今日も楽しく安価だ!   作:カニ漁船

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何となく分かった気になれる前回のあらすじ

レジェンドがレジェンドを呼んで助けた相手がまさかのレジェンドでそのレジェンドが協力してくれてさらにレジェンドがレジェンドを呼んでレジェンドだらけになったチキチキ☆モンゴルダービー。


安価ウマ娘と集いし仲間!

 突然だがみんなは有名なスポーツ選手に会った時どんな反応をするだろうか?多分だけど、大興奮すると思う。そりゃそうだ。テレビ越しに見ていた憧れのスター選手が自分の目の前にいるわけだからね。興奮しないわけがない。

 だけどね……。

 

 

「『え~?ピザないの~?ウチピザ食いたいんすけど』」

 

 

「『我慢してくださいシアトル先輩。これから話し合いなのですから』」

 

 

「『ほう?我を呼んだというのに貢物もなしとは……随分と』」

 

 

「『ラムタラ、なにか文句でもあるのかしら?』」

 

 

「『いえ!何も!』」

 

 

「『萎縮するぐらいならば、口にしなければよいだろうに』」

 

 

「これはこれは……中々面白き面子よのう!うむうむ、これはどでかい祭りになりそうじゃ!」

 

 

「祭りかどうかはともかく、オレは成すべきことを果たしましょう」

 

 

「タケも気合十分だねぇ。衰えていないようであたしゃ安心したよ」

 

 

「アハハ!うん、やっぱりアンカの側にいると退屈しないね。これだけのメンバーが集まるの、そうそうないよ」

 

 

「さすがは我が愛しのマイプリンセス!誰も彼もが彼女に魅了される……そう!お伽噺の妖精のように!」

 

 

 さすがに10人以上もレジェンド級が揃ったら、逆になんとも思わなくなるんだなぁ……。そんな風に思いながら、僕はこの部屋の惨状を見ていた。ちなみにトレーナー君は誰かに電話をしている。誰に電話してんだろ?

 

 

「……はい、はい。では、そう言うことで……はい、はい」

 

 

 なんかうまくまとまったみたいだ。ならいいや。

 

 

「『さて、と。ここに集められたメンバーの目的は1つ……モンゴルダービーへの出走だ。そのことは把握しているか?』」

 

 

 師匠がそう言うと、この場に集められた全員が頷いた。

 そう、ここにいるメンバーの目的は1つ……モンゴルで開催されるモンゴルダービー、それにチームで出走するために今この場に来ているのだ。初めは僕の単独出走のつもりだったんだけど、規定的にそれは無理だということが発覚。ならばと、メンバーを集めて出走しようということになった。

 師匠が集めた2人とコーチが集めた2人、そして僕が集めた3人に話を聞きつけてやってきた2人……合計12人でモンゴルダービーに挑むことになる。ここにメディカルチーム、つまりは医療班もつくから正確な人数はもうちょっと増えるけど……基本的にはこの12人で1000キロにも及ぶモンゴルダービーを走破することを目標に掲げる。

 

 

「さて、ちょいとあたしから提案なんだが……良いかい?」

 

 

「おう、シンザン。どうした?」

 

 

「いやなぁに、事は単純さぁ」

 

 

 シンザンさん……松さんは師匠にあることを提案する。

 

 

「これから同じ釜の飯を食う仲間になるわけだ……ここは1つ、自己紹介でもしないかい?」

 

 

「ふむ……」

 

 

「あたしらがどんなウマ娘か、あんたらは知っている。無論、あんたらがどんなウマ娘かもあたしらは知っている……だけど、改めて自己紹介しておくのも悪くない。そうは思わないかい?」

 

 

 松さんの言葉に、師匠とコーチは頷いた。

 

 

「それもそうだな。うし、じゃあ俺が翻訳してやろう!トップバッターは俺達がいかせてもらうぜ!」

 

 

 そして、師匠を始めとするアメリカ側の自己紹介が始まった。

 

 

「俺はセクレタリアト。アメリカの3冠ウマ娘、そして……2代目ビッグ・レッドだ。我が弟子がモンゴルダービーに出走するってんでな、俺も参加させてもらうことになった!よろしく頼むぜ、お前ら?」

