〈中央でデビューすることになったワイを安価で導くスレpart13〉
811:名無しのウマ娘 ID:Aa5dOS9pj
バーデン大賞安価まとめ
・戦法は破滅逃げ
・パドックでギ〇ューのポーズ(スペシャルファイティングポーズの方)
・レース後アクロバット披露
《バーデン大賞もいよいよ大詰め!日本からやってきたクレイジーラビットが逃げに逃げている!初っ端から全力で飛ばしていたクレイジーラビット、アンカデキメルゼ!後続との差は軽く10バ身以上はついているぞ!世界中でその名を知らしめているクレイジーラビットはこのドイツの舞台でも凄いレースを見せてくれているぞ!残り200!後続も懸命に上がってくるがしかしクレイジーラビットには届かない!クレイジーラビットとの差は縮まらない!》
ヤバいヤバい!流石にスタミナ切れてきた!いくらスタミナついたからって2400mを全力疾走なんてできるわけねぇんだよ!でもこんだけの差があればさすがに勝ち確でしょ!別に手を抜くつもりはないけど!
《しかしさすがにクレイジーラビットもスタミナ切れか!?ペースはさすがに下がっている!だがそれは他のウマ娘も同じだ!他のウマ娘も同様にこの破滅的ペースでスタミナが尽きかけている!そして勢いのまま今、アンカデキメルゼがゴォォォォルイン!アンカデキメルゼが大差でバーデン大賞を勝ちました!そしてアンカデキメルゼがまだまだ余力たっぷりとばかりにアクロバットを披露しています!技を決める度に一際大きな拍手と歓声がバーデンバーデンレース場を包みます!》
余力?ねぇよんなもん!でも安価をやり遂げられないのはギルティ!なのでこうしてアクロバットを決める!マジでやべぇ……ほぼ全力疾走した身体でアクロバット決めるの滅茶苦茶キツい……。
その後なんとかなってホテルに戻る。反省会という名のミーティングも済ませて、僕達はアメリカに発つ準備をする。
「それにしても、あなたも本当に無茶をするわね」
「スティール・ボール・ランの単独出走。総距離約6,000kmのアメリカ大陸の横断レースです。第2回以降はチームでの出走が義務付けられているです。そんなとこに単独での出走なんて大統領さんも大概無茶言うです」
「フッ、それだけ大統領は僕を信頼してくれているということだろう。そう!僕と神の啓示(安価)があれば単独走破も可能だということを!」
「はいはい。ま、第1回で完走したウマ娘がいるわけだから可能でしょうけどね」
「そういえばです。確かスティール・ボール・ランは年齢制限があったはずです。アンちゃんその問題はどうしたです?」
「それも問題ない。僕は大統領の特別枠だからな。年齢制限の問題はクリアしている」
コーチのプライベートジェットでアメリカへと向かう僕達。向こうでトレーナーさんと合流予定だ。合流したらコーチは日本に帰っちゃうんだけどね。タキオン達のレースのこともあるし。そういえばタキオンは無事にメイクデビューを勝ったらしい。後続に10バ身以上つける大差勝ち。
「ハーッハッハッハ!これも実験の成果だ!このまま私が目指す果てへと至ろうじゃあないか!」
なんて言ってるタキオンのレース映像が送られてきた。元気そのものである。
さ~て。アメリカ着くまでかなりの時間があるし、ベッドで寝とこ。
アンカデキメルゼ現時点での育成目標・シニア級
モンゴルダービーに出走するメンバーを3人集める 達成!
CFオーアステークスに出走 達成!
ライトニングステークスに出走 達成!
フューチュリティステークスに出走 達成!
ドバイターフに出走 達成!
マンノウォーステークスに出走 達成!
ゴールドカップに出走 達成!
グッドウッドカップに出走 達成!
モンゴルダービーに参加 達成!
ロンズデールカップに出走 達成!
バーデン大賞に出走 達成!
