(きょうがく)だとわかる鳴(な)き声(こえ)をあげて、急角度(きゅうかくど)で離(はな)れていく。

 

「シズミナサイ! 」

 

 戦艦棲姫(せんかんせいき)の言葉(ことば)に同意(どうい)したかのように、一斉(いっせい)に歓声(かんせい)があがった。怪物鳥(かいぶつどり)は、今(いま)まで飛(と)んできた進路(しんろ)を引(ひ)き返(かえ)すようにして去(さ)っていく。

 

 興奮(こうふん)が冷(さめ)るころには、駆逐艦(くちくかん)たちは主力部隊(しゅりょくぶたい)が開(あ)けた空間(くうかん)で補給(ほきゅう)を受(う)け取(と)っていた。駆逐古鬼(くちくこき)は、抱(だ)きかかえられていた駆逐水鬼(くちくすいき)から主力部隊(しゅりょくぶたい)が砲撃(ほうげき)した直後(ちょくご)に飛(と)び降(お)りていて、今(いま)は受(う)け取(と)った燃料(ねんりょう)を一心不乱(いっしんふらん)に飲(の)み込(こ)んでいる。

 

 リコリス棲姫(せいき)は、静(しず)かにその様子(ようす)を見(み)ていた。怪物鳥(かいぶつどり)がほとんど傷(きず)らしい傷(きず)を受(う)けていないことに気(き)がついてはいるが、それを口(くち)にしてはいなかった。

 

 一般(いっぱん)向(む)けの映像(えいぞう)であれば説明(せつめい)のために誰(だれ)かに向(む)けて話(はなし)をする場面(ばめん)なのであろうが、そうでないのならそうする必要(ひつよう)もないと決(き)めているかのようだった。

 怪物鳥(かいぶつどり)が飛(と)び去(さ)った理由(りゆう)についても、日没(にちぼつ)が近(ちか)くなったことに気(き)がついたからであろうと見当(けんとう)をつけていたが、もちろんそれも口(くち)にしていなかった。

 

 しばらくしてから言(い)ったのは、

 

「コノママ島(シマ)ニ向(ム)カウゾ! 」

 

 と、いうことのみ。

 

 怪物鳥(かいぶつどり)が島(しま)をねぐらにしているかどうかに関係(かんけい)なく、陸上型(りくじょうがた)の鬼級(おにきゅう)と姫級(ひめきゅう)が艤装(ぎそう)を展開(てんかい)できる場(ば)で待(ま)ち受(う)ければいい。何(なに)より、自分(じぶん)も存分(ぞんぶん)に暴(あば)れられる。

 そう思(おも)っているかのようだった。

 

 - - - ( ^ ) o ( ^ )

 

「お~に~お~こぉ~! ぷんぷん! もう! おこだよ、おこ! 」

 

 鬼怒(きぬ)がひたすら喚(わめ)きたてている。

 

「提督(ていとく)は鬼(おに)! 絶対(ぜったい)に鬼(おに)! 深海棲艦(しんかいせいかん)より鬼(おに)だぁ゛ぁ゛ぁ゛っ!! 」

「いい加減(かげん)静(しず)かにしなさい! 」

 

 千歳(ちとせ)の口調(くちょう)にもかなりの怒(いか)りがこもっている。

 

「そうは言(い)うけどね! 『こうげき(攻撃)をさ(避)けつつちんじゅふ(鎮守府)からはな(離)れたところにゆうどう(誘導)せよ』なんてムチャクチャだよ! 弾丸(たま)大(おお)きいんだよ! 命中(めいちゅう)したら終(お)わりじゃない! 」

「そこを当(あ)たらないように何(なん)とかするの! 」

「んにゃぁ゛ぁ゛ぁ゛~~!! 」

 

 根本的(こんぽんてき)なところで話(はなし)が通(つう)じてないが、鬼怒(きぬ)もこうすることが必要(ひつよう)であることは認(みと)めている。鎮守府(ちんじゅふ)からの命令(めいれい)が届(とど)いた時(とき)に千歳(ちとせ)が説明(せつめい)しているのだ。

 

「このまままっすぐ鎮守府(ちんじゅふ)に戻(もど)ったら場所(ばしょ)が知(し)られるだけでなく、迎(むか)え撃(う)つ準備(じゅんび)を整(ととの)える時間(じかん)が短(みじか)くなるわ。燃料(ねんりょう)がなくなるギリギリまで粘(ねば)るわよ──」

 

 と。

 

 そう伝(つた)えていた。

 

