〈中央でデビューすることになったワイを安価で導くスレpart12〉
922:名無しのウマ娘 ID:vVuRrY85w
ドバイターフ安価まとめ
・戦法は追い込み
・レース前に座禅を組んで精神統一
・外ラチいっぱいに走り続ける
ついに始まったドバイワールドカップミーティング。その第7レース目、安価の出走するドバイターフもいよいよ大詰めとなっていた。
《各ウマ娘が最後の直線に入った!現在先頭を走るのは8番!しかし後方から外ラチいっぱいアンカデキメルゼ!5番のアンカデキメルゼが先頭めがけて猛追している!速い速い!瞬く間に1人、また1人と抜いていく!他のウマ娘も懸命に粘っている!残り200!アンカデキメルゼは現在3番手!だがさらに順位を上げていく!》
「頑張れー!アンカー!」
「頑張ってくださーい!アンカちゃーん!」
「ファイトデスよー!」
みんなもアンカを応援している。そして、ついにアンカが先頭に立った。そのままの勢いで駆け抜けていく。
《ここでアンカデキメルゼが先頭に躍り出た!アンカデキメルゼ先頭!後はもう突き放すだけだ!残り100を切ってアンカデキメルゼ先頭!そのまま突き離してゴールイン!アンカデキメルゼがドバイターフを制した!ドバイターフを制したのはアンカデキメルゼ!やはりこのウマ娘に敵はいない!絶対女王アンカデキメルゼはこれで年が明けてから4連勝です!》
「すっげぇー!やっぱアンカデキメルゼはとんでもねぇぜ!」
「あんだけ外回ってたのに勝てるなんて、やっぱクレイジーラビットは最高ね!」
「良いぞー!アンカデキメルゼー!」
観客席は大興奮だ。誰も彼もがアンカの勝利を祝福する。この声を聞くと、アンカがファンのみんなに愛されているのだと感じて俺も嬉しくなる。
「おめでとーう!アンカー!」
そう声援を飛ばしながら、アンカが帰って来るのを待った。
控室でレースの様子を見る。ふむ……やはり。
「アンちゃんは勝ったか。まぁ、当然よのう」
「そうだな。アンカデキメルゼの実力は抜きんでている。それは、これまでの成績で分かっていることだ」
アンちゃんの実力は飛び抜けている。肉体面・精神面……その全てにおいて、他のウマ娘よりも一線を画す実力を持っている。それは認めなければならない。
だが。
「ジャパンカップでは情けない姿を見せてしまったからな。このドバイワールドカップ……余の威光を知らしめるためにも圧倒的な勝利を得ねばなるまい」
「……ドバイミレニアム」
「心配するでない、我が先導者よ」
不安げな感情を見せるトレーナーに、余は安心させるように告げる。
「余の調子は最高潮である。友が見ておるこのレース……是が非でも獲る。それもただの勝利ではなく、見るもの全てが圧倒されるような、鮮烈な勝利を飾る。それだけのことが、余にはできる」
「そうか。なら、行ってこい」
「任せるがよい」
丁度ドバイシーマクラシックも終わったところ。次はドバイワールドカップだ。余は出走するためにレース場へと向かった。
レース場には人、人、人。大観衆である。その中には友であるアンちゃん達の姿もあった。
(アンちゃんはドバイターフを勝った。しからば、情けない姿を見せるわけにはいかぬな)
入念にストレッチを済ませて、ゲートインを済ませる。他のウマ娘達もゲートに収まり、一瞬の静寂の後……ゲートが開いた、と、同時に。余は飛び出す。
「えっ?」
「は、はやっ」
そんな声が聞こえるが、まぁよい。余はその勢いのままに駆け出す。ペースを緩めずに、そのままのペースで走る。
《さぁドバイワールドカップが今……スタートしました!これは!ドバイミレニアムが絶好のスタートを切った!まずハナを取ったのはドバイミレニアム!それにしてもすさまじい反応速度だ!ゲートが開いたのとほぼ同時!ドバイミレニアムはその身体がゲートから飛び出していた!まるでゲートが開くタイミングが分かっていたかのようなスタートだ!その勢いのままにドバイミレニアムが駆け抜けていく!一拍遅れて他のウマ娘達もドバイミレニアムに続く!先頭はドバイミレニアムです!》
そのまま後続を突き放す。他のウマ娘達もついてきている。だが……余は決して手を緩めない。
「ただ勝つだけではない。余が時代を象徴するウマ娘として相応しくあるように、全ての人々の記憶に焼きつくような鮮烈な勝利を求める。そう……アンカデキメルゼのように」
その思いを胸に、余は走る。
さて、ミレちゃんのレースが始まったわけだが……。すんごいスタートダッシュだったな。
「ゲートが開くタイミングが分かっていたかのように飛び出たわね。それほどまでに集中していた……と」
「その勢いのままに先頭を走っている。しかも……」
「まだ全然本気じゃなさそうですね、師匠」
僕の言葉に、師匠達は頷く。ミレちゃん、先頭を走ってるけど……まだまだ全然本気じゃない。むしろ、ノーマルペースに近い形な気がする。
《バックストレッチに入ってドバイミレニアムがさらに逃げる!後続を突き放してドバイミレニアムが先頭に立っている!他のウマ娘はついていくので精一杯か!?ドバイミレニアムが逃げに逃げている!前走でダート初挑戦にも関わらずレースレコードを記録した彼女!このままのペースだとさらにレコードを記録することになるぞ!?まさかまさか!このままいくつもりなのかドバイミレニアム!?》
観客席は熱狂に包まれている。誰も彼もが声援の声を飛ばしている。そんな中、僕は……先頭を走るミレちゃんを。ただジッと見ていた。