 

 

 うん、最早説明不要レベルの方だよね本当。僕の師匠なのが本当に凄い巡り合わせだと思う。

 

 

「『あ~……ウチがいくか。ウチはシアトルスルー。アメリカのレースで初めて無敗の3冠を達成したウマ娘。そこにいる兎ちゃんに興味があるんでね、海を渡ってきましたよっと。ま、やるからには勝ちましょうね。気軽にシアって呼んでいいっすよ』」

 

 

「『それでは、(わたくし)ですか。私はレディーズシークレット。セクレタリアト様のお誘いもあって出走する運びとなりました。シアトル先輩とセクレタリアト様に比べれば地味ではございますが、精一杯私の務めを果たそうと思います』」

 

 

 うん、全然地味じゃないです。師匠の翻訳も交えて自己紹介が終わる。そして、次は……コーチが呼んだウマ娘達の番だ。

 

 

「それじゃ、ワタシから行きましょうか。ワタシはニジンスキー、イギリス最後のクラシック3冠ウマ娘よ。やるからには勝つ、それだけ。よろしく頼むわ」

 

 

 そして、コーチが呼んだ2人が自己紹介を始める。

 

 

「『私はトリプティク。頑強さには自信がある。モンゴルダービーは1000キロにも渡る過酷なレース……ともに乗り切ろう』」

 

 

「『クックック……!我を崇めよ!跪き、首を垂れよ!我こそは神のウマ娘……ラムタラなり!神と呼ばれた我に不可能などない!このモンゴルダービー、我がいれば勝利も同然よ!』」

 

 

「この子は調子に乗りやすい面もあるの。後若干言動が中二病臭いけど根は良い子よ」

 

 

「『ちょ!?ニジンスキー先輩!?』」

 

 

 お、おぉ……!カッコいい!自信に満ち溢れた言動……凄い!

 

 

「……む?」

 

 

 あ、ラムタラさんが僕の視線に気づいた。

 

 

「『どうした?銀の兎よ。我に何か言いたいことでもあるのか?』」

 

 

 僕はしどろもどろになりながらも答える。

 

 

「『い、いえ。自信に満ち溢れていて、()()()()()()()()()思って……』」

 

 

「ッ!?『か、カッコいい?我を、カッコいいと言ったか?』」

 

 

「『はい!カッコいいですラムタラさん!』」

 

 

 あ、ラムタラさん滅茶苦茶嬉しそうな表情してる。ムフー!とか言いそう。

 

 

「ムフー!『お前、中々見る目があるではないか!我の臣下にしてやってもよいぞ!』」

 

 

 実際に口に出してる。

 

 

「『ちなみにラムタラ。その子は現在時点でG1級を17勝してるわよ。クラシック級とジュニア級だけでね』」

 

 

「『ハッハッハ……冷静に考えておかしくないですか?ニジンスキー先輩』」

 

 

「『うん、いつ聞いても信じられねぇっすね。成績がバグってら』」

 

 

 シアトルさんにもツッコまれた!?

 

 

「さてさて、この流れで私も自己紹介をさせてもらおう!私はデイラミ!愛しのアンカのために、モンゴルダービーに出走させてもらうよ!」

 

 

「ほうほう。アンカちゃんは色んな人に好かれているねぇ。それは良いことだ」

 

 

 しっかしまぁ、デイラミさんには頭が上がらないや。デイラミさんへと視線を向けると……ウインクされた。なんか頬が赤いけど……まぁいいか。

 とまぁ。これで海外側の自己紹介が終わったわけだ。残すところは……僕達日本側だ。

 

 

「それじゃあアタシから行こうか。アタシはミスターシービー。日本の3冠ウマ娘だよ。面白そうだから来ちゃった」

 

 

「そう言えばシービー先輩、東条トレーナーの許可は?」

 

 

「安心してよアンカ。アタシを誰だと思ってるの?」

 

 

 あ、やっぱりそうですよね!ちゃんと許可取って……。

 

 

「勿論今回も無許可だよ☆」

 

 

 前言撤回!また無許可じゃねぇかこの人!?そんな風に思っていたら。

 

 