「いや、わかってるよ! ちゃんと理解(りかい)してるよ! けど──」

 

 鬼怒(きぬ)は唐突(とうとつ)にしゃべるのをやめて急角度(きゅうかくど)で方向転換(ほうこうてんかん)した。千歳(ちとせ)、時津風(ときつかぜ)、雪風(ゆきかぜ)もそれぞれ違(ちが)う方向(ほうこう)に進路(しんろ)を変(か)える。

 

 はるか彼方(かなた)から飛(と)んできた砲弾(ほうだん)は、時津風(ときつかぜ)の右後方(みぎこうほう)に落下(らっか)して水柱(みずばしら)を上(あ)げる。円形(えんけい)に拡(ひろ)がったすさまじい水(みず)しぶきを、砂浜(すなはま)に打(う)ち寄(よ)せる波(なみ)であるかのように避(さ)けていく。

 適度(てきど)に散開(さんかい)し、不規則(ふきそく)に進路(しんろ)を変(か)えながら合流(ごうりゅう)し、再(ふたた)び海上(かいじょう)の一点(いってん)を目指(めざ)す。

 

「──聞(き)いてる!? 」

「はいはい。聞(き)いてる、聞(き)いてる」

 

 生返事(なまへんじ)をする千歳(ちとせ)に構(かま)うことなく、鬼怒(きぬ)は文句(もんく)を続(つづ)ける。

 

「攻撃(こうげき)してくるのが、『おこの(好)みや(焼)きをいくえ(幾重)にもかさ(重)ねてうみ(海)にう(浮)かべたがごときかたち(形)なり』って何(なに)!? 何(なに)を見(み)たらそういう報告(ほうこく)になるの!? 」

 

 これには千歳(ちとせ)も天(てん)を仰(あお)いだ。

 

「ねえ! 雪風(ゆきかぜ)はわかる!? 」

「全然(ぜんぜん)わかりませんっ!! 」

 

 いっそ清々(すがすが)しいくらい元気(げんき)な声(こえ)で雪風(ゆきかぜ)が返答(へんとう)した。

 おそらくは緊張(きんちょう)、疲労(ひろう)、予想(よそう)すらできなかった状況(じょうきょう)の非現実感(ひげんじつかん)などが変(へん)な方向(ほうこう)に作用(さよう)した結果(けっか)なのだろう。そうでないとは思(おも)いたくないが。

 

「時津風(ときつかぜ)は!? 」

「わかんないよー! 」

 

 時津風(ときつかぜ)は、なげやり気味(ぎみ)に鬼怒(きぬ)に返事(へんじ)をする。こちらのほうは、雪風(ゆきかぜ)とは別(べつ)の方向(ほうこう)に心(こころ)が飛(と)んでしまったに違(ちが)いない。

 

「偵察妖精(ていさつようせい)さんがそう報告(ほうこく)してきたんだから、言葉(ことば)どおりに理解(りかい)するしかないわ」

「理解(りかい)できるの!? 」

「いいえ!! 」

 

 言(い)うと同時(どうじ)に千歳(ちとせ)は進路(しんろ)を変更(へんこう)し、他(た)の三人(さんにん)も順次(じゅんじ)別々(べつべつ)の方向(ほうこう)に舵(かじ)を切(き)る。

 

 ──弾着観測(だんちゃくかんそく)という射撃方法(しゃげきほうほう)がある。その説明(せつめい)をどこかからここに引(ひ)き写(うつ)すよりも、元(もと)の説明(せつめい)を確認(かくにん)していただいたほうがよほど信頼(しんらい)できるであろうからここでは説明(せつめい)を省(はぶ)くが、そういう方法(ほうほう)があるのだ。

 

 しかし、千歳(ちとせ)たちの砲撃(ほうげき)は届(とど)かないのだから、偵察機(ていさつき)はそのために発進(はっしん)したのではない。

 砲撃(ほうげき)してくる相手(あいて)の正体(しょうたい)を確認(かくにん)し、撃(う)つ方向(ほうこう)とタイミングを知(し)るために送(おく)り出(だ)したのだ。

 

 撃(う)ち落(お)とされる危険(きけん)はあったが、幸(さいわ)いなことに遠方(えんぽう)から視認(しにん)している現状(げんじょう)においては、対空砲(たいくうほう)で追(お)い払(はら)われてはいなかった。

 

 その正体(しょうたい)は完全(かんぜん)に想定(そうてい)の範囲外(はんいがい)だったのだが──

 

 鎮守府(ちんじゅふ)では、現像(げんぞう)されたばかりの写真(しゃしん)を見(み)ている全員(ぜんいん)が頭(あたま)を抱(かか)えていた。

 