スティール・ボール・ランに参加
──スティール・ボール・ランの緊急記者会見。大統領による
「さて、では。今年もスティール・ボール・ランの時期が近付いてきたわけだ。今年もこの日を迎えることができたことを嬉しく思うよ」
「大統領、早速質問よろしいでしょうか?」
記者の1人が手を上げる。大統領は頷き、記者の1人は立ち上がって険しい顔つきで大統領を見つめた。
「今回のスティール・ボール・ラン、
「そうだ。私が直々に彼女に依頼した。だから、彼女の年齢制限という問題も私が特例で認めた」
「それも問題ですが……それ以上に!」
記者は、大統領を睨む。親の仇を見るような、そんな目をしていた。
「
記者の怒声。誰もが口をつぐんでいるが、気持ちは皆同じだろう。何故、アンカデキメルゼの単独出走を許したのか。そして、そのために
「彼女はまだ現役で走っている身!それに、ただでさえ年齢制限という問題もあるのに、それに加えて単独出走ですって!?何故止めなかったのですか!?」
「……」
「スティール・ボール・ランがどれだけ過酷なレースか、分かっているはずでしょう!そのためのルール改正!そのために
「
大統領は、記者の怒号を一蹴した。その場にいる全員が呆然とした表情で大統領を見る。
「まず、何故アンカデキメルゼの単独出走を許したか?これに答えよう。簡単だ、彼女自身も単独出走を希望したからだ。つまりは、これは私とアンカデキメルゼの合意のもとに決定したこと。他者である君らが口を挟む事情ではない」
「私は何故止めなかったのかを!」
「
記者から次々と大統領を非難する声が飛ぶ。ありえない、そんなことをしていいのか?良心は痛まないのか?そんな声が上がっている。
「スティール・ボール・ランは6,000kmの過酷なレース!単独走破は無理です!」
「第1回は39名の参加者が単独走破した。つまりは、決して走破できない距離ではない」
「ですが危険です!道中何があるのか分かったもんじゃありません!」
「なにかない可能性もある。たらればや憶測で決めつけるのは良くないと思うが?」
「スティール・ボール・ランは!アメリカが誇る
「先程から、おかしなことを言うな。君らは」
大統領は、失望の入り混じった瞳で記者を見下ろす。
「まず、スティール・ボール・ランは競技でもあるがそれ以上に
「い、命を懸けた冒険?」
「そうだ。貪欲なまでに勝利を求め、勝利のためにあらゆる困難に立ち向かうことを厭わず、常に挑戦し続ける気高き精神を持ちながら走るレース……それこそがスティール・ボール・ランの意義だ」
「で、ですが!それが問題視されたからこそ今のルールになったのです!それを壊そうなど……」
「くだらないことを何度も言わせるな!」
大統領の怒号。表情には怒りが見えていた。記者達は押し黙る。
「君達は!第1回のスティール・ボール・ランで何を見た!?第1回の優勝者、スローダンサーの素晴らしき走りを見て!君達は何も感じなかったのか!?」
「「「……」」」
「常に困難に挑戦し続け!強大なライバルに絶望して!それでも立ち上がり!時には死にそうになりながらも勝利を渇望し続けた彼女の姿に!君達は感動を覚えなかったのか!?」
だが、それでも非難の声が飛ぶ。
「確かにそうかもしれません……ですが!
そんな声を、大統領は受け止めて。それでもなお反論した。
「不可能だと?何故そう決めつける?」
「そ、それは……危険だから……」
「危険だと?確かにそうかもしれんな。だが、始まる前から不可能だと決めつけるな!」
大統領の一喝。国の代表として、本来のスティール・ボール・ランを愛する者としての姿がそこにあった。
「挑戦する心を忘れたスティール・ボール・ランなどスティール・ボール・ランなどではない!スティール・ボール・ランの意義は、困難に挑戦し続けることにある!だが今のスティール・ボール・ランはどうだ?開拓の心を忘れ!世間の非難の声に屈し!凡百のレースに成り下がった!挑戦することを、夢を見ることを忘れたのだ!」
拳を握り締め、己の思いのたけをぶつける大統領。
「だからこそ!私は第1回のスティール・ボール・ランを取り戻す!そのために、私はアンカデキメルゼに協力を依頼し!彼女は快く承諾してくれた!常に夢を魅せ続けてきた
不満をぶつけていた記者達。だが、気づけば記者達は大統領の演説に聞き惚れていた。
「思い出せ!我々
「で、ですが!」
1人の記者が、勇気を振り絞って大統領を見る。
「万が一、失敗した場合はどうするのですか!?アンカデキメルゼが完走できなかった場合は、どうする気ですか!?」
大統領の顔が、一気に険しくなる。万人が震えあがるような威圧感を漂わせて、大統領は答えた。
「失敗だと?そんなあるかどうかも分からない未来に対して抱くものなどない!私が見据えるのは成功だけだ!アンカデキメルゼなら成し遂げるだろうと!私はそう信じている!」
「む、無茶苦茶だ……!」
「それに、私が敬愛する大会の創始者スティーブン氏はこう言っていた!真の失敗とはッ!開拓の心を忘れ!困難に挑戦することに無縁のところにいる者達のことを言うのだとッ!ならばこそ!私はこの挑戦を恐れないッ!それはアンカデキメルゼもだ!だからこそ!諸君らも挑戦を恐れるな!挑戦することを、夢を見ることを忘れるな!それだけだッ!」
その言葉で、会見は沈黙した。
「他に質問がある者は?……どうやらいないようだな。ならば、これで会見は終了する」
大統領は踵を返して去っていく。その去り際に。
「もしアンカデキメルゼが完走できなかった場合!あなたの立場も危うくなりますよ!?」
そんな言葉が、記者から投げかけられた。その言葉を大統領は、一蹴する。
「
それだけ答えて、大統領は去っていった。
──スティール・ボール・ランの開催は、刻一刻と迫ってきている。
そういえばモンゴルダービーでシービーとスズカの後日談がありませんでしたがあの2人は短編で書こうと思っています。SBRの時にまた短編でアンケートを取ろうかなと思っています。