「……」
静かに見守る。レースは、第3コーナーに入っていった。
余は先頭を走る。ただの一度も先頭を譲らず、自らの力を誇示するように……余は先頭を走る。
(……さて、そろそろであるか)
まもなく第4コーナー。他の者達もスパートのためにスピードを上げ始めるであろう。ならばこそ……余もさらにギアを上げるとしよう。
「ッフ!」
なんてことはない。余はペースを崩さずに走っていた。体力もまだまだ有り余っている。ならば……ここで切るとしよう。
(ジャパンカップでの大敗は、無駄ではなかった……強者があれほどまでに一堂に会する機会というのは、そうそう得られるものではない)
おかげで、とても得難い経験ができた。かの強者達と勝負したことで……余はさらに高みへと、上の次元へと至ることができた。それを今から……証明する。
聞くところによると、
「時代を象徴するウマ娘である余が……
意識を集中させる。神経を研ぎ澄ませ、自らが最も力を発揮できる状態へと……押し上げる。
「平伏せよ──余が許す」
徐々に景色がひび割れる。
「歓喜せよ──余が許す」
永久の繁栄、終わりなき余の時代。
「祝福せよ──余が許す」
自らの威光を示すための、余の
「我が威光──余すことなく目に焼きつけよ。余が許す。そして、そなたたちの記憶に刻むがよい。そなたたちの前を走るウマ娘こそが……この時代を象徴するウマ娘!ドバイミレニアムであると!しかと刮目するがよい!」
領 域 発 現
My distant millennium empire
余はその勢いのままに走り抜ける。最後の直線に入った。
《ドバイミレニアムが第4コーナーを抜けて最後の直線に入った!ドバイミレニアムが加速する!ドバイミレニアムさらに加速!速い速い!?他のウマ娘達も必死に追走する!しかしドバイミレニアム突き放す!これは最早ウイニングランだ!これはもう確定的だ!まだ200も残っているがしかしこれはもう確定的な勝利だ!》
番狂わせなど起こさぬ。余の勝利は絶対であり、それが覆ることなどないのだ。
「余の威光をその身に刻むがよい──余が許そう」
そして、余はゴールした。
《つ、強い!これは強い!ドバイミレニアム強い!圧勝でゴォォォォォォォォルイィィィィィン!その強さをいかんなく発揮しましたドバイミレニアム!そしてタイムは……な、なんと!?1分58秒!1分58秒をマークしました!これは文句なしのレコードタイム!圧巻のレースレコードでドバイワールドカップを制しましたドバイミレニアム!これが時代を象徴するウマ娘の強さだと言わんばかりの圧勝!2着に大差をつけて勝利しましたドバイミレニアム!》
「すっげぇぇぇぇぇぇぇぇ!!??」
「あ、アンカデキメルゼも凄かったけど、ドバイミレニアムもとんでもねぇ勝ち方しやがった!?」
「さすがは我らが殿下だ!」
レース場は今日一番の歓声に包まれる。……確かに、凄かった。
「道中、先頭を一度も譲らないレース運び……まさに勝つべくして勝つ、圧倒的な強さを見せつけて勝ったわね」
「おまけに、最後のアレは
「す、凄いですミレちゃん……!」
「本当にダート2戦目なんですか!?それはそれとしておめでとうデース!ミレちゃん!」
他のみんなも口々にミレちゃんを讃えている。無論、僕も例外ではない。
「おめでとうー!ミレちゃーん!」
僕達の声援に応えるように、ミレちゃんは観客席を見据えている。そして、一礼した。その後レース場を去っていく。お、おぉ……!なんてエレガントな振る舞いなんだ……!
ドバイワールドカップミーティングは大盛況のうちに終わった。この後はミレちゃん達と勝利の宴を開いていた。
アンカデキメルゼ現時点での育成目標・シニア級
モンゴルダービーに出走するメンバーを3人集める 達成!
CFオーアステークスに出走 達成!
ライトニングステークスに出走 達成!
フューチュリティステークスに出走 達成!
ドバイターフに出走 達成!
マンノウォーステークスに出走
ゴールドカップに出走
グッドウッドカップに出走
モンゴルダービーに参加
バーデン大賞に出走
日本、阪神レース場。大阪杯が開催されている今日。その決着がついた。
《つ、強い!?圧倒的強さだテイエムオペラオー!京都記念、阪神大賞典からの大阪杯!これで3連勝!そして春シニア3冠の1冠目を手にした!クラシック級での雪辱を晴らすかのようなレースっぷり!2着アドマイヤベガはクビ差に沈みました!3着はナリタトップロード!》
「ハーッハッハッハッハ!ついに、ボクの時代が来たようだね!」
テイエムオペラオーの高笑いを聞きながら、アドマイヤベガとナリタトップロードは膝をつく。クビ差……結果だけ見ればそこまでの差はないように思える。だが、2人の胸中はそうは思っていなかった。
(い、一度たりとも抜ける気がしなかった……!)
(お、オペラオーちゃん……ここまで強く……!)
「クラシック級では苦渋を舐め続けた……だが!それももう終わりさ!」
テイエムオペラオーは、高らかに宣言する。
「ここからはボクの時代……世紀末覇王伝説が!真に始まるのさ!さぁ皆の者!ボクを讃える凱歌を響かせ、ボクの姿をしかと目に焼きつけるといい!この、テイエムオペラオーの姿を!」
テイエムオペラオーは高らかに笑う。
──日本に、世紀末覇王が君臨した。
日本も海外もどったんばったん大騒ぎ。