 千歳(ちとせ)たちの艦隊(かんたい)と潜水艦(せんすいかん)たちには命令(めいれい)を、それ以外(いがい)の出撃(しゅつげき)した艦隊(かんたい)には帰還(きかん)を伝(つた)えた後(あと)に提督(ていとく)が提案(ていあん)したのは、鎮守府(ちんじゅふ)からも偵察機(ていさつき)を出(だ)すというものだった。

 

 写真撮影(しゃしんさつえい)も必要(ひつよう)かと質問(しつもん)したのは吹雪(ふぶき)。

 

「ライブ映像(えいぞう)は撮(と)れないんですか? 」

 

 と、意外(いがい)そうに言(い)ったのは貴益(たかます)。

 

「え? ライブ映像(えいぞう)って何(なに)? 」

 

 と、逆(ぎゃく)に質問(しつもん)したのは提督(ていとく)だった。

 

「いや……ですから、今(いま)どこかで起(お)きていることをここで見(み)る……」

「へー、君(きみ)のいた世界(せかい)って便利(べんり)なものがあるんだねー」

「提督(ていとく)、今(いま)はこちらの世界(せかい)のことを優先(ゆうせん)してください」

 

 貴益(たかます)の説明(せつめい)に興味津々(きょうみしんしん)の提督(ていとく)に、吹雪(ふぶき)が大淀(おおよど)のような忠告(ちゅうこく)をした。

 

 それはさておき、鎮守府(ちんじゅふ)から千歳(ちとせ)の報告(ほうこく)があった方角(ほうがく)に向(む)けて、目標(もくひょう)に接触(せっしょく)して逐一(ちくいち)報告(ほうこく)を送(おく)る役目(やくめ)の偵察機(ていさつき)と、写真(しゃしん)を撮影(さつえい)し次第(しだい)戻(もど)ってくる偵察機(ていさつき)の二機(にき)が大急(おおいそ)ぎで発進(はっしん)した。

 貴益(たかます)の言(い)う“ライブ映像(えいぞう)”とやらを送(おく)る機械(きかい)はないし、映像(えいぞう)を表示(ひょうじ)する装置(そうち)もない。撮影(さつえい)したカメラを持(も)ち帰(かえ)って現像(げんぞう)する以外(いがい)の方法(ほうほう)がないので、二機(にき)飛(と)ばす必要(ひつよう)があったのだ。

 

 別(べつ)の任務(にんむ)も与(あた)えられている。目標(もくひょう)が、意思(いし)の疎通(そつう)ができる相手(あいて)なのかを確認(かくにん)することだ。

 そのために光(ひかり)の明滅(めいめつ)で通信内容(つうしんないよう)を伝(つた)える信号灯(しんごうとう)と、文章(ぶんしょう)を書(か)いた紙(かみ)の入(はい)った通信筒(つうしんとう)が搭載(とうさい)された。

 

 両機(りょうき)はひたすら道中(どうちゅう)を急(いそ)ぎ、そ(・)れ(・)と接触(せっしょく)した──鎮守府(ちんじゅふ)と千歳(ちとせ)たちを含(ふく)む全艦隊(ぜんかんたい)に「おこの(好)みや(焼)き」うんぬんという報告(ほうこく)が送(おく)られたのがこの時(とき)だ。

 

 両機(りょうき)は無線(むせん)と信号灯(しんごうとう)での交信(こうしん)を試(こころ)み、さらにそ(・)れ(・)に向(む)かって通信筒(つうしんとう)を投下(とうか)した。

 しかしそ(・)れ(・)は応答(おうとう)することなく、千歳(ちとせ)たちの艦隊(かんたい)に向(む)かって砲弾(ほうだん)のようなものを発射(はっしゃ)し続(つづ)けている。

 

 発射(はっしゃ)の方法(ほうほう)も砲撃(ほうげき)とは違(ちが)っていた。そ(・)れ(・)から出(で)てきた球状(きゅうじょう)の塊(かたまり)を、砲弾(ほうだん)ではなく「ハンマー投(な)げ」のように回転(かいてん)させて発射(はっしゃ)しているのだ。

 

 さすがの妖精(ようせい)さんも、これにはさぞかし困惑(こんわく)したことだろう。

 

