「えっ、享也は次の日に新潟へ。」
と、歩夢は享也に言った。
「ああ、次の日に高岡で特急に乗って新潟へ行く事になったんだ。」
「そうなのか。」
「ああ。」
「じゃあ、古城公園へ行った後はお別れね。」
「ああ、仕方がないよ。」
と、享也は言った。
そう言って、歩夢たちは高岡古城公園へやって来た。
高岡古城公園とは、高岡市街地のほぼ中心に位置するこの公園は、加賀前田家2代当主前田利長が築いた高岡城の城跡を、明治以来公園として開放したものです。1615年の一国一城令により廃城となりましたが、美しい水堀や土塁は残され、約21万平方メートルの広大な城跡公園となり、四季それぞれに鮮やかな自然美を見せてくれます。公園内には、工芸都市高岡ならではの芸術の森や博物館、動物園などがあり、豊かな自然とともに、心なごむ憩いの場として人々に愛され続けています。桜の名所としても知られ、高岡市街の散策、観光にぴったりの人気スポットです。
「うわー、美しいわ。」
「本当ね。」
「うん。」
高岡駅
「それじゃ、気を付けてな。」
「ああ。」
「又あおうぜ。」
「ああ。」
享也は、高岡駅で特急に乗って彼方が待つ新潟へ向かった。
ファーン!。
と、警笛を鳴らして享也が乗った特急は高岡を発車した。
そして、歩夢と直村達は氷見線のホームへ向かった。
「これが氷見線か。」
「早速、乗ろうか。」
「うん。」
氷見線は、北陸本線から分岐するローカル線のひとつであり、富山湾岸を走る。高岡駅 - 能町駅間では万葉線高岡軌道線と並行し、伏木駅付近は工業地帯となっている。
ファーン!
陸玖と直村と風弥とゆうぽむとしずかすは、伏木駅で下車した。
越中国庁跡
「しなざかる、越に五年、住み住みて、立ち別れまく、惜しき宵かも」
と、直村は言う。
「あっ、これ知ってる、大伴家持ね。」
「おっ、歩夢よくわかったね。」
「ええ。」
「これは、少納言となって都へもどることとなった家持が、餞別のうたげで詠んだ歌なんだ。」
「へぇ。」
「家持はいろんな歌枕があるのね。」
と、しずくは言った。
勝興寺
春の苑 紅にほふ 桃の花 下照る道に 出で立つをとめ
「あっ、それ知ってる。」
「それ分るよ。」
「これはね、春の庭が紅色に美しく照り輝いています。 桃の花が木の下まで美しく照り映えた道に出てたたずむ少女よ。 この歌は、奈良時代の歌人大伴家持によって詠まれたんだよ。」
「そうなんだ。」
「私も、乙女心が分かってくるような気がするわ。」
と、侑としずくが言った。
雨晴海岸
「馬並めて いざ打ち行かな 渋谿の 清き磯廻に 寄する波見に」
「何それ。」
「これはね、家持が馬を並べて、さあ出かけよう。渋谿の清らかな磯辺に打ち寄せる波を見に。」
「ああ、家持がこの海岸へ行った時のね。」
「これが、その万葉集ね。」
「そうだよ。」
「へぇー。」
「直村君は、万葉集詳しいんだね。」
「まぁな。」
そして、翌日事件が起きた。
ところが、直村の友人が容疑者にされた。