「大丈夫だよ、今しがた許可取ったから」

 

 

 トレーナーさんがスマホ片手にそう言ってきた。あ、さっきの電話ってそういうことだったんですね。

 

 

「東条トレーナーに連絡して、リギルにちょっと融通を利かせることで合意した。だからミスターシービーは問題なくモンゴルダービーに出れるよ」

 

 

「わーお、用意周到だね。アタシが来るの、分かってた感じ?」

 

 

「君が来た段階で、無許可の可能性を考えただけだよ。だから、こうして連絡を取ったってわけさ」

 

 

「まぁいいや。ありがとうねアルナイルのトレーナーさん。この恩は、モンゴルダービーの勝利を以て返すとするよ」

 

 

 シービー先輩は楽しそうにしていた。トレーナーさんは苦笑いを浮かべているけど。

 

 

「さてさて、あたしはさっきしたからねぇ。フジさんからお願いしても?」

 

 

「応!任せておけ!」

 

 

 フジさん……フジノオーさんは豪快に自己紹介を始める。

 

 

(おれ)はフジノオー!障害レースと聞けば世界を股にかけて飛んでいったウマ娘よ!ちょいとばかし、体力の必要なレースには自信があるんでね!任せてもらおうじゃねぇか!」

 

 

「次は、オレか」

 

 

 タケシバオーさんが立ち上がる。

 

 

「オレはタケシバオー。シンザン先輩の頼みもあるが……それ以上に、後輩に興味が湧いてこのモンゴルダービーに出走することを決めた。どんなバ場だろうと走れる自信がある。よろしく頼む」

 

 

 タケシバオーさんは僕をチラ見した。え?なんでしょうか?も、もしかして知らんうちに何かやってしまったのか僕!?と、とりあえず謝ったら許してくれるかな……?

 

 

「謝らなくても大丈夫さぁアンカちゃん。タケはね、アンカちゃんに興味を持っているんだよ」

 

 

「ぼ、僕に?」

 

 

「そうさね。生粋のオールラウンダー、芝だろうがダートだろうがレースと聞けば西へ東へ、どんな距離だろうがお構いなしに走るその姿……興味を持たないはずがないさね」

 

 

 あ、そういうことか……。何やったとかいうわけじゃなくて安心した。

 

 

「ほいじゃ、改めて自己紹介をしようかね。あたしはシンザン。シービーと同じでクラシック3冠ウマ娘さね。神すらも讃えたウマ娘……そう呼ばれているよ」

 

 

 松さんの自己紹介が終わる。これで全員が終わったというわけだ……僕以外。

 ……待てよ?もしかしてこれ、トリ僕になってね?……ヤダー!

 

 

「「「……」」」

 

 

「『さてさて、噂の兎ちゃんはどんな自己紹介をするんすかね?』」

 

 

 シアトルさん。

 

 

「『クレイジーラビット……この体躯で、凄まじい戦果を挙げている。見た目によらぬとはこのことだな』」

 

 

 トリプティクさん。

 

 

「『ふっ、我が臣下よ。存分に自己紹介をせよ!』」

 

 

 ラムタラさん。

 

 

「『私とそう変わらぬ体躯……親近感が湧きますわね』」

 

 

 

 レディーズシークレットさん。や、止めてくれー!?その期待の籠った視線を向けるのを止めてくれー!?

 し、仕方ねぇ!ここは腹を決めてやったらぁ!

 

 

「『アンカデキメルゼ。本来であればこのモンゴルダービーには僕が単独で出走する予定だったが……規定でそれは無理なのでな。なので、今回はみなさんにご足労をいただいた』」

 

 

「ほう」

 

 

「……」

 

 

「『ありゃ。存外普通っすね』」

 

 

「『だが、元より確実だった勝利がより強固になっただけ。このメンバーでモンゴルダービーを獲る、それだけだ』」

 

 

「……『成程。かなりの自信家のようね』」

 

 

「『自分1人でも勝てたとでも言いたげな傲慢な物言い……良い!それでこそ我が臣下よ!』」

 

 

「いや~、良い表情をするねぇアンカちゃん……競ってみたいねぇ、走ってみたいねぇ……!」

 

 

 ちょっと待って?気づいたらみんなギラギラしてない?な、なんで!?そんなにおかしいこと言った覚えないんだけど!?