 ただ、困惑(こんわく)してばかりもいられないため、写真(しゃしん)を撮影(さつえい)する偵察機(ていさつき)は危険(きけん)を覚悟(かくご)でそ(・)れ(・)に急接近(きゅうせっきん)してその姿(すがた)と攻撃方法(こうげきほうほう)を撮影(さつえい)すると、きびすを返(かえ)して鎮守府(ちんじゅふ)に舞(ま)い戻(もど)った。

 もう一機(いっき)はそ(・)れ(・)との距離(きょり)を保(たも)ちながら、塊(かたまり)が発射(はっしゃ)される時(とき)と方角(ほうがく)を発信(はっしん)し続(つづ)けている。

 

 この間(かん)に鎮守府(ちんじゅふ)では、長距離砲撃(ちょうきょりほうげき)について知(し)りたいということで、待機中(たいきちゅう)の戦艦(せんかん)たちが作戦室(さくせんしつ)に集(あつ)められていた。

 そして今(いま)、現像(げんぞう)したばかりの写真(しゃしん)が届(とど)けられたのだが──

 

「それで……これをどう思(おも)われますか? 」

 

 吹雪(ふぶき)の質問(しつもん)に誰(だれ)も返答(へんとう)できないまま困(こま)り果(は)てている。

 

「うん、まあ……確(たし)かに報告(ほうこく)は間違(まちが)ってないけど……」

 

 首(くび)を傾(かし)げたまま提督(ていとく)がつぶやく。

 

「大(おお)きさは、だいたい我々(われわれ)の十五倍(じゅうごばい)……いや、もっとあるようだが……」

 

 ガングート(Гангут)は額(ひたい)を右手(みぎて)で軽(かる)く叩(たた)き、そこまで言(い)ってところで口(くち)ごもる。

 

「栗のお菓子(Mont Blanc aux marrons)を撮影(さつえい)したと言(い)われても信(しん)じそうだわ……」

 

 リシュリュー(Richelieu)も表現(ひょうげん)に困(こま)るという表情(ひょうじょう)をしている。

 

「砲弾(ほうだん)というより岩(いわ)の塊(かたまり)デスネー、この大(おお)きさ……」

 

 砲弾(ほうだん)らしきものと、写真(しゃしん)の隅(すみ)に貼(は)られた長(なが)さの目盛(めも)りを比較(ひかく)しながら金剛(こんごう)が言(い)う。

 

「航跡(こうせき)が確認(かくにん)できますから船(ふね)の一種(いっしゅ)であるのは確(たし)かですが……」

 

 右手(みぎて)を眼鏡(めがね)に添(そ)えた霧島(きりしま)の口調(くちょう)は、いつもよりも歯切(はぎ)れが悪(わる)い。

 

「それで、これはいったい何(なん)なのかしら? 」

 

 陸奥(むつ)の言葉(ことば)で、全員(ぜんいん)が再(ふたた)び頭(あたま)を悩(なや)ませ始(はじ)めた。

 

 残(のこ)りの面々(めんめん)も、何(なに)を言(い)えばいいかわからないまま、こめかみに手(て)を当(あ)てたり首(くび)をひねったりしている。

 

 砲撃(ほうげき)らしきことをしているそ(・)れ(・)の外見(がいけん)からしてこうなのだ。撃(う)ち出(だ)しているものどころか、そ(・)れ(・)自体(じたい)の見当(けんとう)がつかないのも当然(とうぜん)のことであろう。

 

「よし、正体(しょうたい)を考(かんが)えるのはあきらめよう」

 

 しばらくの沈黙(ちんもく)の末(すえ)に提督(ていとく)がきっぱりと言(い)った。

 

「鎮守府(ちんじゅふ)を発見(はっけん)されないことが最優先(さいゆうせん)。やってきたらどうにかして追(お)い払(はら)う。大事(だいじ)なものは安全(あんぜん)そうなところに隠(かく)す……ああっと、夜用(よるよう)の装備(そうび)をした偵察機(ていさつき)を出(だ)して……あとは……」

「千歳(ちとせ)たちの艦隊(かんたい)に補給(ほきゅう)が必要(ひつよう)デース。補給(Supply)は大切(たいせつ)ネー! 」

 

 考(かんが)え込(こ)んでいる提督(ていとく)に、金剛(こんごう)が人差(ひとさ)し指(ゆび)を立(た)ててアドバイスをした。

 

「あー、確(たし)かに……そんなところかなー」

「はい……」

 

 提督(ていとく)よりは深刻(しんこく)な表情(ひょうじょう)で吹雪(ふぶき)がうなずいた。

 

「ですが、相手(あいて)はこの鎮守府(ちんじゅふ)で一番(いちばん)大(おお)きな建物(たてもの)と同(おな)じくらいの大(おお)きさです。攻撃(こうげき)されると……」