 ギラギラした雰囲気の中、トレーナーさんが声を上げる。あ、あんた救世主だよ!

 

 

「そ、それじゃあ!モンゴルダービーの詳しいルールが書いてある紙を渡していきます!これはデータ化して後程送る予定ですので、向こうに帰った後でもしっかりと確認ができます」

 

 

 そのままトレーナーさんはみんなに紙を渡していく。モンゴルダービーの詳しいルールが載っていた。うんうん、ちゃんと確認しておかないと。

 

 

「……『ウチは一旦向こうに帰るか』」

 

 

「『なんだ?自宅が恋しいのか?』」

 

 

「『んなわけないっしょ。トレーニング用具とか一切持ってきてませんし。忘れもん持ってきて……こっちで鍛えるんすよ』」

 

 

「『どの道、一度は帰らねばなりません。学園に、こちらに留まる旨を伝えねばなりませんから』」

 

 

「『それもそうだな。それじゃ、シア!レディ!気合入れろよ!』」

 

 

「『当たりまえ。やるからにゃ勝つ。米国(ステイツ)の誇りにかけて……ね』」

 

 

「『当然です。それに、我らがいるのですから。勝つのは必然』」

 

 

 どうやらシアトルさん達はこっちに留まるようだ。向こうの会話を聞く限り、モンゴルダービーに出走するメンバーは全員日本に留まるんだとか。宿泊先どうするんだろ?

 そう考えていたら、シアトルさんが僕に近づいてきた。ど、どうかしたのかな?

 

 

「『やっほ、兎ちゃん』」

 

 

「『し、シアトルさん』」

 

 

「『シアでいいっすよ。それにしても……中々傲慢な自己紹介だったっすね』」

 

 

 え!?そ、そんなつもりなかったんだけど……。

 

 

「『そんなつもりは……』」

 

 

「『今度、ウチともレースしてね?……きっと、楽しいレースになるから』」

 

 

「ッ!?」

 

 

 シアさんは、獰猛な笑みを浮かべていた。でも、それも一瞬のこと。すぐに元の表情に戻る。

 

 

「『それじゃ、また会いましょうね~みなさん』」

 

 

「『それでは、失礼いたします』」

 

 

「『我らも一度帰るぞラムタラ』」

 

 

「『え?我はこっちに色々と持ってきたから帰る必要は……ちょちょちょ!?引っ張らないでくださいトリプティク先輩!?分かりました、分かりましたから!』」

 

 

 ラムタラさんはトリプティクさんに首根っこ掴まれて去っていった。割と愛されキャラなのだろうか?

 

 

「それじゃ、我らも帰るとするか!」

 

 

「そうさね。ミホに見つかる前に戻るとするか」

 

 

「それでは。また会おう」

 

 

「アタシもリギルに戻ろうかな?それじゃ、またね~」

 

 

「そ、それでは愛しのアンカよ!また会おう!」

 

 

 松さん達も帰っていった。デイラミさんは僕を見て顔を赤くしてたけど……もしかして、あのことがまだ尾を引いてる?考えないようにするか……。

 みんなが帰った後、部室内に残ったのはアルナイルのメンバーだ。

 

 

「アンカ君の人脈、どうなってるんだろうねぇ」

 

 

「分から、ない。だが、凄いことは……間違いない」

 

 

「もう、なんというか……驚いてたらキリがない気がします」

 

 

「考えたら負けです。もう驚かねー方が良いです……多分、無理だと思うですけど」

 

 

「ここにお姉様も呼んでみようかしら?」

 

 

「お止めください殿下。あの方も多忙の身ですので」

 

 

「さて……また理事長に呼ばれるんだろうな……」

 

 

「HAHAHA!こりゃ、すげぇことになったな!うん、今から楽しみだ!」

 

 

「前向きに検討してくれているようで良かったわ。それじゃ、頑張りましょうか」

 

 

「あい……」

 

 

 ちなみに普通のレースにも出走する。……とりあえず、またレースを安価するか。




スティール・ボール・ラン最高。
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