「深海棲艦(しんかいせいかん)に攻撃(こうげき)されるよりも被害(ひがい)が出(で)そう? 」

 

 吹雪(ふぶき)は提督(ていとく)の質問(しつもん)に無言(むごん)でうなずいた。

 

「そっかー……壊(こわ)れたら本国(ほんごく)が最新式(さいしんしき)の施設(しせつ)を建(た)ててくれるといいんだけどなー」

 

 提督(ていとく)は、どこまでも深刻(しんこく)さとは無縁(むえん)な口調(くちょう)でつぶやいた。

 

 - - - ( ^ ^ ) _ U ~ ~

 

 異変(いへん)で現(あらわ)れた島(しま)に怪物鳥(かいぶつどり)が戻(もど)ってきた。

 

 木(き)が生(は)えてないこの島(しま)には、巣(す)をつくる材料(ざいりょう)がない。そもそも、その巨大(きょだい)な体(からだ)を隠(かく)すような場所(ばしょ)がない。

 

 怪物鳥(かいぶつどり)は周囲(しゅうい)より盛(も)り上(あ)がった岩場(いわば)に降(お)りると、大(おお)きな岩(いわ)に体(からだ)を寄(よ)せてうずくまった。この日(ひ)のねぐらをここと決(き)めたようだ。

 

 怪物鳥(かいぶつどり)の喉(のど)の奥(おく)から出(で)ている音(おと)は、疲労(ひろう)のためか、怒(いか)りのせいか。猛獣(もうじゅう)の鳴(な)き声(こえ)を何倍(なんばい)も大(おお)きくしたような激(はげ)しさだ。

 

 不意(ふい)にその声(こえ)が一段(いちだん)と大(おお)きくなった。そして息(いき)とは違(ちが)う音(おと)が。

 骨(ほね)がきしむような、折(お)れるような。激(はげ)しい音(おと)が周(まわ)りに響(ひび)き渡(わた)り、やがて静(しず)かになった。

 

 - - - ( 一 一 )

 

 鎮守府(ちんじゅふ)から出撃(しゅつげき)した艦隊(かんたい)は、順次(じゅんじ)帰還(きかん)を果(は)たした。そ(・)れ(・)についての説明(せつめい)と対策(たいさく)を聞(き)くと、それぞれに準備(じゅんび)や休息(きゅうそく)を始(はじ)めた。

 

 潜水艦(せんすいかん)たちは、島(しま)の周辺海域(しゅうへんかいいき)からやや鎮守府(ちんじゅふ)に戻(もど)った付近(ふきん)に移動(いどう)した。発見(はっけん)されたそ(・)れ(・)以外(いがい)の何(なに)かや深海棲艦(しんかいせいかん)に対(たい)する警戒(けいかい)を続(つづ)けながら、次(つぎ)の命令(めいれい)を待(ま)つ。

 

 千歳(ちとせ)たちの艦隊(かんたい)は、夕闇(ゆうやみ)が空(そら)を覆(おお)うまで待(ま)ってから一気(いっき)に速度(そくど)を上(あ)げてそ(・)れ(・)との距離(きょり)をとった。千歳(ちとせ)たちと合流(ごうりゅう)するために出撃(しゅつげき)した補給艦(ほきゅうかん)と護衛(ごえい)についた駆逐艦(くちくかん)は、もうすぐ予定(よてい)の海域(かいいき)に到着(とうちゃく)する。

 

 鎮守府(ちんじゅふ)からは夜用(よるよう)の装備(そうび)をした偵察機(ていさつき)が時間(じかん)を置(お)いて発進(はっしん)し、交代(こうたい)しながらそ(・)れ(・)の上空(じょうくう)で偵察(ていさつ)を続(つづ)けている。その報告(ほうこく)によると、既(すで)に砲撃(ほうげき)……のようなことをやめていたそ(・)れ(・)は、速度(そくど)を維持(いじ)したままなおも移動中(いどうちゅう)とのことだった。

 




「艦隊これくしょんの世界に巨大な鳥とロボットを出して戦わせてみよう」と思って鳥のほうは鷹、始祖鳥、空の大怪獣ラドン、プテラクーダなどを、ロボットのほうはブリキのおもちゃ、ロボットパルタ、宇宙ロボットキングジョーなどを参考にしながら適当に作っていたはずなのですが……

ロボットが深い海を移動する方法を考えているうちに変えたのは確かなのですが、どうしてこうなってしまったのか自分でもわかりません。
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